当ページでは、Ryzen 7 5700Xの性能レビュー&搭載ゲーミングPCを紹介している。Ryzen 7 5800Xが登場してから1年半の月日が流れてようやく下位モデルであるRyzen 7 5700Xがリリースとなった。第3世代Ryzenシリーズでも人気の高かったRyzen 7 3700Xの後継モデルということになる。
8コア16スレッドと高いスペックを持つ。Ryzen 7 5800Xのクロック周波数を落として、さらに省電力性に磨きを掛けたモデルだ。搭載モデルは「Ryzen 7 5700X搭載おすすめゲーミングPC」で紹介している。価格が下がり選びやすくなっている。
ただし、同じ価格帯のIntel Core i5-12600Kと比べるとコストパフォーマンス的に劣ってしまうのが残念だ。Alder Lake世代のCPUがより洗練されている。やはりZen 4アーキテクチャまでの繋ぎだと考えておく必要がある。後継モデルはZen 4アーキテクチャ採用の「Ryzen 7 7700X」だ。クロック周波数の引き上げによって大幅に性能が高くなった。特にゲーム適性はIntel第12世代CPUや第13世代CPUに匹敵するほどだ。
Ryzen 7 5700Xの基本情報
コードネーム | Zen 3(Vermeer) |
---|---|
プロセス | 7nm |
コア/スレッド数 | 8コア/16スレッド |
定格/最大クロック | 3.4 GHz/ 4.6 Ghz |
L3キャッシュ | 32MB |
TDP | 65W |
発売日 | 2022年04月04日 |
MSRP | $299 |
価格 | 36,980円 |
特徴 | (+)Ryzen 7 5800Xよりも安くコスパが高い (+)省電力性に優れている (+)搭載モデルのラインナップが増える可能性が高い (-)性能及びコスパでCore i5-12600Kに劣る (-)Ryzen 7 5800Xの登場から時間が経ちすぎている |
評価 | ・総合評価 6.5 ・ゲーム評価 6.5 |
>>>Ryzen 7 5700Xを確認(Amazon)<<<
当ページの目次
Ryzen 7 5700Xの基本情報
スペック
Ryzen 7 5700X | Ryzen 7 5800X | Ryzen 7 3700X | |
---|---|---|---|
メーカー | AMD | AMD | AMD |
コードネーム | Zen 3 | Zen 3 | Zen 2 |
プロセス | 7nm | 7nm | 7nm |
トランジスタ数 | 41.5億 | 41.5億 | 38.0億 |
ダイサイズ | 81 mm² | 81 mm² | 74 mm² |
コア | 8 | 8 | 8 |
スレッド | 16 | 16 | 16 |
定格クロック | 3.4 GHz | 3.8 GHz | 3.6 GHz |
最大クロック | 4.6 GHz | 4.7 GHz | 4.4 GHz |
L3キャッシュ | 32MB | 32MB | 32MB |
対応メモリ | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 |
CPUクーラー | × | × | × |
内蔵GPU | × | × | × |
PCI-Express | Gen 4 | Gen 4 | Gen 4 |
TDP | 65W | 105W | 65W |
価格 | $299 (36,980円) | $449 (36,579円) | $329 (-) |
発売日 | 2022年04月04日 | 2020年11月06日 | 2019年07月07日 |
L3キャッシュ容量は32MBと変わっていない。対応メモリはDDR4-3200と共通だ。CPUクーラーは非同梱となっている。内蔵GPUも非搭載だ。PCI-ExpressもGen 4.0をサポートしている。価格は$30安く$299だ。Ryzen 7 3700Xは、Ryzen 7 5700Xよりも3年近くも前に登場していたことになる。
上位モデルであるRyzen 7 5800Xと比較していく。基本的なスペックは共通であることがわかる。大きく違うのはクロック周波数・TDP・価格だ。定格クロックはRyzen 7 5800Xの方が12%高く、最大クロックもRyzen 7 5800Xの方が3%高い。また、クロック周波数が高い分だけTDPも高く105Wとなる。価格差は$150だ。
2022年8月時点では実売価格に差がほとんどない。Ryzen 7 5700Xが36,980円で、Ryzen 7 5800Xが36,579円でRyzen 7 5800Xの方が安いという奇妙な現象が起きている。もう少し時間が経てば価格差も広がるはずだ。ゲーミングPCの場合は数万円の価格差が生じていてRyzen 7 5700X搭載モデルの方が安く購入できる。
総合性能
Ryzen 7 5700Xよりも$100安いCore i5-12400との性能差は2%弱で上回っているものの、同価格帯のCore i5-12600Kと比べると11%程度低い。次世代のZen 4が登場しないと厳しい状況になることは必至だ。8コア16スレッドというスペックで6コア12スレッドのCore i5-12400とそれほど変わらないのは驚くしかない。それだけAlder Lake世代のCPUが強いということだ。
