Lenovoが販売するLenovo LOQ 15AHP9 (AMD)のレビューを行った。Ryzen 7 8845HS×GeForce RTX 4060 Mobile搭載のローエンドクラスのゲーミングノートPCだ。旧世代のCPUとGPUを搭載したモデルだが、現行モデルと比べても見劣りしないパフォーマンスを持つ。モンハンワイルズやCyberpunk 2077など負荷の高いタイトルでも問題なくプレイ可能だ。今回Lenovo様より実機をお借りしてレビューを執筆している。
- 長所
-
- 良好なコストパフォーマンスを持つ
- フルHD環境で快適にゲームが楽しめる
- シンプルなデザインを採用
- 短所
-
- 旧型モデルとなる
- カスタマイズができない
- 本体がやや重い
- こんな方におすすめ
-
- 高コスパなゲーミングノートを探している方
- シンプルなデザインが好みな方
- DLSS 4.0の利用を想定していない方
Lenovo LOQ 15AHP9 (AMD)のスペック
メーカー | Lenovo |
---|---|
ブランド名 | LOQ |
製品名 | Lenovo LOQ 15AHP9 (AMD) |
液晶サイズ | 15.6インチ 144Hz |
解像度 | フルHD(1,920×1,080) |
価格 | 161,810円(税込) |
CPU | Ryzen 7 8845HS |
グラボ | GeForce RTX 4060 Mobile |
メモリ | DDR5-5600 16GB |
SSD | 512GB Gen4 NVMe |
電源 | 230W ACアダプター |
重さ | 約2.38kg |
バッテリー駆動時間 | 約6.0時間(動画再生時) |
発売日 | 2024年3月5日 |
評価 | ・コスパ 8.0 ・ショップ評価 9.6 |
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Lenovo LOQ 15AHP9 (AMD)の特徴&注意点
旧世代ながら高いグラフィックス処理性能を持つ
Lenovo LOQ 15AHP9は、GPUにAda Lovelace世代のミドルクラスであるGeForce RTX 4060 Mobileを搭載したゲーミングノートPCだ。次世代のGeForce RTX 50シリーズの登場で旧世代のモデルになりランク的にはローエンドクラスといえそうだ。GeForce RTX 5050 Mobileと同程度の性能を持つに留まる。それでも1世代前のGeForce RTX 3070 Mobileを上回る性能を考えれば悪くない。フルHD環境なら設定次第では十分なフレームレートを出せる。高リフレッシュレートも狙えるモデルだといえる。
最大グラフィックスパワー115Wに設定されている。グラフィックスブーストクロック周波数は1890MHzとなる。GeForce RTX 4060 Mobileはメーカーによって1470-2370MHzの間に設定(NVIDIA, 2025)されるのでおおよそ中間のスペックだ。
コストパフォーマンスはまずまず-他社モデルと比較
メーカー | Lenovo | HP |
---|---|---|
ブランド名 | LOQ | Victus |
イメージ | ![]() |
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製品名 | LOQ 15AHP9 (AMD) | Victus 15(AMD) アドバンスプラスモデル |
価格 | 161,810円 | 176,800円 |
送料 | 無料 | 無料 |
液晶サイズ | 15.6インチ144Hz | 15.6インチ144Hz |
解像度 | FULL HD(1920×1080) | FULL HD(1920×1080) |
重量 | 約2.38kg | 約2.29kg |
バッテリー駆動時間 (動画再生時) |
約6.0時間 | 非公開 |
CPU | Ryzen 7 8845HS (8コア16スレッド) |
Ryzen AI 7 350 (8コア16スレッド) |
GPU | RTX 4060 Mobile | RTX 5060 Mobile |
メモリ | DDR5-5600 16GB | DDR5-5600 24GB |
SSD | 512B Gen4 NVMe | 1TB Gen4 NVMe |
電源 | 230W ACアダプター | 200W ACアダプター |
基本保証 (延長) |
1年間 (最長3年間) |
1年間 (最長3年間) |
