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今回は、ゲーミングPCに最適なメモリ容量について検証している。8GB・16GB・32GBとそれぞれのメモリ容量でゲームプレイ時のフレームレートに与える影響を見ていく。メモリ自体はCPUやグラフィックボードに比べるとそれほど表に出てくることはないパーツだが、実はメモリもそれらのパーツと同様にパソコンのコアとなる部分だと言える。

メモリの役割や重要性について気になっている方は多いだろう。ここでは特に容量に焦点を当てて見ていこう。8GBがいいのか16GBがいいのかあるいはそれ以上の容量が必要なのかと長らく疑問に思われていたことに対して結論を出す。一般的なメモリの定義や役割については、「メモリとは | パソコンパーツの基礎」を参考にして欲しい。

ゲーミングPCでは16GBが主流となった

memorysuii参考:ゲーミングPCの評判とレビュー | 紹介ゲーミングPC一覧

2023年時点でBTOパソコンを購入する場合、選択肢のほとんどが16GBとなる。2022年以降一気に割合が変わった形だ。ゲーミングノートPCでもゲーミングノートPCでもそれは変わらない。2019年頃は8GBが59.6%と過半数を占め、16GBが36.7%、32GBが3.7%とまだまだ台数が揃っていなかった。2020年頃になると8GB搭載のゲーミングPCもそれなりの数があったが、16GB搭載モデルと逆転していることがわかる。2020年当時の当サイトのデータでは、全140台の内8GBが53台(37.9%)、16GBが75台(53.6%)、32GBが12台(8.5%)だった。2021年10月では106台の内8GBが8台(9.4%)、16GBが78台(73.6%)、32GBが16台(15.1%)、64GBが2台(1.9%)となっている。

2022年4月時点では87台の内8GBが2台(2.3%)、16GBが71台(81.6%)、32GBが14台(16.1%)、64GBが0台(0%)だ。各BTOメーカーの売れ筋モデルは全て網羅していることからサンプル数的には十分だと考えている。注目すべきは、8GB搭載モデルが9.4%から2.3%へと激減していることだ。2台の内1台はビジネスモデルで、ゲーミングPCに限れば1台のみとなっている。32GB搭載モデルも少しずつ増えてきているように感じる。

4GB搭載モデルはそもそもゲーミングPCでは存在していない。税込3万円前後のグラフィックレスモデルでしか見かけない。CPU・GPUの性能向上に伴い32GB搭載モデルは珍しいものではなくなってきた。しかし、まだまだ32GBが主流になる日は遠く、16GBへの移行がほぼ完了している状況だ。2019年からミドルクラスには16GBを搭載するモデルが多くなり、2021年に入って性能問わず16GB搭載モデルが増えてきた。

本来必要としないロークラスのモデルにも16GBのメモリが搭載されているのは注目に値する。ゲーム専用のゲーミングPCから配信やMMDのようなアプリケーションにも対応できるモデルとして、オンライン上でできることが豊富になったことへの対応とも取れる動きがある。ゲーミング用途に関しては最低でも16GBという時代が見えているため、8GBとの差について詳しく見ていこうと思う。

Steamの統計でも16GBが主流

memory202308出典:(Steam, 2022)

2023年8月時点でのSteamの統計を見ると16GBが49.80%で最も多い。8GBは17.24%、32GBは19.63%、64GBは2.17%となっている。16GB以下のメモリは75.76%と大多数を締めており、まだまだ16GBまでの容量が主流のように思える。しかしながら実は、2022年10月からおよそ10ヶ月ほどで16GB以下のメモリ容量を搭載したユーザーは6.36%も少なくなった。参考までに2022年10月の時点では16GBが54.17%、8GBは19.48%、32GBは14.77%、64GBは1.16%で、16GB以下のメモリは82.12%になっていた。

ゲーミングPCでは16GBが主流であることは間違いない。その一方で16GBを超えるメモリ容量を搭載しているユーザーがかなり増えていることがわかる。要求スペックに16GBのメモリ容量を求められるゲームも多く登場していることが要因だろう。余裕を持って16GBを超えるメモリ容量を選択するゲーマーも増加傾向にあるようだ。

