NEXTGEAR JG-A7G7Stop


マウスコンピューターが販売する「NEXTGEAR JG-A7G7S 5700X搭載」のレビューをまとめた。Ryzen 7 5700X×GeForce RTX 4070 SUPER搭載のハイクラスのゲーミングPCだ。Ryzen 7 5700Xの性能は控えめだが、GeForce RTX 4070 SUPERの高いグラフィックス処理性能でゲームへの対応力に優れている。価格を意識したモデルでありながら、最新のゲームにも対応できるのが強みだ。

注意したいのは、ゲーム以外の用途に関してはあまり得意ではないことだ。配信や動画投稿を考えていないならおすすめしやすい。標準で3年間の保証もついてくるので、パソコンに慣れていない方にもおすすめだ。24時間365日に対応した電話サポートもあり、誰にとっても選びやすいモデルとなっている。コストパフォーマンスの高さに加えて安心感があるのも嬉しいポイントだ。

NEXTGEAR JG-A7G7S 5700X搭載のスペック解説

nextgear

メーカーマウスコンピューター
ブランド名NEXTGEAR
製品名NEXTGEAR JG-A7G7S 5700X搭載
価格224,800円(税込)
CPURyzen 7 5700X(レビュー)
CPUクーラー水冷
グラボGeForce RTX 4070 SUPER(レビュー)
メモリDDR4-3200 16GB
ストレージSSD 1TB NVMe Gen4
電源750W 80PLUS BRONZE
マザーボードチップセットB550
おすすめ度Bランク
評価・コスパ
7.3

—–内訳—–
・ショップ評価
8.9
2024/6/12追記

コストパフォーマンスの評価は7.3と優秀な数値だ。NEXTGEAR JG-A7G7Sは、15,000円の値下げにより評価を大きく伸ばした。10,000円の値上げからの15,000円引きであるため、過去最安値を記録している。ゲーミングPC全体が円安の影響で値上げを繰り返している状況で過去最安値はNEXTGEAR JG-A7G7Sくらいではないだろうか。

コストパフォーマンスを武器に、GeForce RTX 4070 SUPER搭載モデルを牽引する存在だ。値上げ後の239,800円でも安い部類だった。今回の値下げで最安値クラスになり、名実ともに最高峰の一角を担う。求められていた変化を実現した珍しいモデルである。

Intel製CPUと違い、Ryzen搭載モデルは値上げ額もほどほどに、価格が少し落ち着き始めているように思える。それでも、ここまで大胆な値下げを行ったのはNEXTGEARシリーズくらいだ。CPU性能よりもグラフィックボードの性能を重視する今風なゲーマーには、NEXTGEAR JG-A7G7Sはおすすめしやすい。

CPU性能は少し頼りないが、NEXTGEAR JG-A7G7Sには大きな弱点がない。バランスのよい構成と抑えられた価格でカバーできている。コストパフォーマンスが特徴のモデルだ。CPUの性能が少し低くても、ゲーム性能に大きなマイナスは与えない。今なら当サイトのランキングに入ってもおかしくない。それほど抜きん出たモデルになった。

22万円台はGeForce RTX 4060 Ti搭載モデルの相場に近い。1ランク下の価格で1ランク上の性能を手にできる。おすすめしやすいゲーミングPCとは、まさにこういった特徴を持っているものだ。それに加えて3年間の基本保証がある。サポート面も万全だ。初心者から上級者まで、ほぼすべてのゲーマーにおすすめできるモデルだ。

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おすすめカスタマイズ

  • CPU ×
  • CPUファン –
  • CPUグリス ×
  • メモリ △
  • SSD △
  • 電源 △

NEXTGEAR JG-A7G7Sは、カスタマイズの幅が広めだ。CPU・CPUグリスの変更はおすすめしない。Ryzen 7 5700X3Dへのカスタマイズは価格が高く、CPUグリスの変更は恩恵が小さい。水冷CPUクーラーを搭載していることで、冷却効果は十分だ。変更を加えるなら、メモリ・SSD・電源の3箇所だ。全てを変更するよりも、どこか1箇所を変更させるくらいに留めたい。

