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マウスコンピューターが販売する「G TUNE FG-A7G80」のレビューを行った。Ryzen 7 9800X3D×GeForce RTX 5080搭載のハイエンドのゲーミングPCだ。ゲーム向きのCPUとGPUを搭載していて高い水準でゲームを楽しめる。G TUNEの最新のフルタワーケースも注目だ。

コストパフォーマンスは6.6と標準よりも高い評価を得ている。50万円を超える569,800円と高価なモデルだ。ここまでくるとコストパフォーマンスの評価は選択の参考になるかわからない。価格は高くても評価は悪くないと考えられる程度であるため、選択を避ける要素にはならないと思っている。

長所
  • トップクラスのゲーム性能で環境を選ばない
  • 充実した構成でカスタマイズの必要がない
  • フルタワーモデルらしい品質の高さが魅力
短所
  • 価格が高い
  • 高すぎる性能は人を選ぶ
こんな方におすすめ
  • 高解像度でのゲームプレイを想定している方
  • 高画質でゲームの配信を行いたい方
  • 長くゲームを続けたい方

G TUNE FG-A9A7Xのスペック解説

G TUNE FG-A7G80

メーカー マウスコンピューター
ブランド名 G TUNE
製品名 G TUNE FG-A9A7X
価格 569,800円 / 通常時
539,800円 / セール時
CPU Ryzen 7 9800X3D(レビュー)
CPUクーラー 水冷式(360mm)
GPU GeForce RTX 5080(レビュー)
メモリ DDR5-5600 32GB
ストレージ SSD 2TB Gen4 NVMe
電源 850W 80PLUS GOLD
マザーボード チップセットB650
おすすめ度 Bランク
評価 ・コスパ
6.8

・ショップ評価
9.0

G TUNE FG-A7G80のセール適用時の評価は6.8だ。元々の価格が569,800円と高価なため、3万円の値引きでは大幅な評価向上にはつながらない。モデルとして見れば納得できるが、3万円あれば本格的なゲーミングデバイスを揃えられる価格だ。選択肢に加えている方にとってはお得なタイミングであることに間違いない。この機を逃さずしっかり選んでおきたい。

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G TUNE FG-A9A7Xのカスタマイズを評価

パーツ おすすめ度 詳細
OS 変更なし
オフィスソフト 変更なし
リカバリーメティア 変更なし
CPUグリス 【高耐久性能】 Thermal Grizzly Kryonaut +3,190円
メモリ 64GB メモリ
[ 32GB×2 ( DDR5-5600 ) / デュアルチャネル ] +35,200円
SSD (M.2) 変更なし
SSD 変更なし
外付けストレージ 変更なし
光学ドライブ 変更なし
光学ドライブ(外付け) 変更なし
外付け拡張デバイス 変更なし
ウイルス対策・セキュリティソフト 変更なし
ソフトウェア1(プリインストール) 変更なし
ソフトウェア2(バンドル) 変更なし
パソコン引越しソフト 変更なし
パソコン下取りサービス 変更なし
データ復旧サービス 変更なし
各種出張サービス 変更なし
サポートサービス選択 変更なし
電話サポート 変更なし
破損盗難保証サービス 変更なし
HUB 変更なし
USB周辺機器 変更なし
LANケーブル 変更なし
サプライ 変更なし

黄色のマーカーは一般的なBTOパソコンで人気のカスタマイズを表している。おすすめ度はG TUNE FG-A7G80での評価だ。G TUNE FG-A7G80は構成がしっかりしているため、カスタマイズの重要性は低めといえる。CPUグリスとメモリ容量は一考の価値があるくらいで、その他の箇所は好みとなる。

なお、フルタワーモデルのハイエンドクラスということもあり、電源は1200W 80PLUS PLATINUMが採用されている。G TUNEではカスタマイズで選択できる最上位の電源が1200W 80PLUS PLATINUMであることから、電源のカスタマイズができない。1000Wではなく12000Wを採用しているところに、コストカットよりも品質や扱いやすさを追求しているモデルだということがよくわかる。

G TUNE FG-A7G80のカスタマイズは、性能を支えるCPUグリスや性能を活かすメモリに絞るといい。特にメモリ容量は32GBでは物足りないこともあるかもしれない。ゲームや作業でメモリ容量が不足する可能性も考えて64GBを選びたい。4Kモニターで作業やゲームをするなら、メモリ容量は無駄にならないはずだ。

