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マウスコンピューターが販売する「NEXTGEAR JG-A7G7A 5700X搭載」のレビューをまとめている。Ryzen 7 5700X×GeForce RTX 4070 Ti SUPER搭載のハイエンドクラスのゲーミングPCだ。GeForce RTX 4080に次ぐ性能は、フルHD解像度の環境では、圧倒的なパフォーマンスで死角がない。このクラスになると高解像度での高リフレッシュレートなど、高い負荷のかかる環境を前提としていると考えたい。環境やスペックを気にせずゲームを楽しみたい方から、高解像度でのゲームプレイを想定している方におすすめだ。

一方で、CPU性能はやや低く、GeForce RTX 4070 Ti SUPERに対してボトルネックになりそうだ。いかにグラフィックボードの性能が高くても、CPUが足を引っ張る場面は出てくる。そういった意味では、純粋なハイエンドクラスとしてのGeForce RTX 4070 Ti SUPERではなく、価格帯でトップクラスの性能という点に注目したいモデルだ。Ryzen 7 5700Xにより価格が抑えられていることから、対抗製品はGeForce RTX 4070 Ti SUPERではなく、GeForce RTX 4070 Ti搭載モデルになってくる。性能の優れたモデルだが、価格に強みを持った個性的なモデルと言える。

NEXTGEAR JG-A7G7A 5700X搭載のスペック解説

nextgear

メーカーマウスコンピューター
ブランド名NEXTGEAR
製品名NEXTGEAR JG-A7G7A 5700X搭載
価格269,800円(税込)
CPURyzen 7 5700X(レビュー)
CPUクーラー水冷(240mm)
グラボGeForce RTX 4070 Ti SUPER(レビュー)
メモリDDR4-3200 16GB
ストレージSSD 1TB NVMe Gen4
電源750W 80PLUS BRONZE
マザーボードチップセットB550
おすすめ度Bランク
評価・コスパ
6.2

—–内訳—–
・ショップ評価
8.9
2024/6/25追記

NEXTGEAR JG-A7G7Aの評価は6.2と標準より高めだ。比較的価格が抑えられていてGeForce RTX 4070 Ti SUPER搭載モデルとしては選びやすさがある。ただし、性能帯を考えると構成は平凡で評価はあまり高くない。CPUにNEXTGEAR JG-A7G7Aは純粋に価格で選ぶべきモデルといえるだろう。

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おすすめカスタマイズ

  • CPU ×
  • CPUファン –
  • CPUグリス ×
  • メモリ ◯
  • SSD ×
  • 電源 △

当該モデルで推奨できるカスタマイズ箇所はメモリと電源だ。CPUとCPUグリスは、変更するメリットが薄い。CPUはRyzen 7 5700X3Dへの変更は価格が見合わない。CPUグリスは変更しても、体感できるほどの恩恵はなくおすすめしない。Ryzen 7 5700X搭載なら、そこまで発熱量は気にならない。

メモリは容量32GBへの変更がおすすめだ。GeForce RTX 4070 Ti SUPERの性能があれば、メモリ32GBが必要になる場面に対応できる。推奨環境が32GBのゲーム、高解像度でのゲームプレイが主な用途だ。プレイスタイルによっては、複数のブラウザタブを広げ、動画を視聴しながらのゲームプレイもメモリ容量が必要だ。GeForce RTX 4070 Ti SUPER搭載モデルなら、16GBよりも32GBの方が恩恵は大きい。

SSDは標準で1TBの容量がある。カスタマイズの選択肢は2TBのみだ。1TBを使い切るのはむずかしい。長期間使用すると足りなくなるくらいだろう。必要になったタイミングで増設や外付けのストレージを利用する方がいい。2TBが必要になると予めわかっていない限りはカスタマイズの余地はない。

電源は変更を検討する価値はある。標準の750W 80PLUS BRONZEでも容量は十分だ。少し余裕を持たせる意味で750W 80PLUS GOLDは悪くない。パーツの増設を検討するなら850W 80PLUS GOLDもいい。構成に変更を加えないなら、標準の電源で十分だ。

