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当ページでは、Ryzen 5 3600の性能比較&ベンチマーク検証をしている。高コスパのCPUとして人気の高かったRyzen 5 2600の後継モデルということで注目度が高い。競合モデルであるCore i5-9400が6コア6スレッドとハイパースレッディングに対応していないので、Ryzen 5 3600の6コア12スレッドというスペックは魅力的だ。発売当時としては画期的だったと言える。
次世代のRyzen 5000シリーズが登場してからもAMDがRyzen 5 5600Xなどの上位モデルを優先したため、Ryzen 5 3600の後継モデルが長らく発売されていなかった。結果的にRyzen 5 3600は、2019年7月に発売されてから3年近くも現役モデルとして販売されていた。市場を見る限り販売期間が長かったこと割にはそこまで中古市場にタマがあるわけではなさそうだ。「Ryzen 5 3600搭載の中古ゲーミングPC一覧」で紹介しているので参考にしてほしい。
中古価格は10,480円~とそこまで価格は落ちていない。同等の性能を持つRyzen 5 4500は入手が難しく代替モデルとしてRyzen 5 3600が候補に入る。同世代のRyzen 5 3500と比べてもパフォーマンスが高くゲーム適性が高い。
後継モデルは、Zen 3アーキテクチャを採用した「Ryzen 5 5600X」あるいは「Ryzen 5 5600」だ。後者は2022年4月にようやくリリースされたZen 3アーキテクチャの低価格帯モデルとなる。Ryzen 5 5600Xが$299という価格に対して、Ryzen 5 5600は$199でRyzen 5 3600と同じ価格だ。
当ページの目次
よくわかる!!Ryzen 5 3600の特徴まとめ
コードネーム | Zen 2 |
---|---|
プロセス | 7nm |
コア/スレッド数 | 6コア/12スレッド |
定格/最大クロック | 3.6 GHz/ 4.2 Ghz |
L3キャッシュ | 32MB |
TDP | 65W |
発売日 | 2019年7月7日 |
MSRP | $199 |
国内価格 | 10,480円~ *2024/12時点 |
コメント | (+)6コア12スレッドと高スペックを持つCPU (+)Ryzen 5 2600よりも大幅に性能が向上した (+)豊富なラインナップで選びがいがある (+)発売から3年近くも販売が継続された (-)Core i5-9400よりもゲーム適正に劣る |
評価 | ・総合評価 4.5 ・ゲーム評価 4.0 |
Ryzen 5 3600の基本情報
基本スペック
5 3600 | 5 3600X | 5 2600 | |
---|---|---|---|
メーカー | AMD | AMD | AMD |
コードネーム | Zen 2 | Zen 2 | Zen+ |
プロセス | 7nm | 7nm | 12nm |
ダイサイズ | 74 mm² | 74 mm² | 213 mm² |
I/Oプロセス | 12 nm | 12 nm | - |
I/Oダイサイズ | 124 mm² | 124 mm² | - |
トランジスタ数 | 38億 | 38億 | 48億 |
CPUコア数 | 6 | 6 | 6 |
スレッド数 | 12 | 12 | 12 |
定格クロック | 3.6 GHz | 3.8 GHz | 3.4 GHz |
最大クロック | 4.2 GHz | 4.4 GHz | 3.9 GHz |
オーバークロック | ◯ | ◯ | ◯ |
L3キャッシュ | 32MB | 32MB | 16MB |
対応メモリ | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-2933 |
CPUクーラー | Wraith Stealth | Wraith Spire | Wraith Stealth |
PCI-Express | Gen 4, 16 Lanes | Gen 4, 16 Lanes | Gen 3, 16 Lanes |
内蔵グラフィックス | 非搭載 | 非搭載 | 非搭載 |
TDP | 65W | 95W | 65W |
MSRP | $199 | $249 | $199 |
中古価格 | 10,480円~ | 11,980円~ | 6,480円~ |
発売日 | 2019年7月7日 | 2019年7月7日 | 2018年4月19日 |
そのため、主要のCPUダイにのみ7nmプロセスを採用してコストのバランスを取っているのだ。CPUダイの微細化はパフォーマンスや省電力性アップなどのメリットがある。ダイサイズは213m㎡から198m㎡と7%程度小さくなった。トランジスタ数は25%少なく38億だ。コア・スレッドは6コア12スレッドと共通だ。
