フロンティアが販売する「FRGKB760/WS508」のレビューをまとめた。Core i5-14400F×GeForce RTX 4060搭載のミドルクラスのゲーミングPCだ。GeForce RTX 3050 6GB搭載モデルと比べると性能的に余裕が生まれる。フルHD環境でのゲームプレイを想定している方は必見だ。コストパフォーマンスは最高評価の10.0だ。期間限定のセールモデルらしい素晴らしいモデルに仕上がっている。ミドルクラスの王道とも言える性能と平均を超える構成は扱いやすい。
残念ながら5/9(金)15:00に情報が更新されて翌日5/10(土)には完売となっていた。月曜日に再販されることを期待したい。
- 長所
-
- 価格が安くコストパフォーマンスが高い
- 比較的充実した平均を上回る構成
- 短所
-
- 在庫に限りがあり競争率が高い
- 拡張性が低い
- こんな方におすすめ
-
- 予算を抑えたい方
- 最高設定でのゲームプレイを想定していない方
- 初めてのゲーミングPCを探している方
FRGKB760/WS508のスペック解説
メーカー | フロンティア |
---|---|
ブランド名 | FRONTIER |
製品名 | FRGKB760/WS508 |
価格 | 129,800円(税込) |
CPU | Core i5-14400F(レビュー) |
GPU | GeForce RTX 4060(レビュー) |
メモリ | DDR4-3200 16GB |
ストレージ | SSD 1TB Gen4 NVMe |
電源 | 600W 80PLUS BRONZE |
マザーボード | チップセットB760 |
おすすめ度 | Sランク |
評価 | ・コスパ 10.0 —–内訳—– ・ショップ評価 8.5 |
FRGKB760/WS508のカスタマイズを評価
パーツ | おすすめ度 | 詳細 |
---|---|---|
ケース | [白色ケース] +0円 | |
OS | 変更なし | |
オフィスソフト | 変更なし | |
セキュリティソフト | 変更なし | |
CPU | インテル Core i7-14700F プロセッサー +36,300円 | |
CPUクーラー | 変更なし | |
CPUグリス | 変更なし | |
メモリ | 32GB(16GB×2)PC4-25600(DDR4 SDRAM) +7,700円 | |
NVMe SSD [1st] | 変更なし | |
NVMe SSD [2nd] | 変更なし | |
ハードディスク | 変更なし | |
光学ドライブ | 変更なし | |
電源 | 【静音電源】750W ATX 3.0電源 80PLUS GOLD (日本製コンデンサ仕様) +4,400円 |
|
Steamアプリ | Steamクライアントソフトウェア +0円 | |
無線LANアダプタ [Wi-Fi(ワイファイ)] | USB3.0無線LAN子機(Wi-Fi5)U3W866AC 1200Mbps [866Mbps(5GHz)+300Mbps(2.4GHz)] +1,870円 |
|
Bluetooth(ブルートゥース)アダプタ | Bluetooth 5.0ナノUSBアダプタTP-LINK製 UB500[メーカー保証] +1,430円 |
|
パスワード管理 | 変更なし | |
保証 | 変更なし | |
オンサイトサービス(訪問部品交換サービス) | 変更なし | |
パソコン出張設置サービス | 変更なし | |
データ復旧サービス | 変更なし | |
「J-ONEcall」電話&リモートサポート | 変更なし |
黄色のマーカーは一般的なBTOパソコンで人気のカスタマイズ項目を解説している。おすすめ度はFRGKB760/WS508でのカスタマイズ評価だ。当該モデルは価格に見合わずしっかりとした構成を持ちカスタマイズの必要性がある箇所は少ない。他メーカーより比較的カスタマイズ費用が抑えられているメモリと電源くらいだろうか。
CPUのカスタマイズができるのは興味深いが、それなら標準でCore i7-14700Fを搭載したモデルを選んだほうが無難だ。標準搭載よりもカスタマイズの方が割高になるからだ。Core i7-14700F搭載モデルが選べないタイミングなら悪くない。Core i5-14400Fと比べると性能はツーランクアップだ。高リフレッシュレートを目指すのに適している。クリエイティブ作業への適性も大きく向上する。
メモリの規格はDDR4-3200で、主流のDDR5規格ではない。そのため、カスタマイズにかかる費用が抑えられているのはメリットだ。Core i5-14400FとGeForce RTX 4060の組み合わせなら16GBで十分であるが、メモリ容量は大きくて困ることはない。メモリスロットが2つしかなく、標準構成で占有していることを考えるとカスタマイズしておくのもよさそうだ。