CPUグリスは変更しても劇的な変化を得られるものではない。ただ、高性能なCPUと高冷却のCPUファンをつなぐ部分だ。性能に関わる箇所は妥協しないという考え方だ。これが200,000円程度のモデルならおすすめしていないが、500,000円超えのハイエンドモデルなら、隙のない完成されたモデルに仕上げた方が満足度は高まると考えての選択だ。実際は必須というほどでもなく、必要性もそこまで高くない。お守りに考えるくらいでいい。

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G TUNE FG-A7G80の特徴&注意点

マウスコンピューター内のランキングNo.3

mousegamingranking
マウスコンピューターの人気製品ランキングNo.3のモデルであることは押さえておこう。今回のセールの影響もあって注目されている形だ。一時は1位になったこともある。この価格帯のモデルでランキングに入るのは素晴らしい。最近は数が少なくなりつつあるフルタワーケースであるのもポイントだ。将来性が高く長く使い続けることができるだろう。

最高峰のゲーム性能が武器

rtx5080-gamescore
G TUNE FG-A7G80は最高峰のゲーム性能を備えたモデルだ。グラフィックボードのGeForce RTX 5080は、最新のハイエンドクラスでGeForce RTX 5090・GeForce RTX 4090に次ぐゲーム性能を持つ。従来モデルのGeForce RTX 4080 SUPERと比べても10%以上性能が高くなっている。CPUも現行最強のゲームCPUであるRyzen 7 9800X3Dだ。圧倒的なゲーム適性を持ちボトルネック軽減に貢献してくれる。同じGPUでもより高いフレームレートを維持しやすい。

この組み合わせで快適にプレイできないゲームは存在しない。たとえ最新のゲームであっても、G TUNE FG-A7G80の牙城を崩すことはできない。ゲームに特化した性能は、ゲームをプレイするゲーマーだけでなく、ゲームを配信するストリーマーにもおすすめだ。配信しながらのゲームプレイは意外と負荷を感じやすい。ここまで突き抜けた性能があれば安心だ。ゲームのプレイ動画を撮影することも、ゲームプレイに関わる多くの快適にこなす力がある。

一方で、高すぎる性能は人を選んでしまう性質もある。たとえば、フルHDで240fpsを安定して出すには性能が高すぎる。WQHDや4K環境で144fpsや240fpsを目指すには最適でも、フルHDならもっと性能の低いモデルでいい。最新のゲームであっても、フルHDならハイクラス程度のゲーミングPCで実現可能だ。G TUNE FG-A7G80でしか実現できない環境を目指さなければ、ハイエンドクラスはそもそも適していない。

どういった用途や環境で使用したいのかを明確にしなければ、G TUNE FG-A7G80はおすすめできない。はっきりとG TUNE FG-A7G80がよいと判断できたなら、迷うことなく選んでほしい。性能は高くなればなるほど適した環境が狭くなる。普段はフルHDでも特定のゲームでは4Kで最高設定の環境でプレイする。こういう場合、大は小を兼ねるという言葉通り、幅広い環境に対応できるという特性を活かせる。

しかし、下位モデルの性能で対応できる環境でゲームプレイを行うなら、G TUNE FG-A7G80である必要がなくなる。最高峰のゲーム性能が武器であると同時に、弱点や選びにくさにもなっている。性能は高ければ高いほどよいわけではないので、自分にG TUNE FG-A7G80の性能が必要なのかをもう一度確認してほしい。予算内で必要になる可能性があるなら素晴らしいモデルになってくれるはずだ。

価格の高さが最大のネック

価格は569,800円と高価で誰にでもおすすめできるわけではない。50万円を超えると中古の自動車が購入できると言われたり、選ばれた人しか購入できないモデルと言われたりするようになる。実際そのとおりだと思う。ゲーミングPCで最も人気の価格帯は15万円前後で、次いで20万円前後である。これは予算の関係でこのあたりに集中しているに過ぎない。当サイトのランキングでも20万円以下のモデルが人気だ。