Steamのような数多くのゲームを取り扱っているプラットフォームでは当然ゲーマーの環境も幅広い。すべてのユーザーが高負荷な最新タイトルをプレイするとは限らないからだ。要求スペックの軽いゲームや設定を下げればメモリ容量8GB以下でも対応できる。そんなSteamで搭載容量が増加傾向にあるというのは興味深い。徐々に32GBや24GBのような16GBを超える容量が一般的になる日も遠くはないかもしれない。

各メモリ容量の考察

16GB ★★★★★

メモリ容量16GBというのは、ゲーミングPCにとっては基本となる。各BTOメーカーが販売しているゲーミングPCも、ほとんどが16GBであることからもわかるだろう。最新のゲームの推奨環境にメモリ16GBが指定されることもあり、余裕のあるメモリ容量とは言えないもののとりあえず16GBを選択しておけば間違いはない。今ではロークラスを除き、16GBが最低限として考えておく方がいいこともある。16GBで困る場面はそう多くないので、16GBを中心に考えておいて間違いない。

一方で、ハイエンドクラスのような性能の高いスペックでは少し心許ない。ハイエンドクラスのゲーミングPCだと要求スペックの高い最新のタイトルでも最高設定でのゲームプレイが可能だ。32GB以上の大容量メモリが活きる。人気の性能帯と言えるミドルクラスやミドルハイクラスでは変わらず16GBが中心だ。ゲーム以外の用途にもメモリは消費されることは押さえておこう。

例えば、ブラウザを複数開いたり、動画視聴しながらのゲームをプレイしたりなどのケースでは16GBでメモリ不足になる場面はあるかもしれない。16GBをベースとしつつどのような用途でゲーミングPCを使いたいかを考えるとよさそうだ。

32GB ★★★★☆

少し前までは32GBというのはハイエンドクラスにのみ許されたメモリ容量だったが、今では身近なメモリ容量となっている。ゲーマーにとってメモリ容量は多くて困ることはない。クリエイター向けPCやミドルハイクラス以上のゲーミングPCにも標準搭載のモデルがあるくらいだ。RTX 4070搭載モデルにも32GB搭載モデルがあるように、年々32GB搭載モデルの性能は下がってきているように感じる。

ゲームの推奨環境に16GBが求められるゲームがあることに加え、高解像度でのゲームプレイも身近になっている。解像度が高まるほどメモリ消費が激しくなることもあり、CPUとGPUの性能の向上で必要なメモリ容量がやや増加傾向だ。グーグルクロームはメモリ消費が比較的激しいブラウザだ。クロームでyoutubeを見ながら攻略情報を表示してゲームをする。

こういった使い方でも32GBあれば安心だ。メモリの価格も一時期を考えれば安くなっており、大容量メモリ搭載も容易になったことも影響してそうだ。一旦は16GBを選択しておいて後から32GBへ増設するのもよいかもしれない。他のパーツに比べてメモリの増設のハードルは低いからだ。

8GB ★★★☆☆

2023年時点でも64GBのメモリ容量は完全にオーバースペックである。この容量になると、ゲームではなく動画編集やクリエイティブな作業をメインに考えるクリエイター向けの容量だ。まだまだ一般的なゲーマーに浸透している容量ではない。ただ、環境によっては64GBが求められる場面はある。ゲーマーにも広く普及はしていないが、認識されているVRや8K解像度がある。

これらの特殊な環境・解像度では従来のメモリ容量では不足しやすい。32GBもあれば十分でも、実際の環境はそれらのアプリケーションのみの起動だけではない。ブラウザ、他のアプリケーションの起動も併用しているはずだ。要求スペックとしてはそれほど必要なくても、環境によっては必要となるケースも考えられる。まだまだ一般的な用途には含まれないながらも、64GBが求められそうな用途が増えてきているのは事実だ。