Ryzen 7 5700Xの特徴&注意点
Ryzen 7 5800Xよりもコスパが高い
製品名 | 性能 | 価格 | コスパ |
---|---|---|---|
Ryzen 7 5800X | 24,001 | $449 | 53.45 |
Ryzen 7 5700X | 22,789 | $299 | 76.22 |
Core i5-12600K | 25,507 | $289 | 88.26 |
Core i5-12400 | 22,146 | $192 | 115.34 |
上記テーブルは各CPUのコスパをまとめたものだ。$1当たりの性能を数値化している。Ryzen 7 5700Xのコスパは76.22で、Ryzen 7 5800Xの53.45よりも40%以上コスパが高い。従来モデルのRyzen 7 3700Xの立ち位置をしっかりと受け継いでいる。やはりAMDが好きな方にとっては待望のCPUだと言えるだろう。
ただし、Intel製CPUになるとより高いコスパを持っているのが悩ましい。Core i5-12600Kならさらに15%高く、Core i5-12400なら50%も高い。あくまでもAMDのラインナップの中では優秀な部類だということだ。第4世代Ryzenシリーズになって明らかにプレミアム路線に走っている。
国内の販売価格を見るとコストパフォーマンスはイマイチだ。上位モデルであるRyzen 7 5800Xとほとんど同じ価格となっているからだ。Core i5-12600Kとおおよそ同等の価格であることを考えるとRyzen 7 5800Xの方が割安感がある状況となっている。もしかしたらRyzen 7 5800Xの価格が上がる可能性もある。搭載ゲーミングPCの場合はRyzen 7 5700Xの方が安価で購入しやすい。
省電力性が高くパワー効率に優れている
Ryzen 7 5800Xの最大の魅力は、性能でも価格でもなく省電力性の高さかもしれない。Ryzen 7 5800Xと比べて47%も消費電力が抑えられていることがわかる。下位モデルであるRyzen 5 5600Xと同程度だ。競合モデルであるCore i5-12600Kと比べると40%程度低い。これならPCケース・CPUファン・電源ユニットに掛けるコストを抑えられる。マザーボードもAM4に対応しているのもコスト面で有利になる。
登場が遅すぎたモデル
Ryzen 7 5700Xは多くのユーザーが待ち望んでいたCPUであることは間違いない。しかしながら、Zen 3アーキテクチャ採用の第一弾モデルであるRyzen 7 5800Xが登場してから1年半も経過していていくらなんでも遅すぎたと言わざるを得ない。その間にIntel第10世代からIntel第12世代へと競合モデルは2世代も進んでいる。
Intel第12世代の快進撃によって窮地に追い込まれている状況だ。価格的にも性能的にも負けている。2022年の秋以降にはZen 4アーキテクチャ採用の第5世代Ryzen 7000シリーズのリリースが予定(Wccftech, 2022)されている。Ryzen 7 5800Xと同時期に発売されていたら状況も変わっていたはずだ。
>>>Ryzen 7 5700Xを確認(Amazon)<<<
Ryzen 7 5700Xのゲームベンチマーク一覧
Far Cry 6
Hitman 3
Red Dead Redemption 2
>>>Ryzen 7 5700Xを確認(Amazon)<<<
その他アプリケーションのベンチマーク
Cinebench R23
Ryzen 5 5600Xと比べるとマルチスレッド性能が15%高いが、シングルスレッド性能は4%低い。シングルスレッド性能についてはクロック周波数及びTDPの差が出ている。競合モデルであるCore i5-12600Kは、10コア14スレッドとスペックが高くそれがしっかりとスコアに表れている。マルチスレッド性能が34%高く、シングルスレッド性能も25%高い。
Handbrake
Adobe Lightroom and Premiere Pro
>>>Ryzen 7 5700Xを確認(Amazon)<<<
Ryzen 7 5700X搭載おすすめゲーミングPC
LEVEL-M0P5-R57X-NAX(パソコン工房)
価格:161,800円(税込)
CPU:Ryzen 7 5700X
GPU:GeForce RTX 3050
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe
電源:700W 80PLUS BRONZE
コスパ:調査中
パソコン工房のミニタワーケースを採用している。グラフィックスにエントリークラスのGeForce RTX 3050を搭載したゲーミングPCだ。RTX 3050搭載モデルで税込16万円オーバーはやや割高感がある。フルHD環境でのゲームプレイ向けのモデルとなっている。タイトルによっては設定を下げるなどして対応する必要がある。GTX 1660 Tiと同等のグラフィックス処理性能を持っていると思っておけばオッケーだ。メモリ16GB、SSD 500GBと構成は平均以上だ。電源ユニットは700W BRONZEを採用している。