もっとはっきり言えば、10万円を下回るような最安値と言われるモデルは性能に不安がある。標準くらいの価格帯のモデルを選びたいという思惑もあって、ミドルクラスやミドルハイクラスの価格帯に集まる。一般的な考え方と予算が影響している。もっとも、予算に関係なく15万円~2万円のモデルを無難と感じて選ぶ方も多いと見ている。30万円を超えると途端に販売台数は落ち、40万円を超えるとレアなモデル扱いを受けることも珍しくない。

50万円を超えるモデルは、本当にゲームを第一に考える方に向けたモデルだ。友達とオンラインゲームしようという軽いノリではなく、ゲームで何かをなし得ようとする人が選ぶモデルである。最近はグラフィックボードやCPUの高性能化に伴い高価格帯のゲーミングPCが増えてきているが、一昔前は50万円以上のゲーミングPCに対して、一線を越えたパソコンと呼ぶ声もあった。それほどG TUNE FG-A7G80は特異な存在である。どんなものでも価格がすべてではない。当然、本格的なものやプロ志向のものは価格が跳ね上がる。

ゲーミングPCでも同じものだ。遊びを超えた先の景色を見るべく立ち上がった勇者に手にしてほしい。受け取ったひのきのぼうを叩き折り、はがねのつるぎを持って旅に出る。このくらいのスタートダッシュを決められるモデルだ。はっきりと価格は高くても、それに見合った恩恵を受けられる。誰しもが憧れていながら、その多くが手を出せないモデルだ。もしも、G TUNE FG-A7G80が予算内であり、必要に適していると判断したなら、後悔しない素晴らしい選択となるだろう。

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マウスコンピューターの同性能帯モデルとの比較

項目/ブランド名 G TUNE G TUNE
イメージ G TUNE FG-A7G80 G TUNE FG-A7G80
製品名 G TUNE FG-A7G80 G TUNE FZ-I7G80
ケース フルタワー フルタワー
価格 569,800円
539,800円
569,900円
送料 無料 無料
CPU Ryzen 7 9800X3D
(8コア16スレッド)
Core Ultra 7 265K
(20コア20スレッド)
CPUクーラー 水冷(360mm) 水冷(360mm)
GPU RTX5080 RTX5080
メモリ DDR5-5600 32GB DDR5-5600 32GB
SSD 2TB Gen4 NVMe 2TB Gen4 NVMe
電源 1200W PLATINUM 1200W PLATINUM
マザーボード B650 Z890
納期 約8営業日 約8営業日
基本保証
(延長保証)
3年間
(-)
3年間
(-)
電話サポート 24時間365日 24時間365日
公式 公式 公式

CPUにCore Ultra 7 265Kを搭載したG TUNE FZ-I7G80と比較していく。セール時の価格差は30,000円でG TUNE FG-A7G80の方が安く購入できる。基本的な構成は共通だが、G TUNE FZ-I7G80ではチップセットにIntelの最上位グレードであるZ890を搭載している。もっともAMDの場合はB650でもオーバークロックができるためそこまで気にしなくてもよいかもしれない。

CPUの違いをどのように捉えるかで選ぶべきモデルが決まる。Ryzen 7 9800X3Dは、3D V-Cacheと呼ばれる大容量キャッシュを搭載していて高いゲーム適性を持つ。マルチコア性能はまずまずだ。一方で、Core Ultra 7 265KFは、ゲーム性能こそRyzen 7 9800X3Dよりも大きく落ちるが、マルチコア性能では圧倒している。クリエイティブ作業まで考えるならG TUNE FZ-I7G80も候補に入る。

ゲーマーやストリーマーに適したG TUNE FG-A7G80に対して、G TUNE FZ-I7G80はゲーマー・ストリーマー・クリエイターの誰にでも適したモデルになる。幅広い用途をカバーしているのがG TUNE FZ-I7G80だ。ゲームをメインに考えるならG TUNE FG-A7G80がよく、ゲーム以外の用途も視野に入れるならG TUNE FZ-I7G80がおすすめだ。

これはセールでG TUNE FG-A7G80の方が安くなっている状況でも同じことが言える。3万円の値引きは大きいが、元々の価格が高いため評価を覆すほどの強みにはならない。価格差が10万円ほどに広がればG TUNE FG-A7G80がオールラウンドなモデルとしておすすめできるようになる。それまでは、価格ではなく特性から選ぶことをおすすめしたい。