メモリはGeForce RTX 4070 SUPERの性能を考えると32GBあっても困らない。むしろ推奨される容量と言える。価格が高めなことがおすすめしにくい理由だ。メモリは不足を感じたら増設するくらいに考えた方がいいかもしれない。値上げで本体価格が高まっているため、コストのかかるメモリは変更しにくい。

SSDは標準で1TBの容量がある。1.5TBのような容量が選択できるのならおすすめできた。しかし、SSDの変更は2TBにしかできない。1TBの容量を使い切ることもむずかしい。よほど容量を必要とする用途を考えていない限りは、SSDの容量変更もまたおすすめしにくい。

電源は選択肢が狭い。価格が控えめな750W 80PLUS GOLDを基本線に、850W 80PLUS GOLDも視野に入れたい。電源容量が大きくなると、それだけ安定した動作が可能になる。今後、CPUやグラフィックボードを交換する際にも、電源容量の大きさは頼もしくなるはずだ。電源のカスタマイズは価格的にも選びやすいが、恩恵の小ささがネックだ。

カスタマイズはどれもクセがある。どこを変更しても用途や価格が引っかかる。NEXTGEAR JG-A7G7Sはカスタマイズしなくても十分な構成があるため、カスタマイズは好みで変更することになる。不足する、物足りないと感じる箇所を強化するくらいにとどめ、カスタマイズなしも検討したい。

ホワイトカラーモデル-派生モデル

NEXTGEAR JG-A7G7Swhite

  • 価格:232,500円(税込)
  • おすすめ度:Bランク
  • コスパ:6.4

NEXTGEAR JG-A7G7Sにはホワイトカラーモデルが用意されている。ケースの色が黒から白に変更されるだけで、中身には一切の変化がない。つまり、見た目が変わるだけで7,700円高くなる。見た目を重視する方には魅力的に映る要素だ。価格が高くなっても、値下げされた影響でコストパフォーマンスは6.4と良好だ。白色ケースが気になるなら悪くない選択肢と言える。

通常の黒色ケースの価格がダイレクトに影響するため、通常モデルの価格によって評価は大きく変わる。234,800円程度になると、価格帯が一つ上がり24万円台に突入する。一つ上の価格帯に上がると上位モデルの存在がある。競合するモデルも変わってくるので注意が必要だ。今の価格帯ならとくに問題はない。

各タイトルの対応表

Apex Legendsフォートナイトパルワールドマイクラ
Apex-Legends
・240Hz


・144Hz
fortnite
・240Hz


・144Hz
palworld
・144Hz


・60Hz
minecraft1
・影Mod


・通常

★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。

NEXTGEAR JG-A7G7SはRyzen 7 5700XとGeForce RTX 4070 SUPERを搭載したハイクラスのゲーミングPCだ。優れたゲーム性能は、最新のゲームでも環境を選ばない対応力を持っている。CPU性能はそれほど高くないため、CPU負荷の高いゲームは苦手だ。最近のゲームはあまりCPU性能が求められないこともあり、デメリットやマイナス要素にまではならない。

人気のApex Legendsは、ほぼ240fpsの張り付きが目指せる。ただ、完全な張り付きを目指すには設定を下げる必要がある。Apex Legendsは、200fpsを超えるとなかなか安定しにくい傾向にある。うまく安定させるためにも、許容範囲まで設定を下げた方がいい。同じジャンルのフォートナイトは、負荷がApex Legendsよりも低く、240fpsの張り付きが容易にできる。DirectX12でのゲームプレイは設定で大きく負荷が変化するのは難しい。ここではDirectX 11を基準としているが、DirectX12でもある程度安定は目指せる。

