マウスコンピューターが販売する「NEXTGEAR JG-A5G60」の詳細レビューをまとめている。Ryzen 5 4500×RTX 4060搭載のミドルクラスのゲーミングPCだ。最新のRTX 4060を低価格に抑えたNEXTGEAR JG-A5G60は、これからのゲーミングPCを牽引するようなモデルとなるだろう。税込12万円台で60番台のグラフィックボードを搭載したモデルを選べるのは評価できる。
コストパフォーマンスの高さと選びやすさから注目度も高い。また、初心者にとっても選びやすいブランドであることも後押ししてくれる。マウスコンピューターの製品は、3年保証や24時間365日の電話サポート付きで充実したサポートも魅力だ。初めてのゲーミングPCにも最適なモデルと言える。予算が合う方はチェックしておいて損はないはずだ。現在2つのキャンペーン実施中でお得に購入できる。
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当ページの目次
NEXTGEAR JG-A5G60のスペック解説
ブランド名 | NEXTGEAR |
---|---|
製品名 | NEXTGEAR JG-A5G60 |
価格 | 129,800円(税込) |
CPU | Ryzen 5 4500(レビュー) |
グラボ | GeForce RTX 4060(レビュー) |
メモリ | DDR4-3200 32GB *キャンペーン中 |
ストレージ | SSD 1TB NVMe |
電源 | 750W 80PLUS BRONZE |
マザーボード | チップセットB550 |
おすすめ度 | Sランク |
評価 | ・コスパ 9.0 —–内訳—– ・コスパ(CPU・GPUメイン) 10.0 ・構成 7.0 ・品質/サポート 10.0 |
メモリ倍増キャンペーン実施中
2023年12月20日(水)11:00~2024年1月10日(水)10:59までの期間限定でメモリ倍増キャンペーンを実施中だ。通常8,000円程度の費用が掛かるカスタマイズでお得感がある。評価は大幅上昇でおすすめしやすくなった。元々もトップクラスのモデルだったが、これで独走状態に入りそうだ。
一方で、価格は変化していないため、価格を重視したモデルとの差は縮まりそうにない。性能や汎用性を重視する方にはおすすめだ。また、価格を抑えたNEXTGEARシリーズに、キャンペーンが適用されるのかという疑問は解消された。これでNEXTGEARシリーズにもセール・キャンペーンに期待ができるようになった。
コストパフォーマンスを重視したGeForce RTX 4060搭載モデルに、価格ではなく構成を変化させたのは意外だ。数年前は値引きではなく、無償アップグレードのキャンペーンが多く見られた。最近は値引きばかりのメーカーが多い中で、構成の無償アップグレードは個性が出せる。GeForce RTX 4060にメモリ32GBは不要だと考える方もいるだろう。それは間違いではないように思う。
ただ、ゲームには不要なだけで、ゲームと同時に何かを行うなら有用だ。ゲームをしながら動画を見る、他のアプリケーションを起動するなどのながら操作を行うのであれば、メモリ32GBあると安定させることができる。少しでも価格を抑えるのであれば、比較の項目にあるモデルを参考に選ぶとよいだろう。予算内であればNEXTGEAR JG-A5G60を選ぶ方が無難だ。
NEXTGEAR JG-A5G60の別モデルを紹介
NEXTGEAR JG-A5G60(スターター5点セット)
NEXTGEAR JG-A5G60にはゲーミングモニターとゲーミングデバイスがセットになったモデルもある。ゲーミングPC一式を揃えたい方はチェックしておくとよい。このスターター5点セットは+30,000円となる。ゲーミングモニター(iiyama G-MASTER GB2470HSU-5)・ゲーミングマウス(Logicool G304)・ゲーミングキーボード(Logicool G213r)・ゲーミングヘッドセット(Logicool G331)がセットだ。SSD容量が半減となっている点は注意しよう。
ゲーミングモニターおよびゲーミングデバイスを通常のカスタマイズで追加すると41,470円だ。通常のNEXTGEAR JG-A5G60が129,800円で販売されているので、トータル費用は171,270円だ。スターター5点セットのストレージを1TBにして構成を揃えると168,600円だ。つまり、2,670円だけお得ということになる。同じマウスコンピューターのG-Tuneシリーズで展開されているスターターセットよりもお得だ。不要なデバイスが一つでもあるなら標準モデルでカスタマイズをするのがよいだろう。[/box]