数年先では、今の32GBのポジションに64GBがきているかもしれない。それこそ、かつての4GBと8GBが今の8GBと16GBになったように、主流となる容量は年々増加傾向にある。今はまだオーバースペックでも、ちょうどよいという時代がすぐそこまで来ている。ハイエンドクラスの性能でゲームをプレイしているなら、意外と身近な容量と言えるかもしれない。

64GB ★★☆☆☆

2023年時点で64GBのメモリ容量は完全にオーバースペックだ。さすがにこの水準まで来ると動画編集やその他大規模なクリエイター作業を行う方向けと言わざるを得ない。昨今のPCゲーム事情を考えるとシステムメモリよりもGPUメモリを重視した方がよいはずだ。ゲーム目的でより快適な環境を構築したいならRTX 3080 TiやRTX 4090などのハイエンドクラスのグラフィックボードを選択しよう。次世代のタイトルが増えればもしかしたら64GB搭載も珍しくなくなるかもしれない。

タイトル別推奨メモリ容量まとめ

タイトル推奨メモリ容量
LoL4GB
CSGO8GB
FF 148GB
FF 1516GB
Battlefield Ⅴ16GB
Hitman 216GB
フォートナイト16GB
PUBG16GB
Cyberpunk 207716GB

ほとんどのタイトルにおいて推奨メモリ容量は16GBとなっている。もちろん設定や解像度にこだわりがなければ8GBでも対応できることもあるが、基本的には16GB以上を選択しておくことが好ましい。推奨環境のメモリ容量は16GB未満のゲームも多い。16GBが主流になってからは、容量的に余裕があることから重要視されていなかったように感じる。

推奨メモリ容量が12GBだったり、10GBだったりしても、16GB搭載なら満たしている。このことから、推奨環境に対して余裕のあるメモリ容量が常に選ばれてきた。それが16GB搭載モデルに対して、推奨容量が16GBになっていると余裕はない。もしかすると、32GBとまではいかなかうても16GBを超える容量が求められ始めているのではないだろうか。

16GBが主流の状況で16GBが推奨容量に指定されるというのは、これまでのことを考えると異常事態とも言える。24GBや20GB搭載のモデルは登場していないが、そういったメモリ容量を搭載するモデルが登場してもおかしくない。20GBはともかく、8GBを3枚刺した24GBは自作ユーザーの間では割りと見られた容量だ。最新のゲームへの対応として、そういったモデルが登場してもおかしくはない。

推奨環境で16GB指定されるゲームは、そのほとんどが最高設定を指している。この先、最高設定での必要メモリが20GBなどになった際、メモリの容量不足が原因で設定を下げなくてはならなくなるかもしれない。ハイエンドクラスでも16GB搭載モデルが未だに主流だが、ゲームの展開次第で32GBへ置き換わる可能性もある。今でも16GBに対する不安はある。価格がそれほど高くなるわけではないので、ミドルハイクラス以上のモデルは32GBも視野に入れておきたい。

ハイクラスゲーミングPCに最適なメモリ容量を検証

メモリ容量がゲーミングパフォーマンスに与える影響を検証していく。まずは、ハイクラスのグラフィックボードを使用して、Battlefield VとHitman 2の2つのタイトルについてWQHDと4K解像度と2つの環境におけるフレームレートを計測している。メモリ容量がどのように影響するかに注目して欲しい。

Battlefield V(WQHD)

battlefiled5battlefieldv-wqhd

ハイエンドクラスであるRTX 2080 Tiでは8GBと16GB以上でスコアに差があることがわかる。要求スペックがそれほど高くないタイトルにおいては、例えそれがWQHD環境であったとしてもメモリ容量で性能に差をつけることはないようだ。

Radeon RX Vega 64でも同様の傾向が見られる。8GBと16GB以上のメモリ容量で平均フレームレートに差がある。その差は2fpsと大きいわけではないが有意に差があるのは間違いないだろう。ハイクラスのグラフィックボードの場合16GB以上のメモリ容量を確保しておくことにも納得ができる。