同性能帯の競合モデルと比較

項目/ブランド名 G TUNE GALLERIA
イメージ G TUNE FG-A7G80 GALLERIA UA9C-R39
製品名 G TUNE FG-A7G80 GALLERIA UA7R-R58
9800X3D搭載
ケース フルタワー ミドルタワー
価格 569,800円
539,800円
539,980円
送料 無料 3,300円
CPU Ryzen 7 9800X3D Ryzen 7 9800X3D
CPUクーラー 水冷(360mm) 水冷(240mm)
GPU RTX 5080 RTX 5080
メモリ DDR5-5600 32GB DDR5-5600 64GB
SSD 2TB Gen4 NVMe 2TB Gen4 NVMe
電源 1200W PLATINUM 1000W GOLD
マザーボード B650 X870E
納期 約8営業日 最短翌日出荷
基本保証
(延長保証)
3年間
(-)
1年間
(最長5年間)
電話サポート 24時間365日 24時間365日
公式 公式 公式

ドスパラのGALLERIA UA7R-R58と比較していく。価格差は送料込みで3,480円でG TUNE FG-A9A7Xの方が安い。通常時はGALLERIA UA7R-R58の方が26,520円安くなる。両モデル構成が大きく異なるのが面白い。まず、CPUクーラーはより大型ファンを搭載したG TUNE FG-A9A7Xが優れている。電源ユニットも強力だ。

一方で、GALLERIA UA7R-R58はメモリ容量が多く64GBとG TUNE FG-A9A7Xの倍だ。また、マザーボードのチップセットもハイエンドのX870Eとなる。G TUNE FG-A7G80のメモリを64GBへカスタマイズすると35,200円かかる。チップセットについては変更不可となる。GALLERIA UA7R-R58の電源を1200W PLATINUMにカスタマイズすると+10,000円だ。構成を統一した場合の価格差は21,720円でGALLERIA UA7R-R58の方が安い。

これら2製品は同等の性能を持っているが、それぞれに特徴を持っている。カスタマイズなしなら64GBのメモリを搭載するGALLERIA UA7R-R58の方が優れているように思う。G TUNE FG-A7G80はフルタワーケース採用でスペースに大きな余裕がある。後々の増設を考慮すると拡張性に優れるのは強みだ。どちらも優れたモデルであるため、甲乙つけがたいのが正直な感想だ。標準構成に優れるGALLERIA UA7R-R58は実用性、電源容量やスペースに余裕のあるG TUNE FG-A7G80は将来性が持ち味と言えそうだ。

G TUNEのフルタワーケースレビュー

G TUNEブランドで新しく登場したフルタワーケースの詳細だ。「G TUNE FG-A9A7X」のものとなるため、厳密ににはG TUNE FG-A7G80と異なるところがある点はご了承いただきたい。フルタワーは、メーカー最上位のシリーズに採用される極上のPCケースだ。ミニタワーやミドルタワーと異なり機能性やデザイン性に加えて耐久性の高さも魅力のケースだ。フルタワーは、コストはかかるがそれに見合った高級感と別格のデザイン性から一定の層に受ける。

G TUNEのフルタワーが更新されるのは9年ぶりで、以前はフラグシップモデルのMASTERPIECEという名称で展開されていた。重厚さを継承しつつも、スタイリッシュで特徴的なデザインは歴代のNEXTGEARシリーズを彷彿とさせる。これまでのG TUNEを融合させたかのような新鋭のケースは、マウスコンピューターを代表するものになっていくだろう。

正面

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G TUNEのフルタワーは、最近のゲーミングPCには見られないスリットデザインを採用している。平面デザインの多いゲーミングPCでは、これだけでも強い印象を残す。G TUNEのロゴは強く主張しない位置にあるが、電源を入れるとロゴが赤く光り強く主張する。正面デザインに関しては派手ではなくても、デザインを印象付けるインパクトがある。

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フロントの下部にスリム型の光学ドライブを搭載している。これはモデルによっては非搭載となることもあるかもしれないので注意したい。スリットデザインにうまく紛れた光学ドライブは、ケースの使い方がうまいというのが率直な感想だ。見た目と実用性を両立するのは、なかなかにむずかしい。これでこそデザイン性の高さという部分もある。今はあまり使われることのなくなった光学ドライブも、搭載しているといざというとき安心だ。

