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当記事では、複雑なUSBの規格について詳しく解説している。このページを読めばThunderbolt 4/USB 4 Gen 3×2/USB 4 Gen 2×2・USB 3.2(Gen 2/Gen 1)・USB 2.0の違いがわかるようになる。基本的に新しい規格は旧規格の上位互換でより転送速度が速い。USB 3は時期によって名称が異なりやや複雑なのでそこさえ理解できれば問題はないはずだ。1995年から1998年に登場したUSB 1.1/USB 1.0についてはすでに見かけなくなったので簡単な解説に留めている。

USBって何のこと?

usbmotherboard

USBとは、「Universal Serial Bus(ユニーバーサル・シリアル・バス)」の頭文字を取ったものでパソコンに周辺機器を接続するための規格のことだ。周辺機器としては、マウス・キーボード・無線LAN子機・フラッシュメモリ・外付けSSD・外付け光学ドライブなどが該当する。スマートフォンをUSBケーブルでパソコンと接続して充電することもできる。最近は車でも搭載されることが増えてきた。

2023年4月時点でThunderbolt 4/USB 4 Gen 3×2/USB 4 Gen 2×2が最新のUSB規格となる。まだまだThunderbolt 4などは一般的ではなく、USB 3.2(Gen 2×2/Gen 2/Gen 1)が使われることが多い。2000年に登場したUSB 2.0も現役だ。マウスやキーボードであればUSB 2.0でも使用上問題はない。

USBの規格

規格名称旧名称最大転送速度MB/sインターフェース登場時期
Thunderbolt 4-40Gbps5,000MB/sType-C2019年
USB 4 Gen 3×2-40Gbps5,000MB/sType-C2019年
USB 4 Gen 2×2-20Gbps2,500MB/sType-C2019年
USB 3.2 Gen 2×2-20Gbps2,500MB/sType-C2017年
USB 3.2 Gen 2USB 3.1 Gen 210Gbps1,250MB/sType-A(青)
Type-C
2013年
USB 3.2 Gen 1USB 3.1 Gen 1
USB 3.0
5Gbps625MB/sType-A(青)
Type-B(青)
Micro-B
Type-C
2008年
USB 2.0-480Mbps60MB/sType-A
Mini-A
Mini-B
Micro-A
Micro-B
2000年
USB 1.1-12Mbps1.5MB/s同上1998年
USB 1.0-12Mbps1.5MB/s同上1995年
上記はUSBの規格をまとめたものだ。現在主流のUSBは、USB 3.2 Gen 2/USB 3.2 Gen 1とUSB 2.0だ。USB 3.2 Gen 2は、1995年登場のUSB 1.0よりも実に833倍も高速になった。さらに、USB 3.2 Gen 2と最新のThunderbolt 4を比べるとThunderbolt 4の方が4倍も高速だ。USB経由でのデータのやり取りなどで大きな差が生まれることになる。

USBが複雑になっているのはUSB 3.2のせいだろう。USB 3.2 Gen 1は、USB 3.1 Gen 1/USB 3.0から名称が変わった規格だ。USB 3.2 Gen 2は、USB 3.1 Gen 2と同じものを指す。USB 3.2 Gen 1の速度は5Gbpsで、USB 3.2 Gen 2では速度が倍の10Gbpsとなる。端子はType-A及びType-Cのみだ。この2つを理解しておけば後は名称がそのまま使用されているので理解は容易だ。

USB 3.2 Gen 2×2は、USB 3.2 Gen 2の2レーン接続を実現したもので速度は単純に倍で20Gbpsだ。USB 4 Gen 3×2はさらに速度が速く40Gbpsとなる。Thunderbolt 4/USB 4は、USB 3.2 Gen 2×2のサポートはオプションとなるということもあって実質非対応と考えてよい。

USB 1.1や1.0を搭載したパソコンは現行のモデルでは存在しない。一方で、2023年時点でもUSB 2.0を搭載したモデルは非常に多い。USB 2.0非搭載のパソコンの方が珍しいくらいだ。このUSB 2.0は転送速度が480Mbpsで、USB 3.2 Gen 2の1/20ほどである。このbpsは1秒あたりに転送できるビット数を指している。480Mbpsは1秒間に60MBの容量を転送できるということだ。

今でこそ遅いと感じるが、USB 1.1の転送速度が12Mbpsなので40倍高速になった。ここからUSBという規格が一般的なものとして普及したと言える。これらのUSBには共通の互換性がある。例えば、USB 2.0プラグをUSB 3.0ポートに接続しても認識する。ただし、双方の規格が違う場合、転送速度は低い方に統一される性質がある。