NEXTGEAR JG-A5G60(ホワイトカラーモデル)
通常のNEXTGEAR JG-A5G60の白色ケース採用モデルだ。価格は1万円高くなることから、コストパフォーマンスの評価は下がる。ケースのカラーが変わるだけで1万円高くなるのは素直に喜べない。ゲーミングPCに見た目も重視する方に向けたモデルで、ケースカラーを気にしない方には一切おすすめできない。
最近のゲーミングPCは白色ケースを採用するものも珍しくなくなってきた。むしろ、黒いケースばかりであることから、白色ケースへの注目度は非常に高い。せめて価格が同じであれば、好みのカラーを選択できてよかった。パソコン工房のLEVELθシリーズは、黒と白のケースが同じ価格で販売されている。
まフルカスタマイズのできるサイコムのゲーミングPCでも、少し高い程度で選択できる。1万円という大きな価格差はあまり納得できるものではない。せめて2,000円~3,000円程度なら、ポジティブに考えられたかもしれない。コストパフォーマンスの評価を下げてまで選択するものなのかは人を選ぶ。
NEXTGEARのケースデザインは非常によく、ミニタワーケースの中でもおすすめしやすい。パソコンそのものを買い替えるまで使い続ける部分だ。買い替えを行わず、パーツの買い替えだけで対応するならケースはそれなりに重要と言える。一方で、CPUやGPUを重視する方であればケースの優先度は下がるはずだ。
普段パソコンを使用する時、ケースを細かく見ることは少ない。いかに優れたケースデザインでも、所有期間が長ければ特別に感じることもなくなってくる。どこまでケースに価値を見出すことができるかで、NEXTGEAR JG-A5G60ホワイトカラーモデルの評価は変わる。長く使う、ケースデザインも重要だと考える方にのみ選んでほしい。
パソコン工房とマウスコンピューターは、元々同じユニットコム系である。パソコン工房がケースカラーで価格を変えていないため、先々NEXTGEARシリーズも価格差がなくなるかもしれない。そうなれば、NEXTGEARの評価は更に高まるはずだ。それまでは、ホワイトカラーに関しては好みの領域を出ることはない。
NEXTGEAR JG-A5G60は価格を抑えたNEXTGEARシリーズのモデルだ。同等のモデルよりも安いことを考えれば、1万円上がってもモデルとしては高くない。何を重視するかでおすすめ度は変わってくる。性能や構成は一切変わらないので、それも納得して選択してほしい。
NEXTGEAR JG-A5G60のカスタマイズについて
NEXTGEAR JG-A5G60はカスタマイズを行うことで魅力が損なわれる可能性が高い。ゲーミングPCではストレージと電源のカスタマイズ率が非常に高くなっている。しかし、NEXTGEAR JG-A5G60は標準で1TBのSSDを搭載していて、かつ電源も750Wの容量で余裕がある。この2箇所は強いこだわりでもない限り、カスタマイズをするメリットは小さい。
メモリを32GBにするにも、Ryzen 5 4500とRTX 4060では必要性がない。性能を考えれば16GB以上が求められる環境に対応しにくいことから、標準の16GBから変更しなくてもいい。ただ、好みや用途の問題でもあるので、絶対に16GBということではない。メモリ消費の激しい用途を前提としているなら32GBはありだ。
基本的にNEXTGEAR JG-A5G60はカスタマイズで構成をアップグレードさせるには適していない。どちらかと言えば光学ドライブやWi-Fiなど、周辺機器やデバイスの追加を検討することになりそうだ。NEXTGEAR JG-A5G60にはゲーミングデバイスが一式揃ったスターター5点セットモデルがあるのでチェックしておいてほしい。
各タイトルの対応表
FF15 | Apex Legends | FORTNITE |
---|---|---|
・4K ・WQHD | ・240fps ・144fps | ・240fps ・144fps |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
NEXTGEAR JG-A5G60はRyzen 5 4500とRTX 4060を搭載したミドルクラスのゲーミングPCだ。CPU性能は低いため、CPUの要求スペックが高いゲームでは少し設定を下げる必要はある。しかしながら、GPU性能は高く、最新のゲームでも快適にプレイできるだけの性能はある。Apex Legendsやフォートナイト程度であれば、240Hz環境にも対応できる。WQHD解像度まではまずまず対応できるため、FF15のようなMMORPGもプレイしやすい。