ひっそりと光学ドライブの下にもG TUNEのロゴがある。この主張しない配置は素晴らしい。というよりも、スリットデザイン故に、配置する場所がなかったというのが正しそうだ。スリットデザインの奥は3連ファンであるため、ロゴをスリットデザイン上に配置するのも問題だったのだろう。

左サイド

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左サイドパネルは全面クリアパネルとなっている。ワンタッチで外せるサイドパネルは、ゲーミングPCすべてに採用してほしいと思うほど便利だ。ストレージの追加やちょっとしたメンテナンスの際に、ネジを外さなくてよいのは素晴らしい。ネジを紛失することもなくなり、気軽に外せるにようになる。

機能面もよいが、やはり一番目を引くのはデザイン性の高さだ。フルタワーはサイズが大きいため、内部のスペースに余裕がある。すっきりとした内部はLEDの光りがなくても洗練された印象を受ける。LEDで派手さを演出しながらも、上品な仕上がりになっているのは流石フルタワーといったところだ。

少し気になるのは、ここぞとばかりにアンダーカバーに大きく刻まれたG TUNEのロゴだ。フロント部分の主張が大人しかったのは、やはり配置する場所がなかったからのようだ。ここに何もなければシンプル過ぎるので、悪いものではないようにも思う。ただ、賛否は分かれそうだ。

ヘッドホンホルダー

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左サイドパネルとフロントの中間上部にヘッドホンホルダーがある。格納できるので使用しないときは邪魔にならないのはポイントが高い。ホルダーが左側にあるところを見ると、パソコンの置き場所が自分の右側に固定されてしまう要素でもある。左サイドパネルがクリアパネルなので、左側を体に向けて設置することを前提としている。便利な反面、設置場所に制約を課すと考えるとメリットとは言いにくい。

本体の幅が24cmでゲーミングチェアを使用すると、机の下のスペースは100cm以上が必要だ。机の外側にパソコンを設置するとモニターとの距離が開き、モニターの設置場所に制約が生まれることにもなる。ヘッドホンホルダーは使用できる環境なら使用するくらいがよく、使い勝手が悪いと感じればクランプ式のヘッドホンホルダーを別途購入した方がいい。あくまでもオマケとして考えたい。

右サイド

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右のサイドパネルには、ゲーミングPCには珍しく大きめのエアインテークがある。このサイドパネルもワンタッチで取り外し可能で、後述するメッシュパネルも設置されている。エアフローの強化とともに、メンテナンス性のよさが特徴だ。ケースファンはなく、壁に密着させても動作に問題はない。できるだけ壁からは離して設置することをおすすめする。

右サイド防塵フィルター

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右サイドパネルのエアインテークには、マグネット式の防塵フィルターが設置されている。背面を除くすべてのエアインテークに防塵フィルターを設置しているところに、メンテナンスの重要性をよく考えられた設計に感じる。それなら少しでもメンテナンスしやすいように、エアインテークを減らせばよいと考えてしまうが、空気の流れであるエアフローを考えてのことだろう。

最近のグラフィックボードの高性能化を考えれば納得できる。フルタワーは比較的高性能なパーツを採用することが多い。当然発熱量も大きくなり、冷却効果の高さが効果を発揮する。少しでも空気を循環させた方が冷却性能を向上できる。ファンのみの力ではなくPCケースから冷却を考えている。

天板

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天板には360mmラジエーターを搭載した水冷CPUクーラーの3連ファンが取り付けられている。ここにもしっかりワンタッチの防塵フィルターがあり、手軽にメンテナンスできるようになっている。最近のゲーミングPCは、水冷CPUファンを搭載することを前提にしたものが多い。天板の防塵フィルターはもはや必須と言える。CPUファンの冷却性能に影響を与えるため、定期的なメンテナンスが必要な箇所だ。視認性もよく、ワンタッチで外せるのは素晴らしい。フィルターのみを外して洗うことができる。

I/Oパネル

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天板のI/Oパネル(コンソールパネル)には、電源スイッチ、LEDスイッチ、USB3.0 Type-Aが2つ、USB Type-Cが1つ、ヘッドホン・ヘッドセットジャック(4極 CTIA準拠)が1つ搭載されている。LEDスイッチも併設されており、このスイッチでLEDの輝度を3段階から調節できる。

