ドスパラが販売する「GALLERIA ZA7C-R47TS Intel Core Ultra搭載」のレビューをまとめた。Core Ultra 7 265KF×GeForce RTX 4070 Ti SUPER搭載のハイエンドクラスのゲーミングPCだ。70番代のグラフィックボードながら、立ち位置と性能からハイエンドクラスと言っても過言ではない。ほぼすべてのゲームの推奨環境を満たせる。幅広くゲームをプレイする方に選んでほしい一台だ。パルワールドやモンハンワイルズなどもお手の物といえる。
気になるところもある。一つは価格だ。ハイエンドクラスとはいえ、40万円を超える価格は人を選ぶ。登場したばかりの最新モデルなので、ここから価格に変化があることに期待したい。もう少し選びやすくなれば、ハイエンドクラスの新たな選択肢として台頭していきそうだ。もう一つ注意すべき点はCore Ultra 7 265KFのゲーム性能の低さだ。従来モデルのCore i7-14700KFに及ばない。最適化が不十分なようだ。ゲーミングPCとしての完成度は高いので、高性能なゲーミングPCの代表格になれる要素はある。期待度の高いモデルである。
(+) 高いグラフィックス処理性能を持つ
(+) 圧倒的な構成を持つ
(-) 35,000円アップでかなり高い
(-) Core Ultra 7 265KFの最適化が不十分
当ページの目次
GALLERIA ZA7C-R47TSのスペック解説
| メーカー | ドスパラ |
|---|---|
| ブランド名 | GALLERIA |
| 製品名 | GALLERIA ZA7C-R47TS Intel Core Ultra搭載 |
| 価格 | 429,980円（税込） |
| CPU | Core Ultra 7 265KF |
| 水冷CPUクーラー | DEEPCOOL GAMMAXX L240 V2 （240mmラジエーター搭載） |
| グラボ | GeForce RTX 4070 Ti SUPER（レビュー） |
| メモリ | DDR5-5600 32GB |
| ストレージ | SSD 1TB NVMe Gen4 |
| 電源 | 750W 80PLUS GOLD |
| マザーボード | チップセットZ890 |
| 評価 | ・コスパ 4.5 ・ショップ評価 9.1 |
人気ゲームの適正度
| Apex Legends | フォートナイト | マイクラ | モンハンワイルズ |
|---|---|---|---|
 ・240Hz ・144Hz |  ・240Hz ・144Hz |  ・影Mod ・通常 |  ・4K(DLSS) ・FHD(DLSS) |
基本的にどのようなタイトルでも問題なく対応可能だ。問題はCore Ultra 7 265KFのゲーム適性の低さとなる。今後ソフトウェア面でのアップデートがあれば大きく流れは変わりそうだ。Apex Legendsもフォートナイトも高リフレッシュレートでゲームを楽しめる。240Hz張り付きも問題ない。マイクラについても快適に楽しめる。影Mod導入でも問題ない。モンハンワイルズもDLSS使用で高リフレッシュレートを実現可能だ。4K環境でも余裕がある。新旧問わず、幅広くゲームをプレイする方にもおすすめできる性能を有している。
GALLERIA ZA7C-R47TSの性能まとめ
ゲーミングPCは、CPUやグラフィックボードなどのパーツの集合体だ。CPUとグラフィックボードの性能がゲーミングPCの性能を決定付ける。ここではCPUとグラフィックボードに注目して詳細を見ていく。パソコンに慣れていない方は、スペックや型番から性能のイメージは湧かないことだろう。性能と特性を知ることで、パソコンとしての性能が理解しやすいと考えている。
Core Ultra 7 265KF（CPU）
CPUには、最新のCore Ultra 7 265KFを搭載している。ゲーム性能スコアは33,283とイマイチだ。従来モデルのCore i7-14700Kと比べて13%程度パフォーマンスが低い。オーバークロックに対応しているもののそこまで大きく変わるわけではない。アーキテクチャが変わり複雑な構造となったことで最適化が進まず期待通りのパフォーマンスが発揮できないのだろう。Ryzen 7 9700Xと比べても6,7%低いスコアとなる。
