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グラフィックボード(GPU)に搭載されているメモリについて解説している。いわゆるGPUメモリについて詳しく知りたいという方向けのコンテンツだ。GPUメモリは、ビデオメモリーやVRAM(Video Random Access Memory)と呼ばれることもある。パソコン本体に搭載されているシステムメモリ(RAM)との違いにも触れていく。

まず基本的なグラフィックボードのメモリとは何かといった基本的なことやゲーミングPCに必要なGPUメモリ容量についてまとめていく。実際のベンチマークを見ながらGPUメモリについての理解を深めていただければ幸いだ。その後中上級者向けに、GPUメモリの役割などもう少し突っ込んだ内容を解説している。

GPUメモリ(VRAM)の概要(容量、規格 etc.)

GPUメモリ(VRAM)とは?

GPU
GPUメモリとは、グラフィックの処理にのみ特化したメモリと考えてもらえばわかりやすいと思う。グラフィックボードのスペックを見るとGPUメモリ容量が記載されていることに気付くだろう。メインメモリがシステム全般のデータを保持するのとは異なり映像特化となる。ゲームや3D CADなどグラフィック処理を行う際に重要だ。

必要に応じて映像データを一時的にGPUメモリに保存して必要な処理を随時行う形となる。映像処理をスムーズに行うためにまずグラフィックボードの処理速度が優先される。リアルタイムにたくさんの映像処理を行うと、グラフィックボードに負荷が掛かり遅延を発生させてしまう。結果的にスムーズな処理ができなくなることもある。そういうケースで負荷軽減のためにGPUメモリが登場するというわけだ。

GPUメモリ容量が大きければ大きいほどたくさんの映像に関する情報を一時的に保存でき、同時に情報処理も行ってくれる。最近はより効率的にGPUメモリを活かせるようによりGPUに近いキャッシュ回りを強化するケースが増えている。具体的にはL1キャッシュ・L2キャッシュなどだ。まず、GPUがL1データキャッシュで必要なデータを検索してそこになければL2キャッシュへと下りる。

GPUに近くかつ高速にアクセスできるため効率的だ。L2キャッシュでデータが見つからなければようやくGPUメモリにアクセスすることになる。なお、GPUメモリにもデータがなければシステムメモリ→ストレージへと映る形だ。ゲーム向けのGeForce製グラフィックボードのGPUメモリ容量は2GB~32GBの範囲に収まる。「現行のグラフィックボード性能比較表」を見るとわかるとおり、性能が高いモデルの方がGPUメモリ容量も多くなる。

GPUメモリを活用することでゲームプレイ時などに遅延が発生せず、リアルタイム描写でありながらスムーズな処理が可能になるのだ。なお、プロフェッショナル向けのNVIDIA RTXシリーズの場合最大GPUメモリ容量は48GBと大容量だ。3D CADなど大規模な処理を行う際に有効だと言える。

VRAMとRAMの違いとは?

メモリと聞けばゲーミングパソコン本体に搭載されているシステムメモリ(RAM)を連想しがちだ。このRAMは、CPUとストレージ(SSD・HDD)との橋渡し役で、いわゆるVRAMとはまったく異なるものとなっている。GPUメモリよりも広範囲な情報を取り扱う。VRAMはGPUとシステムメモリあるいはストレージとの橋渡し役だ。

グラフィックボードに搭載されているメモリはあくまでもグラフィックに関する情報のみを保存する。GPUメモリもとても重要なパーツなので、軽視してはいけない。本体に搭載されるメモリ(メインメモリ)とは本質的に違うものになる。保持する情報に違いがあると考えれば十分だ。

