当記事では、GeForce RTX 4090の性能スペックレビュー＆おすすめゲーミングPCの紹介をしている。2022年10月12日に、Ada Lovelace世代のグラフィックボードが発売された。まずは、最上位モデルである90番台のGeForce RTX 4090からだ。前評判通りスペックが高く、従来モデルを大きく上回る高いグラフィックス処理性能を持つ。その高い性能はWQHD以下の環境では活かせない。基本的には4K環境でのゲームプレイを構築したい方やメディアなどを取り扱うクリエイターの方向けだ。
GPUメモリ容量が24MBと大容量なのもクリエイター向けモデルであることを示唆する。とにかく価格が高く、国内での販売価格は30万円を超えている。一時は239,800円前後だったので値上げ傾向にある。競合不在のモデルで価格が安定しない。「GeForce RTX 4090搭載おすすめゲーミングPC」で紹介している。一つ下のGeForce RTX 4080 SUPERやGeForce RTX 4080との価格差・性能差にも注目していきたい。
なお、2025年1月に次世代のGeForce RTX 50シリーズの登場を控えていてGeForce RTX 4090の販売は終了に近づいている。ほとんどのBTOメーカーで取り扱いが終了している。単体のグラフィックボードも在庫がない状況だ。GeForce RTX 5090やGeForce RTX 4080の性能や価格がわかってから検討したい。
| 世代 | Ada Lovelace |
|---|---|
| プロセス | 5nm |
| CUDAコア | 16384 |
| ベースクロック | 2235 MHz |
| ブーストクロック | 2520 MHz |
| GPUメモリ | GDDR6X 24GB |
| TDP | 450W |
| MSRP | $1,599 |
| 中古価格 | 329,980円 |
| 発売日 | 2022/10/12 |
- （+）現在購入できるモデルで最も性能が高い
- （+）レイトレーシング性能がずば抜けて高い
- （+）DLSS 3.0の有効化でフレームレートが高くなる
- （+）RDNA 3アーキテクチャのGPUを上回る可能性が高い
- （-）価格が極端に高い
- （-）消費電力が高め
- （-）DLSS 3.0など将来への投資的な側面が強い
- （-）RTX 4090 Tiがリリースされる可能性がある
GeForce RTX 4090の基本スペック
| RTX 4090 | RTX 3090 | RTX 3090 Ti | |
|---|---|---|---|
| アーキテクチャ | Ada Lovelace | Ampere | Ampere |
| GPU | AD102 | GA102 | GA102 |
| プロセス | 5 nm | 8 nm | 8 nm |
| トランジスタ数 | 763億 | 283億 | 283億 |
| ダイサイズ | 608.0 mm² | 628.4m㎡ | 628.4m㎡ |
| SM数 | 128 | 82 | 84 |
| CUDAコア | 16384 | 10496 | 10752 |
| RTコア | 128基 | 82基 | 84基 |
| Tensorコア | 512基 | 328基 | 336基 |
| ベースクロック | 2235 MHz | 1395 MHz | 1560 MHz |
| ブーストクロック | 2520 MHz | 1695MHz | 1860 MHz |
| GPUメモリ | GDDR6X 24GB | GDDR6X 24GB | GDDR6X 24GB |
| メモリクロック | 21.2 Gbps | 19.5Gbps | 21.0 Gbps |
| メモリバス | 384 bit | 384 bit | 384 bit |
| メモリバス帯域幅 | 1,018 GB/s | 936.0 GB/s | 1,008 GB/s |
| FP32 Compute | 82.58 TFLOPS | 35.58 TFLOPS | 40.00 TFLOPS |
| バスインターフェイス | PCIe 4.0 x16 | PCIe 4.0 x16 | PCIe 4.0 x16 |
| TDP | 450W | 350W | 450W |
| 補助電源 | 1x 16-pin | 1x 12-pin | 1x 16-pin |
| MSRP | $1599 | $1499 | $1999 |
| 国内価格 | 279,800円～ | 129,980円～ | 139,980円～ |
| 発売日 | 2022/10/12 | 2020/09/24 | 2022/03/29 |
*価格は発売時点
RTX 4090のスペックについてRTX 3090 Tiのスペックも掲載しているが、基本的には従来モデルに当たるRTX 3090と中心に見ていく。RTX 4090は、Ada Lovelance世代における第一弾モデルとなる。GPUはAD102で、プロセスは脅威の4nmだ。RTX 3090などAmpere世代の半分に留まる。RTX 3090と比べてトランジスタ数は2.7倍と大幅に増えているにも関わらずダイサイズはRTX 3090 Tiと比べて3%程度小さい。プロセスの微細化によるメリットは大きい。
