当ページでは、Core i7-8086Kの性能比較&ベンチマーク検証をしている。Core i7-8086Kの元であるCore i7-8700Kを超えるクロック数で高いパフォーマンスを発揮する限定CPUだ。プレミアム価格になっていてCore i7-8700Kとの価格差が大きくコストパフォーマンスが高いわけではない。
限定モデルに目がないという方やIntelが好きだという方にとってはそれ以上の価値を見出だせるかもしれない。所有欲を満たしてくれること間違いなしのCPUだと言える。ただし、それも購入して箱を開けるまでだ。パソコンに搭載したら何も見えなくなってしまう。当然将来プレミアムが付くというわけでもない。次世代モデルはIntel第9世代の「Core i7-9700K」だ。Coffee Lake-Rモデルとなっている。アーキテクチャがCoffee Lake-Rに代わりパフォーマンスが向上している。
2025年4月時点で中古ゲーミングPCが購入可能だ。詳細は「Core i7-8086K搭載の中古ゲーミングPC一覧」を参考にして欲しい。
Core i7-8086Kは、x86アーキテクチャ採用の「Intel8086」(PC向けCPU)の登場から40周年を記念した限定モデルとなっている。型番の数値はこれまでのCoffeLakeの数値ではなく、Intel8086から踏襲したものだ。「特別限定モデル」で、今後もラインナップに加わることはないだろう。世界で50,000点のみの販売でその内8,086台は抽選で無料で配られた。国内だと10,000台以下なのではないだろうか。入手できたらラッキーだろう。
Core i7-8086Kの基本スペック
i7-8086K | i7-8700K | |
---|---|---|
メーカー | Intel | Intel |
コードネーム | Coffee Lake | Coffee Lake |
プロセス | 14nm+ | 14nm+ |
CPUコア数 | 6 | 6 |
スレッド数 | 12 | 12 |
定格クロック | 4.0GHz | 3.7GHz |
最大クロック | 5.0GHz | 4.7GHz |
1コア時最大 | 5.0GHz | 4.7GHz |
2コア時最大 | 4.6GHz | 4.6GHz |
3コア時最大 | 4.5GHz | 4.5GHz |
4コア時最大 | 4.4GHz | 4.4GHz |
5コア時最大 | 4.4GHz | 4.4GHz |
6コア時最大 | 4.3GHz | 4.3GHz |
L3キャッシュ | 12MB | 12MB |
対応メモリ | DDR4-2666 | DDR4-2666 |
内蔵グラフィックス | UHD 630 | UHD 630 |
CPUクーラー | 非同梱 | 非同梱 |
PCI-Express | Gen 3, 16 Lanes | Gen 3, 16 Lanes |
TDP | 95W | 95W |
MSRP | $425 | $359 |
国内価格 | 51,980円~ | 47,980円~ |
発売日 | 2018/06/08 | 2017/11/02 |
Core i7-8086Kのスペックについて見ていこう。基本的にはCore i7-8700Kと同等だ。コードネームはCoffee Lakeでプロセスは14nmとなっている。定格クロック周波数が10%、最大クロック周波数が7%引き上げられている。ついに最大クロック周波数が5.0GHzに到達した。次の世代に持ち越されるのかと思ったが、想定よりも早く到達してしまった。
注意点として最大クロック周波数が5.0GHzになるのは単コアのみであり、2コア以上の場合は全く同じだ。用途によってはその性能差を体感することは難しい。いっそのこと、もっと突き抜けた性能のCPUになって欲しかった。
L3キャッシュ容量は12MBで共通だ。TDPも95Wと変わっていない。価格差は$66とやや高くコストパフォーマンスが高いとは言えない。国内販売価格では4,000円程度の差がある。Core i7-8700Kが登場してからおよそ半年後にリリースされたモデルとなっている。
Core i7-8086Kの最新評価【2025年】
ゲーム性能は今でも通用する
Core i7-8086Kは、発売当時フラグシップモデルだったCPUだ。オリジナルのCore i7-8700Kとの性能差は1%程度で大幅にパフォーマンスが向上するわけではない。ただ、一つのCPUとしてみると性能はそこそこ高い。Windows 11 OSに対応しているのも強みとなる。今でも搭載ゲーミングPCが販売されているRyzen 5 4500と同等のパフォーマンスを期待できる。オーバークロックで性能の底上げができるのもプラスだ。