GPUメモリ規格とは

メモリ規格 GDDR7 GDDR6X GDDR6 GDDR5X HBM2
製造元 Samsung Micron Samsung
Micron
Hynix
Micron Samsung
Hynix
最大キャパシティー 32GB 24GB 24GB 16GB 32GB
最大速度 28 Gbps 19 to 21 Gbps 20 Gbps 10 to 14 Gbps 2.4 Gbps
バス幅 512 bit 384 bit 384 bit 256 bit 3092 bit
最大メモリ帯域幅 1.79 TB/s 1.01 TB/s 960.0 GB/s 484.4 GB/s 1.02 TB/s
電圧 1.10V/1.20V 1.35V 1.25V/1.35V 1.35V 1.20V
搭載モデル RTX 5090
RTX 5080
RTX 5070 Ti
RTX 5070など
RTX 4090
RTX 4080
RTX 4070
RTX 3070 Tiなど
RTX 4060 Ti
RTX 4060
RX 9070 XT
RX 7900 XTXなど
GTX 1080 Ti
GTX 1080など
Radeon Ⅶ
RX Vega 64 など

GPUメモリにもシステムメモリのように規格がある。メモリの転送速度を表すメモリ帯域幅も重要なポイントだ。GPUメモリ容量が大きくてもメモリ帯域幅が遅いとパフォーマンスが伸びないことがある。現行のNVIDIAのBlackwell世代ではGDDR7が、AMDのRadeon RX 9000シリーズではGDDR6が搭載されている。GDDR7の最大キャパシティーは32GBだ。バス幅は512 bit、最大バス帯域幅は1.79 TB/sと、GDDR6と比べて全体的にスペックが高いことがわかる。GDDR7の電圧は1.10V or 1.20Vだ。

GDDR6XはGDDR6の強化版だ。大幅にスペックが引き上げられているわけではない。Ada Lovelace世代のGeForce RTX 4070以上のモデルで搭載されている。Ampere世代のGeForce RTX 3070 Ti以上の上位モデルでも搭載されていた。単純にメモリ容量が同じだったとしても規格が異なればパフォーマンス面にも違いが出てくる。

GDDR6は、GeForce RTX 4060 Ti/GeForce RTX 3070以下のグラフィックボードで採用されている。AMDのRadeon RX 9000シリーズでも採用されていて、今でも見る機会のある規格だと言えるだろう。AMDがより性能の高いGDDR6XではなくGDDR6を選択したのは消費電力を抑えるためだ。旧世代のGDDR5Xと比べて最大速度・バス幅・メモリ帯域幅のすべてが向上していて高いパフォーマンスを期待できる。

HBM2は、旧世代のAMD製グラフィックボードで採用されていたメモリ規格だ。省電力性・パフォーマンスは高いがコスト面で不利になってしまう。元々AMDはこのHBM2へ移行する予定だった。やはりコスト面がネックとなりAMDも最新のグラフィックボードではGDDR6を搭載している。今後HBM2に移行する可能性は低いだろう。

GPUメモリ消費量の確認方法

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GPUメモリの消費量についてはタスクマネージャーから確認することが可能だ。タスクマネージャーを開いて、”パフォーマンス”タブのGPU 1をクリックして専用GPUメモリを確認しよう。ゲームプレイ中やアプリケーションの使用中に、どのぐらいのGPUメモリを消費しているのかを把握すればイメージしやすくなるだろう。

まだ見たことがない方はぜひ試してみてほしい。ただし、タスクマネージャーの数値がリアルな環境を正確に反映しているというわけではないのであくまで参考としてみるとよい。ゲームプレイ時であればフレームレート、特に1% Lowの数値が参考になるだろう。実際のゲーム環境を反映したデータだからだ。

GPUメモリに関するお役立ち情報

GeForce RTX 4060 Tiは議論を呼んだ

msi-GeForce RTX 4060 Ti GAMING X TRIO 8G1
2023年5月にGeForce RTX 4060 Tiがリリースされたが、GPUメモリ容量の少なさで多くの議論を呼んだ。メモリバスも192 bitから128 bitへとダウングレードされてメモリバス帯域幅も狭い。確かに旧世代のGeForce RTX 3060 Tiが8GBで、下位モデルのGeForce RTX 3060では12GBだったことを考えると物足りなさがある。最低でも12GB、できれば16GBは欲しかった。後日GeForce RTX 4060 Ti 16GBもリリースされるものの$100アップは痛い。GeForce RTX 4060 Ti 8GBの価格でGeForce RTX 4060 Ti 16GBが購入できていれば、ユーザーの評価も変わったのかもしれない。実際のベンチマークを見ると、GPUメモリ容量が違ってもパフォーマンスはほとんど同じだ。

rtx4060tivram出典:(NVIDIA, 2023)

