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今回はゲームをプレイしているときによく起こりがちなCPU使用率の上昇について解説している。ゲーム中にCPU使用率を確認したら100%とか90%とか異常に高い数値になっていて驚いたという方も多いのではないかと思う。何らかの不具合が生じている方は一度目を通して欲しい。ただし、必ずしも使用率が高いからといって悪いわけではないことを理解しておこう。

あくまでもCPU使用率が高くて何らかの不具合が発生している場合の対処法をまとめている。実際CPU使用率が上がるとどのような問題が生じるのか、またどのように対処すればいいのかについてもまとめた。比較的簡単に原因と対策を実施できるので、パソコンにあまり慣れていない方も安心していただければと思う。

ゲームをしていてCPU使用率100%はまずいのか?

まずCPU使用率が高くなるとどうなるのだろうか。なんとなく悪いように捉えてしまうはずだ。実際は、CPU使用率が100%に近くなるということは、CPUが性能を最大限に引き出せている状態にあると考えることができる。ただし、常に100%と99%を行ったり来たりするような状態は正常とは言えない。おそらくその状態では、カクつきやラグがゲームに生じているはずだ。

最近のCPUは性能が高く、ゲームの負荷で100%になることはほとんどない。CPU使用率100%はよくないことがほとんどだ。もちろん、アプリケーションや用途によってはCPU負荷が100%になることもあるので、避けられるものかどうかの判断が必要だ。たとえば、動画のエンコードやベンチマーク計測時は、CPUの負荷は非常に高くなる。

性能が高ければ高いほど処理が円滑に進むため、CPUの性能が高くても使用率も高くなりやすい。ゲームではCPUよりもGPUの負荷が高いため、基本的にゲームのみの起動ではCPU使用率100%は考えにくい。バックグラウンドで、アンチウイルスソフトやソフトのアップデートなどの処理が始まっていないか確認してほしい。

CPU使用率が高くなれば熱も持ちやすく、冷却性能が乏しければ故障や不具合につながることもある。何の異常もないのに使用率だけが高まっているなら、CPUとCPUファンが正しく設置されているか確認する必要がある。もっとも、その場合はブルースクリーンなどでパソコンの稼働が停止するので、そういった症状がある場合だけでいい。

一方でゲームしか起動していないのに常に100%に近いCPU使用率となっているのであれば異常な負荷が掛かっていると疑ってよいだろう。正常値をオーバーする期間が長いとアプリケーションの動作が重くなったり、アプリケーション自体が起動しなかったりなどさまざまな問題を引き起こす可能性があるのだ。

当然ゲームが重くて何もできなくなるということも起こり得る。これらの無用なトラブルを避けるためにも、しっかりと対策を打つ必要がある。ゲームに限って言えばいくつかの原因がある。下記に列挙しているので参考にしてほしい。どうしても原因がわかなければ「お問い合わせフォーム」より連絡をいただければと思う。分かる範囲で回答させていただく。

CPU使用率が高まる要因と対処法まとめ

ゲームしか起動していないのにCPU使用率が高い場合は対策が必要だ。ここでは、CPU使用率が高くなる原因とその対処法についてまとめている。あなたの不安解消に役立てれば光栄だ。

CPUの性能不足

CPU使用率が高くなる原因として一番の要因として考えられるのは、CPUの性能不足によって負荷が掛かり過ぎているケースだ。特定のゲームをプレイしている時に100%近くなる場合はCPUの性能不足が原因となっていることが多い。問題となるのは100%を数秒維持して99%や98%に戻るというのを繰り返した時だ。

CPU使用率が100%やその近くで安定していると、CPUの熱が高まりパフォーマンスを落として熱を下げようとする。この状態でも使用率は異常な数値になりやすいため、熱による問題がないかを確認してほしい。性能が不足している状態で長く使用すると、徐々に放熱や冷却が間に合わずブルースクリーンとなる。

遅延やラグなども発生し、まともに動作が難しい場合は注意が必要だ。CPU性能は十分だったり、これまでは正常にプレイできていたりすると少し厄介だ。CPUクーラーやメモリなど、パソコンに搭載しているパーツの接続をチェックし、異常がないかを確認したい。

単純にCPU性能が低いことで使用率が100%になっているなら、より優れたCPUを搭載しているPCへの買い替えを検討するか(オーバークロックするかのどちらかとなる。現行CPUの性能を知りたい方は「CPU性能比較表」を参考にして欲しい。オーバークロック自体は初心者向けとは言えないため慎重に判断しよう。