NEXTGEAR JG-A5G60の性能まとめ
ゲーミングPCは、CPUやグラフィックボードなどのパーツの集合体だ。ゲーミングPCの性能を決める重要な部分はCPUとグラフィックボードの性能だ。この2つのスペックをより詳しく見ていく。
ゲーミングPCの性能を知るためには、CPUとグラフィックボードの性能を理解する必要がある。数値やグラフで確認することで、パソコンに慣れていない方にとってもわかりやすいはずだ。
AMD Ryzen 5 4500(CPU)
Core i7-13700 | |
Ryzen 7 7700X | |
Ryzen 7 7700 | |
Ryzen 5 7600X | |
Ryzen 5 7600 | |
Core i5-13400 | |
Ryzen 7 5700X | |
Core i5-12400 | |
Ryzen 5 5600X | |
Ryzen 5 5600 | |
Ryzen 7 3700X | |
Core i3-13100 | |
Core i3-12100 | |
Ryzen 5 5500 | |
Ryzen 5 3600 | |
Ryzen 5 4500 | |
Ryzen 5 3500 | |
Ryzen 3 4100 |
Ryzen 5 4500は、前世代のRyzen 5 3500と同じZen 2アーキテクチャを採用したCPUだ。コア数が6コア6スレッドから6コア12スレッドへと強化されている。従来モデルよりもゲームへの対応力は高くなった一方で、対抗のCore i5-13400とは30%以上の差がある。その分だけ価格は安くなっており、RTX 4060となら価格面で強みを引き出せる。ゲーム以外の用途でも高望みしなければ十分対応できる。処理性能よりも価格を重視したCPUだ。この特性を理解して選べば後悔することはないはずだ。
GeForce RTX 4060(GPU)
RTX 4070 | |
RX 6800 | |
RTX 3070 Ti | |
RTX 3070 | |
RTX 4060 Ti | |
RTX 2080 Ti | |
RX 6700 XT | |
RTX 3060 Ti | |
RX 7600 XT | |
RTX 4060 | |
RX 7600 | |
RX 6650 XT | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 | |
RTX 2060 SUPER | |
RTX 2060 | |
GTX 1660 SUPER |
GeForce RTX 4060は、2023年6月29日に発売された最新のグラフィックボードだ。RTX 30シリーズで最も選ばれたと言っても過言ではないRTX 3060の後継機だ。性能はRTX 3060とRTX 3060 Tiの中間程度で、従来よりもしっかりと性能を伸ばしている。RTX 3060と比べて20%ほど性能が高く、その数値以上にWQHD環境への対応力が向上している。
高解像度でのゲームがプレイしやすくなり、ミドルクラスの新たな可能性を感じさせている。その一方で、思ったよりも性能が伸びていないという見方もあり、いまひとつ評価は高くないように感じる。しかし、RTX 3050と同等の消費電力によりワットパフォーマンスに優れており、価格が下がれば一気に人気が爆発してもおかしくないグラフィックボードだ。
NEXTGEAR JG-A5G60の特徴
RTX 4060搭載最安値クラスのゲーミングPC
NEXTGEAR JG-A5G60の強みは、税込129,800円という抑えられた価格にある。RTX 4060搭載モデルとして最安値クラスだ。RTX 4060はRTX 3060の後継機として登場し、RTX 3060とRTX 3060 Tiの中間程度の性能を有している。性能面で言えばRTX 3060の上位互換と言える。そんなRTX 4060を搭載したモデルが、従来のRTX 3060搭載モデルよりも安価に展開されている。
2023年5月に登場したGPUがこれだけの短期間で価格を落とすのは珍しい。従来モデルに価格が追いつくことはあっても、それよりも安くなることはほとんどないはずだ。Ryzen 5 4500とRTX 3060の最安値は、一般向けモデルの134,980円だ。セールモデルやキャンペーンでもう少し安いモデルはあったかもしれない。少なくとも、通常モデルでは13万円台が最安値だった。