SM数は56%増えて128だ。CUDAコア数は16384（128×1280）と大幅に増えている。RTコア及びTensorコア数もそれぞれ56%増えたことになる。RTX 4090で採用されているAD102のフルスペックのSM数が144なので、将来的にRTX 4090 Tiが発売される可能性がある。RTX 3090 Tiは、GA102のフルスペックバージョンで少しSM数を減らしたのがRTX 3090だ。ベースクロックは60%高く、ブーストクロックも49%高い。これだけスペックを引き上げたのは驚きだ。4nmプロセス採用のメリットだろう。
GPUメモリはGDDR6X 24GBと共通だ。メモリクロックが9%速く21.2 Gbpsとなる。メモリバスは384 bitと共通だ。メモリバス帯域幅は936.0 GB/sとなる。メモリ周りはRTX 3090 Tiに近い。FP32 Computeは、82.58 TFLOPSでRTX 3090よりも2.3倍だ。TDPは29%増えて450Wとなる。補助電源は1×16-pinだ。価格は$100アップで$1,599となる。これだけスペックが高くなって+100なら納得できるのではないかと思う。
GeForce RTX 4090の特徴＆強み
一世代で過去最高クラスの伸びを記録した
| 型番 | 総合性能 |
|---|---|
| RTX 4090 | |
| RX 7900 XTX | |
| RTX 4080 SUPER | |
| RTX 4080 | |
| RX 7900 XT | |
| RTX 4070 Ti SUPER | |
| RTX 3090 Ti | |
| RTX 4070 Ti | |
| RTX 3090 | |
| RX 6950 XT | |
| RTX 3080 Ti | |
| RTX 3080 12GB | |
| RTX 3080 10GB | |
| RX 6800 XT | |
| RTX 2080 Ti |
GeForce RTX 4090の性能スコアは56,731と非常に高く、旧世代のフラグシップモデルであるGeForce RTX 3090 Tiを45%以上も引き離している。これまでスコアの最大を50,000に設定していたのでカンスト状態となった。Ampere世代のGeForce RTX 3090と比べると50%も処理性能が高い。一世代でこれだけ性能が伸びたことはこれまでなかったのではないかと思う。性能が高すぎてWQHDやFULL HDではCPUがボトルネックとなりやすいことは補足しておく。
GeForce RTX 4090は、基本的には4K環境でのゲームプレイを考えている方向けだ。競合モデルであるRadeon RX 6950 XTと比べても50%以上性能が高い。次世代モデルのRDNA 3アーキテクチャ採用のRadeon RX 7000シリーズでも、GeForce RTX 4090に勝つのは難しい。Radeon RX 7900 XTXとの性能差は25%とかなり大きい。AMDがこのGeForce RTX 4090の性能を見てどのように対応していくのかは注目だ。現時点ではGeForce RTX 4090との勝負は諦めてしまっているように思える。それだけRTX 4090の性能の高さは驚異的だと言える。
第3世代RTコアのパフォーマンスが高い
RTコアも第3世代になってより洗練されている。従来モデルのグラフィックボードと比べて、レイトレーシング性能は最大で80%程度も向上している。4K環境でさえレイトレーシングを有効化しても高いフレームレートを維持できる。Cyberpunk 2077などの負荷の高いタイトルでもDLSSを活用して60fps以上で安定させることが可能だ。
Radeon RX 6000では全く勝負にならなず、次世代モデル以降に期待したい。RTX 4090の高すぎる性能は、レイトレーシングなど負荷の掛かる用途でこそ輝く。グラフィックに対する負荷が上がればCPUのボトルネックが生じないからだ。DLSSやDLSS 3フレーム生成を利用できるタイトルならその差はより広がることになる。DLSS 3.0フレーム生成は対応タイトルが今後増えてくるはずだ。そこに投資する価値があるかどうかの判断は難しいが、将来性があることは街がない。
消費電力は高いが性能を考慮すれば悪くない
RTX 4090は、消費電力の高いグラフィックボードであることは間違いないが性能が高いことを考えると特に問題はないのではないかと思う。RTX 3090 Tiと同等の消費電力となる。性能が45%高いので、むしろ省電力性に磨きが掛かっている。もっともこのクラスのグラフィックボードを購入する層ならファン・電源ユニット重要性も理解しているだろう。BTOパソコンならRTX 4090に見合う各種ファン・電源ユニット・PCケースを考慮した上で販売されている。グラフィックボードの温度も比較的抑えられていてよほどことがない限りデメリットが生じるわけではない。