ゲーム以外のアプリケーションが使用率を高めている

ゲーム以外に負荷の高いアプリケーションを使用している場合は要注意だ。Photoshopや3D CADのようなアプリケーションを使用するとCPU使用率が思いの外高くなることがある。Chromeなどのブラウザ使用時の負荷も侮れない。複数のタブを開くと負荷が大きくなってしまう。

場合によってはエクセルやワードなどのソフトウェアでもCPU使用率が上がってしまうことがある。対策としては、まず原因となるアプリケーションを特定してアプリを終了させるとよい。下記手順にて要因をしっかりと把握して対策をする必要がある。メモリの増設も一つの手段だ。ブラウザなど一部のアプリケーションではメモリ消費量が大きいものもある。

負担になっているアプリケーションを見つける方法

  1. まず「タスクマネージャー」を起動し、パフォーマンスタブの「リソースモニター」を開く
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  3. リソースモニターが開いたらCPUタブを選択し「平均CPU」を確認する
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平均CPUについてはおおよそ0.9以下となっていることが多い。起動しているゲームの場合数値は20~40程度になるだろう。perdmon.exeについては1を超えることがあるが、これはリソースモニターを表示しているので若干高くなっているだけで問題はないと言える。

ここにゲーム以外で2を超えるものがあれば要チェックだ。とくにAVASTなどの無料アンチウイルスソフトを入れていると、プログラムが20を超えるなどとても高くなっていることがあるので確認しておこう。その場合はソフトごとに対策をしよう。基本的には機能をオフにすると解決するはずだ。

NVIDIA製グラフィックボードの影響

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NVIDIA製グラフィックボードの影響を受けていることがある。この場合はNVIDIAコントロールパネルを開き、3D設定の管理から「レンダリング前最大フレーム数」の項目をチェックしよう。すでにこの数値を変更しているユーザーは、この数値を変更することで起こるメリットをよく知っているはずだ。ゲームにおいて3フレームスキップするという不利益な現象を改善するために「0」や「1」など低い数値を選択しているユーザーも多いはずだ。

対戦形式のFPSをプレイする方に多い設定だ。この設定の数値は低ければ低いほど遅延はなくなる。その反面「CPU使用率」が高くなるということを知っておく必要がある。結果として、遅延はなくなってもCPU使用率が高くなりカクついたりfpsの低下に繋がるのだ。ゲームごとに設定しておくのがよいだろう。ちょうどよい塩梅で調整していこう。
CPU使用率が高くなる原因と対策下記の通りだ。CPUの交換や新しいパソコンの買い換えはすぐにできないが、他の対策については即効性があるのでぜひ試して欲しい。

インストールしたソフトウェアを確認しよう

パソコンを購入した時点では、ほとんど何も入っていない状態だ。そこから様々なソフトウェアやアプリケーションをインストールすることで、プログラム通しが干渉してCPU使用率を異常に高めてしまうことがある。種類によって対策が異なるので、それぞれの特徴を見ていこう。

アンチウイルスソフトは基本的に1つだけ

干渉しやすいソフトウェアの代表はアンチウイルスソフトだ。パソコンにはWindowsに標準で入っているWindows Defenderの他に、インストールするアンチウイルスソフトは1つだけにしておきたい。複数インストールしていても、稼働するアンチウイルスソフトは指定したもの1つだ。しかし、過去に別のアンチウイルスソフトを起動したことがあると、別のアンチウイルスソフトと干渉することがある。

アンチウイルスソフトに限らず、ソフトウェア通しが干渉すると様々な不具合を生み出す。ネット回線が不安定になったり、パソコンの動作が急に重くなったりはよく見られる症状だ。その中に、CPU使用率を異常に高めるというものがある。これはアンチウイルスソフトのアップデートで、新しい機能や監視システムが導入された時に起こりやすい。

パソコンを起動した時にはそれほどの重さを感じることはないが、徐々に重くなっていき、最終的にはマウスカーソルがとびとびになるほどカクついてしまうものだ。アンチウイルスソフトに限らず、諸症状の一つと言える。ただ、意外と起こりやすいのはアンチウイルスソフトだ。有効期限切れにより、別のアンチウイルスソフトをインストールした際などに見られる。一度インストールしているアンチウイルスソフトをアンインストールし、再度インストールすることで改善することがある。

また、前述のリソースモニター等で、アンインストールの付属ソフトがCPU使用率を高めていることもある。不要だと思う機能はオフにしておきたい。CPU使用率が異常に高いソフトやアプリに関しては、システム関係でない限りは強制終了をおすすめする。すぐに起動するのではなく、アンインストールや設定を確認してから起動して様子をみてほしい。