一時期話題となったパルワールドは、かなり安定したゲームプレイが可能だ。推奨環境のメモリ容量が32GBと大容量なため、中終盤の負荷は少し対応しにくい。設定を下げることで軽減できるが、序盤と同じフレームレートの安定はむずかしい。シミュレーションゲームに多い特徴を持つゲームと言える。

全世界で高い人気を誇るMinecraftは、どんな環境でも問題なくプレイできる。ただ、Minecraft With RTXは、リアルタイムレイトレーシングを用いた圧倒的な負荷から、快適を維持することは困難だ。通常のMinecraftで、Modを導入してプレイすることなら問題ない。工業化Modでも影Modでも安定させられる性能がある。

NEXTGEAR JG-A7G7Sの性能まとめ

ゲーミングPCは、CPUやグラフィックボードなどのパーツの集合体だ。CPUとグラフィックボードの性能は、ゲーミングPCの性能を決定する重要な箇所だ。この2つのスペックを詳しく見ていく。

ゲーミングPCの性能を知るには、CPUとグラフィックボードの性能を理解する必要がある。数値やグラフを確認することで、パソコンに慣れていない方にとっても直感的にわかりやすくなっているはずだ。

Ryzen 7 5700X(CPU)

ryzen75700x-gamescore

NEXTGEAR JG-A7G7Sに搭載されているCPUはRyzen 7 5700Xだ。今となっては少し性能が低めとなっており、一世代前のIntel第13世代Core i5-13400よりも5%ほど、現行のCore i5-14400と比べると7%ほどゲーム性能が落ちる。登場が2022年4月であることから、流石に現行のCPUに比べると性能は見劣りしてしまう。

ゲーム性能だけではなく、CPUの処理性能も10%以上落ちるため、用途が多岐に渡るなら扱いにくさがある。Ryzen 7 5700Xは性能ではなく、価格を重視したCPUだ。Core i5-13400よりも性能は低くても、価格は抑えやすいので人気だ。それが世代落ちしたRyzen 7 5700Xが残っている理由でもある。価格が抑えられるメリットと、性能が控えめというデメリットのどちらを重く見るかで評価は変わってくる。

GeForce RTX 4070 SUPER(GPU)

rtx4070super-gamescore

GeForce RTX 4070 SUPERは、2024年1月8日に発売されたグラフィックボードだ。その名の通り性能は高めで、GeForce RTX 4070より15%高く、GeForce RTX 4070 Tiより性能が5%程度低い。中間よりややGeForfce RTX 4070 Ti寄りの性能で、価格はGeForce RTX 4070に近いことから、新しいハイクラスの選択肢として注目している。

最新のゲームでも高解像度や高リフレッシュレートで安定させやすい性能は、これからのゲーム事情を考えると高すぎることはない。144Hzよりも240Hzでゲームをプレイするコアなゲーマーも多い。負荷の高い環境で快適性を求めるなら、GeForce RTX 4070 SUPERはスタンダードな選択肢となっていくだろう。Ryzen 7 5700Xと組み合わせることで価格は抑えられることもあり、熟練したゲーマーだけではなく、初心者の方にも選ばれるグラフィックボードになりつつある。

CPUとGPUのバランス考察

5700xnrtx4070superbalance

Ryzen 7 5700XとGeForce RTX 4070 SUPERのバランスはあまりよくない。GeForce RTX 4070 SUPERの性能を引き出すには、Ryzen 7 5700Xの性能では物足りない。ただ、最低限の組み合わせではある。Ryzen 7 5700Xよりも性能が下がると、一気に扱いにくさが出る。ギリギリの組み合わせだ。Ryzen 7 5700X搭載モデルは性能よりも価格を重視している。その点で言えば、GeForce RTX 4070 SUPER搭載モデルで、最も価格を活かしやすい組み合わせと言える。NEXTGEAR JG-A7G7Sはまさに価格を抑えようとしているモデルである。ギリギリ実用性のある性能を維持していることからも、バランスは悪くても特性を活かした組み合わせである。