NEXTGEAR JG-A5G60はゲーミングPCでありながら、従来の一般モデルを超える低価格を実現している。RTX 4060搭載で12万円台なら、CPU性能がやや低めというデメリットには目をつむることができるだろう。むしろ、12万円台にまで抑えられているなら、Ryzen 5 4500を搭載していることがメリットと言える。
構成を削ってRTX 4060搭載最安値クラスのゲーミングPCとなっているわけではない。ゲーミングPCとして最低限の構成を維持しているのが特徴だ。一般向けモデルと異なりチップセットにはA520ではなくB550を採用している。構成をゲーミングPCの水準に合わせながら、低価格を実現していることがNEXTGEAR JG-A5G60の評価を高めている。
選びやすさを重視した一台
NEXTGEAR JG-A5G60はとにかく選びやすいゲーミングPCとなっている。まずは税込129,800円とRTX 4060搭載モデルとして価格が抑えられていることが挙げられる。当然低価格は選びやすさに直結する。送料が無料なのも地味に嬉しい。当サイトのおすすめランキングをみても税込15万円前後のモデルが売れ筋だと判断できるだろう。これは各BTOメーカーの人気ランキングを見ても同様の傾向が見られるはずだ。
価格以外にも選びやすい要素がある。その一つがケースデザインだ。対抗となる多くのモデルは一般向けPCであり、ゲーミングPCと比べてケースデザインはシンプルなものだ。黒い箱と揶揄される見た目は、ゲーマーにはあまり好まれていないように感じる。その点で、NEXTGEAR JG-A5G60は登場したばかりのシリーズで、今風のゲーミングPCのケースとなっている。標準でサイドクリアパネルを採用し、LEDの見栄えもよくできる設計だ。
もう一つ、NEXTGEAR JG-A5G60を含む多くのマウスコンピューター製モデルの基本保証が3年間と長くなっていることだ。これはパソコンに慣れていない方にとっては安心材料になるだろう。ほぼ全てのショップが1年保証を基本としていることから、しっかりと差別化を図れている。低価格でかつ見た目がよいことに加えて、保証もサポートもしっかりしているのが特徴だ。まさに選びやすさに特化したモデルだと言える。
価格は購入時だけのもので、購入後は保証やサポートが重要になってくる。両立している製品はNEXTGEARシリーズだけだろう。シリーズを通して選びやすくなっている。同じマウスコンピューター製品でも、G-Tuneシリーズとは一線を画している。あちらは価格が異常に高く設定されているのでおすすめしにくい。これからのマウスコンピューターのゲーミングPCは、NEXTGEARシリーズが中心になっていくことを確信できる仕上がりだ。
競合モデルとの比較
ブランド | NEXTGEAR | LEVELθ |
---|---|---|
イメージ | ||
製品名 | NEXTGEAR JG-A5G60 | LEVEL-M7P5-R45-SLX |
ケース | ミニ | ミニ |
納期 | 最短翌営業日 | 2-7営業日 |
価格 | 129,800円(税込) | 117,800円(税込) |
送料 | 無料 | 2,200円(会員無料) |
CPU | Ryzen 5 4500 | Ryzen 5 4500 |
GPU | RTX 4060 | RTX 4060 |
メモリ | DDR4-3200 32GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | NVMe 1TB | NVMe 500GB |
電源 | 750W BRONZE | 650W BRONZE |
マザボ | B550 | B550 |
基本保証 | 3年間 | 1年間 |
電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
価格を抑えつつ、構成が充実している。特に、メモリ32GBへアップグレードしている現在は、価格差を補ってあまりある強みだ。保証も標準で3年間と長く、初心者の方にも選びやすい。どちらも優れた特徴を持っているため、好みや重要視する箇所で選ぶくらいでよさそうだ。
NEXTGEAR JG-A5G60は、LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEと比べて1万円では届かないような構成がある。LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEはGeForce RTX 4060搭載最安値クラスの価格だ。構成を重視するならNEXTGEAR JG-A5G60、価格重視ならLEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEを選べばよさそうだ。ケースカラーは黒もあるので、見た目の好みを選べるのもLEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEの強みである。
