当ページでは、Ryzen 5 4500の性能レビュー&搭載ゲーミングPCを紹介している。2022年4月に低価格帯のRyzenシリーズがラインナップに加わった。2020年2月に発売されたRyzen 5 3500の後継モデルだ。Ryzen 5 3500搭載モデルが市場からなくなり完全に切り替わっている。6コア6スレッドから6コア12スレッドへとスペックが高くなったが、アーキテクチャ自体はZen 2が維持されている。L3キャッシュ容量も半減だ。
性能的にはRyzen 5 3500とその上位モデルであるRyzen 5 3600の間に収まる。飛躍的な性能アップが見込めるわけではないので過度な期待はしない方がよい。搭載モデルについては、「Ryzen 5 4500搭載おすすめゲーミングPC」でまとめている。同時期に発売された「Ryzen 5 5500」もぜひチェックしておこう。それほど価格差もなく(およそ4,000円)ワンランク上のパフォーマンスを得られる。Zen 3アーキテクチャを採用しているのはポイントだ。搭載BTOパソコンの購入ならラインナップの豊富なRyzen 5 4500がよいのではないかと思う。発売から2年が経過しているが搭載モデルは多く今でも現役だ。ゲーミング性能は控えめで価格重視で選びたいユーザー向けといえる。基本的には50番台のグラフィックボードとの組み合わせがよい。それ以上だとタイトルによってはボトルネックが発生する可能性がある。将来的に同じAM4ソケットのRyzen 5 5600XやRyzen 7 5700Xなどへのアップグレードを検討してもよさそうだ。
単体CPUについては取り扱いショップが減少傾向にあり世代交代が進みそうだ。現在購入できる新品の製品は並行輸入など正規品ではない可能性が高く保証面でも不安が残る。現行モデルはZen 4アーキテクチャ採用の「Ryzen 5 7500F」だ。6コア12スレッドとスペック自体はRyzen 5 4500と同じだが、Ryzen 5 4500と比べてL3キャッシュが4倍になるなどキャッシュ周りが強化されている。Ryzen 5 7600やCore i5-14400と同等のゲーム性能を誇る。残念ながらRyzen 5 7500Fはベンダー向けCPUなので、単体で販売はされておらずBTOパソコンでしか手に入らない。
Ryzen 5 4500の基本情報
コードネーム | Zen 2(Renoir) |
---|---|
プロセス | 7nm |
コア/スレッド数 | 6コア/12スレッド |
定格/最大クロック | 3.6 GHz/ 4.1 Ghz |
L3キャッシュ | 8MB |
TDP | 65W |
発売日 | 2022年04月04日 |
MSRP | $129 |
中古価格 | 9,980円~ *2024/09/18時点 |
特徴 | (+)低価格帯の高コスパCPU (+)6コア12スレッドと性能が高くなった (-)旧世代のZen 2アーキテクチャを採用している (-)L3キャッシュが少なくゲーム適正が低い |
評価 | ・総合評価 6.0 ・ゲーム評価 5.5 |
当ページの目次
Ryzen 5 4500の基本情報
スペック
製品 | Ryzen 5 4500 | Ryzen 5 5500 | Ryzen 5 3600 | Ryzen 5 3500 |
---|---|---|---|---|
メーカー | AMD | AMD | AMD | AMD |
コードネーム | Zen 2 (Renoir) | Zen 3 (Cezanne) | Zen 2 (Matisse) | Zen 2 (Matisse) |
プロセス | 7nm | 7nm | 7nm | 7nm |
トランジスタ数 | 98.0億 | 107億 | 38億 | - |
ダイサイズ | 156 mm² | 180 mm² | 74 mm² | - |
コア | 6 | 6 | 6 | 6 |
スレッド | 12 | 12 | 12 | 6 |
定格クロック | 3.6 GHz | 3.6 GHz | 3.6 GHz | 3.6 GHz |
最大クロック | 4.1 GHz | 4.2 GHz | 4.2 GHz | 4.1 GHz |
L3キャッシュ | 8MB | 16MB | 32MB | 16MB |
対応メモリ | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 |
CPUクーラー | Wraith Stealth | Wraith Stealth | Wraith Stealth | Wraith Stealth |
内蔵GPU | × | × | × | × |
PCI-Express | Gen 3 | Gen 3 | Gen 4 | Gen 4 |
TDP | 65W | 65W | 65W | 65W |
MSRP | $129 | $159 | $199 | $129 |
国内価格 | 9,980円* | 15,480円 | 8,480円* | 7,480円* |
発売日 | 2022年04月04日 | 2022年04月04日 | 2019年07月07日 | 2020年02月22日 |
