当記事では、Counter-Strike 2の必要スペックと推奨PCを検証している。おすすめのゲーミングPCはページ下部の「Counter-Strike 2向けおすすめのゲーミングPC」で解説しているので参考にして欲しい。
当ページの目次
Counter-Strike 2の動作&推奨環境まとめ
最低環境 | 徹底解剖最低環境 | 徹底解剖推奨環境 | |
---|---|---|---|
OS | Windows 10 | Windows 11 | Windows 11 |
CPU | Core i5-750以上 | Ryzen 5 4500以上 | Core i5-14400F以上 |
メモリ | 8GB | 8GB以上 | 16GB以上 |
GPU | VRAM 1GB・Shader Model 5.0 DirectX 11対応 | GTX 1650以上 | RTX 4060 Ti以上 |
空き容量 | 85GB以上 | - | - |
公式サイトでは最低環境しか指定がない。最低限このくらいの性能は必要だという目安ではなく、Counter-Strike 2を起動するために必要な性能である。このままのスペックで揃えてもまともに動作させることは難しい。当サイト基準の最低環境がCounter-Strike 2を快適にプレイする最低限の性能だ。現行のスペックに合わせているため、実際には少し余裕を持たせている。
Counter-Strike 2では3Dグラフィックの水準を引き上げたSource 2 Engineを採用していてグラフィックボードについて気を使う必要がある。そしてCPUの重要度も意外と高い。ゲーミングPCを選択する時、CPUが軽視されている風潮がある。コストを抑えるためにCPUの性能を削り、高性能なグラフィックボードを搭載したモデルを選んでしまいがちだ。これは対人要素の強いゲームではマイナスに作用しやすい。
グラフィックボードを重視する選び方はRPGなどのゲームには強くても、FPSというジャンルでは不利になることがある。高リフレッシュレートでのゲームプレイを実現するために高いフレームレートを維持させる必要があるからだ。Counter-Strike 2では144Hzや240Hzに対応したモニターを使用するプレイヤーが多い。それらのリフレッシュレートに合ったフレームレートで安定させるためにはCPU性能も重要になる。
60Hz環境であれば、当サイト基準の最低環境で実現できる。240Hz環境は当サイト基準の推奨環境がおすすめだ。144Hzになると中間的な性能で事足りるため、標準的なミドルクラスのゲーミングPCであれば対応できる。ある程度設定を下げることを想定しているため、フルHD解像度・最高設定の環境ではもう少し性能に余裕を見たい。
Counter-Strike 2は、設定を高くすると不利になりやすい。設定を下げることで視認性が良くなり、様々な場面で有利に働くだろう。グラフィックの品質を高めるとリアルになる。しかし、負荷が大きくなるだけではなく、スモークが晴れるまでの時間が僅かに長くなったり、爆発のエフェクトが濃く残ったりする。試合を進行する上で、設定を高くすることはあまりよいことがない。
Source 2 Engineになり、グラフィックが綺麗になった。奇しくも、グラフィック品質を活かす設定はゲームの性質に合わない。フレームレートを安定させるという点でも、設定は下げきるくらいがいい。Counter-Strike 2では、標準設定ではなく、標準よりも低い設定に合わせた推奨環境を用意している。これは対人系FPSというジャンルでは、最も一般的な環境設定だからだ。
Counter-Strike: Global Offensivと比較
Counter Strike 2最低環境 | Counter-Strike: Global Offensive最低環境 | |
---|---|---|
OS | Windows 10 | Windows 7/Vista/XP |
CPU | Core i5-750以上 | Core 2 Duo E6600 |
メモリ | 8GB | 2GB |
GPU | VRAM 1GB・Shader Model 5.0 DirectX 11対応 | VRAM 256MB・DirectX 9・Pixel Shader 3.0対応 |
空き容量 | 85GB以上 | 15GB以上 |