下位モデルのRTX 4080 SUPERとの価格差が大きい
GeForce RTX 4090はAda Lovelace世代のフラグシップモデルで性能も高いが価格も高い。単体のグラフィックボードとしては税込300,909円～だ。ゲーミングPC本体が購入できるほどで購入者はかなり限定されてしまうだろう。一つ下のGeForce RTX 4080 SUPERは、税込162,000円～購入できる。価格差は138,000円程度とかなり大きい。
性能差が27%に対して価格差は45%ということだ。GeForce RTX 4090は、コストパフォーマンスで選ぶモデルではない。ゲーム用途だけならGeForce RTX 4080 SUPERやGeForce RTX 4080でも十分ではないかと思う。GeForce RTX 4090の購入を検討する際は本当にその高い性能が必要かどうかしっかり考えよう。
GeForce RTX 4090のフレームレート一覧
Far Cry 6
Horizon Zero Dawn
Watch Dogs: Legion
GeForce RTX 4090のレイトレーシング性能
Control
Cyberpunk 2077
Fortnite
GeForce RTX 4090搭載おすすめゲーミングPC
FZI9G90B7ACCW101DEC（マウスコンピューター）
価格：431,982円+送料2,200円
CPU：Core i9-13900KF
GPU：GeForce RTX 4090
メモリ：64GB
ストレージ：SSD 2TB NVMe
電源：非公開
コスパ：調査中
パソコン工房でGeForce RTX 4090搭載の中古ゲーミングPCの取り扱いがある。マウスコンピューターのフラグシップモデルだ。フルタワーケース採用で拡張性にも長けている。Core i9-13900KF×GeForce RTX 4090と発売当時のウルトラハイエンドとなる。さらに、メモリ64GB・SSD 2TB NVMeとずば抜けた構成だ。ゲームプレイからクリエイティブ作業まで難なくこなせる。
GeForce RTX 4090搭載おすすめゲーミングPC
G-Master Spear X870A（サイコム）
価格：620,330円 610,330円+送料2,200円
CPU：Ryzen 7 9700X
GPU：GeForce RTX 4090 *カスタマイズ
メモリ：DDR5-5600 32GB
ストレージ：SSD 1TB Gen4 NVMe
電源：1000W 80PLUS GOLD Antec *カスタマイズ
コスパ：調査中
サイコムではまだ取り扱いがある。+323,930円でGeForce RTX 4090へアップグレード可能だ。カスタマイズ費用も妥当で評価できる。なお、GeForce RTX 4090へアップグレードする際は電源ユニットの強化が必要だ。もっとも安価なモデル「Antec NeoECO Gold NE1000G M ATX3.0 [1000W/80PLUS Gold]」でも+6,620円となる。トータルで330,550円アップだ。メモリDDR5-5600 32GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと構成は充実している。コスパ指標は調査中としている。初期構成よりはコストパフォーマンスは高くなると考えてよい。
LEVEL-R779-LC147KF-XL1X（パソコン工房）
価格：544,800円+送料2,200円
CPU：Core i7-14700KF（水冷）
GPU：GeForce RTX 4090
メモリ：DDR5-4800 32GB
ストレージ：SSD 1TB Gen4 NVMe
電源：1000W 80PLUS PLATINUM
コスパ：調査中
Core i7-14700KF×GeForce RTX 4090搭載の最新のゲーミングPCだ。パソコン工房のミドルタワーケースを採用している。ケースがリニューアルされてデザイン性の高いモデルとなった。Core i7-14700KFは、20コア28スレッドとスペックが高く従来モデルのCore i9-13900Kを上回る性能を持つ。GeForce RTX 4090とのバランスも取りやすい。メモリDDR5-4800 32GB、SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も抜群だ。電源ユニットは1000W PLATINUMを採用している。ハイエンドクラスのモデルにはこれぐらいの電源が必要だろう。
GALLERIA ZA7C-R49（ドスパラ）
価格：561,980円+送料3,300円
CPU：Core i7-14700KF（水冷）
GPU：GeForce RTX 4090
メモリ：DDR5-4800 32GB
ストレージ：SSD 1TB Gen4 NVMe
電源：1000W 80PLUS GOLD
コスパ：調査中
