
マウスコンピューターが販売する「G TUNE FG-A7A7X 9700X搭載」のレビューを行った。Ryzen 7 9700X×Radeon RX 9070 XT搭載のハイエンドクラスのゲーミングPCだ。G TUNE自慢のフルタワーケースを採用している。デザイン性・拡張性に優れ高い人気を誇る。時代の流れに逆らいバーゲン価格で販売中だ。相場から見ても15%以上安く購入できる。これがラストチャンスとなることは間違いない。ほとんどのBTOメーカーで値上げが適用されていて厳しい冬の到来となりそうだ。
- 長所
-
- 冬のボーナス対象モデルで70,000円OFF
- ハイエンドのフルタワーモデル
- メモリ32GB・SSD 2TBと圧倒的な構成を持つ
- 3年間の長期保証付き
- 短所
-
- この機会を逃すと大幅値上げされる運命にある
- 納期が約20営業日と長い
- こんな方におすすめ
-
- 高解像度でのゲームプレイを想定している方
- フルタワーケースが欲しい方
- 保証やサポートを重視したい方
G TUNE FG-A7A7X 9700X搭載のスペック解説

| メーカー | マウスコンピューター |
|---|---|
| ブランド名 | G TUNE |
| 製品名 | G TUNE FG-A7A7X 9700X搭載 |
| 価格 | 399,800円 / 通常時 329,800円 / セール時 |
| CPU | Ryzen 7 9700X(レビュー) |
| CPUクーラー | 水冷式CPUクーラー(360mm) |
| GPU | Radeon RX 9070 XT(レビュー) |
| メモリ | DDR5-5600 32GB |
| ストレージ | SSD 2TB Gen4 NVMe |
| 電源 | 850W 80PLUS GOLD |
| マザーボード | チップセットB650 |
| おすすめ度 | Sランク |
| 評価 | ・コスパ 8.8 ・ショップ評価 9.8 |
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G TUNE FG-A7A7X 9700X搭載のおすすめカスタマイズを評価
| パーツ | おすすめ度 | 詳細 |
|---|---|---|
| OS | 変更なし | |
| オフィスソフト | 変更なし | |
| CPUグリス | 【 優れた熱伝導率 】 ナノダイヤモンドグリス JP-DX1 +1,980円 | |
| メモリ | 64GB メモリ [ 32GB×2 ( DDR5-5600 ) / デュアルチャネル ] +52,800円 | |
| SSD (M.2) | 変更なし | |
| SSD | 変更なし | |
| 光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ ( ブラック DVD±R DL 読み書き対応 ) +4,180円 | |
| 光学ドライブ(外付け) | 変更なし | |
| 電源 | 1000W 電源 ( 80PLUS(R) Platinum ) +15,400円 | |
| UPS | 変更なし | |
| 外付け拡張デバイス | 変更なし | |
| 拡張カード | 変更なし | |
| ウイルス対策・セキュリティソフト | 変更なし | |
| ソフトウェア1(プリインストール) | 変更なし | |
| ソフトウェア2(バンドル) | 変更なし | |
| データ復旧サービス | 変更なし | |
| 各種出張サービス | 変更なし | |
| サポート | 変更なし | |
| 電話サポート | 変更なし | |
| 破損盗難保証サービス | 変更なし | |
| HUB | 変更なし | |
| USB周辺機器 | 変更なし | |
| サプライ | 変更なし |
黄色のマーカーは一般的にBTOパソコンで人気のカスタマイズだ。おすすめ度はG TUNE FG-A7A7X 9700X搭載での評価を意味する。初期構成が充実したモデルなのでカスタマイズは考えてなくてもいいかもしれない。候補としてはメモリと電源だ。メモリはカスタマイズ費用が高額なので優先度は下がる。電源ユニットは1000W PLATINUMへの強化もよいだろう。+15,400円と比較的価格が抑えられている。
G TUNE FG-A7A7X 9700X搭載の特徴&注意点
セール対象モデルで高いコストパフォーマンスを誇る

