ROG Rapture GT-BE98画像引用元:https://rog.asus.com/

Wi-Fi 7対応のおすすめルーターを紹介していく。2023年12月22日に総務省が正式に認可を行い2024年に国内でも続々と対応ルーターが登場している。これまでよりも速いネット通信環境の構築が可能となる。ゲーミング市場においても大きな影響を与えるのではないかと考えている。特にWi-Fiを使用する機会の多いゲーミングノートPCに与える影響が大きいはずだ。

TOPの画像は、ASUSのゲーミングルーター「ROG Rapture GT-BE98」だ。価格は驚きの134,820円となっている。価格は高いが、ゲーミングPCに似合うかっこいいデザインが特徴だ。優れた通信環境を求めている方はぜひチェックして欲しい。2025年時点ではまだまだ1世代前のWi-Fi 6が主流だ。Wi-Fi 7の普及はもう少し時間が掛かりそうだ。

Wi-Fi 7と旧規格のスペック比較

Wi-Fi 7 Wi-Fi 6 Wi-Fi 6 Wi-Fi 5 Wi-Fi 4
正式名称 IEEE 802.11be IEEE 802.11ax IEEE 802.11ax IEEE 802.11ac IEEE 802.11n
導入年 2024年 2020年 2020年 2014年 2009年
最大通信速度 46Gbps 9.6Gbps 9.6Gbps 6.9Gbps 0.6Gbps
使用電波帯 2.4GHz/5GHz/6GHz 2.4GHz/5GHz/6GHz 2.4GHz/5GHz 5GHz 2.4GHz/5GHz
チャンネル幅 20MHz/40MHz/80MHz
160MHz/320MHz
20MHz/40MHz
80MHz/160MHz
20MHz/40MHz
80MHz/160MHz
20MHz/40MHz
80MHz/160MHz
20MHz/40MHz
変調方式 4096-QAM OFDMA 1024-QAM OFDMA 1024-QAM OFDMA 256-QAM OFDM 64-QAM OFDM
最大同時接続数 16台 8台 8台 4台 交互通信
MIMO
(多重伝送技術)
16×16 UL/DL 8×8 UL/DL 8×8 UL/DL 4×4 UL/DL 4×4 UL/DL
RU
(リソースユニット)
Multi-RU RU RU
MLO
(マルチリンクオペレーション)
Preamble Puncturing
トピック マルチリンク追加
変調方式の変更
電波帯6GHz追加 多重伝送技術の高速化
変調方式の変更
帯域幅160MHz追加
変調方式の変更
多重伝送技術の追加
帯域幅40MHz追加
2024年に登場した次世代通信規格のWi-Fi 7のスペックを見ていく。項目ごとの細かい解説は次の「Wi-Fiの理解を深める基礎知識」を参考にしてほしい。Wi-Fi 6と比べて大幅にスペックが引き上げられている。まずは、最大通信速度が9.6Gbps→46.0Gbpsへとおよそ4.8%も高速になった。また、チャンネル幅に320MHzが追加されている。一度に転送できるデータ量が増えるため通信速度が向上する。変調方式も4096-QAMと強化された。

機器の最大同時接続数も16台へと倍増だ。例えば、家族みんながガジェット好きでたくさんの端末を所有しているという方でも16台なら十分なのではないかと思う。MIMOも16×16へと強化されている。Wi-Fi 7ではMulti-RU(マルチリソースユニット)をサポートしている。1ユーザーに複数のリソースユニットを割り当てることができ、周波数の利用効率が向上する。MLO及びPreamble PuncturingについてはWi-Fi 7のみの機能だ。通信の安定化につながる。

Wi-Fi 4の登場から実に15年経過してネット環境も大きく変わったといえる。最大通信速度は実に76倍だ。同時接続数も交互通信から16台へと大幅に増えている。Wi-Fi 5から見ても大幅に向上している。今後新しい端末を購入するなら次世代規格に対応しているかどうかをチェックしておくとよい。

Wi-Fiの理解を深める基礎知識

Wi-Fiのスペックを調べているとたくさんの専門用語が出てくることに気付くだろう。ここでは主要な用語について解説していく。

最大通信速度

最大通信速度はイメージしやすいのではないかと思う。ネット回線の速さと考えるとわかりやすい。ただし、最大通信速度は理論上の最大値を表していて、実際の転送速度がこの通りというわけではない点を理解しておく必要がある。あとは自宅にひいている光回線の速度がどの程度なのかどうかを確認しておくとよい。そもそも光回線が1Gbpsならそれ以上を出すことはできない。

周波数

現在3つの周波数帯がありそれぞれ特徴がある。2.4GHzは障害物に強く遠くまで届きやすいが、電波干渉には弱い。5GHzは障害物には弱く近場がメインとなるが、電波干渉に強い。6GHzは5GHzの強化版と考えるとよい。周波数帯の切り替えは端末側から行うことができる。周波数帯ごとにネットワーク名(SSID)及びパスワードが設定されている。

