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PCのスペック不足によって現れる症状をまとめてみた。パソコンを使っていて不具合が出てきたらぜひ参考にしてほしい。スペック不足とは、CPU・グラフィックボード・メモリなどの主要パーツの性能が足りないことだ。対処法としては、パソコンの買い替えがベストだ。その他CPUグラフィックボードの換装・メモリの増設などが挙げられる。行動に移さないと何も改善しないことは理解しておこう。一時しのぎではすぐに不満を感じてしまうことになるはずだ。

まずはPCのスペック不足を受け入れる

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このページを訪れているあなたはもうすでに何らかの症状が現れているのだと思う。そして、その原因がPCのスペック不足ではないことを願っているかもしれない。アドバイスをするとしたら現実を受け入れてパソコンの買い替えを検討する方が賢明だ。基本的にはグラフィックボードの性能不足の可能性が高い。次いでCPU・メモリと続く。

ここで紹介する症状が現れると、オンラインゲームをプレイする上で致命的となる。通常のパソコン作業でもストレスを感じてしまう可能性がある。ストレスを感じながらのPC作業を望んでいる方はいないはずだ。残念ながら基本的に対策はなく、パソコンを買い換えるしかないことがほとんどだ。ゲームなら設定や解像度を下げるという方法もあるが、満足度は大きく下がってしまう。

自作や増設で性能の底上げをする時は電源容量排熱性能(冷却)にも注意してほしい。電源の容量不足や冷却性能不足が要因として様々な症状が発生する可能性もある。グラフィックボードのように交換が容易なパーツは特に注意してほしい。より高性能なグラフィックボードへの換装時には電源容量が不足する可能性がある。

おおよその必要な電源容量を把握しておかなければ、性能が不足している時と同様の症状が発生する。スペック不足とは、必ずしも性能に起因するものだけを指しているわけではない。電源容量不足、冷却性能不足も総じてスペック不足である。

ゲーム向けの性能か確認する

スペック不足の原因は何か特定するのも大切だ。よくある勘違いに、価格の高いモデルは性能が高いというものだ。それ自体は間違いではないが、全ての用途に対して高いパフォーマンスを発揮できるわけではない。ゲーム性能が高くても作業に適しているとは限らないように、価格が高くてもゲームに適しているとは限らない。

ゲームはグラフィックボードが搭載されていて初めて対応できるようになる。NVIDIA GeForce・AMD Radeon・Intel Arcシリーズがゲーム向けだ。今使用しているパソコンがゲームに適した性能を持つグラフィックボードを搭載しているか確認してほしい。NVIDIA RTXシリーズ/NVIDA Tシリーズ(旧Quadro)は3D CADなどのクリエイティブ作業向けだ。

パソコンのグラフィック機能に「Intel UHD」や「Radeon Graphics」と記載がある場合は注意だ。それらはCPUに内蔵されたグラフィック機能で、グラフィックボードとは別物である。詳しくはグラフィックボード比較表を確認してほしい。いくら高いパソコンでも、用途に適していなければ意味がない。買い替えを検討する場合は、じっくり吟味して選んでほしい。

スペック不足は買い替えがおすすめ

何年も前の古いパソコンを使用しているとゲームや作業で性能不足を感じるケースが多い。ここ2~3世代のグラフィックボードやCPUは、最新のゲームにもある程度対応できるほどの性能を有している。少なくとも、スペック不足により様々な症状が発生することは稀だ。ゲームでスペック不足を感じてグラフィックボードを交換しても、根本的な解決になりにくい。今は軽視されがちだが、CPU性能もゲームに影響を与える。

現行のCPUなら、ロークラスであっても対応できる。古いパソコンではそもそもCPUの性能が低い。いくらグラフィックボードを買い替えても、快適に感じにくいはずだ。とくに多いのは、ゲームの推奨環境のCPUをクリアしているから大丈夫という判断だ。ゲームの推奨環境には10世代以上前のCPUが指定されていることもあるが、それをそのまま受け取ってしまうのは危険だ。

基本的にCPUはパソコン操作全般の処理を担っている。ゲームのみの起動であればギリギリ対応できても、ブラウザやディスコードなどのアプリケーションとの併用まで考えられていない。CPUを交換するということは、CPUに合ったマザーボード・メモリに交換しなければならない可能性がある。搭載するグラフィックボードによっては、余裕のある電源やケースまで買い替え対象になる。