電話サポート | 全日09:00-18:00 | 月-金9:00-21:00 土09:00-17:00 |
公式 | 公式 | 公式 |
コストパフォーマンスも良好だ。GeForce RTX 4060 Mobile搭載モデルが16万円台は悪くない。旧世代のモデルなのでセール・キャンペーンにも期待が持てる。市場にRyzen 7 8845HS×GeForce RTX 4060 Mobileと組み合わせたモデルがなく、性能帯の近いモデルとしてHPのVictus 15(AMD) アドバンスプラスモデルと比較していく。Ryzen AI 7 350×GeForce RTX 5060 Mobile搭載の次世代モデルとなる。
価格差は14,990円でLOQ 15AHP9 (AMD)の方が安く購入できる。構成面はVictus 15(AMD) アドバンスプラスモデルが優れている。メモリはDDR5-5600 24GB(12GB×2枚組)、ストレージはSSD 1TB Gen4 NVMeだ。電源は200W ACアダプター付属となる。本音をいえばあと1万円か2万円は価格が下がってほしいところだが、今市場で15万円前後で購入できるモデルが少なく選ぶメリットはある。
ゲームプレイ中はキーボード周辺が熱くなる
FF14のベンチマークを計測中のキーボード温度を計測した。一番熱い部分は43.6℃と高くなる。手が常時触れる部分なので気になるところだ。手汗をかきやすい方は部屋の温度を下げるなど対策が必要かもしれない。
ACアダプターは31.5℃と控えめだ。
ファンの稼働音はそこまで大きくない
ファンの稼働音はそこまで大きくない。60dBを超えるモデルもある中で57.9dBなら許容範囲だろう。
無料アプリのLenovo Vantageが使いやすい
アプリの使い勝手もよい。直感的に操作ができるので初めての利用でもすぐに慣れるはずだ。サーマル・モード設定も簡単にできる。今回のベンチマーク計測はすべてパフォーマンスモードで実行した。このモデルのポテンシャルを把握することができる。
バッテリーコンディションも簡単に確認できる。その他キーボードのバックライトの調整やマクロの設定ができる。
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ベンチマークのテスト環境
製品名 | ジャンル | CPU | GPU | メモリ |
---|---|---|---|---|
G TUNE H6-I9G7TBK-C | ノート | 9 275HX | RTX5070TiM | 32GB |
GALLERIA XL7R-R56-6A | ノート | AI 7 350 | RTX5060M | 16GB |
ベンチマーク検証機LGA1700 | デスク | i5-14400 | RTX5050 | 32GB |
ベンチマーク検証機AM4 | デスク | 7 5700X | RTX5050 | 32GB |
GALLERIA RL7C-R55-5N | ノート | i7-14650HX | RTX5050M | 16GB |
Lenovo LOQ 15AHP9 (AMD) | ノート | 7 8845HS | RTX4060M | 16GB |
Lenovo LOQ 15AHP9 (AMD)を含めて6機種でベンチマークを計測した。
Lenovo LOQ 15AHP9 (AMD)のベンチマーク計測【ゲーム】
FF14
製品名 | フルHD | WQHD |
---|---|---|
G TUNE H6-I9G7TBK-C | 152.9 | 114.1 |
Lenovo LOQ 15AHP9 (AMD) | 109.7 | – |
GALLERIA XL7R-R56-6A | 108.9 | 81.0 |
i5-14400×RTX 5050 | 108.9 | 71.2 |
7 5700X×RTX 5050 | 108.2 | 71.0 |
GALLERIA RL7C-R55-5N | 104.2 | – |
FF14でも109.7fpsと十分なフレームレートが出る。GeForce RTX 5060 Mobile搭載のGALLERIA XL7R-R56-6Aを上回るフレームレートは評価できる。GPU性能に対してCPUボトルネックが発生している可能性がある。
フォートナイト(DirectX12)
製品名 | 低 | 中 | 最高 |
---|---|---|---|
G TUNE H6-I9G7TBK-C | 226.0 | 178.0 | 89.0 |