USB 3.2 Gen 2のポートにUSB 2.0プラグを接続すると転送速度は480Mbpsになる。USB 2.0は転送速度が遅く、転送速度がそれほど重要ではない機器には相性がいい。マウスやキーボードなどの周辺機器がそれに当たる。一部のデバイスはUSB 3.0以上の規格に接続すると不具合が生じることもある。

そのため、転送速度が求められないデバイスに関してはUSB 2.0の方が適しているという見方もある。下位互換であってもより適した使い方ができるのだ。だからこそ今でもUSB 2.0が消えていない理由なのかもしれない。USB 2.0は端子が黒だが、USB 3.2 Gen 2/Gen 1では一部のインターフェースでは端子が青になっていてわかりやすい。

マザーボードのUSB端子を確認

PRIME Z790-P-CSMusb
ASUS製マザーボードの「PRIME Z790-P-CSM」を例としてI/Oパネルを見ていく。上からUSB 2.0 Type-A×2、USB 3.2 Gen 1 Type-A×2(青)、USB 2.0 Type-A×2、USB 3.2 Gen 2×2 Type-C×1、USB 3.2 Gen 2 Type-A×1が配置されている。チップセットZ790と比較的新しいマザーボードということもあってUSBも新しい規格が採用されている。なお、マザーボード自体にThunderbolt 4ヘッダーが搭載されていてフロントパネルなどで利用可能だ。

USB Type-Cの利便性が高い

USB3.1画像出典:https://www.sanwa.co.jp/

最新のUSBのインターフェースはType-Cで統一されている。USB 3.2 Gen 2×2以上の規格ではType-Cのみだ。このType-Cは、モバイルデバイスではポピュラーなインターフェースだと言える。Type-Aなどと違って表と裏という概念がなく向きを気にせず利用できる。他のインターフェースとは互換性がない。

ノートパソコンでは映像出力を兼用することもある。一般的なインターフェースよりも機能性に優れ、次世代のインターフェースとして注目を集めている。現在最新のUSB 4で採用されているインターフェースとしても知られており、Thunderbolt 4などの高転送速度を実現している。多くの機器がUSB Type-Cに対応していくことになるだろう。

USB規格ごとの転送速度を比較

転送速度

  • Thunderbolt 4…転送速度40Gbps(5,000MB/s)
  • USB 4 Gen 3×2…転送速度40Gbps(5,000MB/s)
  • USB 4 Gen 2×2…転送速度20Gbps(2,500MB/s)
  • USB 3.2 Gen 2×2…転送速度20Gbps(2,500MB/s)
  • USB 3.2 Gen 2…転送速度10Gbps(1.25GB/s)
  • USB 3.2 Gen 1…転送速度5Gbps(625MB/s)
  • USB 2.0…転送速度480Mbps(60MB/s)
  • USB 1.1…転送速度12Mbps(1.5MB/s)
  • USB 1.0…転送速度12Mbps(1.5MB/s)

転送速度の伸び幅はUSB 1.0、1.1から2.0になった時の40倍が最大だ。いかにUSB 2.0という規格が偉大なのかが分かる。USB 3.2以降の規格では世代ごとの伸びはそれほど大きくない。USB 3.2 Gen 1(旧USB 3.1 Gen 1/USB 3.0)からUSB 3.2 Gen 2(USB 3.1 Gen 2)で2倍の伸びだ。

USB 3.2規格でのメインはデュアルレーン対応のUSB 3.2 Gen 2×2だ。このデュアルレーンの登場に合わせて既存の規格を統一してわかりやすくしたのがUSB 3.2という規格と考えるとよい。そのため、USB 3.2は名称が変わっただけで、中身はUSB 3.0(3.1 Gen 1)とUSB 3.1 Gen 2である。

USB 4という規格も存在するが、これはType-C限定のデュアルレーン仕様だ。まだあまり一般的とは言えず、性質的にはThunderboltに近いのでここでの説明は省略させていただく。普及して一般的になった時に追加する予定だ。

転送時間(1GBのファイル移動)

  • Thunderbolt 4…転送時間約0.2秒
  • USB 4 Gen 3×2…転送時間約0.2秒
  • USB 4 Gen 2×2…転送時間約0.4秒
  • USB 3.2 Gen 2×2…転送時間約0.4秒
  • USB 3.2 Gen 2…転送時間約0.8秒
  • USB 3.2 Gen 1…転送時間約1.6秒
  • USB 2.0…転送時間約2.78分
  • USB 1.1…転送時間約11.1分
  • USB 1.0…転送時間約11.1分

