AMDが、1月6日に開催された「CES 2020」においてノート向け第三世代Ryzen 4000シリーズ「Ryzen 7 4800H」と「Ryzen 5 4600H」の発表を行いました。Radeon RX 5600XTと合わせて多くのゲーマーの方を魅力したと言えます。
第二世代からノートパソコンのラインナップも増えてきています。デスクトップだけではなくノート向けのCPUとして確固たる地位を築いてきました。ユーザーからすると選択肢が増えて嬉しいですね。
毎年1月にラスベガスで開催されるイベントです。「Consumer Electronics Show(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」の略で電子機器に関するショーのことです。AMD以外にもIntel、NVIDIAなど著名な企業が重要な発表を行う場として注目されています。このイベントのためにラスベガスを訪れる個人の方も増えているようです。
当ページの目次
「Ryzen 7 4800H」「Ryzen 5 4600H」のスペック
コア/スレッド | クロック周波数(ブースト) | グラフィックス | TDP | |
---|---|---|---|---|
7 4800H | 8/16 | 2.9 GHz(4.2 GHz) | Radeon | 45W |
5 4600H | 6/12 | 3.0 GHz(4.0 GHz) | Radeon | 45W |
i7-9750H | 6/12 | 2.6 GHz(4.5 GHz) | UHD 630 | 45W |
i5-9300H | 4/8 | 2.4 GHz(4.1 GHz) | UHD 630 | 45W |
第3世代Ryzenシリーズのゲーミング向け(クリエイター向け)のCPU二つのスペックをまとめています。Ryzen 7 4800Hが最上位でIntelの競合はCore i7-9750H、Ryzen 5 4600Hの競合はCore i5-9300Hとなります。Ryzenシリーズのスペックで注目すべきはコア及びスレッド数の多さです。
特に、Ryzen 7 4800Hはノート向けとしては珍しい8コア16スレッドとマルチスレッド性能が高くなっています。これだけコアが上がればノート向けCPUとは言ってもパフォーマンスに期待ができます。Ryzen 5 4600Hでも6コア12スレッドとIntelの競合よりも多くなっています。いずれにしても消費電力は45Wに抑えられていて技術の進歩が見られます。
Ryzen 4000シリーズの特徴とAMDの発表内容まとめ
デスクトップ向けCPU「Core i7-9700K」を超える性能!?
画像引用元:https://www.digitaltrends.com/
AMDによると、デスクトップ向けの「Core i7-9700K」よりもゲーミングパフォーマンスが高いということです。当然Core i7-9750Hよりも高いですね。実際のゲーム環境でプレイするまではわかりませんが、かなり期待できる数値だと思います。もはやノート向けCPUという括りも不要になるかもしれません。
Intelの一歩先!7nmプロセス採用のモバイル向けCPU
Ryzen 4000シリーズでは最新の7nmプロセスを採用しています。14nm→12nm→10nm→7nmと着実に縮小化されています。プロセスが小さくなればその分性能が高くなると考えて良いでしょう。省電力性も高くなるというメリットがあります。
Intelは第十世代のIce Lakeでもいまだに10nmプロセスを採用していて7nmまでは見ていません。Intelはプロセスにそれほど興味がなくそれよりも良いグラフィックスとコアなどに注力していると言えます。もっともRyzen 4000シリーズではグラフィックス性能もコア数も引き上げられています。
CPU内蔵グラフィックスの性能も向上
Ryzen 4000シリーズではCPU内蔵グラフィックスにRadeonを採用しています。単体でゲームをプレイするのはまだまだ厳しいですが、従来モデルと比べてパフォーマンスが向上しています。負荷の軽い3D処理なら十分こなせます。Intel Ice LakeのIris Plus Graphicsよりも性能が高いです。
補足:省電力「U」モデルもIntel Ice Lakeを超える性能を持つ
画像引用元:https://www.digitaltrends.com/
省電力モデル(15W)のRyzen 4000シリーズも高い性能を持っています。Ryzen 7 4800Uは、Intel Core i7-1065G7よりもシングルスレッドで4%、マルチスレッド性能は90%高いです。また、グラフィックス性能は28%高くなっています。ハイクラスのHシリーズだけでなくUシリーズも魅力的ですね。
Uシリーズスペック
コア/スレッド | クロック周波数(ブースト) | グラフィックス | TDP | |
---|---|---|---|---|
7 4800U | 8/16 | 1.8GHz(4.2GHz) | 8コア | 15W |
7 4700U | 8/8 | 2.0GHz(4.1GHz) | 7コア | 15W |
5 4600U | 6/12 | 2.1GHz(4.0GHz) | 6コア | 15W |
5 4500U | 6/6 | 2.3GHz(4.0GHz) | 6コア | 15W |
3 4300U | 4/4 | 2.7GHz(3.7GHz) | 5コア | 15W |
i7-1065G7 | 4/8 | 1.3GHz(3.9GHz) | Iris Plus | 25W |
Uシリーズのスペックをまとめています。Ryzen 7 4800Uは驚くべきことに8コア16スレッドと非常に高性能です。競合のCore i7-1065G7が4コア8スレッドであることを考えるとどれだけすごいかがわかります。グラフィックスコアも8コアと高いです。
IntelのIris Plusと純粋にスペックを比較することは難しいですが、上回っていることは間違いないでしょう。Ryzen 5 4600Uでも6コア12スレッドで明らかにIntelよりもスペックが高いです。実際のPC環境でそのままのスペックを発揮できるか現時点ではわかりません。それでも期待できますね。
CPU単体ではなくノートパソコン全体で性能が決まる
これまでゲーミングノートPC向けRyzen 4000シリーズに焦点を当てて紹介しました。Ryzen 4000シリーズは7nmプロセスを採用し性能面で魅力的な製品です。また、Radeonを搭載しグラフィックス性能にも磨きが掛かっています。ただし、単体でCPUの性能を比較すると実際の性能とかけ離れてしまう可能性があります。
CPUを搭載したノートパソコン全体を見たり、どの程度ノートパソコンがそのCPUに最適化されているかを見たりすることなしにどちらのCPUが優れているというのは難しいということです。また、一般的なノートとゲーミングノートPCを比較するべきではないかもしれません。当然大きくて重いゲーミングノートPCの方が冷却性能が高くポテンシャルが高くなり結果的にCPUの性能を引き出しやすくなるからです。
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参考記事
- AMD’s monster Ryzen 4000 laptop processors arrive with eight cores at CES 2020(DIGITAL TRENDS)
- AMD’s Ryzen 4000 chips bring eight cores to ultraportables(engadget)