次世代のCore i7-9700やRyzen 5 5500ともそこまで劣るわけではない。60番台や50番台とのグラフィックボードとの組み合わせがおすすめだ。GeForce RTX 3060・GeForce RTX 2060・GeForce GTX 1660 Ti/GTX 1660 SUPER/GTX 1660・GeForce RTX 3050 8GB/6GB・GeForce GTX 1650などとの組み合わせなら問題ない。GPU性能を重視してGeForce RTX 3070やGeForce RTX 2070との組み合わせも面白いかもしれない。
中古価格は15,000円と今でも割高感がある
Ryzen 7 3700X | 約13,480円 |
---|---|
Core i7-9700K | 約18,980円 |
Core i7-9700 | 約17,980円 |
Core i7-8086K | 約14,980円 |
Core i7-8700K | 約12,980円 |
Ryzen 5 4500 | 約10,980円 |
Core i7-8700 | 約11,980円 |
Ryzen 7 2700X | 約9,980円 |
Core i5-10400 | 約13,980円 |
2025年4月時点での中古価格は14,980円~とやや高い。ほとんど性能の変わらないCore i7-8700Kなら2,000円安く購入できる。限定モデルということもあって流通量が少なく時期によってはたまを見つけるのが難しい。Core i7-8700KやCore i7-8700を候補に入れるとよいだろう。もっとも発売時には4,000円以上の差があったことを考えるとほんの少しだけ割安感があるのも事実だ。コレクション的な価値を見出せる方なら購入してもよいだろう。この機会を逃すと二度と手に入らなくなる可能性もある。
Core i7-8086Kの特徴まとめ【2018年時点】
Core i7-8086Kは半歩先を行くCPUであり、Core i7-8700Kを超える性能という意味では良いCPUだ。期待ほどの伸びは無かったが、最大クロック周波数が5.0 GHzに到達したというだけで快挙というべきか、次世代に大きな期待が持てる。その試金石となるのがi7-8086Kである。
総評としては、
「予算的に選べるなら選んだほうがよい」
となる。
ただ決めかねるのは本日時点での情報の少なさとCore i7-8700Kとの性能差が小さいことだ。搭載モデルの値段が1万円上がっているのであれば、恩恵としては小さすぎる部類になる。今後システムのアップデートなども考えると、悪いことばかりではないが評価しにくいというのが本音だ。
一般的なゲーム用途では、そこまで性能差を体感できるほどではなさそうだ。高負荷を前提とした高解像度でのゲームプレイでは恩恵はあるだろう。つまり、GTX 1060搭載モデルに合わせるには効果が薄いと考えられる。GTX 1070 Tiなどグラフィックボードの性能が高くなればなるほど恩恵は大きくなる。
現状、Core i7-8700Kの性能に不満を持っている方は少ないはずだ。あるいはCore i7-8700Kと比較してCore i7-8086Kを積極的に選ぶ理由はない。それでも予算に余裕があるならば選択肢としてはありか。ラインナップの製品と限定製品をそういう視点で比べるのはおかしいのかもしれない。限定というものにプレミアム価格を支払える人なら問題はないはずだ。
当サイトの評価では限定という価値ではなく普段使用するということに着目しているため仕方がない。性能は高いが、選択するメリットをどこに置くか。何よりも性能を最優先に考えるのであるならば優れた選択肢となる。コストパフォーマンスを重視するなら最良とは言い難いか…。
アップデートで化ける可能性がある(±)
BIOS等が間に合っていないのか、全体的なスコアはi7-8700Kとほとんど変わらない。5.0 GHz駆動はなかなか難しいようだが、時間が経つに連れて本領が発揮されていくのではないだろうか。対応しきれていない現時点でも、僅かながらにリードしていることを考えれば将来性はかなり高い。
今後のアップデート次第で化ける可能性も十分にある。Core i7-8700Kや搭載モデルを選択しようとしていて、予算にもまだ余裕があるというのであれば是非選択してもらいたい。新しく登場した製品はそれだけで有利なものである。ゲーミング用途以外でも性能が高くなれば、それだけ用途の幅が広がっていく。
発売直後なので価格は割高(-)