NVIDIAによると、GPUメモリ容量が少なくかつメモリ帯域幅が狭くてもパフォーマンス面には大きな影響がないということだ。メモリサブシステム全体で理解する必要がある。L2キャッシュ容量を増やすとキャッシュヒット率が上がり、VRAMアクセスの減少を見込める。結果的にGPUメモリ容量を極端に増やす必要がない。トラフィックの減少は、メモリ帯域幅をより効率よく使用させてくれる。理論上288.0 GB/s→554.0 GB/sまで跳ね上がるのだ。フルHDにおいてそれほど影響はなさそうだが、高解像度になるとややGPUメモリがボトルネックになっているふしがある。もっともGeForce RTX 4060のターゲットがフルHDなので大きな問題ではない。

同じ型番でもGPUメモリ容量の異なるモデルがある

同じ型番でもGPUメモリ容量の異なるラインナップが発売されている。基本的には大容量のGPUメモリ搭載モデルは。容量の少ないモデルと比べてスペック・パフォーマンス共に高い。たとえばAmpere世代のGeForce RTX 3080ではGeForce RTX 3080 10GB搭載モデルの上位モデルとして、GPUメモリ容量が12GBのGeForce RTX 3080 12GBモデルがリリースされた。ハイエンドクラスのグラフィックボードならGPUメモリ容量が増えるのは大きなメリットだ。また、純粋にCUDAコア数が増えたり、クロック周波数が引き上げられたりとスペックの強化がされたバージョンと考えることもできる。

現行のAda Lovelace世代でも、元々はGeForce RTX 4080 16GB・GeForce RTX 4080 12GBと2種類がリリースされる予定だった。ところが、スペック差・性能差が大きいことからSNSなどで注目度が高まり、結果的にGeForce RTX 4080 12GBはGeForce RTX 4070 Tiへとリネームされた経緯がある。GPUメモリ容量違いとは言っても性能差が大きすぎるとこのような事態になってしまう。GeForce RTX 4080ならその枠組内で収める必要があるということだ。GeForce RTX 4060 Tiでは8GBと16GBモデルがそれぞれリリースされる。どのぐらいの性能差があるのか気になるところだ。

Pascal世代で人気を博したGeForce GTX 1060にもGPUメモリ容量の異なるラインナップがあった。GeForce GTX 1060 6GBとGeForce GTX 1060 3GBで、GPUメモリ容量6GBの方が性能で上回っていた。ただし、ミドルクラスのモデルはそれほど恩恵があるわけではない。性能差はGeForce RTX 3080ほど顕著ではない。動画のエンコードなどのクリエイター作業では差が広がる可能性がある。AMDもRadeon RX 570のように、GPUメモリ容量が8GBと4GBといったように異なるモデルを販売していた。

それより以前のグラフィックボードの場合、メモリ容量は多い方がよいのかどうかを決めるのはより難しくなる。たとえGPUメモリが多いとしても、処理速度が遅いグラフィックボードだと結局メモリ容量をうまく活かせなくなるからだ。一例を挙げるならば基本的にGeForce GTX 760のGPUメモリは2GBだが、4GBのモデルも存在している。この2GBと4GBではどちらの性能がよいかと言われるとほぼ同等の性能と答えるのが正解だろう。

グラフィックス処理性能はそれほど高くないモデルで、GPUメモリ容量がそれほど大きな影響を与えることはないからだ。グラフィックボード自体の性能によってアッパーが決まってしまうことになる。GPUメモリ容量の使用量が大きくなるタイトルであれば、4GBバージョンのGeForce GTX 760がよいと思ってしまうかもしれない。しかしながら、事実はそうでもないこともある。というのも、性能自体はどちらもGeForce GTX 760なのだからメモリが大きくなろうと処理性能に違いはない。