冬のボーナスセールを実施中だ。2025年12月24日(水)10:59までの期間限定で70,000円OFFの割引を受けられる。Radeon RX 9070 XT搭載モデルとしてトップクラスのコストパフォーマンスを持つモデルだ。最大の80,000円OFFの割引が受けられるのはクリエイター向けの「DAIV FM-A7G7T」だ。すでに在庫切れとなっているので実質G TUNE FG-A7A7X 9700X搭載がもっとも割引額の大きいモデルとなる。メモリ・SSD価格が高騰している中で、この価格でRyzen 7 9700X×Radeon RX 9070 XT搭載モデルが購入できるのはラストだろう。マウスコンピューター製品は年明け以降順次値上げをしていくといくと告知している。つまり、今の在庫分がなくなり次第販売終了となり、再販時に値上げ適用と考えるのが自然だ。
メモリやSSDなど構成が充実している

性能帯からしてもオーバースペックといえるほど充実の構成も特徴の一つだ。CPUクーラーは大型ラジエーター搭載の水冷式となる。空冷式と違って有寿命というデメリットがあるもののパフォーマンスを重視するなら賢明な選択だ。Ryzen 7 9700XのPPTを高く設定したいならメリットとなる。構成もメモリDDR5-5600 32GB・SSD 2TB Gen4 NVMeとずば抜けている。
大容量メモリのおかげでゲームプレイからクリエイティブ作業まで幅広く対応できる。ゲーム実況などにも最適だ。ストレージ容量が多ければ容量を気にせずゲームを保存できる。都度アンインストールをする手間も省ける。メモリもSSDも価格が高騰しているので、これだけの構成を持っているだけで強みになる。しかも、本体価格が上がっていないのだから評価が上がるのも当然だ。
ハイクラスとして高いゲーム性能を持っている

グラフィックスにハイクラスのRadeon RX 9070 XTを搭載していて高解像度にも対応できる。NVIDIA GeForce RTX 5070 Tiに近い能を持つ。モンハンワイルズなど得意分野ではGeForce RTX 5080に匹敵するほどだ。Radeon RX 7900 XTXには届かないものの最上位モデルとして十分な性能だ。Radeon RX 7800 XTより下のモデルからの買い替えであれば性能差を体感できるだろう。