GTX 1070では、8GBでもそれ以上でもフレームレートが変わらなかった。これは純粋にグラフィックボードの性能が十分ではなく、メモリをいくら足してもグラフィックボードの性能限界を突破できるわけではないということだ。あくまでも補完的な存在だと言える。BattlefiledをWQHD環境でプレイするならGTX 1070以上のモデルを選択した方がよいかもしれない。

Battlefield V(4K)

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RTX 2080 Tiは安定して高い数値を出している。8GBと32GBの平均フレームレートの差は3でfpsとなっている。非常に高い負荷がかかっているときの3fpsはかなり大きく侮れない差である。この様子なら64GBでも恩恵がありそうだ。やはり32GBが普及した理由はRTX 2080 Tiのような高性能なグラフィックボードに対してその恩恵が認められたからなのだろう。CPUの処理性能をより効率的に行ってくれるためフレームレートの低下を防いでくれる。

Radeon RX Vega 64はWQHDのGTX 1070と同じように性能の上限に達している.。メモリ容量が増加してもスコアが変わらないようだ。Radeon RX Vega 64も高解像度が得意というほどではないので仕方がないだろう。Battlefield 5ではWQHD以下でのゲームプレイを行うべきだ。

GeForce GTX 1070でも性能的に対応できずスコアが低くなっている。メモリ8GBとそれ以上ではわずかに差があるが、上下に激しくブレたことでの誤差であるとも言える。流石に高解像度が得意というわけではないので、GTX 1070のデータはミドルクラスのグラフィックボードで高解像度に挑んだ場合のフレームレートとして見ておくと面白いかもしれない。

Hitman 2(WQHD)

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Hitman 2は比較的負荷の高いタイトルの一つだ。RTX 2080 Tiは非常に性能が高くメモリの恩恵を大きく受けているのが興味深い。16GBでもまだまだ物足りない。8GBと32GBでは平均フレームレートが14%ほど違っている。やはり高性能なグラフィックボードには32GBのメモリ容量を搭載するメリットがあるようだ。

RX Vega 64は性能の限界なのか、8GBでも32GBでも変わらない。登場したのが3年前ということもあり、まだまだメモリ16GBへの移行も始まっていなかった背景を考えると、何故移行しなかったのかがよく分かる。大容量と言えるメモリを搭載するメリットが薄かったのがスコアから見ても伝わるはずだ。

GTX 1070はなかなか健闘しているもののスコアはほぼ横ばい。メモリ16GBの恩恵はありそうだが、8GBとの差はこのくらいのスコアでは同等程度なので気になるほどでもない。32GB搭載モデルの多くが高性能なグラフィックボードを搭載している理由は、性能の向上がしっかり見込めるという単純な理由なのだろう。

Hitman 2(4K)

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RTX 2080 Tiは余裕の性能を見せつけていると取るべきなのか。4K解像度ではRTX 2080 Tiを持ってしても90辺りが上限のようだ。メモリ容量16GBと32GBでは差が生まれない。4K解像度の上限が60fpsだと考えると十分過ぎる安定感を持っている。Direct X 11相手では役不足かもしれない。

Radeon RX Vega 64は相変わらずの横ばい。メモリの恩恵を受けていないのか、メモリの性能に影響されない安定感なのか。グラフィックス性能が物足りないからだと考えるのが普通だ。4K解像度では60hzのリフレッシュレートが基本となるため、60fpsを上限に考えてみるとかなり良い線ではないだろうか。少し負荷を感じる場面がある程度のものだろう。

GTX 1070は性能の限界からかスコアが伸び悩んでいる。4K解像度+最高設定の環境で40超えのフレームレートは大健闘のように感じる。8GBと16GBの差はお馴染みの誤差のようなものなので気にしなくてもよいだろう。少なくともGTX 1070には32GBは不要のようだ。

ミドルクラスゲーミングPCに最適なメモリ容量を検証

メモリ容量がゲーミングパフォーマンスに与える影響を検証していく。次は、ミドルクラスのグラフィックボードを使用して、Battlefield V、Hitman2の2つのタイトルについてフルHDとWQHDと2つの環境におけるフレームレートを計測している。メモリ容量がどのように影響するかに注目して欲しい。