メモリスロットが2つしかないと、メモリ容量を32GBにするとき増設ではなく交換対応になる。取り外したメモリがそのまま余ってしまい無駄が生じる。これを避ける意味でもカスタマイズしておきたい。フロンティアのメモリカスタマイズは費用が良心的だ。+7,700円で32GBにできるならミドルクラスのモデルであっても選択する価値はある。
電源は変更しなくてもいい。カスタマイズにかかる費用が控えめであることからピックアップしただけだ。Core i5-14400FとGeForce RTX 4060の組み合わせなら標準の600W 80PLUS BRONZEで事足りる。CPUやグラフィックボードを交換して長く使い続けることを想定して750W 80PLUS GOLDまでは選択するメリットがある。
ケースについても言及しておこう。FRGKB760/WS508はケースの色を黒と白から選択できる。見た目が変わるだけなので重要なものではないかもしれない。しかし、他メーカーの製品のように、カラーごとにモデルが分かれておらず、白色モデルが欲しい場合はカスタマイズで白色ケースを選択しなければならない。変更を忘れると黒色ケースが届くので注意してほしい。
FRGKB760/WS508の特徴
初心者におすすめの扱いやすいゲーミングPC
FRGKB760/WS508はグラフィックスにGeForce RTX 4060を搭載したゲーミングPCだ。王道のミドルクラスで標準的な性能を有している。下位モデルであるGeForce RTX 3050 6GBと比べると80%以上のゲーム性能が高い。フルHDで100fpsでのゲームプレイを基本と考えよう。最高設定で240fpsの安定や、4KやWQHDのような高解像度には対応しにくい。幅広い環境には対応できないが、適した環境がはっきりしているのはありがたいものだ。
144Hz・1240Hz対応のフルHDモニターは価格も安く選びやすい。WQHDや4Kに対応した性能だとモニター選びも難しくなる。価格も高く選択肢も増えるからだ。。性能が高くなれば幅広い環境から選べる反面、環境を整えるための手間や費用も高くなってしまう。自分に適した環境を探すには時間も必要だ。最初はよくても時間が経てば徐々に最適な環境も変わるものだ。選択肢の幅が広いというのは必ずしもよいものではない。
特に、初めてのゲーミングPCのような初心者の方には最善がわからない。性能に関しても、何でもできる性能は何をすればよいかわからなくなってしまうだろう。結果的にそこまでの性能が必要なく、持て余すというのもよくある話だ。ミドルクラスの性能は設定次第でほぼすべてのゲームに対応できる。人気のゲームから最新のゲームもある程度快適にプレイできるので扱いやすい。今のゲーミングPCは性能が大きく進化していることもあり、ミドルクラスの性能でも長く使うことができる。
数年前のミドルクラスは1~2年で性能不足を感じることもあった。2025年時点でのミドルクラスを基準に考えれば無理して高性能なモデルを選択しなくても、快適なゲームプレイが可能だ。フルHDでのゲームプレイならFRGKB760/WS508で満足できるはずだ。選びやすく扱いやすいというのはミドルクラスのモデルに求められる要素だ。それを満たしたFRGKB760/WS508はおすすめしやすい。
充実の構成が高コスパに貢献している
FRGKB760/WS508の魅力はコストパフォーマンスの高さにある。単純に価格が安いだけではなく、構成のよさが評価を支えている。比較的優秀な構成としっかり抑えられた価格により、圧倒的なコストパフォーマンスを誇っている。同じ特性を持つモデルはミドルクラスに多い。その中で頭一つ抜けた存在がFRGKB760/WS508だ。
電源が平均的な650Wではなく600Wになっている点にも触れておきたい。Core i5-14400FとGeForce RTX 4060の組み合わせで最も多く搭載されているのは650W 80PLUS BRONZEだ。それよりも落ちる600W 80PLUS BRONZEを採用したFRGKB760/WS508は構成に優れていると言えるのかという点だ。Core i5-14400FとGeForce RTX 4060の組み合わせなら電源は550Wの容量があれば十分だ。つまり600W 80PLUS BRONZEは必要十分ということになる。