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NEXTGEAR JG-A7G7Sの特徴

価格を抑えることに成功したゲーム特化モデル

NEXTGEAR JG-A7G7Sは、最新のGeForce RTX 4070 SUPERを搭載していながら、価格をしっかり抑えているのがポイントとなるモデルだ。GeForce RTX 4070搭載モデル並の22万円台という価格設定で、GeForce RTX 4070 SUPER搭載モデルを選択する理由になる。価格を抑えやすいビジネスモデルではなくゲーミングPCなのだから驚きだ。

価格を抑えられた要因はCPUに旧世代のRyzen 7 5700Xを採用していることにある。CPU性能を犠牲に、GeForce RTX 4070 SUPER搭載モデルを22万円台にまで下げた選びやすいモデルになっている。最近ゲーミングPC価格が高騰しているようにも感じている。GeForce RTX 4060 Ti搭載モデルも、Core i7との組み合わせなら20万円を超えてくるモデルも珍しくない。

その中で、CPU性能を削っているとはいえ、22万円台を実現したのは素晴らしい。ゲームを快適にプレイできてこそのゲーミングPCだ。ゲームに対するパフォーマンスに特化したNEXTGEAR JG-A7G7Sは、純粋なゲーミングPCと言えるのではないだろうか。もちろん、価格が伴って初めて評価されるものだ。

ゲームにとってはグラフィックボードの性能がすべてだ。CPU性能はほどほどでも、グラフィックボードの性能は上位に位置している。ゲームプレイに関しては高い水準の快適性を維持できる。NEXTGEAR JG-A7G7Sのようなモデルは、まさにゲームに特化したモデルと言えるだろう。前述のように、価格の抑えにくいゲーミングPCで、それもゲーム性能に特化したモデルで価格を抑えられたモデルは少ない。

GeForce RTX 4070 SUPER搭載モデルの中で、NEXTGEAR JG-A7G7Sは頭一つ抜けた存在と言えそうだ。ゲーミングPCは、パソコンでできる用途を幅広くカバーできる存在になりつつある。ゲームをプレイしていると、関連した様々な用途に興味を持つタイミングがある。プレイしている状況を配信したり、動画に編集して投稿したりなどだ。それらの用途にはCPUの性能が求められる。動画編集などを考えているならCPU性能を重視した方がよさそうだ。

手厚いサポートと保証が心強い

NEXTGEAR JG-A7G7Sに限らず、マウスコンピューターの製品はサポートや保証面も魅力的だ。24時間365日の電話サポートは心強い。平日に休みを取れないビジネスパーソンでも利用しやすい。また、保証も標準で3年間と長くなっている。他のBTOメーカーの標準保証は1年間にほぼ固定されている。そこから有料の延長保証サービスを選択して、期間を伸ばすのが一般的である。通常15,000円前後(本体価格の10%-20%)の費用が掛かる。

1年間と3年間では受けられる恩恵は大きく変わってくる。通常BTOメーカーのカスタマイズで15,000円前後掛かることからもわかるだろう。パソコンは精密機械の集合体でそれなりに故障する可能性はある。当然長く使えば使うほど故障率が高まる。3年間は追加費用なしで使用続けられるのは大きなメリットだ。

パソコンは購入から1年を過ぎると様々な箇所に不具合が生じるように思う。これは長くパソコンを使っていた経験からわかったことだ。パソコンが稼働できなくなるほどの重大なものではなく、小さなものだが不具合に変わりはない。パソコンに慣れていない方には、小さな不具合が重大なものとなりやすい。対処できなければ、不調なままであるからだ。

長期間の保証があることで、自分でパソコンの不具合を直す自身のない方にも安心して選べるモデルになっている。また、パソコンの稼働ができないほどの重大な問題が発生しても、3年間の保証は心強い。トラブルは往々にして長く使うことで生じる。はっきり言ってしまえば、1年間の保証内で発生するトラブルは少なく、重大性の高いものは起こりにくい。