各タイトルの対応表

Apex Legendsフォートナイトパルワールドマイクラ
Apex-Legends
・240Hz


・144Hz
fortnite
・240Hz


・144Hz
palworld
・144Hz


・60Hz
minecraft1
・影Mod


・通常

★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。

NEXTGEAR JG-A7G7AはRyzen 7 5700XとGeForce RTX 4070 Ti SUPERを搭載したハイエンドクラスのゲーミングPCだ。優れたグラフィックボードの性能は、どんなゲームの推奨環境を満たせる。ゲームプレイに関してはかなり余裕がある。

国内では今も高い人気のApex Legendsは240fpsの張り付きを目指せる。最高設定では少し安定しない場面はある。妥協できるくらいまで設定調整をおすすめしたい。同ジャンルのフォートナイトは、Apex Legendsよりも負荷が軽い。360fpsの安定も十分視野に入る。フォートナイトをメインにするには、少しオーバースペックにも感じる。

話題を集めたパルワールドの推奨環境をすべて満たしている。今後のアップデートで負荷が増大しても対応可能だ。パルワールドクラスの要求スペックを持つ最新ゲームが出てきても安心だ。パルワールドをプレイしなくても、基準としてわかりやすいはずだ。

登場から15年ほど経過するマイクラは、多くのゲーマーが長くプレイしている。その過程で様々なコンテンツを追加するModが登場した。これらのModを導入しても負荷を感じない。負荷の高い影Modを適用しても快適性は維持できる。

NEXTGEAR JG-A7G7A 5700X搭載の性能まとめ

ゲーミングPCは、CPUやグラフィックボードなどのパーツの集合体だ。CPUとグラフィックボードの性能は、ゲームに最も大きな影響を与える。ゲーミングPCの性能を決定する重要な箇所でもある。この2つのスペックを詳しく見ていく。ゲーミングPCの性能は、CPUとグラフィックボードの性能を理解する必要がある。数値やグラフを確認することで、パソコンに慣れていない方にとっても直感的にわかりやすくなっているはずだ。

Ryzen 7 5700X(CPU)

ryzen75700x-gamescore

NEXTGEAR JG-A7G7Aは、CPUにRyzen 7 5700Xが搭載されている。2022年4月に登場したCPUで旧世代となる。性能自体はそれほど高いわけではない。競合製品はIntelのCore i5シリーズ無地るモデルだ。Intel第13世代のCore i5-13400よりもゲーム性能がおよそ5%低く、現行のIntel第14世代のCore i5-14400と比べてもゲーム性能が7%低くなっている。

Ryzen 7 5700Xを選択する最大の理由は価格の安さだ。Core i5-13400に近い性能で、価格は明らかに安い。性能を重視しているわけではないので、GeForce RTX 4070 Ti SUPERとの組み合わせはバランスが悪い。モデルのコンセプトが価格にあれば悪く選択肢にはならないが、価格が抑えられていなければ微妙なモデルになる。NEXTGEAR JG-A7G7AはRyzen 7 5700Xのよさを活かしたモデルと言える。マルチコア性能自体はCore i5シリーズに大きく劣るためゲーム実況や動画編集も行いたいなら避けた方がよいかもしれない。もっとも8コア16スレッドとコア自体はまずまず多く3年以上前のモデルからの買い替えであればデメリットはないだろう。

GeForce RTX 4070 Ti SUPER(GPU)

rtx4070tisupergamescore

GeForce RTX 4070 Ti SUPERは、2024年1月24日に発売されたグラフィックボードだ。GeForce RTX 4070 Tiよりも7%性能が高く、GeForce RTX 4080よりも8%ほど低い。両製品の中間に位置しており、ハイエンドクラスと言ってもよい性能だ。GeForce RTX 4080よりも価格が抑えられていることから、新たな選択肢となるはずだ。

最新のゲームへの対応力も高く、WQHDや4Kのような高解像度にも対応しやすい。高リフレッシュレートも容易に実現できることから、環境を選ばないグラフィックボードだ。レイトレーシングを使用したゲームプレイも可能で、ハイスペックが要求される場面に強い。しばらく性能に困ることはなくなり、長く使用できることが持ち味だ。