定格クロックは6%高く、最大クロックも8%高くなっている。L3キャッシュ容量は倍の32MBだ。ゲームプレイにおいて有利になる。対応メモリもDDR4-2933からDDR4-3200へとより高クロックなモデルをサポートしている。CPUクーラーはWraith Stealthと共通だ。PCI-ExpressもGen4, 16 Lanesへと強化されている。内蔵グラフィックスは非搭載だ。TDPは65Wとなる。MSRPは$199と変わらない。
上位モデルはRyzen 5 3600Xだ。価格は+$50となる。コア・スレッドは6コア12スレッドと共通だ。定格クロックが6%高く、最大クロックも5%高い。L3キャッシュ容量・対応メモリーは共通だ。CPUクーラーがより高性能なWraith Spireにアップグレードされる。TDPは95Wと少し高くなる。より高い性能を求める方向けだ。
Intel製CPUと比較
5 3600 | i5 9600K | i5-9400 | |
---|---|---|---|
メーカー | AMD | Intel | Intel |
コードネーム | Zen 2 | Coffee Lake R | Coffee Lake R |
プロセス | 7nm | 14nm | 14nm |
ダイサイズ | 74 mm² | 非公開 | 非公開 |
I/Oプロセス | 12 nm | - | - |
I/Oダイサイズ | 124 mm² | - | - |
トランジスタ数 | 38億 | 非公開 | 非公開 |
CPUコア数 | 6 | 6 | 6 |
スレッド数 | 12 | 6 | 6 |
定格クロック | 3.6 GHz | 3.7 GHz | 2.9 GHz |
最大クロック | 4.2 GHz | 4.6 GHz | 4.1 GHz |
オーバークロック | ◯ | ◯ | × |
L3キャッシュ | 32MB | 9MB | 9MB |
CPUクーラー | Wraith Stealth | 非搭載 | 搭載 |
PCI-Express | Gen 4, 16 Lanes | Gen 3, 16 Lanes | Gen 3, 16 Lanes |
内蔵グラフィックス | 非搭載 | UHD 630 | UHD 630 |
TDP | 65W | 95W | 65W |
MSRP | $199 | $263 | $182 ($157) |
中古価格 | 10,480円~ | 11,980円~ | 9,980円~ |
発売日 | 2019年7月7日 | 2018年10月20日 | 2018年10月20日 |
Core i5-9400はハイパースレッディングには対応しておらず6コア6スレッドというスペックだ。ハイパースレッディング対応のRyzen 5 3600に優位性がある。定格クロックはRyzen 5 3600の方が24%高く、最大クロックも3%高い。Core i5-9400はオーバークロックには対応していない。
L3キャッシュ容量は9MBとCore i5-9400よりもかなり少ない。PCI-Expressは一世代前のGen 3, 16 Lanesだ。Core i5-9400はCPU内蔵グラフィックスにUHD 630を搭載している。TDPは65Wと共通だ。MSRPは$182でRyzen 5 3600よりも$17安い。CPU内蔵グラフィックス非搭載のCore i5-9400Fであればさらに安く購入できる。
Core i5-9600Kもハイパースレッディングには非対応だ。定格クロックが3.7 GHz、最大クロックが4.6 GHzとRyzen 5 3600よりも高い。さらにCore i5-9600Kはオーバークロックに対応していてより高いパフォーマンスを期待できる。L3キャッシュは9MBとRyzen 5 3600の1/3以下だ。TDPは95WとRyzen 5 3600よりも45%以上高い。価格差は$64だ。
Ryzen 5 3600の最新評価【2024年】
Ryzen 5 3600は、当サイトの独自スコアで21,467となる。ゲーミングPCに搭載するCPUとして、20,000を最低基準としているため必要十分な性能を持っていると判断できる。ゲーミング性能的には、Ryzen 5 4500とRyzen 5 5500の間だ。現行モデルならGeForce RTX 4060やRadeon RX 7600などミドルクラスのグラフィックボードとの組み合わせがおすすめだ。
旧世代のGeForce RTX 3060やRadeon RX 6600 XTなどならなおよしだ。70番台以上になるとややバランスが取りづらい。Ryzen 5 3600の中古価格は10,480円~と価格は高めだ。この金額なら新品でRyzen 5 5500(15,900円)を購入する方がよいかもしれない。AM4のマザーボードを流用できる。Core i3-10100F(10,980円)も同価格帯だ。ゲームプレイ時の安定性を取るなら候補に入る。
Ryzen 5 3600の特徴&注意点
Ryzen 5 2600から大幅に性能がアップ
Ryzen 5 3600は、前世代のRyzen 5 2600と比べると性能が20%程度向上している。Ryzen 7 2700をも超える性能を持っている。Ryzen 5 2600とRyzen 5 3600のスペックだけを見るとそれほど大きく変わっていないように思えるかもしれない。コアとスレッドは同じだ。定格クロックは0.2GHz、0.3GHz増加に留まる。ではどうして20%も性能が向上したのだろうか。