全てのパーツを買い替えると、それはもう自作PCだ。自作PCはパーツにしか保証が利かないので、パソコンに慣れていない方にはおすすめできない。スペック不足の場合、買い替えパーツが多くなる。それならゲーミングPC自体を買い替えてしまった方が手っ取り早い。安定した動作と保証が受けられるのは大きい。パーツ単位の交換は根本的な解決に繋がらないこともある。昔と比べてゲーミングPCは安くなった。今なら買い替えのハードルは高くないはずだ。

スペック不足によって現れる一般的な症状一覧

まずは一般的なPC作業を行っていると起きる症状についてまとめている。

クライアントダウン

クライアントダウンというのはいわゆる「落ちる」というものだ。ブラックアウトやフリーズなどが発生し強制終了されてしまう状態を意味する。停電で起こるものとは異なる。パソコンへの負荷も高くできる限り避けたい現象だと言える。ゲームプレイ中に現れるサインであるフレームレートの低下から起こることも多く、ストレスの溜まる瞬間だ。

一度だけであれば問題はないが何度も繰り返される場合はスペック不足を疑うべきだろう。電源ユニットやマザーボードの故障などの可能性もあるため確認しておく必要がある。スペック不足によるクライアントダウンは、一定の負荷がかかったタイミングであることが多い。例えば、ゲームの起動中やローディングの途中などが挙げられる。起動時に暗転してからデスクトップに戻ったり、読み込みの画面がカクついたりがその症状だ。

起動時や読み込み時の負荷でクライアントダウンしてしまうと対処が難しい。ゲームプレイ中の症状であれば設定や解像度を下げて対応できることもある。しかし、設定や解像度が影響しない部分に関してはスペックアップしかない。ゲームによっては設定や解像度を下げることで読み込み時の負荷も下げられるので試してみてもよい。また、設定などを下げることで対応できた場合はスペック不足であることが確定となる。一度できるだけのことはして、原因を突き止めることも重要である。

ブルースクリーン

bluescreen画像引用元:https://news.mynavi.jp/

もう一つの深刻な症状がブルースクリーンだ。突如パソコンのモニターが真っ青になり、白い文字で理解不能な英語のような文字がズラーっと並ぶ症状だ。パソコンを使っていて一度ぐらいは出くわしたことがあるのではないだろうか。パソコンユーザーが最も恐れる現象の一つで心臓にとても悪い。私も何度か経験したことがある。こちらも頻発しない限りは問題ない。

念のためエラーログは確認しておくと安心だ。原因が特定できない場合は性能不足を疑おう。ブルースクリーンはスペック不足でも生じることが多い。ただし、クライアントダウンと異なり、CPUやGPU以外の部分でのスペック不足によって生じやすい。メモリ・電源・マザーボードあたりが原因になることもある。ブルースクリーンが頻発したり、ゲームを起動して同じくらいの時間経過で生じる場合は電源やCPUクーラーに問題がないかチェックしよう。

CPUに対してパフォーマンスの低いCPUクーラーだったり、CPUクーラーの接着が甘かったりすると発生することがある。クライアントダウンよりも深刻なケースが多く、できるだけ早急な対応が求められる。頻発しない場合は対処できないことの方が多いので最悪スルーでもいい。頻発した場合は要注意だ。

起動時間が著しく遅い

スペックが不足するとゲーム起動時のムービーがコマ送りになることがある。あまりに性能が足りていないとムービー自体が表示されなくなる。エラーでも発生しているのではないかと思うほどの暗転が続く。急にデスクトップに戻ることもなく、時間経過でゲームが開始される。CPUやGPU性能が極端に低くない場合はメモリの故障も疑いたい。メモリは故障しにくいパーツではあるものの、不具合は発生しやすい。

メモリ抜き差しして、認識されている容量をタスクマネージャーやシステム画面から確認してみよう。起動時間が遅くなるというのはスペック不足でもっとも起こりやすい症状だ。性能以外に原因があるかもしれない。買い替えてしまえば解決することだ。注意したいのはパーツを流用すると、その不具合を引き継いだままになる可能性がある。

ストレージやメモリに原因を抱えやすいので、スペック不足と同時にパーツの故障も疑いたい。特定のゲームだけで起こるのか、他のゲームでも起こるのか。特定のゲームだけならスペック不足、別のゲームでも発生するなら故障の可能性が高い。

フリーズする

ゲームに限らずフリーズは発生することがある。動画を見ている時に動画が固まり、ブラウザも固まる。マウスカーソルが動くこともあれば、完全に反応しないこともある。マウスカーソルの反応がなくなるとブルースクリーンにつながる可能性が高い。カーソルだけが動く状態はしばらくするとフリーズが解除されることもある。ゲームをプレイ中であればゲームはクライアントクラッシュし、デスクトップ画面で作業や動画視聴を行っていると、ブラウザにエラーが発生する。

