当記事では、ドスパラ「GALLERIA ZA9C-R37」の詳細レビューをまとめている。RTX 3070×Core i9-10850K搭載のゲーミングPCだ。Core i9シリーズを搭載しているだけで希少性が高い。ハイクラスのモデルを支えるのに高性能な電源を採用していたり、CPUファンを搭載していたりと抜かりがない。このクラスのモデルを探している方は要チェックだ。現在は値上げ実施中なのでその点は注意する必要がある。
当ページの目次
GALLERIA ZA9C-R37のスペック解説
ブランド名 | GALLERIA |
---|---|
製品名 | ZA9C-R37 |
価格 | Windows 10 / 189,980円 (208,978円) ・価格改定後 |
CPU | Core i9-10850K |
グラフィックボード | GeForce RTX 3070 |
メモリ | DDR4-2933 16GB |
SSD | NVMe 1TB |
HDD | 非搭載 |
電源 | 750W GOLD |
マザーボード | チップセットZ490 |
コスパ | ★★★★★★★★★☆ 8.7 ・値上げ後 |
価格高騰に注意
現在パーツの供給不足によりBTOパソコンは全体的に値上げが適用されている。GALLERIA ZA9C-R37は2度の値上げにより、遂に税抜価格が20万円を超えてしまった。1度目は9,000円の値上げ、2度目は21,000円の値上げで合計3万円値上げされた。RTX 3070搭載モデルの中では大幅な値上げが適用されたモデルになった。
評価も大きく下がり、おすすめ度も低い。それでも何とか6.0以上に留まっているのは、元々の評価の高さによるものだろう。構成がマイナスされているわけではないこと、比較的高性能なモデルであること。この2つの要素で何とか踏みとどまっている。RTX 3070搭載モデルは徐々に品切れ状態が目立つようになった。多少割高でも現存するRTX 3070搭載モデルはそれだけで貴重だ。
しかし、評価以上におすすめ度は低い。流石に3万円の値上げは厳しい。3万円あればゲーム向けの周辺機器で環境を整えられる。多くの製品が10%前後、RTX 3070搭載モデルに限れば10%未満の値上げだ。15%を超える値上げ率はかなり高額である。Core i9-10850KはCore i9-10900Kの供給不足を補うために登場した。コストパフォーマンスではCore i9-10900Kを凌ぎ、価格も抑えられた優秀なCPUだ。
そのCore i9-10850Kを搭載して価格を抑えきれないのは厳しい。比較に登場するモデルに比べるとやはり少し高い。比較対象となるモデルもそこまでおすすめ度が高いわけではない。それでもGALLERIA ZA9C-R37よりは圧倒的に高い。製品自体は悪くないので、多少の割高に目を瞑れば選択もありかもしれない。ただ、それをおすすめすることはできない。
各タイトルの対応表
FF14 4K | Apex Legends 144Hz | Apex Legends 60Hz | Fortnite 144Hz | Fortnite 60Hz |
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![]() ★★★★★ | ![]() ★★★★★ | ![]() ★★★★★ | ![]() ★★★★★ | ![]() ★★★★★ |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
GALLERIA ZA9C-R37の性能まとめ
ゲーミングPCとは、グラフィックボードやCPUなどのPCパーツの集合体だ。ここでは特に重要なグラフィックボードとCPUについて分解して細かく見ていく。
PC初心者の方がスペックを見て性能をイメージすることは難しいだろう。一体として見るよりも一つずつのパーツを見ていくと理解がしやすいと考えている。
GeForce RTX 3070(GPU)
RTX 3070は、Tensor世代のハイクラスグラフィックボードだ。その高い性能はWQHD解像度でのゲームプレイを前提にしている。FULL環境ではオーバースペックになってしまうほどだ。それでも将来性を考えてFULL HDを中心でも予算が合うのであれば問題ない。数年間は現役で活躍するモデルとなるはずだ。もちろんレイトレーシングやDLSSなどの最新技術を存分に試すこともできる。これらは性能ありきなので少し余裕があるぐらいの方がよい。
Intel Core i9-10850K(CPU)
