ROG Rapture GT-AX11000画像引用元:https://blog.bestbuy.ca/

当記事では、Wi-Fiの新しい規格「Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)」に関する考察をまとめている。これまでよりも速いネット通信環境の構築が可能となる。ゲーミング市場においても大きな影響を与えるのではないかと考えている。特にWi-Fiを使用する機会の多いゲーミングノートPCに与える影響が大きいはずだ。

TOPの画像は、ASUSのゲーミングルーター「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」だ。価格は驚きの5万円となっている。価格はやや高めだが、ゲーミングPCに似合うかっこいいデザインが特徴だ。優れた通信環境を求めている方はぜひチェックして欲しい。2023年時点で販売されているゲーミングノートPCは基本的にこのWi-Fi 6に対応していると考えてよい。

Wi-Fi 6対応モデルが続々市場に投下されている

NIGHTHAWK AX12画像引用元:https://www.jp.netgear.com/

2018年の終わり頃からWi-Fi 6対応のデバイスが販売され始めている。IntelもWi-Fi 6対応の無線モジュール「Wi-Fi 6 AX200」を発表して、導入に力を入れていくということだ。第9世代Coreプロセッサや次世代CPU「Ice Lake」でもWi-Fi 6をサポートしていく姿勢だ。当然通信環境が重要なゲーミングPCにも影響を与えていくことになる。

ソフトとハードからゲーマーにとって好ましい環境が整ってきている。無線ルーター・ノートパソコン・スマートフォンとラインナップが増えてきた。すでにWi-Fi 6へ完全に切り替わっている。2022年3月以降発売されているモデルについてはほとんど対応していると考えてよい。もちろん中古はその限りではない。

なお、Wi-Fi 6が本格的に導入されたとしても必ずしも前のデバイスから買い換える必要があるわけではない。互換性があるためそのまま使い続けることができる。もちろん、Wi-Fi 6には様々な特徴を享受するにはハード面を揃える必要がある。

次世代Wi-Fi 6とWi-Fi 5・Wi-FI 4のスペック比較

Wi-Fi 6Wi-Fi 5Wi-Fi 4
アイコンwifi6wifi5wifi4
正式名称IEEE 802.11axIEEE 802.11acIEEE 802.11n
導入年2020年2014年2009年
使用電波帯2.4GHz/5GHz5GHz2.4GHz/5GHz
最大通信速度9.6Gbps6.93Gbps0.6Gbps
実行スループット上限1Gbps800Mbps150Mbps
最大同時接続数8台4台交互通信
次世代通信規格のWi-Fi 6とWi-Fi 5以前の規格とのスペックの違いを見ていこう。少し前までの主流の通信規格はWi-Fi 5で正式名称はIEEE 802.11acとなっている。最大通信速度は6.93Gbpsと、その一つ前のWi-Fi 4の0.6Gbpsと比べて10倍以上となっていることがわかる。たった5年で通信速度が10倍になったというのは驚きだ。

実行スループット上限も150Mbps→800Mbpsへと5倍以上だ。実行スループット値とは、”条件の整った状態で実際に通信できる最大の値”だ。実行スループットは、最大通信速度よりも現実的な数値となっている。Wi-Fi 5からデバイス間の同時接続が可能となった。それまでは1つのデバイスが接続されている間は他のデバイスは遮断され交互に通信をしていた。

Wi-Fi 5もそれなりの速度を持っていたことがわかっていただけただろう。これが次世代のWi-Fi 6になるとさらにスペックが上がる。まず、正式名称はIEEE 802.11axと末尾がcからxに変わった。最大通信速度は、6.93Gbps→9.6Gbpsへと1.4倍、実行スループット上限も800Mbps→1.25倍だ。さらに、最大同時接続数は4台から倍増の8台となっている。これはスマホ、タブレットなど一人1台以上持つことが多い現代に合っていると言える。

次世代型Wi-Fi 6の特徴&強み

ネット通信のさらなる高速化

最大通信速度の向上及び実行スループットの上限値が大きく向上したことでより快適なネット通信が約束される。通信時の遅延(レイテンシ)も軽減され有線LANと比較したときのレスポンスも改善された。たくさんのプレイヤーとのマルチプレイにも対応しやすくなる。

対応デバイスに切り替えるメリットは大きそうだ。ゲームだけではなく、Netflixなどの動画配信サービスでも恩恵を受けられる。4K動画などでもさくさく通信できるというわけだ。スマホを持つことが当たり前の時代にはありがたい。