GALLERIA RL7C-R55-5N | 172.0 | 146.0 | 74.0 |
i5-14400×RTX 5050 | 168.0 | 127.0 | 90.0 |
GALLERIA XL7R-R56-6A | 135.0 | 126.0 | 67.0 |
7 5700X×RTX 5050 | 132.0 | 107.0 | 72.0 |
Lenovo LOQ 15AHP9 (AMD) | 124.5 | 106.0 | – |
フォートナイトでは設定を下げることで100fpsを実現できる。最高品質ではVRAM容量が足りずクラッシュしてしまった。同じVRAM 8GBのGeForce RTX 5050 Mobile搭載モデルが動いていたことを考えると不可解だ。CPU性能が高い方が有利なタイトルといえる。Ryzen AI 7 350×GeForce RTX 5060 Mobileの組み合わせよりもCore i7-14650HX×GeForce RTX 5050 Mobileの組み合わせの方がフレームレートが出ていることからも判断できる。
モンハンワイルズ
製品名 | フルHD(中) | フルHD(高) | WQHD(中) |
---|---|---|---|
G TUNE H6-I9G7TBK-C | 187.95 | 171.64 | 157.55 |
GALLERIA XL7R-R56-6A | 134.93 | 121.02 | 104.66(2560×1600) |
GALLERIA RL7C-R55-5N | 122.50 | 106.97 | – |
Lenovo LOQ 15AHP9 (AMD) | 118.98 | 105.46 | – |
i5-14400×RTX 5050 | 86.73 | 76.40 | 75.18 |
7 5700X×RTX 5050 | 83.78 | 74.26 | 53.51 |
モンハンワイルズも中設定で118.98fps、高設定で105.46fpsと高いフレームレートが出せる。参考までにウルトラ設定だと76.91fpsまで落ち込む。VRAM容量が少ないことでやや挙動が不安定になる可能性がある。
Forza Horizon 5
製品名 | FHD×中 | フルHD×最高 | WQHD×最高 |
---|---|---|---|
G TUNE H6-I9G7TBK-C | 320.4 | 169.4 | 141.2 |
i5-14400×RTX 5050 | – | 131.8 | 81.1 |
GALLERIA XL7R-R56-6A | 254.7 | 119.7 | 84.9(2560×1600) |
Lenovo LOQ 15AHP9 (AMD) | 217.6 | 1073 | – |
GALLERIA RL7C-R55-5N | 183.1 | 98.0 | – |
7 5700X×RTX 5050 | – | 87.7 | 69.6 |
中設定で217.6fps、エクストリーム設定で107.3fpsと十分なフレームレートが出せる。GeForce RTX 5050 Mobile搭載モデルのGALLERIA RL7C-R55-5Nよりも10%-19%もフレームレートが高い。
Cyberpunk 2077
製品名 | 通常 | 通常+DLSS 4.0 | レイトレ+DLSS 4.0 |
---|---|---|---|
G TUNE H6-I9G7TBK-C | 122.50 | 394.77 | 279.71 |
GALLERIA XL7R-R56-6A | 83.01 | 274.62 | 207.96 |
i5-14400×RTX 5050 | 81.17 | 270.44 | 204.11 |
7 5700X×RTX 5050 | 79.75 | 265.15 | 182.72 |
Lenovo LOQ 15AHP9 (AMD) | 77.09 | 172.16 | 116.63 |
GALLERIA RL7C-R55-5N | 71.49 | 245.66 | 186.53 |
Cyberpunk 2077は負荷の高いタイトルでアップスケーリングを利用しない場合ウルトラ設定で77.09fpsとなる。DLSS 3.0の有効化で2倍以上のフレームレートを実現できる。レイトレーシングとDLSS 3.0の併用で116.63fpsとなる。グラフィックスもある程度追求可能だ。
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Lenovo LOQ 15AHP9 (AMD)のベンチマーク計測【その他】