ガレリアブランドからもGeForce RTX 4090搭載モデルがリリースされている。CPUにはIntel第14世代のハイパフォーマンスモデルであるCore i7-14700KFを搭載している。最強クラスのゲーミングPCの一つだ。GeForce RTX 4090の性能を考えるとCore i9シリーズ以上を選択したいところだが、価格を抑えたいならこのCore i7-14700KFの選択が賢明だ。高解像度でのゲームプレイならCPU性能の影響は小さくなる。反対に高リフレッシュレートを目指すならCPU性能を重視するべきだろう。メモリDDR5-4800 32GB、SSD 1TB NVMe Gen4と構成も充実している。電源ユニットには1000W GOLDを採用していて万全だ。
LEVEL-R6X7-LCR78D-XLX [RGB Build]（パソコン工房）
価格：584,800円+送料2,200円
CPU：Ryzen 7 7800X3D（水冷）
GPU：GeForce RTX 4090
メモリ：DDR5-4800 32GB
ストレージ：SSD 1TB Gen4 NVMe
電源：1200W 80PLUS PLATINUM
コスパ：調査中
前面×3基+上面×2基（ラジエーター）+背面×1基でトータル6基のLEDファンを搭載したモデルだ。現在上面3基への変更はできないので注意しよう。CPUには3D V-Cache搭載のRyzen 7 7800X3Dを搭載している。Core i9-14900Kを抑えて現行最強のゲーム性能を誇る。GeForce RTX 4090をゲーム用途で使用するならこれ以上ない選択だと言える。最新のタイトルでも高解像度で楽しめるポテンシャルがある。メモリDDR5-4800 32GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も充実している。電源ユニットは1200W PLATINUMだ。マザーボードのチップセットも最上位のX670が選択されている。
LEVEL-R779-LC149KF-XL2X（パソコン工房）
価格：587,800円+送料2,200円
CPU：Core i9-14900KF（水冷）
GPU：GeForce RTX 4090
メモリ：DDR5-4800 32GB
ストレージ：SSD 1TB NVMe
電源：1000W 80PLUS PLATINUM
コスパ：調査中
CPUにハイエンドのCore i9-14900KFを搭載した一台だ。24コア32スレッドとマルチスレッド性能が高く現行最強のゲーミングCPUとなっている。動画編集・画像生成AI・画像編集・ゲーム開発とあらゆる用途に対応可能だ。ゲームだけで終わらせるにはもったいない。メモリDDR5-4800 32GB、SSD 1TBと構成も抜群だ。DDR5メモリを採用していることでCore i9-14900KFの性能をしっかりと引き出すことができる。電源ユニットは1000W TITANIUMを採用している。
LEVEL-R7X7-LCR79Z-XL1X（パソコン工房）
価格：624,800円 589,800円+送料2,200円
CPU：Ryzen 9 7950X3D（水冷）
GPU：GeForce RTX 4090
メモリ：DDR5-4800 32GB
ストレージ：SSD 1TB Gen4 NVMe
電源：1000W 80PLUS PLATINUM
コスパ：調査中
Ryzen 9 7950X3Dを搭載したハイエンドの一台だ。Ryzen 7000X3Dシリーズの最上位モデルとなる。16コア32スレッドと高いスペックを誇る。ゲーム性能も高くCore i9-14900Kを抑えてトップクラスだ。ゲーム実況やエンコードなどのクリエイター作業にも適している。メモリDDR5-4800 32GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も申し分ない。電源ユニットは1000W PLATINUMを採用している。キャンペーン中は35,000円OFFで購入できる。会員登録で送料が無料になるのもポイントだ。
G-Tune FZ-I9G90（G-Tune）
価格：709,800円 659,800円（送料無料）
CPU：Core i9-14900KF（水冷）
GPU：GeForce RTX 4090
メモリ：DDR5-4800 64GB
ストレージ：SSD 2TB Gen4 NVMe
電源：1200W 80PLUS PLATINUM
コスパ：調査中
マウスコンピューターのG-Tuneブランドのフラグシップモデルだ。PCケースにはフルタワーケースを採用している。DVDスーパーマルチドライブ搭載もおもしろい。映画鑑賞にも最適だ。Core i9-14900KF×GeForce RTX 4090を搭載していて現行最強クラスのゲーミング性能を誇る。4K環境+レイトレーシングでも十分対応できる。メモリDDR5-4800 64GB・SSD 2TB Gen4 NVMeと構成もずば抜けている。クリエイター用途にも最適だ。電源ユニットは1200W PLATINUMを採用している。
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