それはアーキテクチャの変更が大きい。プロセスも7nmへと縮小化されパワー効率が上昇した。結果的に1クロック当たりの処理性能(IPC)が第一世代Ryzenと比較して15%向上した。同じクロック周波数でも処理性能が向上した分パフォーマンスに反映されるというわけだ。
PCI Express Gen4を採用しているが…
第3世代RyzenであるRyzen 5 3600には次世代規格「PCI Express Gen4」を採用している。この点に優位性があると言える。このPCI Expressとは、グラフィックボードやNVMe対応SSDを接続するのに使われる端子のことだ。Intel Core i5-9600KではGen3(3世代)を採用している。Gen3とGen4の違いは転送速度だ。Gen4の方がより多くのデータを効率的に転送することができることから性能が高いと言える。
ただし、このPCI Express Gen4を活用するにはX570チップセットのマザーボードを用意しなければいけない。AMD B350などと比べると高価になってしまうことからRyzen 5 3600に採用するには不向きだ。そしてもう一つのデメリットが現時点でGen4に対応しているのはAMD製のグラフィックボードであるRadeon RX 5700及びRadeon RX 5700Xに限定されてしまうということだ。今後対応パーツが増えてくれば見方も変わってくるだろう。
BTOパソコンではAMD製CPUは不利になりがち
BTOメーカーのパソコンを選択する場合単体価格がそのまま反映されるわけではない。BTOパソコンの中心はIntel製CPUということもあり、バルクでの購入量に差が出てしまう。結果的に価格面での優位性が消滅してしまうというわけだ。もう少し時間が経てばIntel製並に価格は落ちるかもしれないが、BTOパソコンでの購入ではお得感はやや劣ってしまうことを理解しておこう。
もちろん単体価格で見るとRyzen 5 3600は、競合のCore i5-9600Kよりも安く購入することができる。自作でパソコンを組み立てたいというユーザーの方にとっては朗報だろう。コストパフォーマンスがウリのCPUとなっている。Zen 2アーキテクチャになってより洗練されてきたように思う。
Intel第10世代CPUが登場してより立場が危うくなっているのが現状だ。BTOメーカーのラインナップも減少傾向にある。幸いなことに第10世代CPUが発売されて価格が落ちたことで優位性がないわけではない。Ryzen 4000シリーズの発売を控え価格の安いモデルを探している方は是非チェックしよう。必ずIntel製CPUと比較して検討することをおすすめする。
Ryzen 5 3600のゲームベンチマーク一覧
Far Cry 5
Hitman 2
Civilization VI
その他アプリケーションのベンチマーク
Cinebench R20
Handbrake
PCMARK 10
Ryzen 5 3600搭載の中古ゲーミングPC一覧
ショップによってはRyzen 5 3600搭載モデルのラインナップはあるが、全体で見ればそこまで多いわけではない。ゲーム性能はまずまずでローエンドクラスのグラフィックボードとの組み合わせならバランスをとれる。中古ゲーミングPCの選び方を知りたい方はおすすめ中古ゲーミングPC特集も参考にしてほしい。お得に中古ゲーミングPCを購入するポイントをまとめている。
ILeDXs-M0B4-AR53_-RISSB-PJS(パソコン工房)
CPU:Ryzen 5 3600
GPU:GeForce GTX 1660
メモリ:8GB
ストレージ:SSD 256GB
電源:非公開
コスパ:調査中
パソコン工房のミニタワーケースを採用している。旧世代のケースだ。Ryzen 5 3600×GeForce GTX 1660搭載のローエンドクラスの一台となる。メモリ8GB・SSD 256GBと構成は最小限に留まる。価格が安いので増設パーツを持っている方におすすめだ。
Lightning AT5(ドスパラ)
CPU:Ryzen 5 3600
GPU:GeForce GTX 1660 SUPER
メモリ:16GB
ストレージ:SSD 512GB
電源:非公開
コスパ:調査中
ドスパラのビジネスブランドLightning AT5が中古で購入できる。パソコン工房で取り扱いがある。Ryzen 5 3600×GeForce GTX 1660 SUPERの組み合わせで十分通用するゲーム性能を持つ。5万円以下で購入できるのはうれしい。構成もメモリ16GB・SSD 512GBと不足はない。数年間は使い続けることができそうだ。
THIRDWAVE GALLERIA KTM 171247(ドスパラ)
CPU:Ryzen 5 3600
GPU:GeForce GTX 1660
メモリ:8GB
ストレージ:SSD 480GB
電源:非公開
コスパ:調査中