スタートアップアプリの設定の確認

パソコンを起動した時からCPU使用率が高まる要因の一つに、スタートアップアプリがある。これはパソコンを立ち上げると、自動的に起動するアプリケーションを設定するものだ。常駐アプリとしてタスクバーに収まるので見落としやすい。アンチウイルスソフトや必ず起動しているもの以外はオフにしてほしい。

設定方法は、「スタート」→「設定」→「アプリ」→「スタートアップ」だ。オンになっているものは、立ち上げ時に起動する。負荷の高いアプリケーションはオフにしておきたい。表記には影響:大などがある。しかしながら、これはシステムに大きな影響を与えるものではない。あくまでも、使用頻度によるものだ。影響:大であっても、使用率を異常に高めるならオフにして問題ない。

ここにインストールした覚えのないアプリケーションがあると注意してほしい。何かをインストールした際に、別のアプリも一緒にインストールしてしまった可能性がある。たとえそれがCPU使用率を上げていなくても、アンインストールをしておきたい。ただ、別の名前で表記されているだけで、実際は自分がインストールしているものかもしれない。見覚えのないアプリケーションは一度調べてからアンインストールを推奨している。

インストール後から調子が悪い時はシステムの復元

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長くパソコンを使っていると、様々な不具合が発生する。前述のように、アプリケーションの干渉というのはよくあることだ。特定のソフトウェアやアプリケーション、アップデートなどの後から調子が悪くなることがある。それは、アプリやソフトが干渉していたいり、アップデートの失敗などでおかしくなっている予兆だ。

Windows OSにはシステムの復元というものがある。これはバックアップのようなもので、復元ポイントにある日付まで巻き戻すことができる。注意しなければならないのは、その日付までにダウンロードやインストールしたもの全てが巻き戻ることだ。復元ポイントは設定している日付で自動的に作成されるため、インストールの直前に戻れるとは限らない。

確認方法は「スタート」→「システム」→「バージョン情報」の関連リンクにある「システムの保護」→「システムの復元」だ。ここで復元できるポイントを表示できる。復元をオフにしていると、復元ポイントがなくなるので注意してほしい。希望の日付、時間のポイントを選択して先へ進むと巻き戻しの設定が始まるのでしばらく待つ。

アプリケーションの干渉や不具合を始め、ある日突然不調になった際はシステムの復元で改善するかもしれない。改善した際は、その日付以降にインストールしたものが干渉していた可能性がある。パソコンの不具合はCPU使用率に現れやすいので、定期的にタスクマネージャー等で異常がないかチェックしておくことをおすすめしたい。

環境に合わないソフトやアプリケーションの処理

Windows 7以降、多くのユーザーは64bit OSを使用している。64bit OSが主流に移り変わり始めた頃、CPU使用率の異常な上昇というのがいくつか確認された。当時、フリーソフトの多くが64bitに対応しておらず、32bit OS向けに展開されていた。OSのシステム環境に合わないことで、正しく動作させることができず、CPUの使用率だけ異常に高くなる症状となった。

最新のアプリケーションであればそういったことは見られないが、少し古い便利なツールなどには注意してほしい。古い情報のまま更新されていない情報サイトなどは、その記事の日付が新しいかどうかで判断してほしい。64bit OSで32bit OS向けのアプリケーションは基本的に起動できない。稀に起動できるものはあっても、正常な状態ではないことがほとんどだ。

また、アプリケーションは動作が停止して、強制終了してもバックグラウンドでまだ起動していることがある。重複起動できるアプリケーションの場合、タスクマネージャーから正しく終了できているか確認してほしい。ブラウザやSteam、NVIDIA関連以外で、同じアプリケーションが複数並んでいる時は注意が必要だ。

当記事のまとめ

  • CPUの性能が足りない
  • →性能の高いCPUに交換する必要がある。コストが掛かってしまうが、その効果は抜群だ。

  • ゲーム以外のアプリケーションの影響
  • →アンチウイルスソフト等のソフトウェアの使用率が高くないかチェックしよう。もし異常に高い数値のアプリケーションがあれば機能をオフにするとよい。他のアプリケーションとの干渉や重複起動なども確認しておこう。

  • NVIDIA製グラフィックボードの設定による影響
  • →レンダリング前最大フレーム数を調整する必要がある。低い数値にすると有利になることもあるが、CPU使用率が高くなるのだ。