CPUにはZen 5のRyzen 7 9700Xを搭載している。8コア16スレッドの高パフォーマンスモデルだ。Core i7-14700Kよりも5%以上性能が高く、Core i9-14900Kに匹敵するほどだ。AMD製CPUはゲームが苦手というのはもはや過去のことだ。今はIntel製CPUと比べても優位な立場にある。Radeon RX 9070 XTとのバランスもばっちりだ。
2026年以降値上げされる可能性が高い
平素より当社製品をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
現在、想定を大きく上回る受注の増加により
工場のひっ迫・パーツ不足が発生し、一部製品に販売停止ならびに出荷納期遅延が発生する見込みです。また、価格改定を2026年1月以降、順次実施する予定です。
お客様にはご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
2026年1月以降の値上げを告知している。過去に前例のない事態といえるだろう。すでに多くのモデルが販売停止となり購入したくてもできない状況だ。G TUNE FG-A7A7X 9700X搭載も時間の問題だといえる。緊急性があるのであれは早めに購入してしまった方がよいだろう。
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競合の同性能帯ゲーミングPCと比較
| G TUNE | GALLERIA | |
|---|---|---|
| イメージ | ![]() |
![]() |
| 製品名 | G TUNE FG-A7A7X 9700X搭載 |
GALLERIA XPR7A-97XT-GD 9700X搭載 |
| ケース | フルタワー | ミドルタワー |
| 価格 | 329,800円 |
374,980円 |
| 送料 | 無料 | 3,300円 |
| CPU | Ryzen 7 9700X (8コア16スレッド) |
Ryzen 7 9700X (8コア16スレッド) |
| CPUクーラー | 水冷(360mm) | 空冷 |
| GPU | RX 9070 XT | RX 9070 XT |
| メモリ | DDR5-5600 32GB | DDR5-4800 16GB |
| SSD | 2TB NVMe Gen4 | 1TB NVMe Gen4 |
| 電源 | 850W 80PLUS GOLD | 850W 80PLUS GOLD |
| マザーボード | B650 | B850 |
| 納期 | 約20営業日 | 2週間 |
| 保証 (延長保証) |
3年間 (延長なし) |
1年間 (最長5年間) |
| 電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
| 公式 | 公式 | 公式 |
マウスコンピューターと同じ国内大手BTOメーカードスパラのGALLERIA XPR7A-97XT-GD 9700X搭載と比較していく。ミドルタワーケースをシア用している。すでにメモリ・SSD価格高騰の影響が反映されたモデルで374,980円となる。G TUNE FG-A7A7X 9700X搭載がいかにバーゲン価格であるかということがわかるだろう。
GALLERIA XPR7A-97XT-GDと比べて45,180円安くさらに送料もかからず実質48,480円も安い。その上で、CPUクーラーは水冷式、メモリ容量・SSD容量はそれぞれ倍増と構成面も圧倒している。さらに、基本保証が3年間と長い。G TUNE FG-A7A7X も近い内に値上げされて45万円ぐらいになるのではないかと予想している。今が買い時であることは間違いない。
G TUNEのフルタワーケースレビュー
G TUNEブランドで新しく登場したフルタワーケースの詳細だ。「G TUNE FG-A9A7X」のものとなるため、厳密ににはG TUNE FG-A7G80と異なるところがある点はご了承いただきたい。フルタワーは、メーカー最上位のシリーズに採用される極上のPCケースだ。ミニタワーやミドルタワーと異なり機能性やデザイン性に加えて耐久性の高さも魅力のケースだ。フルタワーは、コストはかかるがそれに見合った高級感と別格のデザイン性から一定の層に受ける。
G TUNEのフルタワーが更新されるのは9年ぶりで、以前はフラグシップモデルのMASTERPIECEという名称で展開されていた。重厚さを継承しつつも、スタイリッシュで特徴的なデザインは歴代のNEXTGEARシリーズを彷彿とさせる。これまでのG TUNEを融合させたかのような新鋭のケースは、マウスコンピューターを代表するものになっていくだろう。
正面

G TUNEのフルタワーは、最近のゲーミングPCには見られないスリットデザインを採用している。平面デザインの多いゲーミングPCでは、これだけでも強い印象を残す。G TUNEのロゴは強く主張しない位置にあるが、電源を入れるとロゴが赤く光り強く主張する。正面デザインに関しては派手ではなくても、デザインを印象付けるインパクトがある。

フロントの下部にスリム型の光学ドライブを搭載している。これはモデルによっては非搭載となることもあるかもしれないので注意したい。スリットデザインにうまく紛れた光学ドライブは、ケースの使い方がうまいというのが率直な感想だ。見た目と実用性を両立するのは、なかなかにむずかしい。これでこそデザイン性の高さという部分もある。今はあまり使われることのなくなった光学ドライブも、搭載しているといざというとき安心だ。
ひっそりと光学ドライブの下にもG TUNEのロゴがある。この主張しない配置は素晴らしい。というよりも、スリットデザイン故に、配置する場所がなかったというのが正しそうだ。スリットデザインの奥は3連ファンであるため、ロゴをスリットデザイン上に配置するのも問題だったのだろう。
左サイド

左サイドパネルは全面クリアパネルとなっている。ワンタッチで外せるサイドパネルは、ゲーミングPCすべてに採用してほしいと思うほど便利だ。ストレージの追加やちょっとしたメンテナンスの際に、ネジを外さなくてよいのは素晴らしい。ネジを紛失することもなくなり、気軽に外せるにようになる。
機能面もよいが、やはり一番目を引くのはデザイン性の高さだ。フルタワーはサイズが大きいため、内部のスペースに余裕がある。すっきりとした内部はLEDの光りがなくても洗練された印象を受ける。LEDで派手さを演出しながらも、上品な仕上がりになっているのは流石フルタワーといったところだ。
少し気になるのは、ここぞとばかりにアンダーカバーに大きく刻まれたG TUNEのロゴだ。フロント部分の主張が大人しかったのは、やはり配置する場所がなかったからのようだ。ここに何もなければシンプル過ぎるので、悪いものではないようにも思う。ただ、賛否は分かれそうだ。
ヘッドホンホルダー