Core i9-10850Kは、Intel第10世代のCPUとなっている。10コア20スレッドとマルチコア性能が高くゲームプレイだけには留まらない。フラグシップモデルであるCore i9-10900Kとほぼ同等のCPU性能を持つ。両者で性能差を体感することはできないのではないかと思う。ゲーム実況やゲーム配信など幅広い用途に対応することができる。
総合性能
強力なCPU性能とGPU性能を持ち高い対応力が魅力のゲーミングPCだ。WQHD以上の解像度を前提とする現行のハイクラスは、どんなゲームに対応することができる。FF14を4Kで、Apex Legendsを144Hz以上で、環境を選ばず快適にプレイできる。FF14よりも負荷の高いタイトルでも4Kを実現できる。フルHDなら360Hz、WQHDなら240Hzのような高リフレッシュレートも可能だ。
ゲームに対して非常に強力なパフォーマンスを発揮する。これから登場する最新タイトルを見据えた圧倒的な性能は、既存のゲームには完璧に対応できる。スペックを気にせずにゲームをプレイできるのは魅力的である。高性能なモデルは、性能の寿命が長く初心者から上級者まで誰にとってもメリットがある。
Core i9-10850Kを搭載していることで、ゲーム以外への用途にも適している。動画の編集やエンコードのように、CPU性能が要求される用途も可能だ。ゲームを中心にしつつも、他の用途も想定しているなら失敗のないモデルと言える。
GALLERIA ZA9C-R37の特徴&強み
ハイクラスモデルで無難な選択肢の一つ
GALLERIA ZA9C-R37は、性能・構成・価格のバランスが上手く取れたゲーミングPCだ。突出した部分はなくても、どこを取っても高い水準にある。予算がこの辺りなら無難な選択肢だ。ケースデザインもよいので選んで後悔することはないだろう。現在のゲーミングPCの中では非常に高い性能を有している。それだけで選ぶ理由としては十分だ。
価格もそれなりに抑えられており、コストパフォーマンスも上々だ。これだけ優れた評価を持っていても、RTX 3070搭載モデルの中では標準的である。これはどこのショップもRTX 3070を主力として扱っているからだ。特に価格を抑えたモデルは非常に多く、GALLERIA ZA9C-R37のように性能を重視したモデルは割って入りにくい。ただ、その性能の高さは大きな強みである。
GALLERIA ZA9C-R37のCPUはCore i9-10850Kだ。Core i7-10700が主流となりつつある今、Core i9を搭載しているだけで強みと言える。RTX 3070の性能を最大限活かし、高解像度を前提とするなら有用なモデルだ。対応力はRTX 3070搭載モデルの中でも上位に位置している。優秀なコストパフォーマンスと対応力が魅力のモデルで、選択肢としては悪くない。
今ひとつ人気が伸び悩む理由は、前述のように価格を抑えたモデルの存在だ。性能を重視したRTX 3070の数は少ない。4Kなどの高解像度がフルHDに比べて広く普及していないことも影響している。360Hzが登場するなど、フルHDを選択するメリットはある。一方で4Kは高リフレッシュレートが実現しにくく、RTX 3070では十分に対応しにくいことが挙げられる。WQHDをメインするなら選択する価値はありそうだ。
弱点の少ない総合力の高さが魅力
GALLERIA ZA9C-R37の魅力は性能の高さにある。また、優れた構成もまた魅力の一つである。例えば高性能なCPUとGPUを搭載しているので、電源は750W GOLDと余裕がある。ストレージもNVMe対応SSD 1TBと容量は十分だ。ゲームを中心とするならストレージに不満はない。チップセットはZ490を採用。これによりオーバークロックも可能である。CPU性能を更に高める設定で、対応力を増強させることができる。
さらに、CPUファンは冷却性能に長けた虎徹MarkⅡを搭載している。オーバークロックにも耐えられる優れたCPUファンを標準搭載しているのはありがたい。性能に関わる部分はもちろん、構成にまで手が届いたモデルと言える。全体的に上手く噛み合い、性能を活かす構成である。優れた構成は総合力を押し上げている。
完成度に関してはそこまで高くない。弱点の少ない構成ながら、最上位の構成ではない。例えば、RTX 3070の性能と用途を考慮すれば、メモリは32GBは欲しい。これはCore i9-10850Kを搭載していることで、対応力を伸ばしているためだ。Core i7-10700搭載モデルであれば16GBで十分である。ストレージにしてもHDD 1TBでもあれば用途の幅は広くなっていただろう。