CPUとGPUのバランス考察

75700x-rtx4070tisuper

Ryzen 7 5700XとGeForce RTX 4070 Ti SUPERのバランスはあまりよくない。Ryzen 7 5700Xの性能は、お世辞にも高いとは言えない。一方で、GeForce RTX 4070 Ti SUPERは最上位と言えるハイエンドクラスにカテゴライズされる。ミドルクラス未満のCPUとハイエンドクラスのグラフィックボードではバランスが取れないのも当然だ。GeForce RTX 4070 Ti SUPERの性能を最大限引き出すことはむずかしい。この組み合わせは、性能よりも価格を重視したものだ。多少のアンバランスさは想定しておきたい。

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NEXTGEAR JG-A7G7Aの特徴

26万円台最高峰の性能を有するゲーミングPC

NEXTGEAR JG-A7G7Aは、Ryzen 7 5700X×GeForce RTX 4070 Ti SUPER搭載のゲーミングPCだ。税込26万円台ではトップクラスのゲーム性能を誇る。グラフィックスのGeForce RTX 4070 Ti SUPERは、GeForce RTX 4080に迫る性能を有している。当然搭載モデルの価格は高くなり、予算がある程度定まっている方には選びにくいモデルばかりだ。

NEXTGEAR JG-A7G7Aは、Ryzen 7 5700Xとの組み合わせで価格を抑えているのが特徴となる。GeForce RTX 4070 Ti SUPERという高性能なグラフィックボードに、Ryzen 7 5700Xを搭載するモデルは少ないように感じる。Ryzen 7 5700Xの性能は、競合モデルであるCore i5-14400Fよりも低い。ゲームプレイ時に与える影響はグラフィックボードに劣るものの、極端に性能が低ければフレームレートは不安定になってしまう可能性がある。

はっきり言ってしまえばアンバランスな組み合わせだ。GeForce RTX 4070 Ti SUPERのパフォーマンスを最大限引き出せる構成とは言えない。NEXTGEAR JG-A7G7Aの特徴はこのアンバランスさだ。CPUの性能を下げ、価格を抑えることでGeForce RTX 4070 Ti SUPER搭載モデルで26万円台を実現できている。選びやすさに特化しているので、やや人を選ぶモデルだと言える。優れたCPUと組み合わせれば簡単に30万円を突破する。

性能を犠牲に価格が抑えられることに大きなデメリットを感じるならおすすめはしにくい。総合的なパフォーマンスなら、別のモデルの方が評価に優れるだろう。CPU性能までしっかりしたモデルなら、26万円台で選べるのはGeForce RTX 4070やGeForce RTX 4070 SUPER搭載モデルが限界だ。グラフィックボードの性能、ひいてはゲームへの対応力に特化している。

メインの用途がゲームであり、他の用途は全く考えていないなら、価格以上に価値のあるモデルだ。少なくとも、この価格帯でNEXTGEAR JG-A7G7Aよりも高い性能を有するモデルはない。セールモデル・キャンペーンモデルのような特別モデルくらいだ。通常のラインナップでは決して届かない。そもそも、GeForce RTX 4070 Ti SUPERは非常に高性能だ。

組み合わせるCPUは限定的になりがちで、対抗できる製品はあっても価格で並び立つモデルはない状況だ。ゲーム以外の用途も想定しているなら、GeForce RTX 4070 SUPERまで性能を下げ、Core i7との組み合わせのモデルを選ぶ方がいい。クセの強いモデルで、誰にでもおすすめできるわけではない。あくまでもゲームに特化したモデルであり、26万円台で選べるトップクラスの性能を有したモデルだ。そこに魅力を感じない限りは避けた方がいいかもしれない。

3年保証の恩恵を受けやすいモデル

NEXTGEAR JG-A7G7Aをはじめ、マウスコンピューターの製品は標準保証が3年間と長く設定されている。一般的なBTOメーカーは1年だ。保証期間を過ぎると実費での修理となる。一昔前のようにすぐに壊れてしまうということはなく長く使い続けることが可能だ。CPUやグラフィックボードの性能向上も著しく買い替えの頻度も下がったように思う。だからこそ保証期間が長いと安心感を得られる。