Cinebench R23
Cinebench R23のマルチコアは16,918pt、シングルコアは1,760ptだ。同じZen 4(コードネームはPhoenixと異なる)のRyzen 7 7840HSとほとんどスコアは変わらない。次世代のRyzen AI 7 350と比べてもマルチコアは3%高い。一方で、シングルコアに関しては11%程度低く世代の進化を感じられる。上位モデルであるRyzen 9 8945HSと比べるとマルチコアが6%低く、シングルコアも7%低い。
Cinebench 2024
Cinebenchの新しいバージョンでマルチスレッドの計算負荷があがるなど新しいCPU向けといえる。マルチコアは910、シングルコアは104だ。Ryzen 7 7840HSよりもマルチコアは9%高く、シングルコアも2%高い。Ryzen AI 7 350と比べるとマルチコアは4%弱高いが、シングルコアは10%低くなっている。スコア的にはハイクラス相当のレンダリング性能を持っているといえそうだ。省電力を抑えたモデルながら健闘している。
消費電力
製品名 | ゲームプレイ時 | アイドル時 |
---|---|---|
GALLERIA XL7R-R56-6A | 158.0 | 29.1 |
Lenovo LOQ 15AHP9 (AMD) | 164.0 | 35.9 |
GALLERIA RL7C-R55-5N | 170.0 | 31.9 |
i5-14400×RTX 5050 | 226.0 | 48.6 |
7 5700X×RTX 5050 | 233.0 | 50.6 |
G TUNE H6-I9G7TBK-C | 286.0 | 45.3 |
消費電力は比較的抑えられている。ゲームプレイ時でも164Wとなる。次世代のGeForce RTX 5050 Mobileと同水準だ。電気代は1時間当たり5円前後となる。
Lenovo LOQ 15AHP9 (AMD)の本体レビュー
正面
15.6インチフルHDディスプレイを搭載したモデルだ。スリムベゼル採用でデザイン性が高い。
天板
天板はシンプルだ。左上にはLenovoのロゴが、右下にはLOQのロゴが刻印されている。
本体手元
モニターを開きやすい形状になっていることがわかる。
右側面
本体右側にはUSB-C 3.2 Gen 3 Type-C、プライバシーシャッター、マイクロフォン/ヘッドフォンコンボジャック、USB 3.2 Gen1が配置されている。Typ-CはDisplayPort出力機能付きで、Powerdeliveryにも対応している。
左側面
左側面にはUSBなどはない珍しい仕様だ。右側面と背面に集約されている。
奥側
奥側にはUSB 3.2 Gen1、HDMI、LANポート、USB 3.2 Gen1、電源コネクタが配置されている。電源コネクタは通常の形状とは異なるが、特に使っていて変わるわけではない。
キーボード
タイピングをしていてそこまで違和感を感じずゲームプレイも快適だ。一部キーが小さくなっているが、ゲームプレイにおいてはそこまで気にしなくてもよさそうだ。テンキー付きでビジネス用途にも使いやすい。電源はキーボードの上部に設けられている。
裏面
本体裏面には大きめの吸気口が設けられている。
AC電源
AC電源は230Wアダプターが付属だ。サイズはやや大きい。
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管理人による総評

Ryzen 7 8845HS×GeForce RTX 4060 Mobile搭載のゲーミングノートPCだ。15.6インチフルHDディスプレイを搭載している。CPU・GPU共に旧世代のモデルだが、現行のRyzen AI 7 350×GeForce RTX 5050 Mobile相当の性能を持つ。モンハンワイルズやForza Horizon 5などの重量級タイトルもプレイできる。コストパフォーマンスは悪くないが、現在の価格だとやや見劣りしてしまうかもしれない。妥当な価格は15万円前後だろうか。キャンペーンを待ちたいところだ。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
161,810円 | Ryzen 7 8845HS | RTX4060M |
メモリ | SSD | 液晶 |
DDR5 16GB | 512GB | 15.6インチ |
参照外部サイト
- GeForce RTX 40シリーズGPU搭載ノートPCのゲーミング比較 | NVIDIA(NVIDIA, 2025)