これはCPUをCore i7-14700Fに変更しても不足しない容量である。コストカットと言えるほどではないが、十分すぎる容量を控えめにしているだけで実用性に問題はない。実用性という意味ではSSD容量の方が重要なはずだ。1TBのSSDを搭載していることは強みになる。同性能帯・同価格帯のモデルを見るとSSD 500GB搭載が一般的だ。ゲームをプレイするだけなら500GBで十分なのは間違いない。
しかしながら、ストレージは何をするにも容量を必要とするため、長くパソコンを使うほどに容量がかさむものだ。パソコンを起動するために必要なOS、快適な操作を実現するために必須のアプリで100GBは軽く使用するだろう。人気のゲームにも100GBや200GBを超える容量が必要となるものはある。ひとつのゲームしかプレイしないなら問題はないかもしれないが、複数のゲームをプレイすることは当然の流れだ。
2つ3つと容量の大きいゲームをインストールすれば、それだけで500GBという容量は埋まってしまうだろう。1TBという容量は、複数のゲームだけではなく動画の保存にも対応できる。SSDに1TB NVMe Gen4を採用したモデルで、129,800円という低価格のモデルは他にないのではないだろうか。コストカットで最も削られやすいのはSSDの容量だ。
必要としない部分を削り、必要な部分を伸ばす。これこそがFRGKB760/WS508の高いコストパフォーマンスの要因である。価格の安さの影響も大きいが、それだけではここまで突き抜けたコストパフォーマンスを実現するのは難しい。最高評価というのは、構成と価格に優れていて到達できる領域だ。
競合他社のゲーミングPCと比較
ブランド名 | FRONTIER | Magnate-G | LEVELΘ |
---|---|---|---|
イメージ | ![]() |
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製品名 | FRGKB760/WS508 | Magnate-G MVW | LEVEL-M17M-144F-RLX |
ケース | ミニ | ミニ | ミニ |
価格 | 129,800円 | 139,980円 | 144,800円 |
送料 | 3,300円 | 3,300円 | 2,200円 (会員無料) |
CPU | Core i5-14400F (10コア16スレッド) |
Core i5-14400F (10コア16スレッド) |
Core i5-14400F (10コア16スレッド) |
CPUクーラー | 空冷 | 空冷 | 空冷 |
GPU | RTX 4060 | RTX 4060 | RTX 4060 |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR5-4800 16GB | DDR5 16GB |
SSD | 1TB Gen4 NVMe | 500GB Gen4 NVMe | 500GB NVMe |
電源 | 600W BRONZE | 650W BRONZE | 650W BRONZE |
マザーボード | B760 | B760 | B760 |
納期 | 約4営業日 | 最短翌日 | 2-7日後 |
保証(延長) | 1年間 (最長3年間) |
1年間 (最長5年間) |
1年間 (最長4年間) |
電話サポート | 10:00-19:00 | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー | レビュー |
同性能帯であるドスパラのMagnate-G MVWとパソコン工房のLEVEL-M17M-144F-RLXと比較していく。どちらもコストパフォーマンスを重視したモデルで、平均的な価格である15万円台を下回っている。2つのモデルと比較してもFRGKB760/WS508が最も安い。Magnate-G MVWの方が10,180円高く、LEVEL-M17M-144F-RLXの方が15,000円高い。パソコン工房については無料会員登録で送料が0円になるので実質の価格差は11,700円となる。
FRGKB760/WS508はメモリの規格がDDR4-3200と競合モデルに劣ってしまうが、SSD容量は倍の1TB搭載だ。構成ではFRGKB760/WS508がリードしているといえるだろう。LEVEL-M17M-144F-RLXにいたっては、メモリ規格の記載がなく、SSDの接続規格もGen3で下がる。保証は同等ながら、電話サポートには大きな差が生じている。FRGKB760/WS508のフロンティアは10:00-19:00なのに対し、ドスパラもパソコン工房も24時間365日対応である。もしかすると、こういった部分のコストカットが価格に影響しているのかもしれない。