ゲーミングPCの性能が高いほど長期保証の必要性が高まる。まず当該モデルではCPUクーラーに水冷式を採用している。空冷式よりも冷却性能が高いが、当然パーツ点数が多くなる分だけ故障リスクも高まる。また、グラフィックスにはハイエンドクラスのGeForce RTX 4070 Ti SUPERを搭載している。アーキテクチャの進化で推奨電源は600Wと控えめだが、下位モデルと比べて消費電力が高く熱も持ちやすい。

もっとも最近のパソコンパーツは高耐久で長く使い続けることができる。破損や不具合の原因はメンテナンス不足であることが多い。ケース内やファンに誇りが溜まり本来の冷却性能が発揮できなくなるのだ。もちろんしっかりとメンテナンスをしていても故障率を0にすることはできない。

標準3年保証の料金が本体価格に含まれていると考えれば、現在の評価よりも数段上になるほどだ。NEXTGEAR JG-A7G7Aは購入後にも安心が長く続くため、GeForce RTX 4070 Ti SUPER搭載モデルの中でもおすすめしやすい。単純に価格が安いだけではなく、アフターサポートも万全だ。これなら初心者の方にも安心して選んでもらえるだろう。

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競合モデルとの比較

ブランドNEXTGEARGALLERIA
イメージnextgearGALLERIA XA7C-R37T
製品名NEXTGEAR JG-A7G7A
5700X搭載
GALLERIA XA7R-R47TS
5700X搭載
ケースミニミドル
価格269,800円269,980円
送料無料3,300円
CPURyzen 7 5700XRyzen 7 5700X
CPUクーラー水冷(240mm)空冷
GPURTX 4070 Ti SUPERRTX 4070 Ti SUPER
メモリDDR4-3200 16GBDDR4-3200 16GB
SSD1TB Gen4 NVMe1TB Gen4 NVMe
電源750W BRONZE750W GOLD
マザボB550B550
納期約7営業日最短翌営業日
基本保証
(延長保証)
3年間
(-)
1年間
(最長5年間)
電話サポート24時間365日24時間365日
公式公式公式
比較対象はドスパラのGALLERIA XA7R-R47TSだ。15,000円の値下げで、NEXTGEAR JG-A7G7Aと同等の価格に落ち着いた。ただし、送料が3,300円かかるため、その分だけ価格は高くなっているのは注意してほしい。構成は、NEXTGEAR JG-A7G7Aは水冷CPUクーラーを採用、GALLERIA XA7R-R47TSは電源規格に優れている。構成だけを見ると水冷CPUクーラーの方が優秀だが、Ryzen 7 5700Xにはオーバースペックなので同等という評価だ。

NEXTGEAR JG-A7G7Aは、納期こそ遅れを取っているが、サポート面では大きくリードしている。延長はできないものの、標準の保証が3年間で、ドスパラの1年間よりも2年も長い。GALLERIA XA7R-R47TS 5700X搭載を3年保証にすると、本体価格の10%が費用としてかかる。つまり、カスタマイズなしの状態でも26,998円だ。

同等のサポートにすると、価格差は27,178円にまで広がる。本体以外の部分にまで目を向けると、NEXTGEAR JG-A7G7Aは圧倒的なコストパフォーマンスを有している。GeForce RTX 4070 Ti SUPER搭載モデルで、価格が安くサポートもしっかりしているモデルだ。GALLERIA XA7R-R47TSも値下げで評価を伸ばしているものの、あと一歩NEXTGEAR JG-A7G7Aに届いていない印象だ。その差はあまり大きくないため、好みで選んでも悪くなさそうだ。

パソコンケースレビュー

NEXTGEAR JG-A5G1D」のレビューで撮影したケース画像だ。基本的な中身は同じだ。カスタマイズで赤色LEDケースファンを選択している。

梱包

NEXTGEAR-konpou
非常にシンプルだ。説明書と電源ケーブルがついている。

NEXTGEAR-konpou2
かなりきれいに梱包されている。

正面

NEXTGEAR-syoumen
NEXTGEARを表したピンクのNGというデザインロゴが黒いケースに映える。2世代前のNEXTGEAR-Microを彷彿とさせる強力なフロントファンが、エアフローの強さを感じさせる。確認しづらいが、フロントファンは3連ファンとなっており、吸気性能は非常に高いことがわかる。右下には小さくNEXTGEARのロゴも見える。シンプルでありながら、ゲーミングPCとしての存在感のある重厚でスタイリッシュなデザインに仕上がっている。