左サイドパネルとフロントの中間上部にヘッドホンホルダーがある。格納できるので使用しないときは邪魔にならないのはポイントが高い。ホルダーが左側にあるところを見ると、パソコンの置き場所が自分の右側に固定されてしまう要素でもある。左サイドパネルがクリアパネルなので、左側を体に向けて設置することを前提としている。便利な反面、設置場所に制約を課すと考えるとメリットとは言いにくい。
本体の幅が24cmでゲーミングチェアを使用すると、机の下のスペースは100cm以上が必要だ。机の外側にパソコンを設置するとモニターとの距離が開き、モニターの設置場所に制約が生まれることにもなる。ヘッドホンホルダーは使用できる環境なら使用するくらいがよく、使い勝手が悪いと感じればクランプ式のヘッドホンホルダーを別途購入した方がいい。あくまでもオマケとして考えたい。
右サイド

右のサイドパネルには、ゲーミングPCには珍しく大きめのエアインテークがある。このサイドパネルもワンタッチで取り外し可能で、後述するメッシュパネルも設置されている。エアフローの強化とともに、メンテナンス性のよさが特徴だ。ケースファンはなく、壁に密着させても動作に問題はない。できるだけ壁からは離して設置することをおすすめする。
右サイド防塵フィルター

右サイドパネルのエアインテークには、マグネット式の防塵フィルターが設置されている。背面を除くすべてのエアインテークに防塵フィルターを設置しているところに、メンテナンスの重要性をよく考えられた設計に感じる。それなら少しでもメンテナンスしやすいように、エアインテークを減らせばよいと考えてしまうが、空気の流れであるエアフローを考えてのことだろう。
最近のグラフィックボードの高性能化を考えれば納得できる。フルタワーは比較的高性能なパーツを採用することが多い。当然発熱量も大きくなり、冷却効果の高さが効果を発揮する。少しでも空気を循環させた方が冷却性能を向上できる。ファンのみの力ではなくPCケースから冷却を考えている。
天板

天板には360mmラジエーターを搭載した水冷CPUクーラーの3連ファンが取り付けられている。ここにもしっかりワンタッチの防塵フィルターがあり、手軽にメンテナンスできるようになっている。最近のゲーミングPCは、水冷CPUファンを搭載することを前提にしたものが多い。天板の防塵フィルターはもはや必須と言える。CPUファンの冷却性能に影響を与えるため、定期的なメンテナンスが必要な箇所だ。視認性もよく、ワンタッチで外せるのは素晴らしい。フィルターのみを外して洗うことができる。
I/Oパネル

天板のI/Oパネル(コンソールパネル)には、電源スイッチ、LEDスイッチ、USB3.0 Type-Aが2つ、USB Type-Cが1つ、ヘッドホン・ヘッドセットジャック(4極 CTIA準拠)が1つ搭載されている。LEDスイッチも併設されており、このスイッチでLEDの輝度を3段階から調節できる。
I/Oパネルにはシャッターがあり、使用しないときはシャッターを閉じることができる。この機能自体はあってもなくても困らないというのが正直な感想だ。I/Oパネルの評価はあまりよくない。まず、天板にI/Oパネル設置されていると、USBケーブルは垂直に接続しなければならない。PCケースをPCラックなどに入れる場合、ラックの上板との距離が一定以上なければアクセスできない。
また、G TUNEのフルタワーケースは前述のように体の右側に設置することを前提としている。しかし、I/Oパネルは反対側の天板右手前に位置している。接続している機器が足に接触しないようにしているのだろうか。不便というほどではないが、少し不親切に感じる。搭載されている内容も十分とは言いにくく、ミニタワーやミドルタワーの最低限よりはマシという程度のものだ。
USB Type-Cは映像出力がなく、データ転送と給電のみだ。USB3.0が2つでUSB3.1もない。昔のG TUNEは延長ケーブルのようなもので強引にフロントI/Oパネルに設置していた。マウスコンピューターにしかなかったような特徴が鳴りを潜めている。このI/Oパネルからしても、大人になってしまった切なさを感じた。全体的によくできているとは思うが、もう少し昔のワイルドさがあってもよかったと考えるのは懐古主義だろうか。
背面