GALLERIA XA7R-R36 5700X搭載(ドスパラ)
CPU:Ryzen 7 5700X
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 1TB NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:8.3
Ryzen 7 5700X×RTX 3060搭載のゲーミングPCだ。ミドルクラスのグラフィックボードを搭載していてゲームプレイにも余裕を持って対応できる。価格が下がって税込16万円台で購入できる。メモリ16GB、SSD 1TBと構成も充実している。電源ユニットは650W BRONZEだ。Ryzen 7 5700Xの省電力性が高くこれぐらいの容量でも余裕がある。
LEVEL-M0P5-R57X-SAX(パソコン工房)
CPU:Ryzen 7 5700X
GPU:GeForce RTX 3060 Ti
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe
電源:700W 80PLUS BRONZE
コスパ:調査中
Ryzen 7 5700X×RTX 3060 Ti搭載のハイクラスのゲーミングPCだ。ミニタワーケース採用でデスクの上にも置きやすい。RTX 3060 Ti搭載でWQHD環境でのゲームプレイにも最適だ。RTX 3050搭載モデルに+28,000円と考えるとこちらの方がおすすめしやすい。メモリ16GB、SDS 500GBと構成も充実している。電源ユニットは700W BRONZEで必要十分だ。
FRGXB660/WS901/NTK(フロンティア)おすすめ!!
CPU:Ryzen 7 5700X
GPU:GeForce RTX 3080
メモリ:DDR4-3200 32GB
ストレージ:SSD 1TB NVMe
電源:850W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中
RTX 3080搭載モデルが税込219,800円で購入できる。期間限定セール対象モデルでコスパが高い。Ryzen 7 5700Xではバランスが取れているとは言えないもののグラフィックス処理性能を重視したい方におすすめだ。WQHD環境以上にも対応できる。メモリ32GB、SSD 1TB NVMeと構成も圧倒的だ。電源ユニットは850W GOLDを採用している。次世代モデルのRyzen 70000シリーズではプラットフォームがAM4からAM5へと変わったため丸ごと変更する必要がある。将来的にRyzen 7000シリーズへの換装を考えている方は注意して欲しい。
GALLERIA XA7R-R38 5700X搭載(ドスパラ)
CPU:Ryzen 7 5700X
GPU:GeForce RTX 3080
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 1TB NVMe
電源:750W 80PLUS GOLD
コスパ:7.8
RTX 3080搭載モデルの最安値クラスの一台だ。後継モデルであるRTX 4080がリリースされたことでここまで価格が落ちた。購入できるのは今だけではないかと思う。RTX 3080に合わせるにはRyzen 7 5700Xでは完全に引き出せるわけではない。それでもグラフィックボードの性能が高いことはプラスだ。特に解像度を上げた状態で高リフレッシュレートを目指さないのであれば選択肢としてありだ。メモリ16GB、SSD 1TBと構成も十分だろう。
>>>Ryzen 7 5800X3Dを確認(Amazon)<<<
参照外部サイト
- AMD Ryzen 7000 ‘Zen 4’ CPUs Coming Earlier Than Expected, Rumors Point To Computex Announcement, Early Q3 Launch(Wccftech, 2022)
その他あなたにおすすめの記事はこちら!
- おすすめゲーミングPCランキング【2023年】
- ゲーミングノートPCおすすめランキング【2023年】
- 当サイト紹介ゲーミングPC一覧表
おすすめのゲーミングPCランキングを紹介している。コストパフォーマンスが高いモデルに人気が集中していると言える。
イチオシのゲーミングノートPCを紹介している。外出先でもゲームを楽しみたいという方はぜひ参考にしてほしい。
当サイトでレビューをしている全てのゲーミングPCを表でまとめている。一覧で見れば、ゲーミングPCの構成や相場感を把握することができる。
あなたにぴったりのゲーミングPCを探す
選び方(初心者の方向けにぴったりの選び方を解説) | ||
セール | 安い | ゲーム推奨 |
![]() | ![]() | ![]() |
比較(ゲーミングPCの特徴を比較して最適な1台を見つける) | ||
価格 | BTOショップ | グラボ |
![]() | ![]() | ![]() |