容量が大きくなることによって理論上はスムーズに処理できるはずだが、処理速度が追いつかずに遅延の原因となることもある。GeForce GTX 760では元々の性能がそこまで高くないことであまり意味がないと一蹴されたが、当時のハイエンドモデルであるGeForce GTX 780 Tiがメモリ2倍となれば話は別だ。それこそGeForce GTX 780 Tiに「6GB版が出る」と話題になったように、もしも全世界で発売されていたら世界はGeForce GTX 900番台の登場前に大きな衝撃を受けただろう。

マーケティング手法として使われるというお話

GPUメモリに関してはいろいろな憶測が飛び交っている。GPUメモリ自体がビデオカードの販売メーカーによってマーケティングの道具として使われることがある。GPUメモリの過信は禁物だ。どういうことかというと、ゲーマーの多くは、何事も多ければ多いほど質がいいものと信じている。そのため各メーカーはメモリ容量の多さを強調しがちだ。

メモリ容量を大きく売り出しプロモーションの強化を図る。結果として、不必要に多くのVRAMが搭載された入門用ビデオカードをユーザーが購入してしまうのは当然かもしれない。あなたの環境でどれぐらいの性能が必要かを吟味しよう。そして、その性能を基準にグラフィックボードを選べば失敗を未然に防げる。GPUメモリ容量を基準にすることはNGとなる。Pascal世代以降のグラフィックボードではそれほど心配しなくてもよい。

基本的にはGPUメモリ容量よりもグラフィックボードの演算性能を重視するべきだ。2GB搭載GPUが、1GB搭載GPUよりも処理性能に優れているというのは時に真実ではない。メーカーが時に安価なグラフィックボードにも多くのメモリを搭載して、多くのマージンをとるということ自体驚くことではない。多くのメモリを積んでいるグラフィックボードの方が、速くなると信じている人がいるので販売側にとってはおいしい話だ。

当然GPUメモリを増やせば販売価格を高く設定することが可能になる。ビデオカードが搭載してるメモリ容量というものは、基本的に製品のパフォーマンスに影響を与えることはない。もちろんGPUメモリ容量負荷が高くすべてのメモリを使用できる環境にある場合は例外だ。それでは多くのGPUメモリがあるのはどういうときに効果があるのだろうか。それは基本的には高解像度でのゲームプレイやクリエイティブ作業ではないかと思う。

ゲーミングPCに必要なGPUメモリ容量は? 要チェック!

理想は12GB以上のVRAM搭載

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理想のGPUメモリ容量は12GBだと提言する。上記グラフはモンハンワイルズのWQHD環境でのフレームレートをまとめたものだ。注目して欲しいのはGeForce RTX 4060 Ti 16GBとGeForce RTX 4060 Ti 8GBの差だ。VRAM容量以外同じスペックを持つモデルにも関わらず45%程度の差がある。明らかにGPUメモリ容量がパフォーマンスに与えていることの証明だ。

もう一つGeForce RTX 3060も興味深い。GeForce RTX 4060 TiやGeForce RTX 3060 Tiよりもフレームレートが高いのはGPUメモリ容量の差でしか説明できない。もう一つGPUメモリ周りで見ておくべきはメモリ帯域幅(1秒間におけるデータ転送量)だ。ゲームよってはこれが効いてくる。いくらメモリ容量が大きくても転送量が遅いとボトルネックとなってしまう。基準としては500.0GB/sを考えるとよい。GeForce RTX 4060 TiについてはGPUメモリ容量はクリアできているが、メモリ帯域幅が288.0GB/sでクリアできていない。

