Core i5-7600K画像引用元:https://www.ark-pc.co.jp/

当記事では、Core i5-7600Kのスペックレビューと性能ベンチマークを検証している。Core i5-6600Kの後継モデルだ。純粋な性能では上位のCore i7-7700には及ばないながら、単コア性能では引けを取らない性能が最大の魅力だと言える。オーバークロックができるので環境次第ではパフォーマンスが引き上げられるのもポイントだ。

第7世代のCore i5シリーズ最上位モデルのCore i5-7600Kはコストパフォーマンスの優れた選択肢の一つだった。2017年1月6日発売のCPUですでに発売から5年以上が経過している。今となっては選びづらいモデルとなってしまった。後継モデルはCoffee Lake世代の「Core i5-8600K」ということだ。4コア4スレッドから6コア6スレッドへとスペックが引き上げられている。

Core i5-7600Kの概要

スペック

i5-7600Ki5-6600Ki5-8600K
プロセス14nm14nm14nm
コードネームKaby LakeSkylakeCoffee Lake
CPUコア数446
スレッド数446
定格クロック3.8GHz3.5GHz3.6GHz
最大クロック4.2GHz3.9GHz4.3GHz
L3キャッシュ容量6MB6MB9MB
対応メモリDDR4-2400DDR4-2133DDR4-2666
内蔵グラフィックスHD Graphics 630HD Graphics 530UHD Graphics 630
TDP91W91W95W
価格$217$242$257
発売日2017/01/032015/07/022017/10/05
Core i5-7600Kのスペックについて見ていこう。比較対象はSkylake世代のCore i5-6600KとCoffee Lake世代のCore i5-8600Kだ。いずれもプロセスは14nmだ。まずCore i5-7600Kの特徴として単コア性能が高いということが言える。つまり、定格クロック及び最大クロック周波数が高いということだ。Core i5-6600Kと比べて定格クロックが9%高く、最大クロックが8%高い。コア/スレッドは4コア4スレッドと変わっていない。

L3キャッシュ容量も6MBと共通だ。CPU内蔵グラフィックスがHD Graphics 530からHD Graphics 630へと少しだけ強化されている。性能差を体感することは難しい。対応メモリはDDR4-2133からDDR4-2400へと上位モデルへとアップグレードされた。メモリ周りはパフォーマンスに与える影響が大きい。TDPは91Wで変わっていない。価格差は$25と安くなったのはポイントだ。

次世代モデルのCore i5-8600Kになるとコア/スレッドがそれぞれ50%アップで6コア6スレッドとなる。マルチスレッド性能が飛躍的に向上する形だ。定格クロックはCore i5-7600Kの方が6%高く、最大クロックはCore i5-8600Kの方が3%高い。内蔵グラフィックスはHD Graphics 630からUHD Graphics 630へとアップグレードされている。メモリ規格もDDR4-2666対応となっている。TDPは5%アップで95Wとなる。価格差は$40だ。コア/スレッドが増えたことによるプレミアム価格と言えるかもしれない。

性能

corei5-7600kseinou202203

Core i5-7600Kは、Comet Lake世代のCore i3-10100よりも性能が低くゲーム適性が高いとは言えない。Core i3-10100を搭載したゲーミングPCが少ないことから想像に容易い。ゲーミングCPUとして見るのは控えた方がよいかもしれない。

6コア6スレッドになったCore i5-8600Kになると80%近くもパフォーマンスが向上している。さすがに物理コアが増えたのはメリットが大きい。上位モデルのCore i7-7700との差は20%程度だ。従来モデルのCore i5-6600Kと比べると10%程度パフォーマンスが向上している。

ゲームプレイを考えるなら上記のテーブルで10,000前後を基準にしよう。Ryzen 5 3500やCore i5-8600K以上を選択したいところだ。Alder Lake世代のCore i3-12100になるとかなり余裕が生まれる。時代の流れは残酷だ。