Ryzen 5 3500は6コア6スレッドだが、Ryzen 5 4500ではハイパースレッディングに対応となり6コア12スレッドへと強化された。定格クロック及び最大クロックはそれぞれ3.6 GHz・4.1 GHzと変わっていない。L3キャッシュはまさかの半減で8MBだ。対応メモリはDDR4-3200となっている。CPUクーラーはWraith Stealthが搭載されている。
内蔵GPUはどちらも非搭載だ。別途グラフィックボードが必要となる。PCI-ExpressはGen 4からGen 3へとまさかのダウングレードだ。TDPは65Wとなっている。価格は$129だ。国内価格はついに10,000円を切っている。Ryzen 5 3600と非常に似たスペックであることがわかる。Ryzen 5 3600になると最大クロックが0.1GHz高く4.2GHzに到達している。さらに、L3キャッシュが4倍の32MBで、PCI-ExpressはGen 4.0に対応している。
最後に同時期に発売された上位モデルであるRyzen 5 5500とスペックを比較していく。Ryzen 5 5500は次世代のZen 3アーキテクチャを採用したCPUだ。プロセスは7nmとなっている。トランジスタ数が10%多く、ダイサイズも16%大きい。コア/スレッドは6コア12スレッドと共通だ。定格クロックはRyzen 5 5500も3.6GHzとなる。最大クロックもRyzen 5 5500の方が3%高い。L3キャッシュも倍の16MBだ。
メモリ・CPUクーラー・PCI-Express・TDPは共通となっている。価格差は$30だ。+$30でワンランク以上性能の高いCPUが入るということになる。相当に価格が下がらない限りRyzen 5 4500は選びづらいのではないかと思う。2024年2月時点での国内販売価格は13,980円となっている。上位モデルのRyzen 5 5500が15,980円なので妥当な価格設定と言えるのではないだろうか。Ryzen 5 3500は中古で7,980円~購入できる。コスパ重視ならRyzen 5 3500も選択肢として悪くない。
総合性能
Ryzen 5 4500の特徴&注意点
待望のRyzen 5 3500の後継モデルが登場
Ryzen 5 4500は、多くのユーザーが待ち望んでいたCPUだ。低価格帯で安くパソコンを構築したい方の味方だ。2022年2月に登場したRyzen 5 3500が今でも販売されているのは異例だと言える。さすがに2022年時点でRyzen 5 3500では性能的に物足りなさが出てしまうため、Ryzen 5 4500の存在は大きい。
Ryzen 5 3500と比べてパフォーマンスも向上していてクリエイター用途でもある程度通用すると考えてよい。Ryzen 5 3600よりも安く購入できるなら十分候補に入る。問題はZen 3アーキテクチャ採用のRyzen 5 5500の存在だ。価格差がないのであればRyzen 5 5500の方が性能が高くマルチに通用する。
L3キャッシュ容量が少なくゲーム適正が低い
Ryzen 7 7700 | |
Ryzen 5 7600X | |
Ryzen 5 7600 | |
Core i5-14400 | |
Ryzen 5 7500F | |
Core i5-13400 | |
Ryzen 7 5700X | |
Core i5-12400 | |
Ryzen 5 5600X | |
Ryzen 5 5600 | |
Core i3-14100 | |
Core i3-13100 | |
Core i3-12100 | |
Ryzen 7 3700X | |
Ryzen 5 5500 | |
Ryzen 5 3600 | |
Ryzen 5 4500 | |
Ryzen 5 3500 | |
Ryzen 3 4100 |
どのような用途を想定しているのかを基準に考えないと後悔してしまうことになるだろう。絶対に価格に釣られて手を出さない方がよい。2024年9月時点で各BTOメーカーのゲーミングPCあるいはグラフィックボード搭載ビジネスモデルを価格の安い順に並べるとRyzen 5 4500を搭載したモデルがトップに出てくる。
下位モデルならGeForce GTX 1650から上位モデルになるとGeForce RTX 4060 Tiとの組み合わせもあるぐらいだ。バランスを考えると悩ましいがグラフィックボード性能を重視するなら候補に入れてもよいかもしれない。FPSなどで高リフレッシュレートを目指す場合は不利になることがある。いずれにしてもRyzen 5 4500の性能を理解した上で選ぶのであれば価格を抑えられるという点で価値のあるCPUだ。ゲーミングデバイスに予算を割くこともできる。
搭載ゲーミングPCはラインナップが多く人気
各BTOメーカーで価格の安いゲーミングPCを検索すると、このRyzen 5 4500を搭載したモデルが多いことに気がつくはずだ。最近だとGeForce GTX 1650・GeForce RTX 3050 6GB・GeForce RTX 4060・GeForce RTX 4060 Ti搭載モデルとの組み合わせが人気だ。ドスパラ・パソコン工房・マウスコンピューター・TSUKUMOなどの大手BTOメーカーがこぞってラインナップ数を増やしている。当サイトでのレビュー数も多い。