Battlefield V(フルHD)

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Radeon RX 580では、16GBと32GBで1fpsの違いがあるが、さすがにこのクラスのグラフィックボードで32GBを選択するゲーマーは少ないはずだ。Radeon RX 570やGeForce GTX 1060 3GBでは8GBと16GB以上で大きさがある。それぞれ11%・10%だ。メモリを増やすだけでこれだけフレームレートが変わるのであれば8GB搭載モデルを選択する理由はない。

Battlefield V(WQHD)

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WQHD環境でもフルHD環境と同等の結果となった。Radeon RX 580は、メモリ容量に関係なく63fpsに到達している。一方で、Radeon RX 570やGeForce GTX 1060 3GBでは、メモリ8GBでは明らかにそれ以上のメモリを搭載時とスコアが劣る。特にRadeon RX 570では8GBと16GB以上で18%も差がある。ミドルクラスのグラフィックボードではメモリは特に重要になるようだ。

Hitman 2(フルHD)

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Radeon RX 580やGeForce GTX 1060 3GBでは8GBとそれ以上のメモリを搭載することでフレームレートが変わる。一方で、Radeon RX 570についてはいずれのメモリでもフレームレートに変化がない。フレームレートが低くなるとメモリの差というよりもグラフィックス性能の差が顕著になると考えてよいだろう。

Hitman 2(WQHD)

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Hitman 2のWQHD環境でも同等の結果だ。Radeon RX 570についてはメモリ容量がフレームレートに影響を与えることはない。Radeon RX 580では16GB以下と32GBでフレームレートが異なっている。GTX 1060 3GBでは8GBと16GB以上でフレームレートが異なる。

メモリ容量とパフォーマンスの関係について

メモリ容量8GBは有意にフレームレートが劣る

ゲーミングPCに搭載するメモリとして8GBは好ましくないということがわかった。各結果を見ても明らかに8GBでは他のメモリ容量に比べてフレームレートが低下している。今の時代はミドルクラスでも8GBでは容量が不足するゲームタイトルが増えてきている。

ミドルクラス以下のグラフィックボードの場合は8GBと16GBで大きな差が出ることが多い。グラフィックボードをアップグレードするよりもメモリ容量を増やした方が安上がりでコスパが高い。メモリは16GBを基準にして考えたほうがよさそうだ。

ハイエンドモデルなら32GBを選択するメリットがある

ベンチマークでは当時のハイエンドクラスであるRTX 2080 Tiで計測している。旧世代のフラグシップモデルであるRTX 2080 Tiが現役だった頃から32GBのメモリを搭載するメリットがあったということだ。グラフィックス処理性能が高くそれ自体がボトルネックになることがなくメモリ容量が増えた分の恩恵を得られる。RTX 2080 Tiは現行のモデルで言えばRTX 4060 Ti程度の性能だ。現行のミドルハイクラスでも32GBの恩恵があるということだ。

そうなると、ハイエンドクラスではより恩恵が大きくなるというよりも、16GBであることがデメリットになってしまうことさえ考えられる。何度も伝えているように、メモリ容量は少なくて困ることはあっても、多くて困ることはない。性能の高いモデルであれば、メモリ容量が必要な場面は多くなってくる。プレイするゲームや環境によってはメモリ容量が不足しているかもしれない。パソコンが不調になっている場合はメモリ不足になっていないか確認したい。

ブルースクリーンや動作が急激に遅くなるのが危険信号だ。メモリ不足による不調は気付きにくいこともある。長時間パソコンをつけっぱなしにする使い方だと、メモリ容量が不足しやすくなる。高性能ではなくても、使い方次第で16GBを超える容量が適していることもある。ゲームのシステムを活かすために、パソコンを付けたまま放置するならメモリ容量に注意したい。

ミドルクラスなら16GBと32GBでそれほど差が出ない

ミドルクラスのGPU(グラフィックボード)を搭載している場合、16GBでも32GBでもパフォーマンスに差は生じない。16GBを超えるメモリを消費することがないからだ。容量が少なくなるとパフォーマンスは低下するが、持っているパフォーマンス以上の容量があっても、パフォーマンスが上限を突破することはない。性能に合わせた容量を選択することがベストだ。その点で言えば、ミドルクラスの性能には16GBあれば十分だ。これ以上はオーバースペックになりやすい。