パソコンケースレビュー
カスタマイズで赤色LEDケースファンを選択している。
梱包
非常にシンプルだ。説明書と電源ケーブルがついている。
かなりきれいに梱包されている。
正面
NEXTGEARを表したピンクのNGというデザインロゴが黒いケースに映える。2世代前のNEXTGEAR-Microを彷彿とさせる強力なフロントファンが、エアフローの強さを感じさせる。確認しづらいが、フロントファンは3連ファンとなっており、吸気性能は非常に高いことがわかる。右下には小さくNEXTGEARのロゴも見える。シンプルでありながら、ゲーミングPCとしての存在感のある重厚でスタイリッシュなデザインに仕上がっている。
ライトアップ
カスタマイズで変更可能な赤色LEDファンをライトアップ。カスタマイズなしはLEDファン非搭載なので注意。ゲーミングPCらしい派手なライトアップはガラスサイドパネル採用ケースには映える。従来のケースと異なり、サイドパネルを変更した上でLEDファンへ変更ではない。標準でガラスサイドパネル採用のケースである。単にLEDファンに変更するだけなので、コストも抑えられており、デザインを意識した選択がしやすくなっている。
I/Oパネル
I/Oパネルは最近のゲーミングPCに多い天板に搭載されている。USB 3.0が2つにイヤホン・マイクの入出力端子が1つのオーソドックスなものだ。一般的にUSBの接続端子が黒色はUSB 2.0を指すが、NEXTGEARのケースでは黒色でも3.0となっている。背面の黒色は2.0、青色は3.0となっているので少しややこしく感じる。天板部に黒色のUSB 3.0を採用したのはデザインを重視してのことだろう。
イヤホンマイクの入力端子にしても、I/Oパネルがケース全体の雰囲気を損なわない工夫だ。電源スイッチが黒く四角いタイプであることもケースデザインやカラーの基調に合わせたものだ。小さなところかもしれないが、こういった工夫がゲーミングPCのデザインと言える。
また、天板部には取り外し可能な防塵フィルターが装着されている。天板にも2基のファンがあり、吸気の強さを感じさせる。その分だけ埃の吸入も多くなるので、防塵フィルターの存在はありがたいものだ。パソコン内部に埃がたまりにくくなれば、それだけ長く使い続けることができる。本当によく考えられたケースであり、NEXTGEAR-Microの正当な後継機と言えそうだ。
右側
NEXTGEARのケースの右側はエアホールのないカバーのみとなっている。左側がガラスサイドパネルであることを考えると、空気の出入りは左右から行われない構造である。吸気が強いことで、空気が横に流れずに正しいエアフローを構築するような形だ。フロント3基、天板2基のファンのよさを損なわないカバーである。
右側内部
右側パネルの中は背面通しが可能なケーブルマネジメント機構となっている。ボトムカバーと合わせて、ケーブルを見せずにすっきりさせる形状となっている。また、2つの2.5インチシャドウベイも右側パネルの中にある。SATA SSDを搭載する際は、ここに固定することで表からはSATAケーブルのみ見える形になる。すっきりするだけでなく、接続しにくい電源ケーブルに近いことでセットアップが容易になる。
搭載されているファンが多いことで、少しケーブルがごちゃごちゃして見えるかもしれない。しかし、表からは見えないようにすっきりさせるというポイントはしっかり抑えられている。意外とこういった形状は管理がしやすく、ケーブルの破損も少ないので合理的なものだ。
左側内部
ガラスサイドパネルを外しての撮影だ。これだけすっきりしていると、ガラスサイドパネルを外さなくてもパソコン内部を確認できる。できるだけケーブルを見せないことで、各パーツの視認性が上がり、取り外しも非常に容易になる。3.5インチベイを採用しないことで、フロント部の余分なスペースを上手く利用できている。ファンを搭載し、3.5インチベイや2.5インチベイにエアフローを阻害されることがない。
ボトムカバーを採用しており、電源周辺のケーブルもうまく見えなくしている。また、デザインの重さを下部に集中させ、3.5インチベイや2.5インチベイを廃止したことで、上部まで広くすっきりして見える。スペースを広く確保しつつ、ボトムカバーで底上げをすることで、ケーブルに光が吸収されにくく、しっかりとLEDが反射しやすくなる。単にLEDファンを設定できるだけではない。LEDファンを搭載することを前提としているからこそできたケース内部だ。最近のデザイン偏重のケースにも負けないスタイリッシュな内部だ。水冷クーラーのラジエーターも設置できることから、実用性の高さもうかがい知れる。
