ゲーミングPC徹底解剖サイトにおけるベンチマーク測定ルールを解説していく。どのような環境あるいは設定でベンチマークを測定しているのかがわかる。できる限り参考にしていただいているユーザーが同じ環境で再現できるように配慮している。筆者自身の忘備録としての側面もある。
CPU性能計測のベンチマーク一覧
Cinebench R23
定番のベンチマークソフトで参考にしているユーザーは多いのではないだろうか。マルチコア及びシングルコア性能を計測できる。比較的古い世代のCPUの性能を測るのに適している。新しい世代のCPUのパフォーマンスを測るのに不向きな側面もある。その場合は次世代のCinebench 2024を参考にしていただければと思う。
Cinebench 2024
Cinebench R23の後継ベンチマークソフトだ。より現代の環境を反映する形で、メモリフットプリントの増加や新しい命令セットの追加などが行われている。1各10分間のベンチマークでマルチコアスコア及びシングルコアスコアを計測する。
Blender
3DCG制作に特化したBlenderを活用したベンチマークソフトだ。「monster」・「junkshop」・「classroom」と3つのシーンにおける1分間当たりの生成サンプル数を計測している。Cinebenchと同様に参考にしているユーザーが多いのではないかと思う。
Handbrake
3分52秒の4K動画のエンコード(H.265/H.264)に掛かる時間を計測している。動画はForza Horizon 5のベンチマークを回している際の動画だ。
Photoshop
Puget Systemでベンチマークを計測している。Photoshopのバージョンは26.6(2025)、ベンチマークプリセットはStandard、ベンチマークバージョンは1.0.3だ。日本版のPhotoshopだとベンチマークが動かないので英語版(International)を利用している。
7-Zip
Zipファイルの圧縮及び展開速度をベンチマークしている。辞書サイズ32MBでテスト回数は10回だ。
グラフィックボード性能計測のベンチマーク一覧(ゲーム)
現在Apex Legends及びマイクラのベンチマーク測定を見直し中だ。
FF14
グラフィック設定1 | ディスプレイ設定 |
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グラフィックス設定プリセット”最高品質”、アップスケールは無効化としている。スクリーンモード設定は”ウインドウモード”だ。フルHD・WQHD・4K環境のパフォーマンスをそれぞれ計測している。
FF15
FF15はシンプルで設定は”高品質”・”ウインドウ”で各解像度のパフォーマンスを計測している。
モンスターハンターワイルズ
ディスプレイ設定 | グラフィックス設定1 |
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グラフィックス設定2 | グラフィックス設定3 |
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スクリーンモード設定は”ボーダレスウインドウ”だ。解像度は1920×1080、2560×1440、3840×2160の3つで計測している。グラフィックプリセットはウルトラだ。その他は画像のとおりだ。VRAM容量が8GB以下のモデルについてはプリセット”ウルトラ”だと止まってしまうため”高”で計測している。
Cyberpunk 2077
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クイックプリセット”ウルトラ”及び”レイトレーシングウルトラ”の2種類をベースに、解像度スケーリングを使用したパターンと使用しないパターンでのパフォーマンスを計測している。アップスケーリングはDLSS 3.0・DLSS 4.0・FSR 3など適したものを選択している。解像度はフルHD・WQHD・4Kの3つだ。GeForce RTX 3050 8GBやGeFoce RTX 3050 6GBなどのエントリーモデルではフルHDを基本に設定を”ウルトラ”・”中”・”低”でのフレームレートを計測している。
Black Myth
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表示モードは”仮想フルスクリーン”で解像度は1920×1080、2560×1440、3840×2160の3種類で計測している。画質レベルは”超高”だ。Black Mythでも下位モデルではフルHDをベースに”超高”、”中”、”低”の3つの画質でのフレームレートを計測している。
Dune