ドスパラのゲーミングブランド「GALLERIA」のゲーミングPCとなる。Ryzen 5 3600×GeForce GTX 1660搭載の一台だ。メモリが8GBと控えめなのが弱点となる。ゲームによってはパフォーマンスが伸び悩む可能性がある。増設を前提で購入するのがよいかもしれない。ストレージはSSD 480GBと必要十分だろう。光学ドライブが標準搭載なのもプラスに捉えてよいだろう。
BTO PC Ryzen 5 3600(ノーブランド)
CPU:Ryzen 5 3600
GPU:GeForce GTX 1070
メモリ:16GB
ストレージ:SSD 512GB
電源:非公開
コスパ:調査中
パソコン工房で取り扱いのある製品だ。ノーブランド品として販売されている。ケース自体は昔の、といっても数年前だがフロンティアのものだろう。Ryzen 5 3600×GeForce GTX 1070搭載の一台だ。3世代前のモデルながら今でも通用するゲーム性能を有する。構成もメモリ16GB・SSD 512GBと必要十分だ。通常の仕様において不便さを感じることはないと思う。
GA5A-D194/T(ノーブランド)
CPU:Ryzen 5 3600
GPU:GeForce GTX 1660 Ti
メモリ:16GB
ストレージ:SSD 500GB
電源:非公開
コスパ:調査中
パソコン工房が販売している。ノーブランド品となっているがケース自体はTSUKUMOのゲーミングブランドG-GEARのようだ。ミドルタワーケースとなる。Ryzen 5 3600×GeForce GTX 1660 Ti搭載のローエンドクラスの一台でフルHD環境でのゲームプレイに最適だ。マイクラやフォートナイトなどのゲームプレイにおすすめできる。メモリ16GB・SSD 500GBと構成も十分だろう。
Ryzen 5 3600搭載のおすすめゲーミングPC紹介
GALLERIA RM5R-R35 3600搭載(ドスパラ)
CPU:Ryzen 5 3600
GPU:GeForce RTX 3050
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:650W BRONZE
RTX 3050搭載のゲーミングPCだ。価格が抑えられているのがポイントだ。Ampere世代のエントリークラスに当たるRTX 3050は、Turing世代のGTX 1660 Tiを上回るパフォーマンスを発揮する。フルHD環境で設定を調整すれば十分ゲームプレイに対応可能だ。メモリ16GB、SSD 500GBと構成も必要十分だろう。電源ユニットは650W BRONZEを採用している。
GALLERIA RM5R-R36 3600 Windows 11 搭載(ドスパラ)
CPU:Ryzen 5 3600
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:650W BRONZE
RTX 3060搭載のゲーミングPCだ。RTX 3050よりもワンランク高いゲーミング性能を持つ。GPUメモリが12GBと大容量で高解像度でのゲームプレイにも対応できるポテンシャルがある。フルHD環境なら高リフレッシュレートを目指すこともできる。メモリ16GB、SSD 500GBとこのクラスとしては平均的だ。電源ユニットは650W BRONZEを採用している。
GALLERIA RM5R-R36T(ドスパラ)
CPU:Ryzen 5 3600
GPU:GeForce RTX 3060 Ti
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:650W BRONZE
RTX 3060 Ti×Ryzen 5 3600搭載のゲーミングPCだ。Ryzen 5 3600に合わせるグラフィックボードとしてはやや性能が高めだ。その分価格も上がってしまっているがグラフィックス性能を追求したい方は必見だ。レイトレーシングにも対応することができる。メモリ16GB、SSD 500GBと構成も必要十分だ。カスタマイズをしなくても対応しやすい。
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イチオシのゲーミングノートPCを紹介している。外出先でもゲームを楽しみたいという方はぜひ参考にしてほしい。
当サイトでレビューをしている全てのゲーミングPCを表でまとめている。一覧で見れば、ゲーミングPCの構成や相場感を把握することができる。
ベンチマークテスト環境
GPU | Nvidia GeForce RTX 2080 Ti |
---|---|
メモリ | 2x 8GB G.Skill Flare DDR4-3200/2x 8GB G.Skill FlareX DDR4-3200 |
ストレージ | 2TB Intel DC4510 SSD |
電源ユニット | EVGA Supernova 1600 T2, 1600W |
マザーボード | MSI MEG X570 Godlike/MSI MEG Z390 Godlike |
i5-9400のCPUクーラー「非搭載」と記載がありますが、間違っています。修正願います。