また、エクスプローラーが停止し、フォルダが開けなくなったり、タスクバーが消えたりもする。この場合はメモリ不足であることがほとんどだ。フリーズは性能不足で起こるポピュラーな症状だ。明らかな不足というよりも、一時的にパフォーマンスが低下した際に起こりやすい印象がある。ブラウザで動画を見ながら、複数のタブを開いたままゲームをするなどすれば容易に発生する。数日間パソコンをつけっぱなしで作業をしていると頻繁に確認できる。

パソコンは強制的なシャットダウンでダメージを追う。ブルースクリーンにしても、フリーズにしても、パソコンの電源を切って立ち上げることになる不具合は、パソコンの寿命を縮めることになる。フリーズは性能が不足していると、短時間も含めて最も発生しやすい症状だ。この症状が出ると要注意である。

ゲームプレイ中に現れるスペック不足のサイン

カクカクする(フレームレートの低下)

ゲームプレイ中に生じるスペック不足の典型的な症状は、このカクカクするというものだろう。フレームレートが低下するとゲームプレイ中に画面がかくかくしてまともに移動することも難しくなる。フレームレートは、fpsという単位で表記され、1秒間に描写される映像の数である。60fpsなら1秒間に60枚の写真をパラパラ漫画のようにして描写している。

これが不安定だったり、一桁近くなったりすると静止画の域を出ないのでゲームとしては致命的だ。カクカクしているのは何も自分の視点だけでなく、その他のユーザーから見ても明らかにカクカクしている。このため、位置情報が飛び飛びになるので傍から見ているとワープしているように見える。チートだと思われてしまう可能性があるのもやっかいなところだ。

フレームレートの低下による遅延で攻撃が一気に出てしまうと、通常では考えられない一撃を放ったように見える。FPSで言えば胴体に5発撃たなければ倒せない武器を所持して、自分は5発撃って倒しても、他の人には棒立ちから一発撃って倒したように見えているかもしれない。カクカクするようになるとパソコンの買い換えを本格的に考える必要がある。

当たり判定がおかしくなる

スペック不足が生じると、上記のカクつきとともに当たり判定がおかしくなることもある。モンスターの攻撃が絶対届かない場所にいるにも関わらずダメージを食らったり、見えない敵に攻撃されてしまったりする。アクション要素の高いゲームや協力プレイのゲームでこの状態になるとパニックに陥いってしまうだろう。反射的に攻撃してしまい、近くの味方に対してフレンドリーファイアを行う原因にもなる。

非常にストレスの溜まる状態だと言える。FPSやアクション系のゲームで用いる銃の反動が大きくなったり、連射性能が明らかに低下したりする。このため、撃ち合いになるとほぼ勝てない。相打ちのあるゲームでは、背後を取って2発先に撃てば相撃ちくらいは取れるかもしれないほどだ。対戦ゲームで非常に不利になってしまう可能性があるということを覚えておこう。

ただし、元々のゲーム仕様でおかしな挙動や当たり判定がある場合はこの限りではない。モンスターハンターの亜空間タックルのように、見えているモーションと実際の当たり判定の違う仕様があると改善はできない。当たり判定がおかしくなる原因はGPUはもちろん、CPU性能が極端に低いことで生じやすい。

また、オンラインゲームの場合は回線速度やpingの影響も大きく受ける。海外サーバーでのプレイ、pingが200近くまで上がっているなどであれば正常と言える。海外サーバーではどうしても距離があるのでpingを下げにくい。国内サーバーでpingが200近くになっているなら回線に異常がある可能性が高い。

自分の行動が予測不能になる

自分自身の行動が予測不能になったら要注意だ。例えば、投擲武器を投げたつもりが飛んでいかず、しばらくして何の前触れもなく突如投げるという状態だ。FPSでは自滅やフレンドリーファイアの原因となる。周りから見ると迷惑行為をしているようにしか見えず、キック(追放)されることもある。スキルの詠唱が途中でキャンセルされたり、スキル発動後動けるようになるまでラグが生じたりという症例もある。

フレームレートが低下するとMMORPGなどで詠唱の入るスキルのエフェクトが重くなりやすい。自分の画面では問題ないように見えても、他のプレイヤーから見ると詠唱終了してスキル発動後数秒間そのまま立ち止まっているように見える。ゲームにおいては致命的で、敵の攻撃も避けることができない。自分の画面では避けられても、時間差で突如攻撃を受ける当たり判定の異常に共通している。

