パソコン工房が販売する「LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITE」のレビューを行った。2023年12月に登場したばかりの最新モデルだ。白色のケースデザインがかっこいい。CPUに低価格のRyzen 5 4500を採用することで価格が抑えられていて、ミドルクラスのGeForce RTX 4060搭載モデルのよさをうまく引き出せている。エントリークラスとしても優秀だ。
ゲーミングPCとして選びやすく、誰にでもおすすめできる完成度の高さが魅力だ。構成を大きく削るようなコストカットは行われていないのもポイントと言える。パソコン工房が新しく展開するLEVELθ(シータ)シリーズのラインナップの中で、最も人気を集めそうなモデルの一つだ。登場時点で高い評価を得ているだけに、これからの展開に期待したい。
当ページの目次
LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEのスペック解説
ブランド名 | LEVELθ |
---|---|
製品名 | LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITE |
価格 | 124,800円(税込) |
CPU | Ryzen 5 4500(レビュー) |
GPU | GeForce RTX 4060(レビュー) |
メモリ | DDR4-3200 16GB |
SSD | NVMe 500GB |
電源 | 650W BRONZE |
マザーボード | チップセットB550 |
おすすめ度 | Aランク |
評価 | ・コスパ 7.4 —–内訳—– ・コスパ(CPU・GPUメイン) 7.3 ・構成 6.5 ・品質/サポート 8.5 |
LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEは、5,000円の値上げが適用された。登場間もないLEVELθブランドでも価格調整が行われることがわかったのは収穫だ。値上げで評価は下がったが、元々が破格とも言える価格設定なので、そこまで大きなマイナスとはならない。選びやすいミドルクラスのゲーミングPCである。
LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEは価格を抑えつつ、グラフィックボードの性能を重視したようなモデルだ。本格的なゲーム環境を構築したり、最新のゲームを幅広くプレイしたりすることは苦手だ。初心者や初めてのゲーミングPCにおすすめなエントリークラスとして見たい。高望みしなければ価格以上のパフォーマンスに満足できるはずだ。
LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEに高いパフォーマンスを期待するとがっかりしてしまうだろう。控えめなCPU性能、標準的なグラフィックボードの性能は、ミドルクラスでも低い方だ。価格を考えれば十分なものでも、ゲームへの対応力は限定されがちだ。基本無料のゲームは比較的負荷が軽いため、そういったジャンルのゲームをプレイする方向けだろう。
海外のシングルゲームや最新のゲームをプレイするには心もとない。全く対応できないわけではないが、快適とは言いにくい。現在GTX 1660 SUPERの取り扱いが終了し始めている。徐々にGeForce RTX 3050搭載モデルへ移行し、価格を引き継ぎGeForce RTX 4060の対抗製品になっている。
5,000円の値上げはGeForce RTX 3050との差を広げてしまうことが懸念される。低価格が魅力のGeForce RTX 4060搭載モデルも万全とは言えなくなった。エントリークラスの座は、当面GeForce RTX 3050と争うことになるだろう。
予算に余裕があるならGeForce RTX 4060を搭載したLEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEをおすすめしたい。グラフィックボードの性能はゲームに最も影響を与える。少しでも安定を目指すなら、GeForce RTX 4060を搭載していることは心強くもあるはずだ。
ここから大きな値上げがない限りは、LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEの立ち位置は盤石だ。少しでも値上げがあれば、立場を追われる可能性もある。選択する際は比較対象のモデルもチェックしたい。GeForce RTX 3050やGeForce RTX 4060 Ti搭載モデルのように、上下のモデルも要チェックだ。
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各タイトルの対応表
Apex Legends | FORTNITE | パルワールド |
---|---|---|