現時点ではiCore 7-8700Kを超える性能ではあるものの、思ったほどの伸びはない。およそ52,000円で販売されていることを考えるとCore i7-8700Kより1万円高いことになる。単体はもちろん搭載ゲーミングPCも割高なのが現状だ。僅かな伸びに対して1万円を出す価値があるかは少し疑問だ。
登場間もなくは少し高めの価格設定になる傾向があるので仕方がない。その点を踏まえれば徐々に価格は落ち着くと考えられるが、限定という言葉が引っかかる。今すぐ購入するのは得策ではないだろう。これはCPUに限らずグラフィックボードでも同様のことが起こりがちだ。数ヶ月待つかCore i7-8700Kの購入を検討すると良い。
Core i7-8086Kのフレームレート一覧
Cinebench R15
Adobe Creative Cloud
Handbrake
Core i7-8086Kのベンチマーク一覧
フルHD環境×最高設定時のフレームーレートをまとめている。平均fpsを比較対象として、最小fpsは環境によって大きく変わるため参考程度にしておくとよいだろう。
Civilization Ⅵ
Grand Theft Auto V
Hitman
Core i7-8086K搭載の中古ゲーミングPC一覧
THIRDWAVE GALLERIA KT 176196(ドスパラ)
価格:52,800円(送料込)
CPU:Core i7-8086K
GPU:GeForce GTX 1080 Ti
メモリ:32GB
ストレージ:SSD 256GB
電源:非公開
コスパ:調査中
発売当時30万円近い価格がつけられていたモデルだ。今なら50,000円ちょっとで購入できる。Core i7-8086K×GeForce GTX 1080 Ti搭載のゲーミングPCだ。より新しいモデルでいえばRyzen 5 4500×GeForce RTX 3060ぐらいの性能だ。メモリ32GB・SSD 256GBと構成も悪くない。ストレージ容量が少な目なので増設や外付けストレージを用意しておくとよい。
THIRDWAVE GALLERIA KT 175670(ドスパラ)
価格:54,800円(送料込)
CPU:Core i7-8086K
GPU:GeForce GTX 1080 Ti
メモリ:16GB
ストレージ:SSD 1TB
電源:非公開
コスパ:調査中
こちらも上で紹介したモデルと同等のモデルだ。構成が少し異なりメモリ16GBと半減だが、SSD容量が4倍の1TBとなる。こちらの方が扱いやすいかもしれない。備考として天面に凹み、全体に目立つ傷があるということだ。中古品なのである程度は許容できるのではないかと思う。
Core i7-8086K搭載ゲーミングPC一覧
GALLERIA ZG (ドスパラ)
価格:259,980円
CPU:Core i7-8086K
GPU:GeForce RTX 2080
メモリ:DDR4-2666 16GB
SSD:500GB
HDD:3TB
電源:SILVERSTONE 750W PLATINUM
RTX 2080搭載のハイクラスゲーミングPCとなっている。GTX 1080 Tiを超える高いパフォーマンスを持つ一台だ。メモリ16GBで構成面も抜群。SSD 500GB、HDD 3TBのダブルストレージは魅力的だろう。ただし、今は第9世代CPUが登場するのであえて選択する必要はないかもしれない。
GALLERIA ZZ (ドスパラ)
価格:319,980円
CPU:Core i7-8086K
GPU:GeForce RTX 2080 Ti
メモリ:DDR4-2666 16GB
SSD:500GB
HDD:3TB
電源:800W TITANIUM(Enhance 静音電源)
GALLERIA ZGのグラフィックボードがRT X2080 Tiにアップグレードされた一台。価格は+60,000円と非常に高額となっている。なかなか購入を検討する方は少ないだろう。
GALLERIA ZV(ドスパラ)
価格:199,980円
CPU:Core i7-8086K
GPU:GeForce GTX 1070 Ti
メモリ:DDR4-2666 16GB
SSD:500GB
HDD:2TB
電源:650W BRONZE(CORSAIR 静音電源)
GTX 1070 Tiを搭載したゲーミングPCだ。WQHD環境までなら高いフレームレートを叩き出す。メモリ16GB、SSD 500GB、HDD 2TBと最上位のZシリーズらしく十分だ。電源ユニットには650W BRONZEを採用し申し分ない。
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