I/Oパネルにはシャッターがあり、使用しないときはシャッターを閉じることができる。この機能自体はあってもなくても困らないというのが正直な感想だ。I/Oパネルの評価はあまりよくない。まず、天板にI/Oパネル設置されていると、USBケーブルは垂直に接続しなければならない。PCケースをPCラックなどに入れる場合、ラックの上板との距離が一定以上なければアクセスできない。

また、G TUNEのフルタワーケースは前述のように体の右側に設置することを前提としている。しかし、I/Oパネルは反対側の天板右手前に位置している。接続している機器が足に接触しないようにしているのだろうか。不便というほどではないが、少し不親切に感じる。搭載されている内容も十分とは言いにくく、ミニタワーやミドルタワーの最低限よりはマシという程度のものだ。

USB Type-Cは映像出力がなく、データ転送と給電のみだ。USB3.0が2つでUSB3.1もない。昔のG TUNEは延長ケーブルのようなもので強引にフロントI/Oパネルに設置していた。マウスコンピューターにしかなかったような特徴が鳴りを潜めている。このI/Oパネルからしても、大人になってしまった切なさを感じた。全体的によくできているとは思うが、もう少し昔のワイルドさがあってもよかったと考えるのは懐古主義だろうか。

背面

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背面はデザイン性を感じないかもしれない。しかしながら、背面もしっかり黒くなっているのは素晴らしい。電源やマザーボードはシルバーメッキを採用しているタイプが多く、黒色ケースの品が霞んでしまうものもある。G TUNE製品はフルタワーに限らず、ケース全体のデザインをしっかり考えられている。ケースの爪も黒く、見えないところまでこだわっているのがよくわかる。これはグラフィックボードにも言えることだ。よくまとまった上品なケースだ。

背面I/Oパネル

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背面のI/Oパネルはかなり充実している。映像出力はHDMIとDisplay Portが用意されている。基本的にグラフィックボードからの出力となるので使用することはない。注目すべきは10個のUSBポートだ。USB3.0 Type-A×4・USB3.1 Type-A×3・USB Type-C×1・USB2.0×2の合計10個のポートが搭載されている。ASUSのマザーボードを搭載しているが、市販されているものをベースにしたオリジナルタイプ(ホワイトボックス)だ。

理想を言えば、USB3.1を1つくらい天板のI/Oパネルに持ってきてほしかった。USBフラッシュメモリは付け外し頻度が高く転送速度が重要だ。付け外しの度に背面に接続するのは難儀なものだ。天板のI/OパネルもUSB3.0なので悪くはないため、妥協できるラインかもしれない。理想的な形ではないという意味では少し残念な点だ。

サウンドはマイク入力×1・ラインイン×1・ラインアウト×1・リアスピーカー×1・センターサブウーファー×1・SPDIF/オプティカル/角型×1という内容だ。Micro-ATXではなくATX規格のマザーボードならではの充実度だ。もっとも、これはフルタワーだからこそではなく、ミドルタワー以上のタイプでは一般的なものだ。サウンド周りは標準的という評価である。

底面

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G TUNEのフルタワーで驚いたのは底面だ。全面に防塵フィルターが採用されている。パソコン工房のLEVELシリーズも全面だが、エアインテークのサイズと規模が違う。あちらは全面を覆ってエアインテークをカバーしている形だ。G TUNEのフルタワーは全面を覆わなければすべてのエアインテークをカバーできない設計になっている。

また、いわゆるゴム足が高めに設計されていることから、わざわざ底面が見えるように傾けたり倒したりしなくても取り外せる。これはメンテナンスを行うにあたって非常にありがたい要素だ。少しコツはいるので、パソコンが届いたらまずは見なくても外せるように1~2回練習しておくといい。そうすれば、この先のメンテナンスの効率が大幅に向上するはずだ。

G TUNEのフルタワーはアンダーカバーがあり、電源の吸気は底面から行うようだ。エアフロー的にも底面からは僅かに吸気が行われる。埃がたまりやすい底面からの吸気は、どうしても防塵フィルターに埃がたまりやすい。底面のメンテナンス性が高いことは、長くゲーミングPCを使用する上で重要視してもよいポイントだ。素晴らしい。

内部

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ここからはケース内部を探っていく。まず注目すべきはLEDだ。何か違和感がないだろうか。実はG TUNEのフルタワーにはLEDファンが採用されていない。間接照明のような形で内部を照らしている。これを天板のI/OパネルにあったLEDスイッチで輝度調整を行うのだ。全く新しいLEDの使い方である。