Counter-Strike 2は、2012年に登場したCounter-Strike: Global Offensiveの後継シリーズである。厳密に言えば、Counter-Strike: Global OffensiveのアップデートでCounter-Strike 2になったため、同じゲームと言えなくもない。Counter-Strike: Global OffensiveのSource EngineをSource 2 Engineにアップデートした。脆弱性の改善や、グラフィックの改善を目指したものだ。
グラフィックが大きく向上し、部分的に今風のFPSになったように思う。当然要求スペックにも違いが現れている。最低環境はそこまで大きな変化がないように見える。しかしながら、最低環境はゲームを起動するために必要なスペックだ。起動するのに必要な環境が底上げされたということは、144Hzなどの一般的なゲーム環境を構築するために必要な性能も底上げされるということだ。起動・動作・快適にプレイするというように段階を踏むと、波紋のように要求スペックは大きくなる。
最低環境が大幅に底上げされる
旧タイトルであるCounter-Strike: Global Offensiveの最低CPUであるCore 2 duo E6600は2コアCPUだ。Counter-Strike 2ではCore i5-750は4コア4スレッドのCPUとなっている。シングルコアの性能差は小さくても、マルチコア性能には大きな差が生じる。第1世代のCore i5ではあるが、Core 2からCore i5へシリーズが進んでいる。
ゲームの推奨環境では、世代が進むことはあってもシリーズが進むことはそう多くない。とくに、Core 2とCore i5のように、性能の差の大きいモデルへの変更はほとんどない。この点からも、Counter-Strike: Global Offensiveのリネームではなく、Counter-Strikeシリーズの最新作という立場であることがわかる。
次に注目したいのはメモリだ。Counter-Strike 2は8GBが要求されている。最近のゲームならそれほど珍しいものではないかもしれない。しかし、最低容量が8GBというのは、決して少ないメモリ容量ではない。少し余裕を持たせても12GBや16GBになる。公式の推奨環境は、もしかすると16GBになるかもしれない。前作と考え方は近い。現在のゲーミングPC事情を考慮しており、その時々の環境に照準を合わせている。
2012年当時は64bitが主流になりつつあった。その時代背景もあって、32bitの環境でも遊びやすいように、4GB未満のメモリ容量を推奨環境にしていたゲームが多かった。Counter-Strike: Global Offensiveも2GBを最低容量に指定している。余裕を持たせても4GBあれば十分な設定だ。
グラフィックボードの指定はわかりにくい。Shader Model 5.0とPixel Shader 3.0は無視していい。注目すべきはVRAMとDirect Xだ。はっきり言ってしまえば、Counter-Strike: Global Offensiveの場合、VRAMさえ満たしていれば問題なかった。256MB搭載なら市販されているほとんどがDirect X 9.0に対応している。Counter-Strike 2も同様に、DirectX 11に対応していればShader Model 5.0にも対応している。
DirectX 11はGeForce 400シリーズ以上なら概ね対応している。GeForce GTX 700シリーズ以上ならVRAM 1GBを満たせる。Counter-Strike: Global Offensiveの最低限はGeForce 6600、Counter-Strike 2の最低限はGeForce GT 710だ。GeForce 6600というグラフィックボードを知らない方の方が多いだろう。CPU・メモリに続き、グラフィックボードの最低環境も大きく伸びている。
必要ストレージ容量が大幅アップ
最も大きな違いとなるのはストレージ容量だ。Counter-Strike 2では必要ストレージ容量が85GBに大してCounter-Strike: Global Offensiveは12GBだ。必要な容量が7倍になる大型アップデートはCounter-Strike 2くらいではないだろうか。これもスペック同様に時代を感じさせるものだ。今ではSSDが当たり前となり、HDDを搭載したモデルはほとんど見かけない。SSDとHDDのデュアルストレージモデルが僅かにあるくらいだろう。
Counter-Strike: Global Offensiveが登場した2012年は、徐々にHDDからSSDへの移行が始まった頃だ。その当時、HDD 500GBとSSD 120GBでは、ややSSDの方が高いくらいのものだった。主流だったSSD容量はOSを保存する120GBで、12GBの容量ならOSと保存しても120GBに収まる。現在では、HDD単体を搭載することはなく、SSD 500GBが最低限の容量になっている。
