ホロアースの推奨スペックを検証していく。ホロアースは、人気VTuberグループ「ホロライブ」の所属するホロライブプロダクションを運営するカバー株式会社が展開するメタバースだ。アニメルックの世界観に没入できると謳うように、オンラインゲームによくあるグラフィックのメタバースだ。
できることは多く、プレイヤーとしてはもちろん、クリエイターとして参加することもできる。正式サービスが開始されたばかりで今後の展開に注目が集まっている。おすすめモデルについては、「ホロアース向けおすすめのゲーミングPC」で紹介している。
ホロアースの必要&推奨環境【公式】
徹底解剖推奨環境 | 最低環境 | 推奨環境 | |
---|---|---|---|
OS | Windows 11 | Windows 10 64-bit以降 | Windows 10 64-bit以降 |
CPU | Core i5-14400F | Intel Core i5と同等以上 | Intel Core i7-8700と同等以上 |
GPU | GeForce RTX 4060 | NVIDIA GeForce GT 1030 | NVIDIA GeForce RTX 2070 |
メモリ | 16GB | 8GB | 16GB |
ストレージ | 100GB | 80GB | 80GB |
ホロアースの推奨環境についての考察
ホロアースの推奨環境は現行のミドルクラス程度でそれほど高いスペックが必要になるようには見えない。しかしながら、実際にプレイしてみると負荷の高さに驚いた。グラフィックは2025年1月18日にサービス終了となったBLUE PROTOCOLに似ていてグラフィックの負荷はそれなりだ。。操作感も近い印象を受けた。
グラフィックボードは確かにGeForce RTX 2070程度で対応できるかもしれないが、CPUはかなりの負荷がかかる印象を受ける。人が多く集まるメタバースでは、当然の問題と言えるかもしれない。メインの街となる「オルタナティブ・シティ」では特にカクつきを感じる。
サバイバル要素のあるシミュレーションルーム負荷は高く、限定空間となるマイスペースの負荷は軽い。今後のアップデートや建築物次第で負荷は変化するかもしれない。ホロアースをプレイするなら、性能にはかなり余裕を持った方がいい。
当サイト基準の推奨環境は標準設定以下で60fpsを想定している。144fpsやそれ以上を目指すならCPUの性能を重視しつつ、ミドルクラスを最低限に考えたい。Ryzen 7 7700やRyzen 7 7800X3Dがよさそうだ。グラフィックボードはGeForce RTX 4060 Ti~GeForce RTX 5070くらいが理想だ。
このくらいの性能があれば、今後のアップデートにも対応できると見ている。メタバースはゲーム同様にアップデートで負荷が高くなりやすい。コンテンツを追加する大型アップデートでは、推奨環境も底上げされるレベルは覚悟しておきたい。ロークラスの性能では60fpsの安定も難しい。
ホロアースをプレイするなら、最低でもミドルクラスの性能が必要だ。この基準さえわかっていれば、ゲーミングPC選びもそれほどむずかしくない。思っている以上に負荷が高いので、想定している性能の一段上を目指す方がいい。ただし、ホロアースはオンラインゲームではなくメタバースだ。
快適性を求めるより、最低限の操作が可能な水準を求めるのも悪くはない。シミュレーションルームの負荷はオルタナティブ・シティより高くない。Mobとの戦闘や建築要素があるので、ここをメインとするならスペックが必要だ。メタバースとして楽しむのか、オンラインゲームとして楽しむのかで選択すべき性能は変わってくるだろう。
メタバースは、インターネット上の仮想空間で、キャラクターを作成し、他のユーザーとコミュケーションを取る場所だ。もう一つの世界で、セカンドライフやVRチャットなどが有名だろうか。厳密に言えば、メタバースというジャンルの中の別カテゴリになるが、おおよそは同じである。
コミュニケーションが取れるという意味では、SNSに近いものがある。メタバースに近いソーシャルゲームやコミュニケーションツール・ゲームは多くあった。メタバース内でビジネスを行い、現実世界で利益を上げることもできる。ただ、ホロアースでは現在収益化自体はできない設計だ。ライトなメタバースとして注目したい。
ホロアースの概要
ホロライブを知らなくても楽しめるメタバース
ホロアースはカバー株式会社が運営しているメタバースなだけあって、ホロライブに関連するグッズやアイテムの販売が行われている。また、ホロライブの所属するメンバーが配信を行っていることで知られているはずだ。ホロアースはホロライブプロダクションによるメディアミックス作品「ホロライブ・オルタナティブ」の世界観を踏襲している。ホロライブが好きな方は楽しみやすい環境だ。もちろん、ホロライブを知らない方でも楽しめる設計になっている。
メタバースらしく、販売されているアバターやアイテムは、クリエイター登録した方のものを販売できる。こういった点からホロライブを知らなくても、メタバースとして楽しめる設計がなされている。ただし、販売したアイテムはホロアース内の課金通貨に変換されるので、収入を得ることはできないので注意してほしい。
加えて、ゲームとしての要素もある。マイスペースでは小規模なクラフトで箱庭を彩ることが可能だ。シミュレーションルームは、サバイバル系のジャンルにありそうなゲーム性で進行できる。ホロライブのゲームをSteamなどで展開しているholo Indieは、有名ゲームをオマージュしたような作品が多い。
どこかで見たゲームのキャラクターを身近なホロライブのキャラクターに変更している形だ。そのまま流用しているわけではなく、オリジナル要素も多く本家よりも楽しいと思えるゲームもある。印象としてはライトなARK: Survival Evolvedやパルワールド(Palworld)といったところだろうか。気軽に遊びながら規模を拡大できるので、オンラインゲームとしても楽しめる。
