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当記事では、円高及び円安とゲーミングPC価格との関係について解説している。ドル円の変動が大きくなると話題になることが増えてくる。2024年4月時点で$1=154.5円まで円安が続いている。これだけ為替が動くとゲーミングPCに与える影響が気になるところだ。グラフィックボード価格の高騰が落ち着いてきたと思ったら次は円安だ。

各BTOメーカーのゲーミングPCやPCパーツの価格を見ている限り円安の影響を受けていることは間違いなさそうだ。ゲーミングPCは為替相場の影響を受けやすい商品の一つとなっている。なぜならゲーミングPCの構成要素であるPCパーツは海外製が大半だからだ。Xを見ても円安を嘆くパーツメーカーが多いことに気付く。ドル円の為替変動を注視するのもおもしろいのではないかと思う。

円高や円安の基礎知識

円高及び円安って何のこと!?

円高とは、円の他通貨に対する相対的価値、言い換えると、円1単位で交換できる他通貨の単位数が相対的に多い状態のことです。

逆に、円安とは、円の他通貨に対する相対的価値(円1単位で交換できる他通貨の単位数)が相対的に少ない状態のことです。

引用元:円高、円安とは何ですか? :日本銀行 Bank of Japan

円高・円安とは一体なんなのかについて考えてみよう。定義としては上記の通りだ。日本銀行から引用している。かなり簡単にいうと円高は円の価値が他の通貨と比べて相対的に高い状態、円安は円の価値が低い状態のことである。

ドル円で考えられることが多いのでドルと円の価値を見ていこう。$1=120円と$1=110円だとどちらが円高なのかわかるだろうか。正解は後者の$1=110円だ。少ない円でより多くのドルに交換できるから円の価値が高いということが言える。今は$1=154円と極端な円安になっている。

ドル円チャート【2007年09月-2024年04月】

dollyensuii画像引用元:https://www.gaitame.com/

2007年9月以降のドル円推移がわかるチャートだ。2024年4月時点で154円台と円安が進んでいることがわかる。長らく120円以下で収まっていたのが2022年1月に120円の壁を超えてから一気に円安になった。円安が進むということはゲーミングPCにとっては不利な状況になる可能性が高い。その理由について詳しく見ていこう。

どうして為替変動がゲーミングPC価格に影響を与えるのか!?

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画像引用元:http://www.itmedia.co.jp/

ゲーミングPCを構成するPCパーツの多くが海外製だからというのがその理由だ。OSはMicrosoft(米国)、CPUはIntel/AMD(米国)、グラフィックボードはNVIDIA/AMD(米国)、マザーボードはASUS(台湾など)と国産はない。BTOメーカーが国内メーカーであっても仕入れている製品が海外製なので相場の影響を受けるのは必然だ。

結果的にBTOパソコンなどは特に為替変動を受けてしまうのだ。一般的には円高になると安くパーツを購入できるし、円安になるとパーツの価格は上がる。基本的には次に解説する代理店の存在などで価格が安くなるというメリットはあってもすぐに円安によって価格高騰となるわけではない。ただし、今回の円安は2022年2月からずっと続いていてさすがに影響を受けている。

実際にゲーミングPC価格に与える影響について考察

代理店が在庫を持っているためすぐには影響が出ない

ドスパラ・G-Tune・パソコン工房などの大手BTOショップは、将来的なパーツ価格の変動をある程度想定していて対策をしている。つまり、大手ショップはCPUやGPUの在庫を常時一定数以上を確保してリスクヘッジをしているのだ。株式の先物取引のようなものだ。安定した価格供給ができるのはそういった理由がある。

そのため、円高・円安になったからといってすぐにゲーミングパソコンの価格が変動するということはない。また、パーツについても代理店がある程度の在庫を持っているためすぐに影響を受けるというものではないのだ。ここ最近はドル円相場によってゲーミングPCの価格が不安定になるということはなかった。ただし、現在の円安状態が続けばゲーミングPC価格の値上げは避けられないだろう。

円安で損をすることはほとんどない

私の感覚では円高になると円高還元キャンペーンが行われて消費者に還元しているが、円安になっても価格を露骨に上げているというのを見たことがない。つまりゲーミングPCに与える影響はよいものがほとんどで悪い影響は与えないと考えてもよいだろう。

長期的に円安が続いてしまったらさすがに価格変動があるかもしれない。しかし、リスクヘッジが行われているので円安になったからすぐに価格が上がると不安になる必要はない。為替の影響をいち早く知りたいのであれば秋葉原や大阪の日本橋でのポップを見てみると良い。円高という文字がたくさんあれば影響を受けていると考えることができる。

残念ながら2022年以降の極端な円安での影響は避けられないだろう。ドスパラ・パソコン工房などのモデルは軒並み価格が上昇している。海外メーカーでも同様だ。下記に参考としてHPの価格改定を挙げた。もちろんインフレの影響もあるので全てが円安の影響とは言えない側面もある。