・240fps ・144fps | ・240fps ・144fps | ・144fps ・60fps |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEはRyzen 5 4500とRTX 4060を搭載したミドルクラスのゲーミングPCだ。Apex Legendsやフォートナイトを高リフレッシュレートでプレイすることができる。人気のパルワールドもある程度快適にプレイできる。最高設定や高リフレッシュレートはやや苦手で、60fpsの安定も少しむずかしい場面がある。負荷は感じても、最新のゲームをプレイできるだけの性能がある。
LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEの性能まとめ
ゲーミングPCは、CPUやグラフィックボードなどのパーツの集合体である。ゲームに重要なCPUとグラフィックボードに焦点をあてて解説していく。あまりパソコンに慣れていない方は、スペックを見て性能をイメージすることは難しいはずだ。グラフとスコアで見ることで、直感的に理解しやすいと考えている。
Ryzen 5 4500(CPU)
LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEに搭載されているCPUは、Zen 2アーキテクチャ採用のRyzen 5 4500だ。型番こそ次世代モデルになっているが、アーキテクチャ自体は従来モデルのRyzen 5 3500と変わらない。ゲーミング性能は7%程度の向上にとどまっている。L3キャッシュ容量が半減となったことで思ったほど性能が伸びていない。
ゲーミングPCに採用されるCPUとしては現行で最も性能の低いモデルだ。ゲームプレイにおいては、フレームレートが安定しにくい場面がある。それでも、GeForce RTX 4060との組み合わせでは、それほど深刻ではない。ミドルクラスとしては必要最低限と言える性能だ。なお、ハイパースレッディングに対応したことでマルチコア性能は向上している。簡単な動画編集などであれば問題なく対応できるが、Ryzen 5 5600XやRyzen 5 5600などZen 3アーキテクチャ採用モデルとの性能差は大きい。
GeForce RTX 4060(GPU)
GeForce RTX 4060は、Ada Lovelace世代のミドルクラスのグラフィックボードだ。価格と性能のバランスに優れ、非常に人気がある。一世代前のGeForce RTX 3060とGeForce RTX 3060 Tiの中間に近い性能を有している。価格がGeForce RTX 3060に近づいたことで、選びやすく扱いやすい性能が持ち味となった。Ryzen 5 4500との組み合わせでもパフォーマンスを発揮できる。
LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEのよさにつながっている。多くのゲームを快適にプレイできるため、エントリークラスとしても人気がある。設定次第では最新のゲームも144Hz環境でプレイ可能だ。フルHDを基本としているなら、GeForce RTX 4060は頼もしい性能である。WQHDや4Kはそれほど得意ではない。ゲームによってはWQHD環境を構築できる程度だ。60番台はどの世代でも最も選ばれるグラフィックボードだ。ゲーミングPCではRTX 4060を基準に考えるゲーマーも多いほど支持されている。
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LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEの特徴&注意点
LEVELθブランドの最有力モデルの一つ
LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEは、2023年12月にパソコン工房の新たなゲーミングシリーズ「LEVELθ」として登場したモデルだ。店頭販売は行われないWEB限定モデルでコストパフォーマンスを追求したシリーズとなっている。コンセプト的にはマウスコンピューターのNEXTGEARシリーズに似ており、価格が抑えられているのが特徴である。これまではやや迷走気味だったパソコン工房もしっかりと方向性を定めたと言えるだろう。
LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEは、LEVELθを代表するモデルになるはずだ。11万円台のRTX 4060搭載モデルは、ゲーミングPCではあまり見られない。一部の限定セールモデルか、一般向けのビジネスモデルにあるくらいだ。本格的なゲーミングPCの通常ラインナップでは非常に珍しい。通常のラインナップでありながら、限定セールモデル並の価格設定を実現している。