背面はデザイン性を感じないかもしれない。しかしながら、背面もしっかり黒くなっているのは素晴らしい。電源やマザーボードはシルバーメッキを採用しているタイプが多く、黒色ケースの品が霞んでしまうものもある。G TUNE製品はフルタワーに限らず、ケース全体のデザインをしっかり考えられている。ケースの爪も黒く、見えないところまでこだわっているのがよくわかる。これはグラフィックボードにも言えることだ。よくまとまった上品なケースだ。
背面I/Oパネル

背面のI/Oパネルはかなり充実している。映像出力はHDMIとDisplay Portが用意されている。基本的にグラフィックボードからの出力となるので使用することはない。注目すべきは10個のUSBポートだ。USB3.0 Type-A×4・USB3.1 Type-A×3・USB Type-C×1・USB2.0×2の合計10個のポートが搭載されている。ASUSのマザーボードを搭載しているが、市販されているものをベースにしたオリジナルタイプ(ホワイトボックス)だ。
理想を言えば、USB3.1を1つくらい天板のI/Oパネルに持ってきてほしかった。USBフラッシュメモリは付け外し頻度が高く転送速度が重要だ。付け外しの度に背面に接続するのは難儀なものだ。天板のI/OパネルもUSB3.0なので悪くはないため、妥協できるラインかもしれない。理想的な形ではないという意味では少し残念な点だ。
サウンドはマイク入力×1・ラインイン×1・ラインアウト×1・リアスピーカー×1・センターサブウーファー×1・SPDIF/オプティカル/角型×1という内容だ。Micro-ATXではなくATX規格のマザーボードならではの充実度だ。もっとも、これはフルタワーだからこそではなく、ミドルタワー以上のタイプでは一般的なものだ。サウンド周りは標準的という評価である。
底面

G TUNEのフルタワーで驚いたのは底面だ。全面に防塵フィルターが採用されている。パソコン工房のLEVELシリーズも全面だが、エアインテークのサイズと規模が違う。あちらは全面を覆ってエアインテークをカバーしている形だ。G TUNEのフルタワーは全面を覆わなければすべてのエアインテークをカバーできない設計になっている。
また、いわゆるゴム足が高めに設計されていることから、わざわざ底面が見えるように傾けたり倒したりしなくても取り外せる。これはメンテナンスを行うにあたって非常にありがたい要素だ。少しコツはいるので、パソコンが届いたらまずは見なくても外せるように1~2回練習しておくといい。そうすれば、この先のメンテナンスの効率が大幅に向上するはずだ。
G TUNEのフルタワーはアンダーカバーがあり、電源の吸気は底面から行うようだ。エアフロー的にも底面からは僅かに吸気が行われる。埃がたまりやすい底面からの吸気は、どうしても防塵フィルターに埃がたまりやすい。底面のメンテナンス性が高いことは、長くゲーミングPCを使用する上で重要視してもよいポイントだ。素晴らしい。
内部

ここからはケース内部を探っていく。まず注目すべきはLEDだ。何か違和感がないだろうか。実はG TUNEのフルタワーにはLEDファンが採用されていない。間接照明のような形で内部を照らしている。これを天板のI/OパネルにあったLEDスイッチで輝度調整を行うのだ。全く新しいLEDの使い方である。

LEDファンとは違った優しく、そして力強い光りでライトアップはゲーミングPCに対する印象を変えるほどだ。漏れ出した光やアンダーカバーを照らす光がクリアパネルの存在をかき消すかのようだ。どこか幻想的な彩りは、G TUNEのフルタワー最大の魅力と言える。
内部フロント