参考
hpneage

パーツメーカー&PCショップの生の声

円高による市場や消費者への影響まとめ

円高のメリット

メリット1メリット2
国内の物価の安定
円高になると、日本円の価値が上がるため相対的に少ない通貨で海外の商品を購入することが可能になる。

例えば、$1=130円だったのが1$=100円になる場合を考えてみよう。$100のメモリ価格が、13,000円から10,000円と3,000円も安くなる。

そのため、輸入品を中心に物価が下がり国内の物価が安定することになる。個人消費者にとって大きなメリットとなる。ゲーミングPCあるいはPCパーツは価格が下がる傾向にある。

海外旅行が安くなる
円高になると海外での滞在費、食費等のコストが下がることになるのだ。より直接的に円高のメリットを享受することが可能となる。

日本円を外貨に両替するときにより多くの外貨に交換することが可能だ。$1=130円が$1=100円と円高になったときを考えてみよう。

$130が必要な場合16,900円必要だったのに13,000円で両替ができる。当初の16,900円があれば169$に両替が可能だ。

円高のデメリット

デメリット1デメリット2
輸出がメインの企業の業績が悪化する
海外での売り上げが減ることになるので輸出をしている企業の売り上げが下がる。日本の企業の多くが輸出に頼っているため極端な円高は日本経済に打撃を与えてしまう可能性がある。

例えば、1$=130円が1$=100円になる場合を考えてみるとわかりやすいだろう。海外で100$で商品を販売していると13,000円もらえてたものが10,000円しかもらえなくなり実質3,000円の売り上げが減少することになる。

こうなると業績が悪化してしまうので貿易国の日本にとってはデメリットになってしまう。極端な円高が進めば国は介入してバランスを取ってくるだろう。

日本企業の海外進出で雇用機会が減る
円高になると海外での施設や設備投資費用が下がるので多くの日本企業が海外に進出する。結果的に日本経済が停滞してしまう可能性がある。

つまり、例えば東南アジアで通常5,000$かかる設備投資が、1$=130円のときと1$=100円の時では、150,000円安くできるからだ。

多くの日本企業が海外に進出してしまうと、リソースを海外に映すことになり日本国内での雇用機会が減ることになる。国内が主要市場なら関係はないが…

円安による市場や消費者への影響まとめ

2023年01月時点では円安が進んでいる。今はこちらの項目を参考にするとよいだろう。ゲーミングPCやPCパーツに当てはめて考えて欲しい。

円安のメリット

メリット1メリット2
輸出量が増え日本経済にとってプラスに働く
海外からみると日本の商品が割安になるので、輸出量が増え輸出業は儲かる。

例えば1$=100円から1$=130円と円安になる場合を考えてみよう。

1,300,000円の車がアメリカでは13,000$だったものが10,000$で購入できることになるからだ。

外貨預金をしていると得をする
個人で考えると外貨預金がお得になる。外貨を持っているだけで価値が上がるので手持ち資金が増える結果となる。より多くの円に交換することが可能だ。

円安のデメリット

デメリット1デメリット2
物価が上昇する傾向にある
円安になると海外で商品を購入する時により多くの円が必要になるので、物価が上がることになる。1$=100円から1$=130円になると、100$の財布の価格は10,000円から13,000円と価格が上昇する。

その結果国内の物価が上がることになる。海外製が多いPCパーツも影響を受けてしまう可能性がある。どこまで円安が進むのか注視しておく必要がある。

海外旅行のコストが増える
円安になると円高の時とは反対に海外旅行のコストが増えることになる。海外旅行をしようと考える人が減ってしまうことから旅行業は停滞してしまう。

当記事のまとめ

円高のメリット&デメリット (+)国内の物価の安定
(+)海外旅行が安くなる
(-)日本経済の停滞
(-)雇用機会の減少
円安のメリット&デメリット (+)日本経済にとってプラスに働く
(+)外貨預金がお得になる
(-)物価が上昇する
(-)海外旅行のコストが増える

円高及び円安がゲーミングPC/日本市場に与える影響について考えてみた。円高になるとPCパーツの価格が下がるので、一般消費者にとってメリットとなる。パーツ単位で購入する自作PCユーザーにはよりメリットが大きくなる。一方で、BTOパソコンを購入する方にとってはそれほど影響を受けることはない。なぜなら大手BTOショップが為替変動を予測してパーツの在庫を持っていること、代理店が在庫を持っていることが挙げられる。円高が長く続けば影響を受ける可能性があるが、短期的に見るとそれほど関係ないと考えてよい。

円高になったから買おう、円安だから買い控えようと買い時を図るのはナンセンスだ。当サイトとしては円高及び円安について神経質になる必要はないと考えている。2024年まで続く円安は明らかに影響が出ている。それでも将来を予測することは難しく待ったからといって安く購入できる保証はない。インフレについても考慮しなければいけない。なお、日本にとって円高・円安のどちらがよいのかを議論するつもりはない。そこは専門サイトに任せることにする。

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