Core i5-7600Kの最新評価【2023年時点】

性能的には物足りなさが残る

i5-7600kgamescore
Core i5-7600Kのゲーム性能スコアは19,284だ。古めのCPUながら最低限のゲーミング性能は持っていると言えるが、今でも新品で購入できるCore i3-13100やRyzen 5 4500と比べると性能では劣る。4コア4スレッドというのはCore i3-13100Ryzen 5 4500よりも低い。Core i3シリーズでも4コア8スレッドとスペックが高い。

スコアとしては20,000を最低基準とみたいのが本音だ。ゲーミングCPUとしては力不足となることもあるだろう。マルチコアに最適化されている最新タイトルでは極端に不利になってしまう可能性も否定できない。50番台のグラフィックボードとの組み合わせを基本と考えよう。

中古での入手難易度は高い

さすがにこれだけ古いモデルになると中古で探すのが難しい。去年までは中古で20,000円前後で取引されていたが、現時点でPCショップでの在庫はないようだ。2023年12月時点でヤフオクの出品状況を見るとバルクで5,000円程度、ボックスで9,000円程度だ。ただし、Core i5-7600Kを購入するならIntel第12世代のエントリークラスであるCore i3-12100が好ましい。

当然新しいモデルの方が省電力性が高くかつ故障リスクも低い。CPU内蔵グラフィックス非搭載のCore i3-12100Fなら12,980円で購入できる。ゲーミング性能の差は大きい。ソケット「LGA1151」にこだわるなら12,980円~購入できるCore i5-9600Kがおすすめだ。倍率ロックフリーモデルにこだわりがないのであればCore i5-10400当たりも同等の予算で選択できる。

Core i5-7600Kのベンチマーク

Cinebench R15

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CPUのレンダリング性能をスコア化できるCinebench R15でパフォーマンスを見ていこう。従来モデルのCore i5-7600Kと比べるとマルチスレッド性能が6%高く、シングルスレッド性能は8%高い。それほどの伸びがないようだ。クロック周波数の引き上げだけでは大幅な性能アップは見込めない。それでもオーバークロックをすれば通常時よりも18%前後スコアが高くなる。オーバークロック前提で購入するのも悪くない。Core i7-7700Kになると40%程度スコアが高くなる。

エンコード

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動画のエンコード速度を計測している。Core i5-6600Kと比べてx264では9%高く、x265では8%高い。オーバークロックをするとその差は最大30%と大きくなる。さらにCore i7-7700Kとの差は7%-16%と差が小さい。

7-Zip

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Zipファイルの解凍及び圧縮速度を見ていこう。Core i5-6600Kと比べると解凍速度は8%高く、圧縮速度は7%高い。他のベンチマークソフトと同等だと考えてよさそうだ。オーバークロックをすれば通常時よりも10-14%高くなる。ある程度オーバークロックの余力がある。ただし、オーバークロックをしてもCore i7-7700Kとの差は大きく最大30%だ。

Core i5-7600Kのゲーミング性能

Civilization Ⅵ

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Civilization ⅥではCore i5-6600Kよりも4%程度フレームレートが高い。オーバークロックをすれば11%もフレームレートが高くCore i7-7700Kを超えるのは驚きだ。オーバークロックのポテンシャルが高い。ゲーミングCPUとして必要最低限の性能を持っていると考えてよい。

Fallout 4

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Fallout 4でもCore i5-6600Kとの差は小さく2%未満となっている。オーバークロックをしても3%程度しか伸びずCore i7-7700Kよりも2%程度劣る結果となっている。上位の数値にそれほど差がなくこれはグラフィックボード負荷の高いタイトルということだろう。

Hitman

hitmani57600k-hitman

HitmanではCore i5-6600Kとの差がほとんど出なかった。それでもオーバークロックをすれば6%程度フレームレートが高くなる。Core i7-7700KになるとCore i5-7600Kのオーバークロック時よりもさらに13%程度フレームレートが高い。Core i7シリーズの本領発揮という形だ。