Intelがこの問題を解決するためのアップデートを発表しているので今後は大きくパフォーマンスが向上する可能性がある。現時点では旧世代のCore i7-14700KF/Core i7-14700F搭載モデルの購入を検討してもよさそうだ。Pコアのハイパースレッディング非搭載となり、20コア20スレッドというスペックを持つ。IPCの改善もあってマルチコア性能はCore i7-14700KFを上回る。
GeForce RTX 4070 Ti SUPER（GPU）
GeForce RTX 4070 Ti SUPERは、2024年1月24日に発売された最新のグラフィックボードだ。下位となるGeForce RTX 4070 Tiよりも7%性能が高く、上位となるGeForce RTX 4080よりも8%ほど性能が低い。両グラフィックボードの中間的な性能を持ち、ハイエンドクラスにカテゴライズされている。GeForce RTX 4080よりも価格が抑えられることに期待して、新たなハイエンドクラスの選択肢になりそうだ。
240Hzでのゲームプレイは一般的になりつつあり、WQHDのような高解像度も選ばれる時代だ。その時代に適した性能で、最新のゲームも自分の理想的な環境を構築できる。たとえば、WQHD解像度での144Hzといった環境にも対応可能だ。この優れた性能により、今後しばらくは、ゲームの推奨環境やスペックを気にしなくてもよくなる。GeForce RTX 4070 Ti SUPER搭載で安定したゲームプレイができない事態はなかなか訪れないだろう。幅広くゲームをプレイする方には心強い存在である。
GALLERIA ZA7C-R47TSの特徴＆注意点
ゲーム性能の高さが魅力のモデル
GALLERIA ZA7C-R47TSの強みはゲームへの対応力の高さにある。グラフィックボードに搭載されているGeForce RTX 4070 Ti SUPERは、リアルタイムレイトレーシングを前提としたゲームにも対応可能だ。GeForce RTX 4070 Ti SUPERの上に、GeForce RTX 4080・GeForce RTX 4080 SUPER・GeForce RTX 4090の3つがある。これらのモデルと比べると性能は落ちるが、GeForce RTX 4070 Ti SUPERでも性能が高すぎてオーバースペックになりやすいと言える。
ハイエンドクラスは多くの方にとっては不必要な性能だ。そのハイエンドのエントリークラスとも言えるGeForce RTX 4070 Ti SUPER搭載モデルは、多くの方にとって上限とも言える。現時点で存在しているゲームで、快適にプレイできないゲームは存在しないのではないだろうか。Core Ultra 7 265KFとGeForce RTX 4070 Ti SUPERの組み合わせで推奨環境を満たせないゲームはほとんどない。
推奨環境にGeForce RTX 4080が要求されるPortal RTXくらいだ。このPortal RTXも、今登場していたとすれば、GeForce RTX 4070 Ti SUPERが推奨環境に選ばれていたかもしれない。こういったイレギュラーなゲームを除けば、概ねGeForce RTX 4070 Ti SUPERであれば問題なくプレイできる。それも最高設定や高リフレッシュレートでの安定を実現してのゲームプレイだ。
WQHDや4Kのような高解像度も実現可能だ。よほど特殊な環境でなければ、GALLERIA ZA7C-R47TSなら安心だ。Core Ultra 7 265KFはまだまだ不安定で思ったほどのゲーム性能が発揮できない。一方で、負荷の軽い用途においてはCPUの最適化不足が要因でフレームレートが伸びなくなる可能性もある。ここは将来的なアップデートに期待するしかない。
GALLERIA ZA7C-R47TSは性能を無駄にせず、扱いやすいという点でおすすめできる。ゲームジャンルを選ばず、ゲームの必要スペックの確認も必要ない。この安心感を得られるだけで選択するメリットと言える。これから登場するゲームにも余裕を持って対応できるだろう。次世代のグラフィックボードが登場した後も問題なく使用し続けられる。性能の寿命も長いことがハイエンドクラスのメリットだ。