ケースのフロント部分には3連の吸気ファンがある。背面と水冷のファンをあわせて7つのファン搭載で圧巻だ。強力なエアフローでハイスペックなモデルにも十分な冷却効果が期待できる。フロント3連ファンの前にはフロントの防塵フィルターがある。奥の右サイドパネルのエアインテークにも防塵フィルターがある。エアフローが強力なモデル対して、しっかり対策を取っているのがわかる。
ただ、ここまで防塵フィルターが多いとメンテナンスが少し大変だ。取り外ししやすいようにワンタッチの工夫がされているものの、その数が多くなれば億劫に感じやすい。さらなるメンテナンス性の向上に期待したいところだ。
フロント防塵フィルター

フロント部分の防塵フィルターを外してみた。ここはフロントマスクに設置されているため、フロントマスクを外さなければならない。一応ワンタッチで外れるが、他の箇所よりも固めに取り付けられている。頻繁に外すのは少しためらわれる。
フロントのスリットデザインにより、取り外さなければメンテナンスできない。フロントのファンがメインの吸気であるため、最もメンテナンス頻度の高い箇所だけにもう少しなんとかしてほしかった。見た目の印象はフロントマスクのスリットデザインの恩恵が大きい。デザインと実用性を両立したと考えれば最善なのかもしれない。
内部右サイド

右サイドパネルの中は配線・ストレージ・電源のスペースとなっている。BTOメーカーでいちはやく背面通しで配線を隠す方法を採用していたのはマウスコンピューターだったと思う。長くやっているだけに、とても綺麗にまとまっているのがわかる。
下部のアンダーカバーには電源とストレージベイがある。ストレージベイは3.5インチ・2.5インチ共用となっている。画像では左下のぽっかり空いた空間だ。余ったスペースを有効活用した形で、複数のストレージを搭載するには不向きだ。カスタマイズで3.5インチ・2.5インチのストレージは選択できないので、ここは増設用のスペースと考えていい。M.2スロットが1つ余っている。ストレージは2つまでは問題なく追加できる。

アンダーカバーに2.5インチのSSDを置くだけのスペースは存在している。M.2タイプと異なり、SATA接続の2.5インチSSDは熱を発さないため、ここに置くなどすれば対応できないことはない。表からは見えないところに工夫をこらすのもありだ。
ケースまとめ
G TUNEのフルタワーケースは、これまで培ってきたマウスコンピューターの集大成のよう出来栄えだ。賛否分かれる箇所や気になるところはある。それでも、フルタワーとしての使い勝手や機能面のよさは素晴らしい。設置場所が固定されるという点で、人や環境を選んでしまうのはマイナス要素だ。ここでは触れなかったが、重さが15kgと重めであることも設置場所を限定的にしてしまう要因である。デザイン性や機能面がそれらのマイナス要素を覆せるだけ優れている。
シンプルに見えて奥深い設計が随所に散りばめられている。メンテナンス性の高さも長く使う上で見逃せないポイントだ。ハイスペックなモデルに対応できるケースは多くても、ここまで最適化されたケースは少ない。MASTERPIECEの系譜とも呼べる完成度の高さは素晴らしい。総合的に見ておすすめのゲーミングPCケースだ。筆者も買い替えるなら、ぜひG TUNEのフルタワーモデルを選びたいと思う。問題は相応の価格設定くらいのものだ。
管理人による総評
メモリ価格高騰の影響を受けていない希少なモデルだ。今の内に購入しておくのがよいだろう。Ryzen 7 9700X×Radeon RX 9070 XT搭載のハイエンドモデルで高解像度に対応できるポテンシャルを持つ。構成もメモリDDR5-5600 32GB・SSD 2TB Gen4 NVMeと申し分ない水準にある。マザーボードのチップセットはB650だ。現行モデルというわけではないもののスペック的に大きな違いがあるわけではない。
| 価格 | CPU | グラボ |
|---|---|---|
| 329,800円 | 7 9700X | RX9070XT |
| メモリ | SSD | チップセット |
| DDR5 32GB | 2TB | B650 |