Grand Theft Auto Ⅴ

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Grand Theft Auto ⅤでもCore i5-6600Kとの性能差はほとんどない。オーバークロックをしても2%程度の伸びに留まる。もっともCore i7-7700Kでもそれほどフレームレートは伸びずグラフィックボードがボトルネックとなっているのだろう。FX-8370だけワンランクパフォーマンスが落ちてしまう。この時代のAMD製CPUは大苦戦中だ。

Battlefield 1

battlefieldi57600k-battlefield1

Battlefield 1ではまずまずの結果が出ている。Core i5-6600Kと比べるとそれほどパフォーマンスは伸びていないが、オーバークロックをすればCore i7-7700Kを上回るフレームレートが出ている。Core i5-7600Kを使用するならオーバークロック前提の方がよいだろう。

Core i5-7600Kの特徴と販売当初の評価【2017年】

Core i7に匹敵する高い性能を持つ

CPUの性能自体は非常に優秀で価格もしっかり抑えられていることから、Core i7シリーズに次ぐ選択肢になり得る。性能を求めるならCore i7シリーズでコストパフォーマンスを求めるならCore i5シリーズとなる。Core i5-7600Kは、両者の特徴を持つハイブリッド型とも言える。器用貧乏・中途半端なポジションになりがちのハイブリッド型ということで不安になってしまう方も多いかもしれない。

テストプレイでは基本無料系のMMORPGでは新しい部類であってもCore i7-7700と比べてフレームレート等ほぼ違いはなかった。一方で、早期アクセスや海外の最新のゲームでは最大20%の差があった。これはマルチスレッドに対応しているゲームであるためだが、この開きは大きいようにも思う。もっとも、30%の開きがあったゲームはまだまだ不安定でCore i7-7700であっても50fpsを維持できないこともあった。

それでもこのモデルに関してはしっかりとした立ち位置を確立しているように思う。傾向的に細かく刻んだ価格は喜ばれない。確かに優れた製品ではあるが、Core i7シリーズとCore i5シリーズを搭載した同じ構成のモデルがあったとする。その時の価格さは性能を表し、価格か性能のどちらかに特化した選択となる。

Core i5-7600Kはちょうど中間に位置してしまうため、ユーザーにとっては迷いの種ともなってしまう。搭載モデルが少ないのは、「価格を抑えたいi5シリーズ」・「性能を求めたi7シリーズ」この2つの思惑が交錯しているからだろう。少なくともCore i5-7600Kは、この2つの思惑から外れてしまっている。

ゲーミングPCの搭載モデルは少ない

Core i5-7600Kは、Core i7-7700の影に隠れてしまっていてゲーミングPCの搭載モデルは非常に少ない。Core i5シリーズでありながら、価格はほどほどに性能も求めているためだ。ある意味で異端な存在であるi5-7600Kは、評価こそされているがゲーミングPCショップでの取扱は少ない。必要な際はカスタマイズを行うことで対応しなくてはならない。

「Core i7とまでは行かないまでも、優秀なCPUに変更したい」、そう考えた時に最もおすすめなCPUである。しかし、実は前モデルの第6世代からCore i5最上位モデルは頭角を現し、今ではトップクラスのパフォーマンスを持つCPUの位置付けだ。

第4世代ではCore i5-4690Kが最上位モデルであったが、性能的には一つ下のi5-4690と同等で、オーバークロックに対応しているi5-4690だった。第6世代から性能にも差が出るようになり、優秀なCPUとして生まれ変わった。惜しむらくはハイパースレッディングに対応したCore i7シリーズが一つ上にあり、価格は安いながらも見劣りしていたことだ。

第7世代になり、性能もしっかり上がったことでi7シリーズと並ぶほどにまで成長した。1年前であれば無欠の存在になれたかもしれない。ただ、マルチスレッドに対応したゲームも多く登場したことで、i7シリーズとのゲームに対する性能は開きを見せた。総合性能で見ればそこまで大きく無いが、確実に埋められない差となって現れてしまっている。

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参照サイト:INTEL CORE I5-7600K REVIEW(PCGAMER)