画像引用元:https://newsroom.intel.com/
ついに、Intelが第九世代CPUのリリースを発表した。第八世代が2017年11月2日に発売されてからおよそ1年、ライバルRyzenの第二世代が2018年4月に発売されてから半年が経過したことになる。
これまでのパッケージとは明らかに異なり、ここからもAMDを意識していることがわかる。Intelから発表された内容をもとにこれまでのCPUとの違いや特徴などを見ていこう。
当ページの目次
第九世代はCoffee Lakeのリフレッシュモデルに過ぎない!
第九世代は、第八世代CPUのリフレッシュモデルということになっている。事実コードネームは「Coffee Lake-Refresh」だ。Intelとしては思惑通りにはいかなったというのが正直なところだろう。当然そんなことを言うはずはないが…Intelとしては、10nmプロセスを実現したかったはずだ。元々はここに力を入れてした。しかし、利益率が高く販売も好調な14nm製品に注力したせいで10nm化することができなかった。
今は第八世代CPUの供給不足も深刻化していてとりあえず第九世代を発表した形になった。AMDのRyzen第二世代が好調で焦ってしまった部分もあるだろう。というわけで、10nmは実現せずCoffee Lake-Refreshに落ち着いた。私も含めてユーザーからすると期待はずれと言えるかもしれない。基本的なアーキテクチャは同じで、内蔵グラフィックスも第八世代と同じUHD Graohics 630を採用している。
第九世代CPUの特徴&強みまとめ
ここからは第九世代CPUの特徴やこれまでのモデルとの違いなどについて見ていこう。リフレッシュモデルながらも進化している部分はある。
i9がメインストリームとしてラインナップ
これまではXを冠したプロフェッショナルモデルとしての地位を築いていたi9がメインストリームとしてラインナップ入りしているのは興味深い。$500近い価格はなかなか手を出せるものではないが、新しい時代の幕開けとなったと言える。
Core i9-9900Kは8コア16スレッドで、コア及びスレッド数でRyzen 7 2700Xに追いついたことになる。実機によるベンチマークは後日追加する。
ゲームプレイだけではなくゲーム配信にも強い
Intelの公式発表によると、ゲーミング性能は旧世代に比べて10% FPSが向上、3年前のパソコンと比べると37% FPSが向上しているということだ。また、動画配信にも強く前世代と比較してFPSは11%アップ、3年前のパソコンなら41%アップと大きくパフォーマンスアップが見込める。
さらに、純粋にコアが増えたことでAdobe Premiereによる動画編集の処理能力が30%以上アップしている。RTX20シリーズがリリースされ今後のゲーム業界が楽しみだ。
新しいチップセットZ390が登場
第九世代CPUの登場に合わせてチップセットZ390が発売されることがわかっている。それに従いZ370は販売を終了することになる。ただし、旧チップセットのZ370と互換性があるので気軽に換装することも可能だ。
Z390では大きく変わったところがなくマイナーチェンジと考えて良いだろう。変更点としては、USB 3.1 Gen2に対応していることと無線LAN用のインターフェイス技術「Integrated Connectivity」に対応したことだ。
STIMを採用して熱処理能力が向上
はんだをベースとした熱伝導素材が採用されることになった。熱伝導素材は、ヒートスプレッダとシリコンダイ間に使用されている。熱放出の効率化によって限界値に余裕ができたため、オーバークロックをする予定の方には嬉しい変更点だろう。これまでのシリコングリスによる熱伝導素材よりも優れていると言える。
Intel 第九世代CPUのスペック比較
型番 | 価格 | コア/スレッド | クロック周波数 | L3キャッシュ | メモリ | 消費電力 |
---|---|---|---|---|---|---|
Core i9-9900K | $488 | 8/16 | 3.6Ghz/5.0Ghz | 16MB | DDR4-2666 | 95W |
Core i7-9700K | $374 | 8/8 | 3.6Ghz/4.9Ghz | 12MB | DDR4-2666 | 95W |
Core i5-9600K | $262 | 6/6 | 3.7Ghz/4.6Ghz | 9MB | DDR4-2666 | 95W |
Core i7-8086K | $425 | 6/12 | 4.0Ghz/5.0hz | 12MB | DDR4-2666 | 95W |
Core i7-8700K | $359 | 6/12 | 3.7Ghz/4.7Ghz | 12MB | DDR4-2666 | 95W |
Core i5-8600K | $258 | 6/6 | 3.6Ghz/4.3Ghz | 9MB | DDR4-2666 | 95W |
まず、フラグシップモデルであるCore i9-9900Kは8コア16スレッドとなっている。ベースクロックは3.6GHzで負荷が掛かるとシングルコアで5GHzまでブーストすることができる。1コア当たりのL3キャッシュは2MBで合計16MBとなる。インテル製はんだTIMのおかげで稼働中もうまく熱を放出することができ、2つコアが増えたにもかかわらずTDP 95Wと前世代と同等になっているのはさすがだ。
次にi7-9700Kを見ていく。これまでIntel Core i7シリーズでは伝統的にハイパースレッディングを採用していて1つのコアで同時に2つのソフトウェアスレッドを実行できこれがパフォーマンスを引き上げてきた。Kaby Lakeでは4コア/8スレッド、Coffee Lakeでは6コア12スレッドとなっている。しかし、第九世代では根本的な変化が見られる。今世代ではハイパースレッディングには非対応で8コアとなっている。
ハイパースレッディングを採用すると最適な状況下では1コア当たりの性能が15%-20%程度向上する。つまり、Core i7-9700Kが、6コア12スレッドの前世代と比べてどのぐらいパフォーマンスが向上するのか気になるところだろう。物理的なコアがある方が多くのタスクにおいてアドバンテージがあることを考えると、i7-9700K(8コア 3.6GHz/4.9GHz)はCore i7-8700Kよりも性能が高くなるはずだ。
Core i5-9600Kに関してはCoffee Lakeと同じハイパースレッディングなしの6コアを採用している。ベースクロック3.7GHzでブーストクロック4.6GHzとなっている。1コア当たりのL3キャッシュは1.5MBで合計9MBとなっている。他のモデルに比べると大きな変更点はない。
まだBTOパソコンに与える影響は大きくない
現時点では特に大きな影響を与えるということはないだろう。今後第九世代のCPUが揃ったときにどうなるかということになる。しばらくは第八世代がラインナップの中心になるだろう。
第九世代が登場しても価格を考えると魅力的とは言えないのではないかと考えている。グラフィックボードもRTX20シリーズが登場し、今パソコン業界がおもしろい。今後の流れに注目したい。
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