GPUメモリ12GBとメモリ帯域幅500GB/sの両方を満たすモデルを考えるとGeForce RTX 4070が最低ラインだ。新しいゲームタイトルでは明らかにGPUメモリ容量の消費量が大きくなっている。さらに、レイトレーシングや高解像度でのゲームプレイではそれが顕著だ。数世代前のグラフィックボードを使用している場合ゲーム適正が一気に下がってしまう可能性がある。GPUメモリ容量12GBを一つの基準にするとよさそうだ。それ以下のモデルではフルHD環境でレイトレーシング無効化などが前提となる。

最低限必要な容量は2GBだが…

人気PCゲームの推奨スペックを見ると負荷の軽いタイトルなら2GBを最低限必要な容量と考えるとよい。Pascal世代のGeForce GTX 1050あるいはMaxwell世代のGeForce GTX 950あたりが最低ラインとなる。ここ最近はGeForce GTX 1050でもGeForce GTX 950でも性能面ではやや厳しくなってきているのは事実だ。

GeForce GTX 700番台のエントリーモデルはGeForce GTX 750 Tiは1GBと2025時点では通用しない時代になった。モンハンワイルズなどの高負荷なゲームタイトルを想定しなくても、6GB以上を基準にしたいところだ。Ampere世代のGeForce RTX 3050 6GBやGeForce GTX 1060 6GBあたりのモデルを最低基準に考えたい。この性能帯のモデルだとGPUメモリ容量は「グラフィックボードの性能に依存する」と考えておけばいいと思う。情報の蓄積量と処理速度が関係する以上、基本的に性能が高いグラフィックボードほどメモリ容量も大きくなっていく。

現行のグラフィックボード搭載メモリ容量一覧

型番 規格 容量 メモリ速度 メモリバス メモリ帯域幅
RTX 5090 GDDR7 32GB 28.0Gbps 512bit 1,790GB/s
RTX 4090 GDDR6 24GB 21.2Gbps 384bit 1,018GB/s
RTX 5080 GDDR7 16GB 30.0Gbps 256bit 960.0GB/s
RTX 4080 SUPER GDDR6X 16GB 23.0Gbps 256bit 736.3GB/s
RTX 4080 GDDR6X 16GB 22.4Gbps 256bit 716.8GB/s
RX 7900 XTX GDDR6 24GB 20.0Gbps 384bit 960.0GB/s
RTX 5070 Ti GDDR7 16GB 28.0Gbps 256bit 896.0GB/s
RX 9070 XT GDDR6 16GB 20.1Gbps 256bit 644.6GB/s
RTX 4070 Ti SUPER GDDR6X 16GB 22.4Gbps 256bit 716.8GB/s
RX 7900 XT GDDR6 20GB 20.0Gbps 320bit 800.0GB/s
RTX 4070 Ti GDDR6X 12GB 21.0Gbps 192bit 504.2GB/s
RX 9070 GDDR6 16GB 20.1Gbps 256bit 644.6GB/s
RTX 5070 GDDR7 12GB 28.0Gbps 192bit 672.0GB/s
RTX 4070 SUPER GDDR6X 12GB 21.0Gbps 192bit 504.2GB/s
RX 7900 GRE GDDR6 16GB 18.0Gbps 256bit 576.0GB/s
RX 7800 XT GDDR6 16GB 19.5Gbps 256bit 624.1GB/s
RTX 4070 GDDR6X 12GB 21.0Gbps 192bit 504.2GB/s
RX 7700 XT GDDR6 12GB 18.0Gbps 192bit 432.0GB/s
RTX 4060 Ti 16GB GDDR6 16GB 18.0Gbps 128bit 288.0GB/s
RTX 4060 Ti GDDR6 8GB 18.0Gbps 128bit 288.0GB/s
RTX 3060 Ti GDDR6 8GB 14.0Gbps 256bit 448.0GB/s
Arc B580 GDDR6 12GB 19.0Gbps 192bit 456.0GB/s
RX 7600 XT GDDR6 16GB 18.0Gbps 128bit 288.0GB/s
RTX 4060 GDDR6 8GB 17.0Gbps 128bit 272.0GB/s
RX 7600 GDDR6 8GB 18.0Gbps 128bit 288.0GB/s
RX 6600 XT GDDR6 8GB 16.0Gbps 128bit 256.0GB/s
RX 6600 GDDR6 8GB 14.0Gbps 128bit 224.0GB/s
RTX 3050 8GB GDDR6 8GB 14.0Gbps 128bit 224.0GB/s
RTX 3050 6GB GDDR6 6GB 14.0Gbps 96bit 168.0 GB/s
RX 6500 XT GDDR6 4GB 18.0Gbps 64bit 143.9GB/s
GTX 1650 GDDR5 4GB 8.0Gbps 128bit 128.1GB/s
RX 6400 GDDR6 4GB 16.0Gbps 64bit 128.0GB/s
Arc A380 GDDR6 6GB 15.5Gbps 96bit 186.0GB/s