どこのメーカーも力を入れるミドルクラスのモデルで、ここまで優れた構成と価格で展開するFRGKB760/WS508は素晴らしい。圧倒的な差をつけていると言える。Magnate-G MVWはサポートまで含めると優秀なモデルだ。それでもあと一歩FRGKB760/WS508には届かない印象がある。LEVEL-M17M-144F-RLXはセールなどで変化があればというところだ。なんとか13万円台に突入すれば戦えるだろう。
FRGKB760/WS508はセールモデルであるため、恒常的に販売されているMagnate-G MVWやLEVEL-M17M-144F-RLXと同列に比較するのはフェアとは言えない。それでも、モデル以外の部分にアピールポイントを持っているので、FRGKB760/WS508以外の製品に魅力を感じる方もいるはずだ。これら3製品は優秀なモデルであることに間違いない。選べるならFRGKB760/WS508がおすすめだが、比較の両製品にも注目したい。
GKシリーズケース詳細
FRONTIERのGKシリーズは2023年12月に登場した最新のケースだ。ブラックとホワイトカラーのニ色展開となる。容量30Lのミニタワーに、垂直エアフロー構造を採用した強力なエアフロー性能を誇るケースだ。そのエアフロー構造は、一般的なフロントからリアに流れるものではないため、パーツを増設する際はエアフローの方向を意識する必要がある。そのまま使うなら問題はないが、増設や交換を想定するなら難易度が高く上級者向けとなりそうだ。
サイズ比較
ブランド | イメージ | 製品名 | サイズ | GPU | 幅 | 奥行き | 高さ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
FRONTIER | ![]() |
GK | ミニ | ◯ | 215 | 401 | 347 |
GALLERIA | ![]() |
R-Class | ミニ | ◯ | 220 | 440 | 425 |
マウスコンピューター | ![]() |
NEXTGEAR | ミニ | ◯ | 220 | 411 | 390 |
パソコン工房 | ![]() |
LEVELθ | ミニ | ◯ | 220 | 411 | 441 |
他のミニタワーケースと比べて高さが低い。体積も小さいことがわかる。
正面
フロントパネルはロゴがあるだけで、とくに何もないシンプルなデザインだ。何もないフロントパネルではあるものの、一般向けに採用される汎用ケースとは違うことがわかる。あえてロゴ以外の装飾をしないことで、デザイン性を引き立てているように感じる。ゲーミングPCに採用されるケースとしては、少し好みが分かれそうだ。
正面2
本体上部は黒色になっている点は押さえておこう。どうせなら統一してほしかったところだ。
本体上部
本体上部の天板は、I/Oパネルが設置されている。電源ボタン、USB Type-A 3.2 Gen1が2つ、ヘッドセット出力端子が1つだ。USB Type-Cポートは使用できないのは残念だ。天板には防塵ダストフィルターがあり、メンテナンスが容易にできる。
底面から吸気して上部に排出する、垂直エアフロー構造を採用しているため、天板に吸気ファンを追加しにくい。特殊なエアフローに特化し、それ以外はあまり考えられているようには見えない。電源の熱も天板から排出される。パソコン上部に少し空間が必要になる。置き場所には気をつけてほしい。
右側面
右側面には何もない。垂直エアフローのためか、エアホールさえない。
左側面
左側面も右側面同様に何もない。
背面
*黒色ケース
背面は一般的なミニタワーゲーミングPCと変わりはない。背面に排気ファンが搭載されている。
底面
底面は大きく開いており、ここがメインの吸気口となる。画像で見えるファンはグラフィックボードのものだ。ケースファンの位置を考えると、垂直エアフロー自体メリットがあるようには思えない。しかし、試みはおもしろいので、フロンティアのケースはユニークな方向に進んでほしいものだ。
管理人による総評

フロンティアのセール対象モデルで高いコストパフォーマンスが魅力だ。Core i5-14400FとGeForce RTX 4060の組み合わせで12万円台は破格だ。すぐに売れてしまうのも仕方がない。ゲーム性能はミドルクラス相当でフルHD環境で高リフレッシュレートを実現できる。設定を下げることで様々なゲームに対応可能だ。CPU性能も高めで長く使い続けられるだろう。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
129,800円 | i5-14400F | RTX4060 |
メモリ | SSD | チップセット |
DDR4 16GB | 1TB | B760 |