実体験を振り返れば1年を過ぎ、2年目差し掛かるあたりで不具合が増える印象がある。とくに、GeForce RTX 4070 SUPERのような高性能なパーツを使用していると、熱によるダメージや負荷による蓄積されたダメージがある。気づかない程度の小さなものから、致命的なものまでを含めても1年間で起こるトラブルは少ない。保証が切れてから問題が生じるのはストレスだ。

3年もの期間保証が続くなら、その点では安心と言える。もちろん、3年を過ぎてもトラブルは発生するだろう。それでも、3年以内のトラブルには保証が利くというのは、安心するには十分だ。少し気になるのは延長保証がないことくらいだろう。4年以上の延長保証を考えている方にとっては心もとないかもしれない。標準で3年間、最長で3年間だ。延長保証は有料であるため、延長保証をためらっている方にはおすすめしやすい。安心を低価格で選択できるという点で、マウスコンピューターの製品ひいてはNEXTGEAR JG-A7G7Sを選ぶ理由になるはずだ。

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競合モデルとの比較

ブランドNEXTGEARGALLERIA
イメージnextgearGALLERIA XA7C-R37T
製品名NEXTGEAR JG-A7G7SGALLERIA XA7R-R47S
5700X搭載
ケースミニミドル
価格224,800円224,980円
送料無料3,300円
CPURyzen 7 5700X(水冷)Ryzen 7 5700X
GPURTX 4070 SUPERRTX 4070 SUPER
メモリDDR4-3200 16GBDDR4-3200 16GB
SSDNVMe 1TB Gen4NVMe 1TB Gen4
電源750W BRONZE750W GOLD
マザボB550B550
納期約6営業日最短翌営業日
基本保証
(延長保証)
3年間
(-)
1年間
(最長5年間)
電話サポート24時間365日24時間365日
公式公式公式
レビュー当ページレビュー
比較対象はドスパラのGALLERIA XA7R-R47Sだ。価格は180円高いだけだが、ドスパラの製品は送料が3,300円掛かるので実質の価格差は3,480円となる。わずか3,000円とはいえ、最安値の座を取り返したのは大きい。NEXTGEAR JG-A7G7Sは、CPUクーラーが水冷式なのは高評価だ。ただし、Ryzen 7 5700Xは発熱量がそこまで大きいわけではないので宝の持ち腐れとなりそうだ。

GALLERIA XA7R-R47Sは電源ユニットは750W GOLDとより高規格なモデルが選択されている。価格差が逆転したことで、これまで差を埋めていた基本保証3年間がまるまるメリットになる。価格とサポートでリードするため、GALLERIA XA7R-R47Sは競合製品であっても、NEXTGEAR JG-A7G7Sに届かない。今なら迷うことなくNEXTGEAR JG-A7G7Sをおすすめできる。

パソコンケースレビュー

NEXTGEAR JG-A5G1D」のレビューで撮影したケース画像だ。基本的な中身は同じだ。カスタマイズで赤色LEDケースファンを選択している。

梱包

NEXTGEAR-konpou
非常にシンプルだ。説明書と電源ケーブルがついている。

NEXTGEAR-konpou2
かなりきれいに梱包されている。

正面

NEXTGEAR-syoumen
NEXTGEARを表したピンクのNGというデザインロゴが黒いケースに映える。2世代前のNEXTGEAR-Microを彷彿とさせる強力なフロントファンが、エアフローの強さを感じさせる。確認しづらいが、フロントファンは3連ファンとなっており、吸気性能は非常に高いことがわかる。右下には小さくNEXTGEARのロゴも見える。シンプルでありながら、ゲーミングPCとしての存在感のある重厚でスタイリッシュなデザインに仕上がっている。