参考:グラフィックボード比較表【新旧170モデルの性能・コスパ掲載】

現行Blackwell世代のフラグシップのGeForce RTX 5090になると、GPUメモリ容量が32GBと大容量だ。前世代のGeForce RTX 4090から8GBも増えている。Radeon RX 7000シリーズのフラグシップモデルであるRadeon RX 7900 XTXも24GBと大容量だ。実は下位モデルに関しては旧世代と容量が変わらない。NVIDIAの80番台=16GB・70番台上位=16GB・70番台下位=12GBだ。

AMDの最新モデルであるRadeon RX 9070 XT/Radeon RX 9070は16GBとなる。価格帯の近い前世代のRadeon RX 7900GRE及びRadeon RX 7800 XTが16GBなのでやはり同等だ。今世代からNVIDIAのグレードと型番を合わせているのがポイントだ。

GPUメモリの役割(中上級者向け)

次にGPUメモリがどのような用途で使用されているのかを知る必要がある。かなり簡略化しているが下記のような役割がある。初心者の方や簡単に役割を知れれば十分だという方はスキップしていただいても問題ない。

テクスチャの読み込み

テクスチャの読み込みが基本的な役割となる。テクスチャとは、ものの表面の質感をリアルに表現するために貼り付ける画像のことだ。車の汚れやシミを表現したり、ビルの模様を表現したりするのに利用される。リアリティを出すために必須の技術だと言える。メモリにロードされるテクスチャのサイズは、プレイしているゲームおよびゲームにセットされている質によって異なる。

例としては、スカイリムの高解像度テクスチャでは3GBのテクスチャが含まれている。ほとんどのアプリケーションは必ずしもすべてのテクスチャがGPUメモリに残るわけではなく、動的に必要な時にテクスチャをロードしたり、アンロードしたりする。ただし、特定のシーンを描写するために必要なテクスチャは必ずメモリに保持される必要がある。

フレーム・バッファーの保持

フレーム・バッファーの保持という機能も持っている。ディスプレイに送られる前または間に画像が描写されると、そのイメージを保持するためにGPUメモリが使用されるのだ。フレームバッファとは、複数のレイヤーにあるオブジェクトを一枚にすることを指している。このように、メモリの使用量は出力する解像度やバッファーの数に依存することになる。

解像度が1920×1080×32の場合は8.3MBで、3840×2140×31の場合は33.2MBとなる。特定のアンチエイリアス処理(FSAA、MSAA、CSAA、CFAAが対象でFXAAとMLAAは対象外となる。)は描写されるべきピクセルの数が飛躍的に増加するので、それらは全体的に必要なGPUメモリの量を増加させる。

とくに描写ベースのアンチエイリアス処理ではメモリー使用量に甚大な影響を与え、サンプルサイズが増加するにつれてさらに増えることになる。追加のバッファーはさらにGPUメモリを消費する。

Zバッファーの保持

GPUメモリにはZバッファーを保持するという役割がある。Zバッファーとは、深度情報の活用によって3次元画像の表示を高速化する技術のことだ。GPUメモリにはこの深度情報を格納することになる。GPUメモリ容量が多ければより速く処理を行うことが可能だ。ゲームプレイというよりもクリエイター作業におけるメリットだと言える。プロフェッショナル向けのNVIDIA RTX Aシリーズ/NVIDIA Tシリーズは、GeForceに比べてGPUメモリ容量が多く、要求されるGPUメモリ容量多いことがわかる。