2024年9月時点で新品で購入することは難しかったが、一時は単体価格が9,980円と10,000円を切っていて市場では圧倒的な安さとなっていた。Intel製CPUの低価格帯で人気のCore i5-14400(F)が31,980円~35,480円なのでいかに安いかがわかる。また、あまりゲーミングPCでは一般的ではないCore i3-14100(F)が18,379円~22,480円だ。予算を抑えたゲーミングPCにおいては必然的にこのRyzen 5 4500が選ばれる。ゲーミング性能自体はCore i5-14400やCore i3-14100よりも劣る点は理解しておくことが大切だ。あくまでも予算重視で選びたいユーザー向けと言える。
Ryzen 5 4500のゲームベンチマーク一覧
Far Cry 6
Hitman 3
Watch Dogs: Legion
その他アプリケーションのベンチマーク
Cinebench R23
Handbrake
Adobe Lightroom and Premiere Pro
Ryzen 5 4500搭載おすすめゲーミングPC
Lightning AT5(ドスパラ)
CPU:Ryzen 5 4500
GPU:GeForce RTX 3050 6GB
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe
電源:550W 80PLUS BRONZE
コスパ:9.9
コストパフォーマンスの高い一台だ。Ryzen 5 4500×GeForce RTX 3050 6GBの組み合わせで8万円台は素晴らしい。送料込みでも9万円台前半に収まる。CPUにはRyzen 5 4500を搭載していて最低限必要なCPU性能を持つ。グラフィックスはローエンドクラスのGeForce RTX 3050 6GB搭載でフルHD環境でのゲームプレイに適している。低価格帯で人気のGeForce GTX 1650よりも余裕を持って対応できるのは嬉しい。Ryzen 5 4500でもある程度バランスは取れる。メモリDDR4-3200 16GB、SSD 500GBという構成だ。電源ユニットは550W BRONZEを採用している。
LEVEL-M1P5-R45-LAX-SAKURA (パソコン工房)
CPU:Ryzen 5 4500
GPU:GeForce RTX 3050 6GB
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:調査中
Ryzen 5 4500×GeForce RTX 3050 6GB搭載のゲーミングPCだ。ホワイトカラーのミニタワーケースを採用している。LEDカラーは桜色だ。GeForce RTX 3050 6GB搭載モデルが税込10万円以下で購入できるのは魅力的だ。会員登録をすれば送料も掛からない。GPUメモリ8GBモデルと比べると性能は低くGeForce GTX 1650が近い。フルHD環境で設定調整を行う必要がある。Ryzen 5 4500はCore i5シリーズと比べるとゲーム適正では劣ってしまうが、価格的な優位性があるなら選ぶ理由もある。メモリDDR4-3200 16GB、SSD 500GBと構成も充実している。電源ユニットは650W BRONZEを採用している。
Lightning AV5(ドスパラ)
CPU:Ryzen 5 4500
GPU:GeForce RTX 4060
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:7.3
RTX 4060搭載モデルが税込10万円台で購入できる。旧世代に当たるGeForce RTX 3060搭載モデルよりも安い。今は時期がよい。サードウェーブ(ドスパラ)だからこそ実現できる価格設定だ。ケースデザインを気にしないなら選択肢に入れてもよい。RTX 4060は、Ada Lovelace世代のミドルクラスのグラフィックボードでフルHD環境でのゲームプレイに最適だ。GeForce RTX 3060と比べて20%以上処理性能が向上している。負荷の軽いタイトルだとCPUがボトルネックとなる可能性がある点は理解しておこう。メモリDDR4-3200 16GB、SSD 500GB NVMeという構成だ。電源ユニットは650W BRONZEを採用している。
Lightning AV-Ti5(ドスパラ)
CPU:Ryzen 5 4500
GPU:GeForce RTX 4060 Ti
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:7.8
間違いなくGeForce RTX 4060 Ti搭載の最安値クラスの一台だ。CPUにRyzen 5 4500を選択したことでここまで価格を抑えられている。また、大手BTOメーカーのドスパラだからこそ実現できたのだろう。ゲーミングブランドではなくビジネスブランドのPCでケースデザインは平凡だ。最近リニューアルされたとはいってもゲーミングPCとの差は大きい。パーツ単位でのコスパを重視するなら候補に入る。GPUのGeForce RTX 4060 Tiはミドルハイクラスで人気がある。高リフレッシュレートにも対応できるモデルだが、そうなるとRyzen 5 4500がボトルネックとなってしまう可能性がある。将来的なCPUのアップグレードを前提としてもよいかもしれない。
