パソコン工房が販売する「LEVEL-M7P5-R45-RLX」のレビューを行った。Ryzen 5 4500×RTX 4060搭載のミドルクラスのゲーミングPC。組み合わせ的に価格を抑えたモデルが人気で当該モデルもその条件を満たしている。RTX 4060搭載モデルの熱い価格競争に割って入れる可能性もある。
標準的なミドルクラスの性能は選びやすく扱いやすい。初心者の方にもおすすめしやすい。できる限り予算を抑えつつゲームも快適にプレイしたいという要望にしっかり応えられるモデルだ。ただし、CPU性能が低くゲーム配信や動画編集などのゲーム以外の用途はあまり得意ではないので、どのような用途で使用したいのか事前にしっかり確認しておこう。
当ページの目次
LEVEL-M7P5-R45-RLXのスペック解説
| ブランド名 | LEVEL∞ |
|---|---|
| 製品名 | LEVEL-M7P5-R45-RLX |
| 価格 | 129,800円（税込） |
| CPU | Ryzen 5 4500（レビュー） |
| GPU | GeForce RTX 4060（レビュー） |
| メモリ | DDR4-3200 16GB |
| SSD | NVMe 500GB |
| 電源 | 700W BRONZE |
| マザーボード | チップセットB550 |
| おすすめ度 | Aランク |
| 評価 | ・コスパ 7.0 —–内訳—– ・コスパ（CPU・GPUメイン） 6.1 ・構成 6.0 ・品質/サポート 9.0 |
コストパフォーマンスの指標は7.0だ。CPUとGPUだけを見ると6.1と伸び悩む。やはりCPUのRyzen 5 4500がややマイナスだ。構成もメモリDDR4-3200 16GB・SSD 500GB・電源700W BRONZEと平均的となる。品質・サポート面は問題ない。24時間365日の電話サポートは心強い。
各タイトルの対応表
| FF15 | Apex Legends | FORTNITE |
|---|---|---|
 ・4K ・WQHD |  ・240fps ・144fps |  ・240fps ・144fps |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
LEVEL-M7P5-R45-RLXはRyzen 5 4500とRTX 4060を搭載したミドルクラスのゲーミングPCだ。設定次第ではApex Legendsやフォートナイトを240Hz環境でプレイできる。高解像度はやや苦手で、4K解像度ではFF15も苦しい。高画質が魅力の高解像度で設定を下げるのは恩恵が薄いのでおすすめしない。フルHDを中心にゲームプレイするなら、GPU性能的にも扱いやすい。
LEVEL-M7P5-R45-RLXの性能まとめ
ゲーミングPCは、グラフィックボードやCPUなどのパソコンパーツの集合体だ。ゲームプレイにおいて特に重要なCPUとグラフィックボードの詳細を見ていく。PC初心者の方がスペックを見て性能をイメージすることは難しい。一つずつのパーツを見ていくと理解がしやすいはずだ
Ryzen 5 4500（CPU）
LEVEL-M7P5-R45-RLXには、Zen 2アーキテクチャ採用のRyzen 5 4500が搭載されている。アーキテクチャは従来モデルのRyzen 5 3500と同じだ。ハイパースレッディングに対応したことで6コア6スレッドから6コア12スレッドとスペックが向上している。処理性能は伸びているが、ゲーミング性能はそれほど伸びていない。それはスコア差を見ればわかるだろう。
L3キャッシュ容量が半減となったのが要因と考えてよさそうだ。AMDは3D V-Cache（L3キャッシュ）搭載のゲーミング最強CPUをリリースしていることを考えるとやはりL3キャッシュ容量が少ないRyzen 5 4500は物足りない。あくまでも価格を抑えるためのモデルだと考えておこう。基本的にはゲーミングプレイにおいて大きなハンデはないが、CPUの要求スペックの高いタイトルではRTX 4060の性能を100%引き出せないことがある点は理解しておくとよい。
GeForce RTX 4060（GPU）