1GBのファイル移動に掛かる時間をまとめている。これで速度をよりイメージしやすくなるのではないかと思う。実用性から見ればUSB 2.0以上が望ましい。それでも約2.78分とやや時間が掛かる。今ではUSB 3.2 Gen 2あるいはUSB 3.2 Gen 1搭載が当たり前となっているためハードルが高いわけではない。USB 3.2 Gen 2なら約0.8秒と高速だ。デュアルレーン対応のUSB 3.2 Gen 2×2では約0.4秒とかなり速いことがわかる。USB 1.1あるいはUSB 1.0を採用したモデルは皆無と言っていいだろう。

USBの進化が外付けSSDの普及に貢献

buffalo-SSD-SCT2.0U3-WA画像出典:https://www.buffalo.jp/

USBの転送速度が速くなれば、外付けストレージの有用性が高まる。事実スティック型やケーブル接続型のSSDの製品が増えている。USB 2.0は転送速度が480MbpsとHDDの平均読み込み速度である1.2Gbpsを下回り物足りない。USB 3.2 Gen 1になると10倍以上も速く転送速度は5Gbpsだ。この速度はSATA接続のSSDに対してボトルネックが生じない転送速度となる。これなら内蔵ストレージと同等に扱える。

USB 3.2 Gen 2では転送速度が20Gbpsまで速くなる。これはNVMe対応のSSD並みの転送速度だ。ここまで来ると外付けのストレージならタイプを選ばず使用できる。内部ストレージの整理も行いやすい。SSDとHDDのどちらもUSB 3.2以上であればスムーズに処理できる。

ゲーマーの多くはこのUSBの規格を重視しないのではないかと思う。ゲームに直結する部分ではないからだ。USB 3.xの性能と外付けHDDなどの効果のある機器について知っておいても損はない。今はストレージが安価になっていることもあり、外付けストレージを用いる人も多いことはずだ。

元々外部ストレージは読み込みやランダムアクセスの必要がない写真やファイルの保存向けだった。USB規格がUSB 3.xに対応したことで、内部ストレージと同じように使用することができるようになっている。USB Type-Cでの接続ならもっと高速で安定した読み込みが可能になる。ゲーミングPCを求める人はUSBを重視しないと言ったが、それは搭載されて当たり前になっているからというのもある。

比較的高価な部類に入るゲーミングPCでは、マザーボードもそれなりにしっかりしていることから不安は少ない。これからも転送速度は上がり続けると予想される。USB 3.2 Gen 2から実用性がより一層高くなり、これ以上になると内部ストレージ自体必要ではなくなる時代が来るのかもしれない。

USB 2.0はなくならないのか!?

USB 4はまだまだ普及には遠いが、すでにUSB 3.2 Gen 2/USB 3.2 Gen 1についてはある程度普及したと考えてよいだろう。こうなるとどうして全てUSB 3.×以上の規格で統一されないのかは疑問だろう。つまり、USB 2.0はなくなっても困らないのではないかと思うはずだ。最新のマザーボードでもUSB 2.0が当たり前のように搭載されている状況となっている。

USB 2.0がなくならない理由は互換性の問題があるのではないかと考えている。基本的には汎用性が求められるため、どんなCPUあるいはマザーボードを搭載してもしっかりと動作することが重要だ。これはメーカーやショップ側だけでなく、ユーザーの求めることでもある。CPUを交換したらUSBポートが使えなくなったというトラブルに発展し兼ねない。

また、互換性が高いと言っても一部のUSB 2.0対応機器はUSB 3.xでは不具合の報告もある。全てUSB 3.xにするには制限が多く、トラブル発生も考えられる。USB 4も同様だと言える。これらの課題は性能や機能の向上で解決することだ。さらに、今はUSBポートをUSB接続で増やすことができるのでそこまで重大な要素ではないように思う。

USBポートの数は選択するマザーボードによって決定され、USB 3.xとして使用できる数はCPUにコントロールされている。そのため、マザーボードとCPU次第で物理的に全て3.xに統一することは可能である。しかしながら、それは現在の構成からUSB 2.0を省いただけに過ぎない。USBポートの数はあって困るものではない。

転送速度の遅い2.0でも、マウスやキーボードなどを接続する分には問題はない。つまり、USB 3.xで統一されていないのではなく、USB 2.0がオマケで追加されているのだ。実際にはそうではなくても、そう考える方がわかりやすい。今はUSB 3.xの数がマザーボードによって定まっているかもしれないが、これは時間の問題だ。CPUやマザーボードの機能が向上していくと、そのままの意味でUSB 3.xに統一される日は必ず来る。その後Thunderbolt 4やUSB 4が続くことになる。

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