32GB以上の容量はミドルハイクラス以上のモデルから必要になりやすい。現時点でミドルクラスは過不足無く16GBがベストである。ただ、次世代、次次世代と先のGPU(グラフィックボード)もその限りだとは限らない。RTX 2080 Tiというその時代の最高峰が今のミドルハイクラスのRTX 4060 Tiと同等だ。今の最高峰であるRTX 4090 Tiも2世代先にはミドルクラスになっているかもしれない。

そうなると、さすがにメモリも16GBのままでいいとは言えない。メモリ容量を増やすことで、実質的なパフォーマンスの向上につながる可能性はある。あくまでも、現行のミドルクラスに限り16GBでよいという判断だ。2~3世代前のミドルクラスなら8GBがベストだったように、適正メモリ容量はその時の性能によるので注意してほしい。

補足:メモリの増設は初心者でも簡単にできる!

メモリの交換や取り付けは初心者の方でも実施しやすい作業の一つとなっている。これはデスクトップPC・ノートPCに共通していることだ。マザーボードによっては少し取り外し方が違うものの、基本はツメを外して差し込むだけである。差し込みが甘いと認識されないので注意が必要だ。

最近のマザーボードはしっかりはめ込むことができれば外したツメが元の位置に戻るようにできているので見て分かるようになっている。また、マザーボードやメモリに触る前に静電気対策を忘れてはいけない。静電気が走ると機能しなくなるリスクがあるので、触る前には金属に触れておくなどして対策しておくべきだろう。

ただし、数年前からマザーボードとメモリ自体にも静電気対策がされていてこのような事態が起きる可能性は低くなっている。メモリの容量不足は非常に深刻でその場でブルースクリーンが発生することもある。CPUやGPUの性能不足はカクつきとして現れるのと似ているが、メモリの容量不足の方が深刻だ。

メモリに関しては簡単に増設できるため、必要なメモリ容量に少し余裕を持たせるくらいがちょうど良いかもしれない。時代の波を考えれば16GBにアップさせておくことに何のデメリットもないはずだ。

故障以外の注意点としては、BTOショップ等で購入したパソコンはご自身でパーツの取り付けをすると保証対象外となってしまうことがある。事前に保証規定を確認しておこう。自身で増設後修理に出す際は自分で取り付けたパーツを全て外しておく必要がある。増設と交換は自己責任で行って欲しい。

おすすめのゲーミングPC用メモリ紹介【2023年】

G.SKILL F4-3200C16D-16GIS (DDR4 PC4-25600 8GB 2枚組)

G.SKILL F4-3200C16D-16GIS

  • 価格:5,680円
  • 規格:DDR4-3200
  • 容量:16GB(8GB×2)

非常にコストパフォーマンスの高いメモリだ。税込5,680円は最安値クラスだと言える。コスト重視なら選択肢に入れてもよいだろう。

Crucial CT2K8G4DFRA32A (DDR4 PC4-25600 8GB 2枚組)

Crucial CT2K8G4DFRA32A

  • 価格:6,180円
  • 規格:DDR4-3200
  • 容量:16GB(8GB×2)

Crucialは品質の高さから評価されているブランドだ。6,180円と比較的価格が抑えられていて選びやすい。迷ったらこのモデルを選択しておこう。

Crucial CT2K8G48C40U5 (DDR5 PC5-38400 8GB 2枚組)

Crucial CT2K8G48C40U5

  • 価格:9,980円
  • 規格:DDR5-4800
  • 容量:16GB(8GB×2)

DDR5-4800になるとどうしても価格は上がってしまう。8GB×2で税込9,980円だ。Intel第13世代/第12世代CPUやRyzen 7000シリーズを使用している方は選択肢に入れてもよい。より高いパフォーマンスを得られる。

参照外部サイト

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