LEVEL-M7P5-R45-RLXにはRTX 40シリーズ（Ada Lovelace世代）のミドルクラスであるGeForce RTX 4060が搭載されている。価格と性能に優れ、初心者にも選びやすいグラフィックボードとして人気がある。従来のGeForce RTX 3060よりも20%ほど性能が高く、DLSS 3.0にも対応しているので、ゲームへの対応力は性能以上と言える。
240Hz環境なども目指しやすく、ゲーム用途において基準になるGPUだ。WQHD解像度への対応力は従来より優れている。4K解像度を含めた高解像度はあまり得意ではない。ゲームジャンルを選ばずにゲームをプレイできるが、プレイ環境は限られているので注意してほしい。エントリークラスとしても選ばれやすい。性能よりも価格に魅力のあるGPUだ。
LEVEL-M7P5-R45-RLXの特徴＆注意点
低価格が魅力のRTX 4060搭載モデル
LEVEL-M7P5-R45-RLXは、RTX 4060搭載のゲーミングPCの中でも比較的価格の抑えられたモデルだ。ゲーミングブランドのモデルということもあってケースデザイン・構成も優れている。価格に魅力のあるモデルなので、エントリークラスとしても初めてのゲーミングPCとしてもおすすめしやすい。GeForce RTX 4060の単体価格は下落傾向にあり、RTX 4060搭載モデルも比較的安価に選択できるようになってきた。
少し前まではLEVEL-M7P5-R45-RLXは最安値クラスだったが、今はケースデザインや構成にこだわらなければ一般向けモデルでもっと安価なモデルがあることは頭の片隅に置いておこう。パソコン工房はセールやキャンペーンの多いショップだ。タイミング次第では最安値モデルになる可能性がある。Ryzen 5 4500とRTX 4060の組み合わせは、性能よりも価格を重視している。
しっかり価格に反映できているモデルなので、他のモデルに対して劣っている箇所はあっても有力な選択肢だ。予算が14万円前後であるなら、LEVEL-M7P5-R45-RLXは候補に入っていてもおかしくない。ただし、LEVEL-M7P5-R45-RLXを購入前に、比較対象となるモデルもチェックしておこう。比較の項目でこの価格帯で最も優れたモデルをピックアップした。保証や構成などを考慮すると勝ち目はない。
ゲーム性能は標準的で安心できる
LEVEL-M7P5-R45-RLXの性能は標準的で安心感がある。最新のゲームであっても、設定次第で快適にプレイすることができる。ただし、CPU性能が控え目でミドルクラス全体で見ると下から数える方が早い。最新のゲームによっては、高性能なCPU性能が要求されることがある。Ryzen 5 4500では、カクつきはフレームレートの低下が見られる場面も出てくるだろう。
LEVEL-M7P5-R45-RLXの弱点はCPU性能だ。いかにCPUがゲームに影響しにくくなっているとはいえ、要求スペックを下回れば話は別だ。GPU性能が十分でも、CPU性能が足りないというゲームはあるはずだ。Ryzen 5 4500はRTX 4060の足を引っ張るほどではないものの、ゲームの特性によっては影響が出る。購入前に、プレイ予定のゲームの要求スペックは確認しておくことを推奨する。
基本無料のオンラインゲームや3年ほど前のゲームであれば対応できる。最新のゲームで高性能なCPUが要求されていても、それは144Hzでの安定を目指す推奨環境の場合が多い。設定を下げて100fps程度の安定なら十分範疇だ。LEVEL-M7P5-R45-RLXの場合は144Hzで144fpsの張り付きを目指すよりも、90fps前後での安定をを目指す方が現実的だ。
240Hz環境に対応できそうなゲームでも同じだ。240fpsの張り付きを目指すのは難しいが、200fps程度の安定なら実現できるはずだ。設定を下げるなどの妥協は必要だ。設定さえ抑えることができれば、概ね快適にゲームがプレイできる。価格を考えれば必要十分な性能を持っている。LEVEL-M7P5-R45-RLXの強みは価格である。
競合モデルとの比較
| ブランド名 | LEVEL∞ | NEXTGEAR |
|---|---|---|
| イメージ | |  |
| 製品名 | LEVEL-M7P5-R45-RLX | NEXTGEAR JG-A5G60 |