価格を考慮すれば非常に優秀なモデルだが、後もう少し構成が伸びれば圧倒的な評価で最強クラスに君臨する。言い換えれば、最強モデルに非常に近い地点にあるモデルである。今後、キャンペーンなどで5,500円以上価格が下がれば、一気に評価が伸びる。
HDDの追加やメモリのカスタマイズに掛かる費用の多くを補えるからだ。カスタマイズ後の価格が他製品の標準的な価格となれば、GALLERIA ZA9C-R37をおすすめしやすくなる。Core i9-10850Kを搭載した強みをもっと活かすことができれば、人気モデルとして評価をさらに高めるはずだ。
競合モデルとの比較
ブランド名 | GALLERIA | raytrek |
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イメージ | ![]() | ![]() |
製品名 | ZA9C-R37 | ZF |
価格 | 219,980円 | 196,980円 |
CPU | Core i9-10850K | Core i9-10900K |
GPU | RTX 3070 | RTX 3070 |
メモリ | DDR4-2933 16GB | DDR4-2933 32GB |
SSD | NVMe 1TB | NVMe 1TB |
HDD | 非搭載 | 非搭載 |
電源 | 750W GOLD | 850W GOLD |
マザーボード | Z490 | Z490 |
公式 | 公式 | 公式 |
詳細 | 当ページ | 詳細 |
ゲーミングPCではなくクリエイター向けPCなのでケースの性能はGALLERIA ZA9C-R37に分がある。ただ、ケース性能だけで覆せるほどの僅差ではないので考慮に値しない。クリエイター向けのraytrekシリーズは光学ドライブとカードリーダーの両方を搭載している。利便性も高く扱いやすいので人気が高まっている。
注意したいのはratrek ZFはまだ値上げされていないということだ。値上げは突然やってくるので、選択する時には価格が高くなっているかもしれない。必ず価格の変化は確認しておきたい。たとえ3万円値上げされたとしても、ratrek ZFの評価の方が上なので今の状況を考えればratrek ZF以外の選択肢はない。予算が合うなら税抜23万円までの値上げならおすすめだ。
パソコンケースレビュー
正面
新しいケースはユーザー目線に立ったモデルだ。GALLERIAのロゴが真ん中に位置している。吸気口が正面下部から両サイドに変わり排熱効率が大幅にアップしている。グラフィックボードなどのパーツの高性能化による発熱量をカバーするのに十分だ。
正面-LED
ゲートのようにLEDが張り巡らされていてオシャレだ。ソフトウェアからカラーを任意で変更することが可能だ。デザイン自体はコンセプトカーや工業プロダクトデザインを得意とするデザインハウスが担当している。無骨なデザインからより万人受けするデザインになったと言える。
I/Oパネル
I/Oパネルは本体の上部に斜めに配置されている。USB端子も豊富で利便性が高い。ゲーミングヘッドセットを使う際にもコードが曲がらず使い勝手がよい。天板にものを置くことも可能だ。
サイド
本体サイドには吸気口が見える。また、クリアガラスパネルを採用していてゲーミングPCらしさが演出されている。高級感のあるデザインは評価も高い。
管理人による総評(GALLERIA ZA9C-R37)

GALLERIA ZA9C-R37は、RTX 3070×i9-10850K搭載のゲーミングPCだ。ドスパラが誇るハイクラスのモデルとなっている。2度の値上げ実施でついに税抜価格が20万円を超えてしまった。コストパフォーマンスは低迷中だ。メモリ16GB、SSD 1TBと構成もドスパラらしい。その上でこのハイクラスモデルにふさわしい高品質電源ユニット及びCPUファンが搭載されている。
パフォーマンスを100%発揮できる環境が整っている。RTX 3070搭載モデル自体各BTOメーカーが力を入れているため、このモデル以外にも魅力的なモデルは存在している。いろいろなモデルを見て比較検討して欲しい。現在は値上げが行われてしまったため同じドスパラのraytrek ZFを選択するとよいだろう。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
219,980円 | Core i9-10850K | RTX3070 |
メモリ | SSD | HDD |
DDR4 16GB | 1TB | 非搭載 |
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