ライトアップ

NEXTGEAR-lightup
カスタマイズで変更可能な赤色LEDファンをライトアップ。カスタマイズなしはLEDファン非搭載なので注意。ゲーミングPCらしい派手なライトアップはガラスサイドパネル採用ケースには映える。従来のケースと異なり、サイドパネルを変更した上でLEDファンへ変更ではない。標準でガラスサイドパネル採用のケースである。単にLEDファンに変更するだけなので、コストも抑えられており、デザインを意識した選択がしやすくなっている。

I/Oパネル

NEXTGEAR-iopanel
I/Oパネルは最近のゲーミングPCに多い天板に搭載されている。USB 3.0が2つにイヤホン・マイクの入出力端子が1つのオーソドックスなものだ。一般的にUSBの接続端子が黒色はUSB 2.0を指すが、NEXTGEARのケースでは黒色でも3.0となっている。背面の黒色は2.0、青色は3.0となっているので少しややこしく感じる。天板部に黒色のUSB 3.0を採用したのはデザインを重視してのことだろう。

イヤホンマイクの入力端子にしても、I/Oパネルがケース全体の雰囲気を損なわない工夫だ。電源スイッチが黒く四角いタイプであることもケースデザインやカラーの基調に合わせたものだ。小さなところかもしれないが、こういった工夫がゲーミングPCのデザインと言える。

また、天板部には取り外し可能な防塵フィルターが装着されている。天板にも2基のファンがあり、吸気の強さを感じさせる。その分だけ埃の吸入も多くなるので、防塵フィルターの存在はありがたいものだ。パソコン内部に埃がたまりにくくなれば、それだけ長く使い続けることができる。本当によく考えられたケースであり、NEXTGEAR-Microの正当な後継機と言えそうだ。

右側

NEXTGEAR-right
NEXTGEARのケースの右側はエアホールのないカバーのみとなっている。左側がガラスサイドパネルであることを考えると、空気の出入りは左右から行われない構造である。吸気が強いことで、空気が横に流れずに正しいエアフローを構築するような形だ。フロント3基、天板2基のファンのよさを損なわないカバーである。

右側内部

NEXTGEAR-rightinside
右側パネルの中は背面通しが可能なケーブルマネジメント機構となっている。ボトムカバーと合わせて、ケーブルを見せずにすっきりさせる形状となっている。また、2つの2.5インチシャドウベイも右側パネルの中にある。SATA SSDを搭載する際は、ここに固定することで表からはSATAケーブルのみ見える形になる。すっきりするだけでなく、接続しにくい電源ケーブルに近いことでセットアップが容易になる。

搭載されているファンが多いことで、少しケーブルがごちゃごちゃして見えるかもしれない。しかし、表からは見えないようにすっきりさせるというポイントはしっかり抑えられている。意外とこういった形状は管理がしやすく、ケーブルの破損も少ないので合理的なものだ。

左側内部

NEXTGEAR-leftinside
ガラスサイドパネルを外しての撮影だ。これだけすっきりしていると、ガラスサイドパネルを外さなくてもパソコン内部を確認できる。できるだけケーブルを見せないことで、各パーツの視認性が上がり、取り外しも非常に容易になる。3.5インチベイを採用しないことで、フロント部の余分なスペースを上手く利用できている。ファンを搭載し、3.5インチベイや2.5インチベイにエアフローを阻害されることがない。

ボトムカバーを採用しており、電源周辺のケーブルもうまく見えなくしている。また、デザインの重さを下部に集中させ、3.5インチベイや2.5インチベイを廃止したことで、上部まで広くすっきりして見える。スペースを広く確保しつつ、ボトムカバーで底上げをすることで、ケーブルに光が吸収されにくく、しっかりとLEDが反射しやすくなる。単にLEDファンを設定できるだけではない。LEDファンを搭載することを前提としているからこそできたケース内部だ。最近のデザイン偏重のケースにも負けないスタイリッシュな内部だ。水冷クーラーのラジエーターも設置できることから、実用性の高さもうかがい知れる。