コストパフォーマンスを意識する方にとっては有用なモデルだ。ゲーミングPCは15万円前後が最も選ばれているが、一つ下の価格帯である10万円前後で探す方も多い。11万円台なら予算が10万円だったとしても、何とか手を伸ばせる価格設定だ。12万円以下のモデルでLEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEより優れたモデルはない。最近のゲーミングPCは価格が高くなりがちで、一部のメーカーでは値上げを繰り返して見せかけのキャンペーンでお得さを演出するところもある。
そういった悪しき流れを払拭するかのように、ユーザーに求められる、優れたコストパフォーマンスを持つシリーズとして期待している。見栄えのよさからも、選びやすいシリーズになるはずだ。新たに強力なモデルが登場したことを素直に喜びたい。こういったモデルの登場で、ゲーミングPC市場が活気づくことに期待している。
性能は標準的で構成は最低限
LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEは性能は標準的で構成は最低限に留まる。もちろんこれ自体がデメリットというわけではない。LEVELθシリーズはCPUがRyzen 5 4500かCore i5-13400Fに固定されている。グラフィックボードも上限がGeForce RTX 4070 Tiとなっている。これはCPUに合わせた結果だろう。Ryzen 5 4500とRTX 4060でバランスは取れている。
ミドルクラス程度ならこれもマイナス要素とは言えない。目立った弱点を持たないことがLEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEを代表的なモデルに押し上げる要素だ。ここから変化がなかったとしても、常に優秀な選択肢となってくれるだろう。メモリとSSDの容量も固定だ。今後変化することはあるかもしれないが、最低限の性能と構成を意識したモデルが中心だ。
EVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEは特に優れた構成を持っているわけではない。LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEではメモリDDR4-3200 16GB、SSD 500GB NVMe、チップセットB550採用で平凡だ。ケースの見た目とは裏腹に、シンプルな構成である。必要な箇所はカスタマイズや増設で対応するということだろう。LEVELθシリーズはあくまでも、ゲーミングPCのベースに留めている。
Lこれが選びやすさに繋がっている。ケースの完成度は非常に高く、長く使用しても飽きのこないデザインは素晴らしい。天板2基・背面1基のケースファンはLEDで光る。カラーは白色ケースなら青色、黒色ケースなら赤色に光る。変更はできないようなので注意しよう。コストを抑えている割に、ケースのよさがポイントになりそうだ。
必要性はともかく240mmの水冷クーラーを搭載できるなど内部スペースにはミニタワーとは思えないほどの自由度がある。ただし、カスタマイズ項目は少なく、あまり変更することはできない。増設であればユーザーの発想やアイデアを素直に取り入れられる。構成が最低限であることは案外デメリットにならなさそうだ。
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競合モデルとの比較
ブランド名 | LEVELθ | NEXTGEAR |
---|---|---|
イメージ | ||
製品名 | LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITE | NEXTGEAR JG-A5G60 |
ケース | ミニ | ミニ |
価格 | 124,800円 | 129,800円 |
送料 | 2,200円(会員無料) | 無料 |
CPU | Ryzen 5 4500 | Ryzen 5 4500 |
GPU | RTX 4060 | RTX 4060 |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | NVMe 500GB | NVMe 1TB |
電源 | 650W BRONZE | 750W BRONZE |
マザーボード | B550 | B550 |
納期 | 2-7日 | 4営業日 (即納オプションあり) |
標準保証 (延長保証) | 1年間 (4年間) | 3年間 (-) |
電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEのストレージを1TBへ変更するには8,000円かかる。5,000円でストレージ容量倍増、保証期間3倍と考えればお得だ。LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEは値上げで苦しくなった。10,000円安ければ構成や保証の差はあっても、価格の安さを武器にできた。5,000円に詰まった今となっては、NEXTGEAR JG-A5G60のほうが魅力的に見える。エントリークラスの定番として、NEXTGEAR JG-A5G60と競い合っているが、リードを許す形となった。