複数デバイス同時接続の安定化

いわゆるMU-MIMO(Multiple-user, Multiple Input, Multiple Output)がこのWi-Fi 6の強みの一つだ。複数デバイスの同時接続数が4から8へと大きく向上した。例えば、お母さんがNetflixで4K動画を視聴していても、妹がスマホでYoutubeを見ていてももはや関係ない。

さらに、Wi-Fi 5まではダウンロード時の同時接続のみサポートしていたが、Wi-Fi 6ではダウンロードもアップロードの両方をサポートする。これはゲームプレイにおいては非常に重要だ。なぜならゲームプレイは、PCとゲームサーバー間で多くのデータのやり取りが行われるからだ。より安定したゲーム環境を構築できる。

Wi-Fi 6がゲーマーに与える影響を考察

場所を選ばず快適なゲームプレイができる

次世代規格の「Wi-Fi 6」になると、今まで以上に快適にゲームをプレイすることが可能だ。1秒の遅延が命取りになってしまうFPSプレイヤーにとっては最高な環境になるだろう。無線通信は、有線に比べて遅延(レイテンシ)が発生するなどの理由で避けられがちだったが、その問題がクリアできるのであればかなり好ましい状況だ。

ゲームプレイは有線LANのある場所に限られない。自宅でも家族みんなが無線を使っていると通信が重くなってしまうこともあった。同時アクセスについての課題も克服できそうだ。ゲーミングノートPCの性能は確実に向上してきているので、ソフト面でも強化は急務だったと言える。Wi-Fi 6の時代が来れば友人たちとスターバックスに集まってPUBGをプレイすることだってより現実的になってくる。

ゲーミングノートPCの需要が高まる

ネット環境が良くなるのであればゲーミングノートPCの需要がより高くなると考えている。現在はゲーミングノートPCを持っているゲーマーでも無線LANではなく有線LANを使っている方も多いのではないかと思う。需要が大きくなれば今まで以上に各メーカーがゲーミングノートPCの開発・販売に力を入れることになりユーザーはよりよい製品を手に入れられるというわけだ。

ここ数年でゲーミングノートPCの地位は確実なものとなってきている。数年前よりも明らかに売れているのだ。各BTOメーカーのラインナップも増えてきていることから容易に想像がつく。ユーザーからすると、Wi-Fi 6の登場で今よりも選択肢が増えるというのはメリットとなるはずだ。数が増えれば価格競争もおきやすくなるという恩恵もある。

ゲーム大会の開催が多くなる

通信環境がよくなればゲーム大会の開催頻度が多くなるかもしれない。同時アクセスでも安定した通信ができるのであれば大会を実施しやすくなるはずだ。そうなればゲーム業界が活性化し、ゲーム人口が増えよりよいゲーミングノートPCやデバイスが販売されるようになるだろう。

たかが通信環境では終わらないのは間違いない。プロゲーマーを目指す若者も増え、職業として今よりも認知されることが予想される。それほどネット環境がゲーミング市場に与えるインパクトは大きい。ハードとソフトの両面が揃えば怖いものなしだ。

当記事のまとめ

当記事では、次世代の無線規格「Wi-Fi 6」について、ゲームと関連付けて解説した。現在のWi-Fi 5と比べて最大通信速度、実行スループットが大きく向上するのが特徴だ。ゲームをプレイする上で、無線のレスポンスの悪さから躊躇っていた方もWi-Fi 6になれば選択肢に入るかもしれない。

2018年12月にはゲーミングルーターも登場しネット回線の改革が行われることは必至だ。2022年3月以降Wi-Fi 6対応のデバイスが続々手に入る状況となっている。基本的にWi-Fi 5対応デバイスは消滅した。ゲーミングノートPCの需要も高くどんどん盛り上がっていくはずだ。

実は、海外では国内よりも圧倒的に多くのゲーミングノートPCが発売されている。もちろん、ネット環境だけが国内で販売されない理由だけではないだろう。それでも、各メーカーが力を入れてくれる理由の一つになると信じている。

参考外部サイト

  • https://www.wi-fi.org/(Wi-Fi Alliance)
  • Wi-Fi Allianceは、Wi-Fiを世界中の人に届けるために尽力している企業で構成される世界的なネットワークのことだ。Wi-Fiをサポートする組織と考えて良いだろう。

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