帯域幅

帯域幅とは一度に無線通信ができる容量のことだ。帯域幅が広ければより効率的にデータのやり取りができ通信速度の向上につながる。Wi-Fi 7では320Mhzをサポートしている。

変調方式

変調方式とは、データを転送する際に最適な電気信号に変換する方式のことだ。Wi-Fiで使用されるQAM(Quadrature Amplitude Modulation)を直くすると直交振幅変調となる。デジタル信号を無線で転送できるようにアナログ信号に変換させることだ。数値が多いほど伝送可能なビット数が多くなり高速化を実現できる。Wi-Fi 6と比べて通信速度が1.2倍になるようだ。

最大同時接続数

端末の同時接続可能台数を表す。新しい世代になればなるほどより多くの端末が利用可能だ。スマホ、ゲーム機器、スマートウォッチ、生活家電などWi-Fi接続できる機器が増えた現代において重要なポイントとなる。

MIMO(多重伝送技術)

MIMOとは、複数の送受信アンテナを使ってデータを同時転送する技術のことだ。日本語では多重伝送技術と呼ばれる。アンテナの数=通信経路(ストリーム)の数で、通信経路の数が多いほど通信速度が速くなる。Wi-Fi 7では最大16本まで拡張されていてWi-Fi 6と比べて倍増だ。

RU(リソースユニット)

リソースユニットとは、1ユーザー当たりの周波数の割り当てのことだ。Wi-Fi 7ではMulti-RUをサポートしていて1ユーザーに複数のRUを割り当てられるようになった。周波数の利用効率向上で通信の高速化が実現する。

MLO(マルチリンクオペレーション)

2.4GHz・5GHz・6GHzという3つの周波数帯を組み合わせて通信することができるようになる機能だ。従来までは端末ごとにいずれかの1つの周波数のみしか使用できなかったので重さを感じてしまうことがあった。通信環境に合わせて同時接続ができるので効率的だ。

Preamble Puncturing(プレアンブル・パンクチャリング)

プレアンブル・パンクチャリングとは、他の端末による電波干渉を受けてしまっても干渉を避けて効率的に通信が行える技術のことだ。

Wi-Fi 7の登場がゲーマーに与える影響を考察

場所を選ばず快適なゲームプレイができる

次世代規格の「Wi-Fi 7」になると、今まで以上に快適にゲームをプレイすることが可能だ。1秒の遅延が命取りになってしまうFPSプレイヤーにとっては最高な環境になるだろう。無線通信は、有線に比べて遅延(レイテンシ)が発生するなどの理由で避けられがちだったが、その問題がクリアできるのであればかなり好ましい状況だ。

ゲームプレイは有線LANのある場所に限られない。自宅でも家族みんなが無線を使っていると通信が重くなってしまうこともあった。同時アクセスについての課題も克服できそうだ。ゲーミングノートPCの性能は確実に向上してきているので、ソフト面でも強化は急務だったと言える。Wi-Fi 6の時代が来れば友人たちとスターバックスに集まってPUBGをプレイすることだってより現実的になってくる。

ゲーミングノートPCの需要が高まる

ネット環境が良くなるのであればゲーミングノートPCの需要がより高くなると考えている。現在はゲーミングノートPCを持っているゲーマーでも無線LANではなく有線LANを使っている方も多いのではないかと思う。需要が大きくなれば今まで以上に各メーカーがゲーミングノートPCの開発・販売に力を入れることになりユーザーはよりよい製品を手に入れられるというわけだ。

ここ数年でゲーミングノートPCの地位は確実なものとなってきている。数年前よりも明らかに売れているのだ。各BTOメーカーのラインナップも増えてきていることから容易に想像がつく。ユーザーからすると、Wi-Fi 6の登場で今よりも選択肢が増えるというのはメリットとなるはずだ。数が増えれば価格競争もおきやすくなるという恩恵もある。

ゲーム大会の開催が多くなる

通信環境がよくなればゲーム大会の開催頻度が多くなるかもしれない。同時アクセスでも安定した通信ができるのであれば大会を実施しやすくなるはずだ。そうなればゲーム業界が活性化し、ゲーム人口が増えよりよいゲーミングノートPCやデバイスが販売されるようになるだろう。

たかが通信環境では終わらないのは間違いない。プロゲーマーを目指す若者も増え、職業として今よりも認知されることが予想される。それほどネット環境がゲーミング市場に与えるインパクトは大きい。ハードとソフトの両面が揃えば怖いものなしだ。

Wi-Fi 7対応のおすすめルーター紹介【2025年】

ASUS RT-BE92U

ASUS RT-BE92U

tp-link Archer BE900

Archer BE900

ASUS ROG Rapture GT-BE98

ROG Rapture GT-BE98

参考外部サイト

  • https://www.wi-fi.org/(Wi-Fi Alliance)
  • Wi-Fi Allianceは、Wi-Fiを世界中の人に届けるために尽力している企業で構成される世界的なネットワークのことだ。Wi-Fiをサポートする組織と考えて良いだろう。