上記の行動が重なるのは最悪な状態だ。投げたつもりが投げず、フレームレートが低下しカクカクになり、必死に攻撃ボタンなどを連打すると、数秒~数十秒後突如早送りのようにこれまでの行動を一気に起こす。自分も味方も巻き込みパニックに陥れるため嫌われやすい。ゲームを楽しみたいなら対策を考えないといけない状態だ。

回線の状況に関しては改善しにくい部分だが、性能は改善しやすい。性能が高くなると安定したゲームプレイはもちろん、ゲームの上達にも繋がるのでデメリットはほぼない。買い替えにお金がかかるのがデメリットと言えるくらいだろうか。

武器の連射速度の低下など

これはフレームレートが低下することに関連している部分も多い。スペックが低いと、武器の連射速度の低下、攻撃モーションの待機時間の増加などが発生する。たとえ実力で上回っていたとしても、スペック不足は実力を大きく下げてしまう。とくに、FPSのように激しい戦闘のあるゲームでは致命的である。

たとえば、1秒間に3発撃てる銃でも、スペックが低いと2発程度しか撃てないこともある。遅延とも違うこのズレは、次のモーションが始まるまでの待機時間(ディレイ)も伸ばしてしまう。攻撃力は下がり、俊敏性も落ちる。おまけに次の行動までに一瞬棒立ちのような状態になる。

スペック不足は、これらの圧倒的なハンディキャップを背負っている。昔のゲームでは、スペックがパソコンを使用していると、ジャンプ力が僅かに高くなることがあった。これを利用し、本来一人では行けない場所へジャンプで登れていた。これを「低スペジャンプ」と言い、これができるかできないかでスペックの良し悪しを判定していたゲームもある。

低スペックも一部有利な要素を含んでいたが、低スペジャンプのようなものは最近のゲームでは使用できない。単純にデメリットしかなく、対人戦闘では不利になるしかない。これらの症状はフレームレートが低下していることも関係している。しかし、一番は一時的に大きくフレームレートが落ち、ラグにより生まれるものだ。

プレイヤー対プレイヤーのゲームでは、一定のスペックがなければそれだけで敗北につながる。こちらが先に撃っても先に被弾するなど、相打ちのないゲームも多いことから撃ち勝てなくなる。不利というよりも、自分だけ大きなマイナスを抱えている状態だ。もしも、そんな状態で撃ち勝てるなら、スペックアップすれば確実に優秀なプレイヤーになることだろう。

その他上記に当てはまらないもの

その他にも一概にこういう不具合とは言えないが、予想もしない不具合が頻繁に起こってしまうことがある。モニターが真っ黒になってパソコンは動いているがどうやってもモニターが復帰しないので再起動する羽目になったり、電源が繰り返し停止してしまったりと対処の仕方がわからないケースも少なくない。

また、低スペックなパソコンで起こる弊害はゲームだけに留まらない。複数のアプリケーションを起動すると重くなったり、オフィスなどを起動しながらブラウザを起動するだけでまともに動作しなくなったりもする。もちろん、こういったケースは低スペックなだけではなく部品の故障なども疑ったほうがいいだろう。

スペックの低いパソコンで快適に動作するゲームは少なく、純粋に楽しむことは難しいだろう。MMORPGならパーティーに迷惑をかけてしまうだろうし、FPSではまず自分が楽しくないだろう。パソコンを買い換えるなどで、スペックが向上すれば今までとは全く違うゲームに見えてしまうほど、環境の変化は大きい。

特に対人メインのゲームでは、低スペックから脱出するとプレイヤースキルの成長は著しく伸びる。気楽に楽しむべきゲームをプレイしてストレスを溜めるという矛盾した行動は、できるだけ早く辞めたほうがいいと思う。

当記事のまとめ

ゲームプレイをする上でスペック不足は致命的だと言える。まともにゲームをプレイすることができずストレスが溜まってしまうことになる。騙し騙しするよりもパソコンを新調することを推奨する。パーツの交換で対応できるのであればそれもいいが、CPUの世代が変わるとマザーボードごと交換しなければいけなくなるので新しく購入する方がお得なこともある。

CPU性能が上がればCPUクーラーの強化が求められることもある。グラフィックボードを交換すれば電源の交換も考慮しなければならない。パーツの交換で性能をアップさせると、性能を支える部分の交換や強化が必要だ。手間と労力がかかることもあるので、慣れていなければ買い替えを推奨したい。