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ウインドウモードは”全画面”としている。解像度は1920×1080、2560×1440、3840×2160の3つだ。グラフィックスの質は”ウルトラ”としている。フレーム生成をONにしている。VRAM容量が8GB以下のモデルだと4K環境で止まってしまうことがあった。GeForce RTX 3050 8GBとGeForce RTX 3050 6GBではフルHD環境で設定を変えてパフォーマンスを計測している。
Forza Horizon 5
ビデオ | グラフィック |
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ビデオの項目では解像度”1920×1080”、フレームレート”アンロック済”、V-SYNCH”オフ”としている。グラフィックのプリセットは”エクストリーム”だ。GeForce RTX 3050 8GB/6GBなど明らかにスペック不足なモデルでのベンチマークではフルHD環境を基本に設定を変えてベンチマークを計測している。エクストリーム、中、最低の3つだ。
Bright Memory
RTXを”Very High”、DLSSを”Performance”で計測している。フルHD・WQHD・4K解像度でそれぞれ計測を行う。GeForce RTX 3050 6GBなどエントリーモデルではFHD固定で、RTXを”Low”・”Normal”・”Very High”の3つの環境でフレームレートを計測している。高解像度だとベンチマークが固まってしまうからだ。
フォートナイト
設定1 | 設定2 |
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設定3 | 設定4 |
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フォートナイトはウインドウモード”フルスクリーン”、解像度”1920×1080”、Vsyc”オフ”、最大フレームレート”無制限”、レンダリングモード”EDIRECTX 12”としている。クオリティプリセットは”最高”、”中”、”低”の3種類だ。ゲームの特性的に高解像度での計測は除外している。
グラフィックボード性能計測のベンチマーク一覧(クリエイティブ)
Cinebench 2024 GPU
長らく廃止されていたGPUベンチマークが復活している。要件はやや厳しくVRAM 8GBが条件となる。現行のBlackwell世代のモデルは計測ができなかった。
Handbrake
ハードウェアエンコードでのパフォーマンスを計測している。動画はCPUのパフォーマンスを計測したものと同じだ。「H.265 NVENC 2160p 4K」と「H.265 NVENC 1080p」の2種類のパターンで計測している。
Premiere Pro
Puget Systemsを利用してパフォーマンスを計測している。Premiere Proのバージョンは25.2.3(2025)で、ベンチマークプリセットはStandardで、ベンチマークバージョンは1.1.1だ。
Blender
BlenderではCPUと同様にグラフィックボードのパフォーマンスが計測できる。
騒音・消費電力計測ツール
サンワサプライ デジタル騒音計 CHE-SD1
システムの騒音計測にはCHE-SD1を活用している。
サンワサプライ ワットモニター TAP-TST10N
システム全体の消費電力を計測するのにTAP-TST10Nを利用している。USB接続もできて便利だ。
お役立ちソフトウェア(フレームレート計測etc.)
Afterburner
フレームレートの計測に活用している。現在のフレームレートだけではなく、平均fps・1% Low・CPU使用率・GPU使用率・メモリ使用率・VRAM使用率など幅広い情報を得られる。
HWiNFO64 Pro
CPUやGPUの温度及び消費電力を把握するのに活用している。
ベンチマーク機材一覧
ベンチマーク検証機Intel ソケットLGA1851
もっとも新しいIntelのベンチマーク検証機だ。Core Ultraシリーズ2(Core Ultra 7 265F etc.)に対応している。
ベンチマーク検証機IntelソケットLGA1700
今でも人気の高いソケットLGA1700対応検証機だ。Core i7-14700FやCore i5-14400Fをサポートしている。
ベンチマーク検証機AMDソケットAM5
AMDの最新ソケットだ。Ryzen 9 9950X3D・Ryzen 7 9800X3D・Ryzen 7 9700Xなど人気のCPUに対応している。
ベンチマーク検証機AMDソケットAM4
今でも現役のAMDソケットだ。Ryzen 7 5700X3D・Ryzen 7 5700X・Ryzen 5 5500・Ryzen 5 4500など対応の幅が広い。