背面
背面ははっきり言ってデザインを台無しにしやすい。ケース全体が黒なのに背面は銀色というのはよくある。ケースのしっかり合わせたカラーと形状をしており、評価を高めている。剛堅さを感じさせるフォルムに、使い勝手のよさを思わせる構造がある。
気になったのは背面ファンの取り付け位置だ。可変式の固定具があり、位置やサイズをあまり気にせず取り付けられそうだ。天板にファンを搭載しているケースにはよくあることだが、14cmファンなどの大きなタイプは干渉して取り付けられないことがある。それを考えてか、取り付け位置を上下に調整できるようになっている。これは天板のファンを交換することがあると恩恵を受けられる。大型、特殊なファンや機構を天板に取り付けると、設置できる背面ファンが限定されてしまいがちだ。それを防ぎ、幅を広げられている。デザインや機能を活かす機構が備わっているのは素晴らしい。
もう一つの注目点はPCIEカバーの留め具というのだろうか。スロットカバーを固定する箇所だ。内部にネジで固定するのではなく、外部の留め具に固定することで取り外しがしやすくなる。その留め具部分がしっかりケースと一体化しているのに驚く。実用的にもデザイン的にも軽視されやすい箇所を、しっかりとデザインの一部にしている。こほど完成度の高い背面は見たことがない。間違いなくNEXTGEARのケースは歴代のマウスコンピューター製品で最高峰の傑作である。
底
底面はマウスコンピューターの得意分野であると言える。おなじみのマグネット付きの防塵フィルターで、埃の吸引を抑えている。底面に関して少しても衝撃はあった。それは、底面の吸気箇所が完全に電源に集約されていることだ。G-Tuneのミニタワーは底面全体にエアホールがあり、全体を覆う防塵フィルターを採用していた。それをNEXTGEARでは実用性に完全に割り振っている。フロント3基、天板2基の吸気ファンは底面にも影響を与えていたのだ。
電源部分にのみ吸気口を用意しており、防塵フィルターもその部分だけにしている。これは完全に電源のためのスペースとして準備されている。電源の冷却と防塵のみを考えており、電源のパフォーマンスを安定させる構造だと言える。それはケース底面四隅の足を見てもわかる。一般的なパソコンやゲーミングPCはあまり高くないゴム足が採用されている。
そのため、底面はメンテナンスがしにくく、埃もたまりやすい環境になる。当然埃の吸入も多くなり、電源へのダメージは大きい。これだけの高さのあるNEXTGEARなら、電源は安定した吸気が可能となる。さらに、防塵フィルターの存在で電源へのダメージは軽微になるはずだ。ただ、防塵フィルターは定期的に水洗いして乾かすなどのメンテナンスが必要になる。
管理人による総評(NEXTGEAR JG-A5G60)
NEXTGEAR JG-A5G60は、Ryzen 5 4500×GeForce RTX 4060搭載のミドルクラスのゲーミングPCである。キャンペーン中はメモリ容量32GBへ増量される。評価は大幅アップだ。GeForce RTX 4060搭載でしっかり価格を抑えており、ミドルクラスとしても非常に選びやすいモデルだ。ここ最近では見られなかった12万円台のミドルクラスがこのタイミングで登場した。このまま行けば12万円さえ切ってしまうのではないかと思ってしまうモデルだ。マウスコンピューターの展開するG-Tuneブランドでは見られなかった価格設定だ。NEXTGEARブランドは、選びやすさに特化していた頃のマウスコンピューターのゲーミングPCを彷彿とさせる。
Ryzen 5 4500の性能はお世辞にも高いとは言えない。ゲーム以外の用途では快適性を得るのが難しいCPUである。それでも、RTX 4060に対して足を引っ張るほどではない。注意したいのはCPUの要求スペックの高いゲームだ。最新のゲームは高性能なCPUが必要になることがある。RTX 4060の性能では高設定に対応できても、Ryzen 5 4500では標準設定以下にしなければならない。そんなこともあるので、あまり最新のゲームを得意としているわけではない。ゲームジャンルにもよるところなので、ゲームの設定を細かく調整して対応したい。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
129,800円(税込) | 5 4500 | RTX4060 |
メモリ | SSD | HDD |
DDR4 32GB | 1TB | 非搭載 |