GeForce RTX 3080 12GB/10GBのベンチマーク比較

ハイエンドクラスのGeForce RTX 3080になるとGPUメモリ容量の差がパフォーマンスの差につながっている。もっとも両者の場合、CUDAコア数・メモリバス・メモリバス帯域幅にも差が付けられている。GeForce GTX 1060やそれ以前のモデルよりも差が大きいと考えてよい。

Borderlands 3

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GeForce RTX 3080 12GBは、GeForce RTX 3080 10GBと比べて9%前後フレームレートが向上している。より上位モデルであるGeForce RTX 3080 Tiに近いフレームレートとなる。

Far Cry 6

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Far Cry 6ではGeForce RTX 3080 10GBよりも8%程度フレームレートが高く、GeForce RTX 3080 Tiでさえも上回るほどだ。GeForce RTX 3090に迫るほどの高いパフォーマンスを得られる。

Watch Dogs Legion

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atch Dogs LegionでもGeForce RTX 3080 10GBと比べて10%以上フレームレートが高い。GeForce RTX 3080 Tiよりも1%以上性能が高くなっている。

GeForce GTX 1060 6GB/3GBのベンチマーク比較

参考までにGeForce GTX 1060 6GB及び3GBのパフォーマンスを比較していく。基本的にGeForce GTX 1060 6GBの方が性能が高いと考えてよいだろう。ただし、やはりグラフィック処理性能が変わるわけではなく大きな差があるというわけではない。

Battlefield 4

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GeForce GTX 1060 6GBは、GeForce GTX 1060 3GBと比べて4%程度フレームレートが高い。フルHD環境でもWQHD環境でも差はない。そう考えると高解像度においてはそれほどGPUメモリ容量が大きなインパクトを与えるということはないようだ。

Grand Theft Auto 5

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GeForce GTX 1060 6GBは、3GB搭載モデルと比べて4%-5%程度フレームレートが高い。

Rise of the Tomb Raider

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Rise of the Tomb Raiderでは、6GB搭載モデルと3GB搭載モデルで大きな違いがある。フレームレートの差はフルHD環境で35%、WQHD環境では20%となる。

当記事のまとめ

グラフィクボードのメモリ(GPUメモリ)とは、グラフィック情報を一時的に保存しておくためのパーツだ。GPUメモリはグラフィックボードの内部に搭載されている。美しい映像をリアルタイムに映し出すためには、メモリに情報を移して効率化する必要があるのだ。GPUメモリは本体にあるシステムメモリと異なるものとなっている。

GPUメモリの大きさは必ずしもゲームプレイに影響を与えないことがある。GPUメモリが多ければ多いほどよいと考えるのは、グラフィックボードを販売している側の策略かもしれない。特にミドルクラス以下のモデルだとそれほど大きなインパクトはない。実際に容量の差を体感することはできないので深刻に考える必要はない。

ところが、2025年2月に登場したモンハンワイルズでは事情が変わってきている。新しいタイトルでは明らかにGPUメモリ消費量が多くなっているのだ。特にレイトレーシングや高解像度になると顕著だ。それはGeForce RTX 4060 Tiの16GB版と8GB版を比較するとわかる。GPUメモリ容量以外は同等のスペックを持ちながらWQHD環境において性能差は45%と大きい。GPUメモリの重要度が増していることは間違いない。

同時にメモリ帯域幅も考慮する必要がある。GPUメモリ容量が多くてもメモリ帯域幅が狭いとGPUメモリを最大限に生かせなくなってしまう。VRAM容量12GB、メモリ帯域幅500GB/sを最低基準に考えるとよい。特に新しいタイトルかつ高解像度・レイトレーシングを重視するならなおさらだ。将来性を考えても検討する価値はあるだろう。

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