ライトアップ

NEXTGEAR-lightup
カスタマイズで変更可能な赤色LEDファンをライトアップ。カスタマイズなしはLEDファン非搭載なので注意。ゲーミングPCらしい派手なライトアップはガラスサイドパネル採用ケースには映える。従来のケースと異なり、サイドパネルを変更した上でLEDファンへ変更ではない。標準でガラスサイドパネル採用のケースである。単にLEDファンに変更するだけなので、コストも抑えられており、デザインを意識した選択がしやすくなっている。

I/Oパネル

NEXTGEAR-iopanel
I/Oパネルは最近のゲーミングPCに多い天板に搭載されている。USB 3.0が2つにイヤホン・マイクの入出力端子が1つのオーソドックスなものだ。一般的にUSBの接続端子が黒色はUSB 2.0を指すが、NEXTGEARのケースでは黒色でも3.0となっている。背面の黒色は2.0、青色は3.0となっているので少しややこしく感じる。天板部に黒色のUSB 3.0を採用したのはデザインを重視してのことだろう。

イヤホンマイクの入力端子にしても、I/Oパネルがケース全体の雰囲気を損なわない工夫だ。電源スイッチが黒く四角いタイプであることもケースデザインやカラーの基調に合わせたものだ。小さなところかもしれないが、こういった工夫がゲーミングPCのデザインと言える。

また、天板部には取り外し可能な防塵フィルターが装着されている。天板にも2基のファンがあり、吸気の強さを感じさせる。その分だけ埃の吸入も多くなるので、防塵フィルターの存在はありがたいものだ。パソコン内部に埃がたまりにくくなれば、それだけ長く使い続けることができる。本当によく考えられたケースであり、NEXTGEAR-Microの正当な後継機と言えそうだ。

右側

NEXTGEAR-right
NEXTGEARのケースの右側はエアホールのないカバーのみとなっている。左側がガラスサイドパネルであることを考えると、空気の出入りは左右から行われない構造である。吸気が強いことで、空気が横に流れずに正しいエアフローを構築するような形だ。フロント3基、天板2基のファンのよさを損なわないカバーである。

右側内部

NEXTGEAR-rightinside
右側パネルの中は背面通しが可能なケーブルマネジメント機構となっている。ボトムカバーと合わせて、ケーブルを見せずにすっきりさせる形状となっている。また、2つの2.5インチシャドウベイも右側パネルの中にある。SATA SSDを搭載する際は、ここに固定することで表からはSATAケーブルのみ見える形になる。すっきりするだけでなく、接続しにくい電源ケーブルに近いことでセットアップが容易になる。

搭載されているファンが多いことで、少しケーブルがごちゃごちゃして見えるかもしれない。しかし、表からは見えないようにすっきりさせるというポイントはしっかり抑えられている。意外とこういった形状は管理がしやすく、ケーブルの破損も少ないので合理的なものだ。

左側内部

NEXTGEAR-leftinside
ガラスサイドパネルを外しての撮影だ。これだけすっきりしていると、ガラスサイドパネルを外さなくてもパソコン内部を確認できる。できるだけケーブルを見せないことで、各パーツの視認性が上がり、取り外しも非常に容易になる。3.5インチベイを採用しないことで、フロント部の余分なスペースを上手く利用できている。ファンを搭載し、3.5インチベイや2.5インチベイにエアフローを阻害されることがない。

ボトムカバーを採用しており、電源周辺のケーブルもうまく見えなくしている。また、デザインの重さを下部に集中させ、3.5インチベイや2.5インチベイを廃止したことで、上部まで広くすっきりして見える。スペースを広く確保しつつ、ボトムカバーで底上げをすることで、ケーブルに光が吸収されにくく、しっかりとLEDが反射しやすくなる。単にLEDファンを設定できるだけではない。LEDファンを搭載することを前提としているからこそできたケース内部だ。最近のデザイン偏重のケースにも負けないスタイリッシュな内部だ。水冷クーラーのラジエーターも設置できることから、実用性の高さもうかがい知れる。