メモリ32GBは、ゲームをしながらの別アプリの操作、同時に複数のアプリケーションの起動と操作などマルチタスクにも必要な容量だ。ゲームでは16GB推奨のゲームも多く、16GBちょうどの搭載では不足する可能性がある。高性能なグラフィックボードを搭載しているにもかかわらず、メモリ容量が不足してパフォーマンスを発揮できないのは苦しい。構成に優れていることも、ハイエンドクラスには求められる要素と言える。
ストレージに1TBの容量があることも注目だ。ゲームをプレイすると、動画を撮影する場面が増える。リプレイやハイライト機能を活用すると、ストレージ容量も重要だ。500GBでは対応しにくいことも、1TBあれば安心だ。性能の高さと充実した構成は、パソコン操作全般の安心感にもつながる。GALLERIA ZA7C-R47TSが評価されているのは、性能だけではなく構成あってのものだ。
40万円を超える価格の高さが致命的
GALLERIA ZA7C-R47TSの評価が上がらない理由は価格の高さにある。現在の価格は429,980円で送料3,300円をプラスすると433,280円と高すぎる。従来モデルよりも35,000円も値上げされている。最新のCPU及びそれに合わせて最新のDDR5-5600 32GBメモリやZ890チップセットを搭載していることが要因とはいっても到底納得できる価格設定ではない。
TSUKUMOの「G-GEAR GE7J-L247/ZBH」なら同等の構成で60,000円も安く購入できる。ケースデザインも一新されてガレリアブランドと比べても見劣りしないだろう。
GALLERIA Zシリーズはコストパフォーマンスよりも性能と構成を重視している。そのため、多少価格が高くなっていても、GALLERIA ZA7C-R47TSは存在する価値があるといえるかもしれない。問題があるとすれば、Core Ultra 7 265KFの性能の不安定さだろう。
今のままでは素直におすすめできない部分がある。40万円を超えるモデルは、いくら優れていても選ばれにくいのが現状だ。ゲーミングPCは15万円前後が最も人気で、20万円前後で選ぶ方も多い。当然のことながら、30万円を超えると選ばれにくくなる。40万円になるとなおさらだ。価格の安いモデルが人気なのは、予算の都合が一番大きい。
評価の上では3万円以上下がればおすすめできる。実際には3万円安くなっても40万円前後であることに変わりはない。GALLERIA ZA7C-R47TSを選択できる予算がある方は、もっと性能の高いモデルを選ぶようにも感じる。選択できる方にとっては、GALLERIA ZA7C-R47TSは中途半端な存在なのではないだろうか。せめて37,8万円台に落ち着くことができれば、印象もだいぶ変わってくる。
旧世代では80番台（GeForce RTX 3080）のハイエンドモデルでも高くても35万円以下で購入できていた。グレード的に下に位置するGeForce RTX 4070 Ti SUPER搭載のGALLERIA ZA7C-R47TSで40万円を超える価格は悩ましい。最近のゲーミングPCは値上げラッシュで高騰しているように感じる。今GALLERIA ZA7C-R47TSを選ぶべきか判断が難しい。セール・キャンペーンでの動向を見てから選ぶくらいの方がいいかもしれない。
競合モデルとの比較
| ブランド | GALLERIA | FRONTIER |
|---|---|---|
| イメージ | |  |
| 製品名 | GALLERIA ZA7C-R47TS Intel Core Ultra搭載 | FRGHLB760/WS1105 |
| ケース | ミドル | ミドル |
| 価格 | 429,980円 | 289,980円 |
| 送料 | 3,300円 | 3,300円 |
| CPU | Core Ultra 7 265KF | Core i7-14700F |
| CPUクーラー | DEEPCOOL GAMMAXX L240 V2 （240mmラジエーター） | Deepcool AK400 （空冷） |