正式サービスが開始されてまだ日が浅いことを考えると、今後も多くのコンテンツが追加されることが予想できる。長くコミュケーションを楽しめる場として存在してほしいものだ。現時点ではコンテンツが充実しているとは言いがたい部分もある。それを補ってくれると期待できるところに将来性を感じる。
新しい形のメタバースに期待できる
ホロアースは前述の通り、正式サービスが開始されて日が浅い。テストの期間は2年以上に渡っているものの、充実したコンテンツがあるとは言えない。今後に期待するのはもちろんだが、メタバースはオンラインゲームと違って多くのコンテンツを広げるよりも、今あるコンテンツを楽しめる要素を追加するのが主になる。
すでにオンラインゲームのようなコンテンツがあることから、他のメタバースとは違う独自の方向性を持っているかもしれない。これまでのメタバースはクリエイターとプレイヤーのバランスを重視してきた。多くのプレイヤーを獲得するために、プレイヤー重視のメタバースになるのではないかと見ている。
メタバースが成功とは言えない結果となっているのは、プレイヤーに向けたコンテンツが少ないことが挙げられる。仮想空間で仕事をして収入を得られるという特徴が独り歩きしてしまい、ビジネスの側面が非常に強くなった。クリエイターは増えてもプレイヤーが増えず、収益につなげるのがむずかしくなる。この悪循環が多くのメタバースを失墜させていったように見える。
ホロアースは現段階では報酬がホロアース内の課金通貨となっているため、クリエイターがそこまで多くない印象がある。メタバースとオンラインゲームが融合したかの形になり、お金が絡まない仮想空間である。これはメタバースという仮想空間でビジネスを展開するという理想的な発想から外れ、メタバースそのものを利用した新しいコンテンツなのではないだろうか。
メタバースはビジネスができなければ意味がない。これまで当然だったその視点を変え、よりカジュアルに楽しめる環境ができつつある。メタバースを身近なものにするのがホロアースだ。ただ、これは現時点での話だ。時間が経てばビジネスが絡んできてもおかしくない。そうなっても、プレイヤー重視の環境から始まったホロアースは、よほどの改悪が行われない限り一気に下降することはない。
メタバースとオンラインゲームの組み合わせは、これまでありそうでなかったものだ。もしかすると近いものは存在していたかもしれない。しかし、VTuberの注目度の高いタイミングでの展開は、筆者を含めて未知のものに感じていたメタバースを身近にさせたのは間違いない。成功するかどうかはわからないが、新しい形のメタバースとして期待している。
ホロアース向けおすすめのゲーミングPC
LEVEL-M1P5-R45-RLX(パソコン工房)
価格:119,700円+送料2,200円
CPU:Ryzen 5 4500
GPU:GeForce RTX 4060
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:7.7
LEVEL-M1P5-R45-RLXはホロアースの推奨環境を満たす性能がある。ただ、LEVEL-M1P5-R45-RLX はCPU性能が低い。ホロアースを快適に動作させるにはスペックに不安がある。今後のアップデートのことも考えると推奨環境を満たしてはいるが、少し不安のある性能だ。最低設定や解像度を下げ、60fpsで動作すればよいと考えるなら問題はない。
Magnate-G MVW (ドスパラ)
価格:139,980円+送料3,300円
CPU:Core i5-14400F
GPU:GeForce RTX 4060
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 500GB Gen4 NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:9.8
ホロアースの当サイト基準の推奨環境を満たしているモデルだ。Core i5-14400Fの性能があれば、カクつきを抑えた安定した動作が可能だ。最高設定はむずかしくても、設定を調整すれば60fpsは実現可能な範囲だ。予算に余裕があるならMagnate-G MVWを基準にした方が安心である。
Lightning-G AV7W Ryzen7 7700/RTX5060搭載 (ドスパラ)
価格:169,980円+送料3,300円
CPU:Ryzen 7 7700
GPU:GeForce RTX 5060
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 500GB Gen4 NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:9.1
Lightning-G AV7Wは、Magnate-G MVWのCPUとグラフィックボードを少しずつ強化したようなモデルだ。ホロアースをより快適にプレイできる一段上の性能だ。コストパフォーマンスでは落ちるものの、今後のアップデートを視野に入れた選択肢だ。本格的にホロアースの世界にはまりたいならLightning-G AV7Wがおすすめだ。
NEXTGEAR JG-A7G70(マウスコンピューター)
価格:249,800円(送料込)
CPU:Ryzen 7 7800X3D(水冷)
GPU:GeForce RTX 5070
メモリ:DDR5-5200 16GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS BRONZE
コスパ:9.1
ホロアースを隅々まで遊びたい方に向けたモデルだ。シミュレーションルームやマイスペースにも対応しやすく、今後のアップデートにも対応可能だ。このくらいのスペックがあればホロアースでかくつきにくくなるのでスムーズな動作も可能になる。ホロアースだけでなく最新のゲームをプレイしたい方にもおすすめだ。