背面

NEXTGEAR-haimen
背面ははっきり言ってデザインを台無しにしやすい。ケース全体が黒なのに背面は銀色というのはよくある。ケースのしっかり合わせたカラーと形状をしており、評価を高めている。剛堅さを感じさせるフォルムに、使い勝手のよさを思わせる構造がある。

気になったのは背面ファンの取り付け位置だ。可変式の固定具があり、位置やサイズをあまり気にせず取り付けられそうだ。天板にファンを搭載しているケースにはよくあることだが、14cmファンなどの大きなタイプは干渉して取り付けられないことがある。それを考えてか、取り付け位置を上下に調整できるようになっている。これは天板のファンを交換することがあると恩恵を受けられる。大型、特殊なファンや機構を天板に取り付けると、設置できる背面ファンが限定されてしまいがちだ。それを防ぎ、幅を広げられている。デザインや機能を活かす機構が備わっているのは素晴らしい。

もう一つの注目点はPCIEカバーの留め具というのだろうか。スロットカバーを固定する箇所だ。内部にネジで固定するのではなく、外部の留め具に固定することで取り外しがしやすくなる。その留め具部分がしっかりケースと一体化しているのに驚く。実用的にもデザイン的にも軽視されやすい箇所を、しっかりとデザインの一部にしている。こほど完成度の高い背面は見たことがない。間違いなくNEXTGEARのケースは歴代のマウスコンピューター製品で最高峰の傑作である。

NEXTGEAR-soko
底面はマウスコンピューターの得意分野であると言える。おなじみのマグネット付きの防塵フィルターで、埃の吸引を抑えている。底面に関して少しても衝撃はあった。それは、底面の吸気箇所が完全に電源に集約されていることだ。G-Tuneのミニタワーは底面全体にエアホールがあり、全体を覆う防塵フィルターを採用していた。それをNEXTGEARでは実用性に完全に割り振っている。フロント3基、天板2基の吸気ファンは底面にも影響を与えていたのだ。

電源部分にのみ吸気口を用意しており、防塵フィルターもその部分だけにしている。これは完全に電源のためのスペースとして準備されている。電源の冷却と防塵のみを考えており、電源のパフォーマンスを安定させる構造だと言える。それはケース底面四隅の足を見てもわかる。一般的なパソコンやゲーミングPCはあまり高くないゴム足が採用されている。

そのため、底面はメンテナンスがしにくく、埃もたまりやすい環境になる。当然埃の吸入も多くなり、電源へのダメージは大きい。これだけの高さのあるNEXTGEARなら、電源は安定した吸気が可能となる。さらに、防塵フィルターの存在で電源へのダメージは軽微になるはずだ。ただ、防塵フィルターは定期的に水洗いして乾かすなどのメンテナンスが必要になる。

管理人による総評(NEXTGEAR JG-A7G7S)

nextgear

NEXTGEAR JG-A7G7Sは、Ryzen 7 5700X×RTX 4070 SUPER搭載のハイクラスのゲーミングPCである。15,000円の値引きで評価を上げた。ゲーミング性能は高く高解像度でのゲームプレイに対応できる。Ryzen 7 5700Xは性能が高いCPUではないので、ゲームプレイ以外の用途を考えている方は注意しよう。グラフィックス性能を重視したいゲーマー向けだ。

マウスコンピューターは基本保証が3年間と他社メーカーよりも長く設定されている。通常3年間の延長保証に加入するには本体価格の10%の費用が掛かる。ハイクラスのモデルになると20,000円以上変わることも珍しくない。長くゲーミングPCを使用する上で、保証期間が長いことは心強い。保証を重視するなら候補に入れてもよいかもしれない。

価格CPUグラボ
224,800円(税込)7 5700XRTX4070SUPER
メモリSSDHDD
DDR4 16GB1TB非搭載