| GPU | RTX 4070 Ti SUPER | RTX 4070 Ti SUPER |
| メモリ | DDR5-5600 32GB | DDR4-3200 32GB |
| SSD | 1TB Gen4 NVMe | 2TB Gen4 NVMe |
| 電源 | 750W GOLD | 850W GOLD |
| マザボ | Z890 | B760 |
| 納期 | 最短翌日出荷 | 1週間前後 |
| 保証 | 1年間 （最長5年間） | 1年間 （最長3年間） |
| 電話サポート | 24時間365日 | 10:00-19:00 |
| 公式 | 公式 | 公式 |
競合モデルはフロンティアの「FRGHLB760/WS1105」だ。価格差は140,000円とかなり大きい。コスパだけではGALLERIA ZA7C-R47TSに勝ち目はない。CPUは旧世代となるIntel第14世代のCore i7-14700Fだ。Core Ultra 7 265KFは次世代モデルながら最適化が不十分でゲーム性能はCore i7-14700Fにも劣る。CPUクーラーは空冷式のDeepcool AK400だ。
冷却性能的にはGALLERIA ZA7C-R47TSで採用されているDEEPCOOL GAMMAXX L240 V2の方が優れている。もっともFRGHLB760/WS1105もカスタマイズで水冷CPUクーラーへアップグレードできる。240mmラジエーター搭載モデルでも+11,000円程度で済む。GPUはGeForce RTX 4070 Ti SUPERと共通となる。メモリは規格面でGALLERIA ZA7C-R47TSが優秀だ。
ストレージはSSD 2TB Gen4 NVMe搭載とFRGHLB760/WS1105が上となっている。電源ユニットもFRGHLB760/WS1105が優秀だ。マザーボードのチップセットは上位グレードかつ最新のZ890を搭載したGALLERIA ZA7C-R47TSが優れている。納期や電話サポートなどのサービス面ではドスパラの方が上だ。
パソコンケースレビュー
正面
新しいケースはユーザー目線に立ったモデルだ。GALLERIAのロゴが真ん中に位置している。吸気口が正面下部から両サイドに変わり排熱効率が大幅にアップしている。グラフィックボードなどのパーツの高性能化による発熱量をカバーするのに十分だ。
I/Oパネル
I/Oパネルは本体の上部に斜めに配置されている。USB端子も豊富で利便性が高い。ゲーミングヘッドセットを使う際にもコードが曲がらず使い勝手がよい。天板にものを置くことも可能だ。
右側面
本体右側はシンプルだ。前面のメッシュ部分には青色のシートが内部に貼り付けられている。
左側面
本体サイドには吸気口が見える。また、クリアガラスパネルを採用していてゲーミングPCらしさが演出されている。高級感のあるデザインは評価も高い。
下側
本体下側にもファンが見える。メッシュパネルはワンタッチで取り外すことができてメンテナンス性に優れている。
背面
背面は参考として見て欲しい。搭載するグラフィックボードによって変わる可能性がある。
管理人による総評（GALLERIA ZA7C-R47TS）
GALLERIA ZA7C-R47TSは、Core Ultra 7 265KF×GeForce RTX 4070 Ti SUPER搭載のハイエンドクラスのゲーミングPCだ。最新のゲームであっても、プレイ環境を選ばない圧倒的な性能が持ち味のモデルだ。多少値が張っても快適にゲームをプレイしたいと考えているならハイエンドクラスのモデルがおすすめだ。ただし、当該モデルについては価格が高くかつCPU性能が不安定というデメリットがあるため積極的にはおすすめできない。今は他のモデルをチェックしておくとよいだろう。あえて旧世代のCore i7シリーズ搭載モデルを選ぶのもよいように思う。ドスパラが販売に力を入れているようには思えない。
| 価格 | CPU | グラボ |
|---|---|---|
| 429,980円 | Core Ultra 7 265KF | RTX4070TiS |
| メモリ | SSD | チップセット |
| DDR5 32GB | 1TB | Z890 |