パソコンケースレビュー
LEVELθは2023年12月7日に登場した新しいシリーズだ。ミニタワーケースを採用しており、ゲーミングPCらしいデザインが特徴だ。最大240mmの水冷クーラーも搭載可能で、拡張性にも優れたケースである。画像はLEVEL-M1P5-R45-NAX-WHITEのものだ。実機は画像のものとは異なる点に留意して欲しい。
梱包
発泡スチロールで固定されて届けられる。ダンボールにぴったりと収まっていて隙間はない。輸送中の故障リスクはかなり軽減されているはずだ。
届いたら付属品も確認しておこう。今回は先着順のデジタル時計が付属となっていた。
正面
これまでのLEVEL∞シリーズを踏襲したような、真ん中にLEVELθのロゴがあるシンプルなデザインだ。下部にThermaltakeのロゴがあるように、Thermaltake製のS100 TGシリーズをベースとしている。白色に溶け込むような目立たないロゴが、ケースのよさを引き出しているように見える。
左側面
左側面は中身を全て確認できる大きなガラスパネルを採用している。LEDファンとの相性もよく、5割程度がガラスパネルのケースと違って見栄えがよい。白色ケースではLEDファンは青色発光になる。光を反射する白色によく合うカラーだ。
左側面カバー
左側面はスウィングドアになっており、簡単に開閉ができる。増設などで内部を触る機会が多い方にとっては、有用な開閉システムと言える。一方で、スライド方式と違い、カバーを開くスペースが必要になる。PCワゴンのようなところに設置すると、開閉に一手間あるかもしれない。設置場所に少し気を遣う必要があるのはデメリットとなるかもしれない。
右側面
右側面にはとくに何もない。フロント側にエアホールがあるくらいだ。
天板
本体上部の天板には2基のLEDファンと防塵フィルターがある。フロントファンは増設できるが、主なエアフローはこの天板部分のファンから行う。少し特殊な構造ながら、冷却性能の評価は高い。I/Oパネルも天板部分に設置されている。天板のほとんどはフィルターに覆われていることからわかるように、比較的大きめのファンも取り付けられそうだ。
I/Oパネル
天板のI/Oパネルには、電源・リセットボタン・USB3.0 x1・USB 2.0 x2・イヤホンマイクの入出力端子がある。構成は標準的だ。気になるのはフロント部分に横一列に設置されているところだ。パソコンの設置場所によっては少し邪魔になるかもしれない。とくに、上部にスペースのない場所では、USBを接続することが難しくなる。ケース正面はすっきりするが、利便性は少し落ちるかもしれない。
背面
LEVELθの白色ケースの魅力は、この背面部分も白に統一されている点だ。多くの白色ケースは、普通に設置すると見えない背面部分の色が黒や銀色である。しっかりと白く塗装されているのは評価したい。排気ファンのあるメッシュ部分も白く、PCIeスロットカバーも白い。背面I/Oパネルと電源部分は搭載するマザーボードと電源の色となる。背面I/Oパネルは銀色、電源は黒になりやすい。それを差し引いても、背面全体が白色に統一されているのは素晴らしい。
底面
本体底面はよくある構造だ。電源部分は天板と同じハニカム構造に防塵フィルターだ。四隅の足に滑り止めがついているので、設置面を気にしなくていい。基本に忠実といったところだろうか。
管理人による総評(LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITE)
LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITEは、Ryzen 5 4500×RTX 4060を搭載したゲーミングPCだ。パソコン工房の新シリーズLEVELθのラインナップの中でも特にコストパフォーマンスに優れたモデルだ。フルHD環境でのゲームプレイを考えているゲーマーは要チェックだ。白色のケースデザインも魅力の一つと言える。
最近のゲーミングPCは似たような構成・価格ばかりでやや面白みに欠けていた。パソコン工房の製品に至っては、方向性のわからないモデルも多く、影が薄くなっていたように思う。代わり映えのないゲーミングPC市場に一石を投じる。まさにそんなシリーズの急先鋒を務めるモデルである。価格が安く、扱いやすい性能は初心者から上級者までおすすめできる。
何より価格の安さに関してはトップクラスであり、これまで一部の限定モデルやビジネスモデルでしか実現できなかった価格帯で展開している。RTX 4060最強モデルと言っても過言ではないかもしれない。それほどのインパクトを残し、かつ実用性の高いモデルである。5,000円の値上げで評価を落としている。今は比較対象モデルも合わせて確認しておこう。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
124,800円(税込) | Ryzen 5 4500 | RTX4060 |
メモリ | SSD | HDD |
DDR4 16GB | 500GB | 非搭載 |