ストレージ空き容量が7倍になっても、ストレージに収めることは容易だ。容量が増大しても、当時とあまり変わらない感覚だ。OSと同じストレージに保存しても余裕がある。Counter-Strikeはその時代に合ったスペックを要求しているのがよくわかる。Counter-Strike: Global Offensiveが始まった頃、SSD搭載とHDD搭載では、ゲームのスタート時間に差があった。
SSDを搭載していれば、1ラウンド目も最初からスタートできた。HDDを搭載していると、買い物できないくらいにスタートが遅れることがあった。Counter-Strikeシリーズはストレージも性能の一部と言われていたゲームだ。SSDが主流となり、性能の高低差はあれども、以前のように不利にならない。
Counter-Strike 2の特徴
スピード感を抑えたゲーム性
Counter-Strike 2は、2012年に登場したCounter-Strike: Global Offensiveをアップデートした後継作だ。2023年にアップデートが完了し、Counter-Strike 2へ移行した。古いグラフィックから、見やすくきれいなグラフィックになった。一方で、シンプルなグラフィックではなくなり、Call of Dutyシリーズのようなリアル志向となった印象を受ける。対人がメインのゲームとしては、余計な部分だったようにも感じる。
グラフィックを一新しただけではなく、細かなシステムも変更が加えられた。とくに問題視されたのは、スナイパーライフルのスコープを覗く動作だ。スナイパーライフルはスコープを覗かなければ真っ直ぐ飛ばない。この特性を利用し、一瞬だけ覗いて撃つクイックショットが一つの技術になっていた。これはCounter-Strikeシリーズに限らず、多くのFPSで基本的な技術になっている。このクイックショットのタイミングが明らかにずれていた。
どのFPSでも、スナイパーライフルは強力だ。1発当てるとほぼ即死だからだ。スコープを覗くのが少し遅くなり、素早い射撃が難しくなった。これはスナイパーライフルに対するナーフ(弱体化)ではないかと議論されるほどだ。当時Natus Vincereに所属していた世界トップクラスのAWPER「s1mple」が活動休止を発表するほどの影響があった。(Natus Vincere, 2023)
基本的な操作性は大きな違いはない。ただ、しゃがみ歩きだったり、ナイフカットだったりの速度は少し落ちたように感じる。これがCounter-Strike 2の動作がもっさりしている印象を強める。前作Counter-Strike: Global Offensiveと変わらないという声もあり、人によって感じ方の違いが大きい。
FPSはリアル系・スポーツ系があり、Counter-Strikeはリアル系の代表だ。人気を高め、勢いのあるVALORANTはスポーツ系だ。様々なスキルを使用し、スピーディーな展開が特徴のFPSとなっている。そのVALORANTの対になる位置を目指したのだろうか。流行に乗らず、Counter-Strikeらしさを追求したのが今のCounter-Strike 2なのだろうか。賛否両論あったCounter-Strike 2も、様々な改善で落ち着きを取り戻しはじめている。このスピードに慣れると、重厚な試合展開を楽しめるはずだ。
ゲームバランスが最もよいFPS
Counter-Strikeシリーズはバランスのよさが魅力の一つだ。Counter-Strike 2もバランスのよさを引き継いでいる。これは、常に公平なゲームルールで遊べるという意味でのバランスだ。一昔前のFPSは、Counter-Strikeを基準にしていたこともあり、プレイヤーキャラに特性はなかった。「Alliance of Valiant Arms」くらいから、個性を出すFPSが増えたようにも思う。
トップクラスの人気を誇るVALORANTも、プレイするキャラクターそれぞれにスキルがあり、組み合わせ方で試合展開が変わってくる。Counter-Strike 2は、購入する武器の違いでしかなく、投擲物の役割を全員が担っている。また、豊富な種類の武器は、それぞれに使い所が用意されている。
一般的にネタ武器扱いされるショットガンは、安価で報酬が大きく、近距離なら一撃で倒すこともできる。お金に余裕がない時に有力な選択肢となる。あえて、ヘッドショットなら1発のデザートイーグルを持つのも戦術の一つだ。コストを最低限に抑えつつ、次のラウンドで武器を買うためのエコラウンドなどで用いられる。このように、全く使用されない死に武器がほとんどない。武器と価格のバランスもよく、状況に合わせて武器を選択する自由がある。