背面

NEXTGEAR-haimen
背面ははっきり言ってデザインを台無しにしやすい。ケース全体が黒なのに背面は銀色というのはよくある。ケースのしっかり合わせたカラーと形状をしており、評価を高めている。剛堅さを感じさせるフォルムに、使い勝手のよさを思わせる構造がある。

気になったのは背面ファンの取り付け位置だ。可変式の固定具があり、位置やサイズをあまり気にせず取り付けられそうだ。天板にファンを搭載しているケースにはよくあることだが、14cmファンなどの大きなタイプは干渉して取り付けられないことがある。それを考えてか、取り付け位置を上下に調整できるようになっている。これは天板のファンを交換することがあると恩恵を受けられる。大型、特殊なファンや機構を天板に取り付けると、設置できる背面ファンが限定されてしまいがちだ。それを防ぎ、幅を広げられている。デザインや機能を活かす機構が備わっているのは素晴らしい。

もう一つの注目点はPCIEカバーの留め具というのだろうか。スロットカバーを固定する箇所だ。内部にネジで固定するのではなく、外部の留め具に固定することで取り外しがしやすくなる。その留め具部分がしっかりケースと一体化しているのに驚く。実用的にもデザイン的にも軽視されやすい箇所を、しっかりとデザインの一部にしている。こほど完成度の高い背面は見たことがない。間違いなくNEXTGEARのケースは歴代のマウスコンピューター製品で最高峰の傑作である。

NEXTGEAR-soko
底面はマウスコンピューターの得意分野であると言える。おなじみのマグネット付きの防塵フィルターで、埃の吸引を抑えている。底面に関して少しても衝撃はあった。それは、底面の吸気箇所が完全に電源に集約されていることだ。G-Tuneのミニタワーは底面全体にエアホールがあり、全体を覆う防塵フィルターを採用していた。それをNEXTGEARでは実用性に完全に割り振っている。フロント3基、天板2基の吸気ファンは底面にも影響を与えていたのだ。

電源部分にのみ吸気口を用意しており、防塵フィルターもその部分だけにしている。これは完全に電源のためのスペースとして準備されている。電源の冷却と防塵のみを考えており、電源のパフォーマンスを安定させる構造だと言える。それはケース底面四隅の足を見てもわかる。一般的なパソコンやゲーミングPCはあまり高くないゴム足が採用されている。

そのため、底面はメンテナンスがしにくく、埃もたまりやすい環境になる。当然埃の吸入も多くなり、電源へのダメージは大きい。これだけの高さのあるNEXTGEARなら、電源は安定した吸気が可能となる。さらに、防塵フィルターの存在で電源へのダメージは軽微になるはずだ。ただ、防塵フィルターは定期的に水洗いして乾かすなどのメンテナンスが必要になる。

管理人による総評(NEXTGEAR JG-A7G7A)

nextgear

NEXTGEAR JG-A7G7Aは、Ryzen 7 5700X×RTX 4070 Ti SUPER搭載のハイエンドクラスのゲーミングPCである。価格を抑えつつも、構成が大きく削られていない珍しいモデルだ。GeForce RTX 4070 Ti SUPERを搭載した製品の中で、最も選びやすいモデルとなっている。NEXTGEAR JG-A7G7Aの特徴は価格にあるが、それは一定の性能があってこそ輝く要素だ。CPU性能を抑え、グラフィックボードの性能を高めたゲーム向けのモデルだ。ゲーム以外の用途はあまり得意ではなく、ゲームをメインに考えている方向けだ。

構成面では水冷CPUクーラーが存在感を与えている。Ryzen 7 5700Xに水冷クーラーはオーバースペックとも言えるものだ。冷却性能を高め、より安定した動作が可能になるように考えられているようだ。価格を抑えるために構成を削るばかりではなく、確実に強化している箇所も見られる特異なモデルと言える。標準で3年保証であることから、破損すると費用のかかる箇所に予めコストをかけているのだろうか。保証も見越した構成は、ユーザーにとってはメリットしかない。24時間365日の電話対応もあり、パソコンに慣れていない方にも安心して選べるモデルとなっている。

価格CPUグラボ
269,800円(税込)7 5700XRTX4070TiSUPER
メモリSSDHDD
DDR4 16GB1TB非搭載