NEXTGEAR JG-A5G60(スターターセット)(マウスコンピューター)
CPU:Ren 5 4500
GPU:GeForce RTX 4060
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 512GB NVMe
電源:750W 80PLUS BRONZE
コスパ:8.6
ゲーミングモニター・ゲーミングマウス・ゲーミングキーボード・ゲーミングヘッドセットがセットとなったモデルだ。税込169,800円で一式を揃えられるのはメリットだ。送料無料+基本保証3年間とサポートも手厚く初めてのゲーミングPCとしてもぴったりだ。ゲーミングPC本体はRyzen 5 4500×GeForce RTX 4060搭載のミドルクラスだ。フルHD環境でのゲーム適性が高い。最新のタイトルでも対応しやすい。メモリDDR4-3200 16GB・SSD 512GB NVMeと構成も必要十分だ。電源ユニットは750W BRONZEを採用している。
Ryzen 5 4500搭載のゲーミングPC一覧
製品名 | 価格 | CPU | GPU | メモリ | SSD | HDD |
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GALLERIA RM5R-R46 4500搭載 | 129,980 | 5 4500 | RTX4060 | 16GB | 500GB | × |
GALLERIA RM5R-R35 | 119,980 | 5 4500 | RTX3050 6GB | 16GB | 500GB | × |
GALLERIA RM5R-R36 | 129,980 | 5 4500 | RTX3060 | 16GB | 500GB | × |
GALLERIA RM5R-R46 4500搭載 | 134,979 | 5 4500 | RTX4060 | 16GB | 1TB | × |
GALLERIA RM5R-R46T | 144,980 | 5 4500 | RTX4060Ti | 16GB | 500GB | × |
Lightning-G AT5W Ryzen5 4500搭載 | 99,980 | 5 4500 | RTX3050 6GB | 16GB | 1TB | × |
Lightning AT5 | 89,980 | 5 4500 | RTX3050 6GB | 16GB | 500GB | × |
Lightning AV5 | 109,980 | 5 4500 | RTX4060 | 16GB | 500GB | × |
Lightning AV-Ti5 | 131,980 | 5 4500 | RTX4060Ti | 16GB | 500GB | × |
NEXTGEAR JG-A5G5A | 119,900 | 5 4500 | RTX3050 6GB | 16GB | 1TB | × |
NEXTGEAR JG-A5G60 | 129,800 | 5 4500 | RTX4060 | 16GB | 1TB | × |
NEXTGEAR JG-A5G6T | 154,800 | 5 4500 | RTX4060Ti | 16GB | 1TB | × |
LEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITE2 | 99,800 | 5 4500 | RTX3050 6GB | 16GB | 500GB | × |
LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITE2 | 119,700 | 5 4500 | RTX4060 | 16GB | 500GB | × |
LEVEL-M1P5-R45-SLX-WHITE2 | 139,800 | 5 4500 | RTX4060Ti | 16GB | 500GB | × |
LEVEL-M7P5-R45-RLX | 129,800 | 5 4500 | RTX4060 | 16GB | 500GB | × |
LEVEL-M7P5-R45-SLX | 139,800 | 5 4500 | RTX4060Ti | 16GB | 500GB | × |
LEVEL-M1P5-R45-TLX-WHITE2 | 169,700 | 5 4500 | RTX4070 | 16GB | 500GB | × |
FRGAG-B550/WS824 | 125,800 | 5 5600X | RTX4060 | 16GB | 512GB | × |
TSUKUMOとかもそうだけど、Ryzen 5 5500のクロック間違うのは何故?
Base 3.6GHz・Turbo 4.2GHzなんだけど…。
ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。原因は不明です。同じページを参照したのかもしれません。
Ryzen5 3500はPCIe4.0をサポートすると記憶している。