| ケース | ミニ | ミニ |
| 価格 | 129,800円（税込） | 129,800円（税込） |
| 送料 | 2,200円（税込） | 無料 |
| 標準保証 | 1年間 | 3年間 |
| 電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
| CPU | Ryzen 5 4500 | Ryzen 5 4500 |
| GPU | RTX 4060 | RTX 4060 |
| メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 16GB |
| SSD | NVMe 500GB | NVMe 1TB |
| 電源 | 700W BRONZE | 750W BRONZE |
| マザーボード | B550 | B550 |
| 公式 | 公式 | 公式 |
| レビュー | 当ページ | レビュー |
キャンペーンやセール次第でLEVEL-M7P5-R45-RLXをおすすめできるようになるかもしれない。どちらかの製品を選択することになっても、もう片方のモデルもチェックしておいてほしい。購入時に価格が変化していることもあるからだ。ゲーミングPCはとにかく頻繁に価格が変わるので、その時々でお得な方を選ぶ方がいい。
パソコンケースレビュー
LEVEL∞ M-Classでは2023年3月15日に登場した新しいミニタワーケースを採用している。最新モデルらしく大型水冷クーラーに対応しているなど拡張性が向上している。画像はCore i5-13400×RTX 3050搭載モデルのもので一部内部・背面のI/Oパネルが異なる点は注意して欲しい。
正面
ミドルタワーケースをそのまま小さくしたデザインとなる。正面の真ん中にLEVEL∞のロゴが刻印されている。シンプルなデザインながら高級感もある。マットブラックがかっこいい。
左側面
左側面には何もない。本体上部ケース取り外し用のネジがある。
左側面内部
内部にもかなり余裕があることがわかる。RTX 40シリーズの大型グラフィックボードも搭載可能だ。電源部分としっかりと区分されていて熱対策も問題ない。
右側面
右側面も左側面と同様だ。意外とここまで落ち着いたデザインを採用したケースは希少だ。
右側面内部
右側面の内部はシンプルだ。配線の取り回しがかなりキレイで素晴らしい。
I/Oパネル
前面には電源ボタン、USB 3.0×2、ヘッドセット端子×1が配置されている。USB Type-Cがあればよかったのだが、コストが重要となるBTOパソコンなら仕方がないのかもしれない。
背面
背面には12cmのケースファンが見える。拡張スロットは4つだ。RTX 3060 Ti搭載時はその内3つがグラフィックボード専有（画像は2つ）となる。PCI Express 4.0[x16] ※x4動作が余っている。
本体上部
本体上部には2基のファン（12cm）が搭載（画像は1基）されている。初期構成のままなら十分なエアフローを確保できる。
本体下部
本体下部にはメッシュ加工が施されたカバーが取り付けられている。メンテナンス性が高いのは魅力だ。
管理人による総評（LEVEL-M7P5-R45-RLX）
LEVEL-M7P5-R45-RLXは、Ryzen 5 4500×RTX 4060を搭載したミドルクラスのゲーミングPCだ。性能よりも価格を重視しており、構成も最低限に留められている。その分選びやすくなっており、初めてのゲーミングPCとしてもおすすめできる。理想を言えばもう少し価格を抑えてほしいが、Ryzen 5 4500との組み合わせでは最安値クラスだ。
価格が抑えられているだけで、コストパフォーマンスの評価はそれほど高くない。ここからセールやキャンペーンなどで、もう少し変化に期待したいところだ。価格の安さに特化したモデルらしく、他の追随を許さない突出したモデルになってほしい。そのポテンシャルはあるので、今後に期待だ。
| 価格 | CPU | グラボ |
|---|---|---|
| 129,800円（税込） | Ryzen 5 4500 | RTX4060 |
| メモリ | SSD | HDD |
| DDR4 16GB | 500GB | 非搭載 |