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LEDファンとは違った優しく、そして力強い光りでライトアップはゲーミングPCに対する印象を変えるほどだ。漏れ出した光やアンダーカバーを照らす光がクリアパネルの存在をかき消すかのようだ。どこか幻想的な彩りは、G TUNEのフルタワー最大の魅力と言える。

内部フロント


ケースのフロント部分には3連の吸気ファンがある。背面と水冷のファンをあわせて7つのファン搭載で圧巻だ。強力なエアフローでハイスペックなモデルにも十分な冷却効果が期待できる。フロント3連ファンの前にはフロントの防塵フィルターがある。奥の右サイドパネルのエアインテークにも防塵フィルターがある。エアフローが強力なモデル対して、しっかり対策を取っているのがわかる。

ただ、ここまで防塵フィルターが多いとメンテナンスが少し大変だ。取り外ししやすいようにワンタッチの工夫がされているものの、その数が多くなれば億劫に感じやすい。さらなるメンテナンス性の向上に期待したいところだ。

フロント防塵フィルター

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フロント部分の防塵フィルターを外してみた。ここはフロントマスクに設置されているため、フロントマスクを外さなければならない。一応ワンタッチで外れるが、他の箇所よりも固めに取り付けられている。頻繁に外すのは少しためらわれる。

フロントのスリットデザインにより、取り外さなければメンテナンスできない。フロントのファンがメインの吸気であるため、最もメンテナンス頻度の高い箇所だけにもう少しなんとかしてほしかった。見た目の印象はフロントマスクのスリットデザインの恩恵が大きい。デザインと実用性を両立したと考えれば最善なのかもしれない。

内部右サイド

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右サイドパネルの中は配線・ストレージ・電源のスペースとなっている。BTOメーカーでいちはやく背面通しで配線を隠す方法を採用していたのはマウスコンピューターだったと思う。長くやっているだけに、とても綺麗にまとまっているのがわかる。

下部のアンダーカバーには電源とストレージベイがある。ストレージベイは3.5インチ・2.5インチ共用となっている。画像では左下のぽっかり空いた空間だ。余ったスペースを有効活用した形で、複数のストレージを搭載するには不向きだ。カスタマイズで3.5インチ・2.5インチのストレージは選択できないので、ここは増設用のスペースと考えていい。M.2スロットが1つ余っている。ストレージは2つまでは問題なく追加できる。

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アンダーカバーに2.5インチのSSDを置くだけのスペースは存在している。M.2タイプと異なり、SATA接続の2.5インチSSDは熱を発さないため、ここに置くなどすれば対応できないことはない。表からは見えないところに工夫をこらすのもありだ。

ケースまとめ

G TUNEのフルタワーケースは、これまで培ってきたマウスコンピューターの集大成のよう出来栄えだ。賛否分かれる箇所や気になるところはある。それでも、フルタワーとしての使い勝手や機能面のよさは素晴らしい。設置場所が固定されるという点で、人や環境を選んでしまうのはマイナス要素だ。ここでは触れなかったが、重さが15kgと重めであることも設置場所を限定的にしてしまう要因である。デザイン性や機能面がそれらのマイナス要素を覆せるだけ優れている。

シンプルに見えて奥深い設計が随所に散りばめられている。メンテナンス性の高さも長く使う上で見逃せないポイントだ。ハイスペックなモデルに対応できるケースは多くても、ここまで最適化されたケースは少ない。MASTERPIECEの系譜とも呼べる完成度の高さは素晴らしい。総合的に見ておすすめのゲーミングPCケースだ。筆者も買い替えるなら、ぜひG TUNEのフルタワーモデルを選びたいと思う。問題は相応の価格設定くらいのものだ。

管理人による総評

nextgear

Ryzen 7 9800X3D×GeForce RTX 5080搭載のハイエンドモデルだ。マウスコンピューターが誇る自慢のフルタワーモデルとなる。デザイン性・実用性に優れ長く使い続けることができる。市販を求める声も多いように思う。ゲーム性能は高く4K環境でのゲームプレイを想定しているユーザー向けだ。余裕のある性能で性能を気にせずいろいろなゲームを楽しめる。

価格 CPU グラボ
539,800円 7 9800X3D RTX5080
メモリ SSD チップセット
DDR5 32GB 2TB B650