キャラクター性能に全く差のない5人と5人がぶつかり合う。このゲーム性は公平であり、同条件での勝負となる。感覚的には将棋に近く、実力差があるとなかなか覆せない。1ラウンドくらいなら取れても、Counter-Strike 2は12ラウンドハーフで13ラウンド先取だ。実力差を覆して13ラウンド取ることは非常にむずかしい。運がよくて勝てることはほとんどないと言っていい。
FPSの強さはプレイヤースキルだけではない。戦略や読みも必要になる。それらの総合的な能力を駆使して戦うものだ。特殊能力を持たないCounter-Strike 2では、より顕著になってくる。スナイパーライフルがいかに強くても、全員がスナイパーライフルを持てばかなり苦しい。一度接近を許すと一気に不利になるからだ。武器に関してもバランスがよいと言える。
お互いが同条件であること。これが今主流のFPSには少ない要素だ。話題となったオーバーウォッチ2も役割が分かれ、それぞれに個性あるキャラクターがある。Counter-Strike 2が本格的なFPSと言われるのは、ゲームバランスが平等であることが大きい。同条件で実力が反映されやすいという点で、最もゲームバランスに優れたFPSである。
Counter-Strike 2向けおすすめのゲーミングPC
LEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITE2(パソコン工房)
価格:99,800円
CPU:Ryzen 5 4500
GPU:GeForce RTX 3050 6GB
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:10.0
LEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITE2は当サイト基準の最低環境より少し余裕のある性能を持っている。最低設定にまですれば、144Hz環境には対応できる。ただ、144fpsでの完璧な安定は難しい場面がある。スモークや火炎瓶のようなエフェクトを発生させるものが重なれば厳しい。75Hz~120Hz環境向けの性能と言えるかもしれない。60fpsの安定は可能なので、最低限LEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITE2は選んでおきたい。
GALLERIA XA7R-R46 5700X搭載(ドスパラ)
CPU:Ryzen 7 5700X
GPU:GeForce RTX 4060
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 1TB NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:9.0
GALLERIA XA7R-R46 5700X搭載は、当サイト基準の最低環境と推奨環境の中間のモデルだ。144Hzでのゲームプレイを想定するなら選んでおきたい。設定を下げることを想定しているため、標準以上の設定では100fps~130fps程度になる場面が増える。Counter-Strike 2を快適にプレイするには、GALLERIA XA7R-R46 5700X搭載を基準に考えたい。このくらいの性能があれば、満足度も高くなるはずだ。
LEVEL-M17M-144F-SLX-WHITE (パソコン工房)
CPU:Core i5-14400F
GPU:GeForce RTX 4060 Ti
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:8.1
Counter-Strike 2で240Hz環境を構築するなら、LEVEL-M17M-144F-SLX-WHITEがおすすめだ。240fpsの安定も目指せる優秀な性能が魅力だ。ただ、Botを大量に配置するようなモードでは負荷が増大して安定しなくなる。あくまでも5:5のマッチルールに限る。CPUとグラフィックボードの性能のバランスもよく、コストパフォーマンスも優秀だ。予算に余裕があるなら、LEVEL-M17M-144F-SLX-WHITEはおすすめしやすいモデルである。
動画
参照外部サイト
- s1mple moved to inactive – Natus Vincere(Natus Vincere, 2023)
- Counter-Strike: Global Offensive公式HP