gtx1660zotac画像引用元:https://www.zotac.com/jp/

当記事では、Geforce GTX 1660のスペック&性能ベンチマークを比較検証している。新しいTU116 GPU搭載のGTX 1660 Tiがリリースされてからそれほど期間を空けずすぐにローコストの派生モデルが登場となった。価格的にも性能的にもGTX 1060 6GBの実質後継モデルはこのGTX 1660だろう。価格は20%ダウンで性能は15%アップと魅力的だ。

GeForce GTX 1660は、Turingアーキテクチャの特徴であるRTコア及びTensorコアをなくしたという点で上位モデルであるGTX 1660 Tiと似ている。ある意味非常に扱いやすいグラフィックボードだと言える。その後GTX 1660の後継モデルであるGTX 1660 SUPERが登場して存在感がなくなってしまった。

その後2021年5月頃からグラフィックボードの供給不足の影響でGTX 1660 SUPERの入手が困難になり代わりにGTX 1660搭載モデルが復活していた。2024年3月時点ではGTX 1660搭載モデルは完全に消滅した。GeForce GTX 16シリーズ自体購入できなくなっている。

GeForce GTX 1660の基本情報

アーキテクチャTuring
プロセス12nm
CUDAコア1408
ベースクロック1530 MHz
ブーストクロック1785 MHz
GPUメモリ6GB GDDR5
TDP120W
MSRP$219
中古価格12,980円~
発売日2019年3月14日
特徴 (+) フルHD環境に最適な高コスパモデル
(+) Turing世代では安価で手を出しやすい
(-) GTX 1060 6GBとの性能差は妥当なものに落ち着く
(-) GTX 1660 SUPERの登場で搭載BTOパソコンは減少
評価5.5

GeForce GTX 1660の概要

ゲーム性能

gtx1660gamescore

GeForce GTX 1660は、Pascal世代のGTX 1060 6GBよりも20%程度高いゲーミング性能を持っている。GTX 1060 6GBモデルより人気のあったGTX 1060 3GBと比べるとパフォーマンスは25%も高い。競合であるRadeon RX 590よりも性能が高いのも魅力的だ。上位モデルであるRTX 2060やGTX 1660 Tiではオーバースペックに感じてしまうユーザーにおすすめだ。

その後リリースされたGTX 1660 SUPERになるとGTX 1660よりも高い性能を得られる。価格も$10高いだけでGTX 1660 Tiに近い性能が手に入るということで評価されている。次世代モデルのRTX 3060になると同じ60番台でも一気にパフォーマンスが高くなる。Ampere世代のエントリークラスであるRTX 3050と比べるとおよそ8%程度パフォーマンスが劣る。

GTX 1660の2024年時点での評価はロークラスの性能を持つに留まる。RTX 3050ではレイトレーシング・DLSSも搭載されていてより魅力が増している。Ampere世代の60番台であるRTX 3060になると一気に38%程度性能が高くなるのだから驚きだ。GTX 1660も初めはミドルクラス相当の性能を持っていたが、時が経ちローエンドクラス相当ということになる。

基本スペック

GTX 1660GTX 1660 TiGTX 1060
コードネームTuringTuringPascal
プロセス12nm12nm16nm
GPUTU116TU116GP106
トランジスタ数66億66億44億
ダイサイズ284m㎡284m㎡200m㎡
SM数222410
CUDAコア数1408基1536基1280基
ベースクロック1530MHz1500MHz1506MHz
ブーストクロック1785MHz1770MHz1708MHz
GPUメモリ6GB GDDR56GB GDDR66GB GDDR5
メモリクロック8 Gbps12 Gbps8 Gbps
メモリバス192 bit192 bit192 bit
帯域幅192.1 GB/s288.0 GB/s192.2 GB/s
TDP120W120W120W
価格$219$279$249
価格12,990円*14,990円*7,980円*
発売日2019/03/142019/02/222016/06/10

GTX 1660は、GTX 1660 Tiのスペックを落としたモデルだ。プロセスは12nm・ダイサイズは284m㎡・トランジスタ数は66億と全て共通となっている。GPUはいずれのモデルでも同じTU116を採用している。このTU116にはフルスペックで24つのストリーミングプロセッサが搭載されている。

各ストリーミングプロセッサに64つのコアがあり最大1536のCUDAコア(24×64)があるということだ。GTX 1660では24個のSMsの内2つが無効化されているため合計1408の有効なCUDAコアを搭載(22×64)しているということになる。GTX 1660でもGTX 1660 Tiと同様にRTコア及びTensorコアは非搭載となっている。

クロック周波数については、GTX 1660の方がわずかかに高い。ベースクロックは2%、ブーストクロックは1%程度引き上げられている。メモリについてはGTX 1660 TiのGDDR6に対してGTX 1660ではGDDR5を採用している。メモリクロックもGTX 1660 Tiよりも50%低い。メモリ周りで差別化が行われているということだ。GPUメモリ容量は同じ6GBとなっている。メモリバスは192 bitで共通だが、帯域幅がGTX 1660では68%程度に抑えられている形だ。消費電力は同じ120Wだ。価格差は$60となっている。

前世代のGTX 1060 6GBと比較していこう。当然世代が変わっているためコードネーム、プロセスに違いがある。プロセスが16nm→12nmへと縮小されたことでトランジスタ数を効率よく増やすことができた。結果的に性能アップに貢献している。CUDAコア数は10%アップ、クロック周波数も2%-5%ほど引き上げられている。GPUメモリ及びメモリ帯域幅に違いはない。それでも価格が$20下げられているためユーザーからすると魅力的だろう。

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GeForce GTX 1660の中古価格【2024年】

製品名ゲーム性能VRAMTDP価格コスパ
RTX 2060 SUPER19,9898GB175W24,9800.800
RTX 206018,1506GB160W23,9800.757
RX 5600 XT16,7776GB150W16,4801.018
GTX 107016,4428GB150W14,9801.098
RTX 305014,7348GB130W26,9800.546
GTX 1660 Ti14,5226GB120W18,9800.765
GTX 98014,2574GB165W7,9801.787
GTX 1660 SUPER13,9136GB125W15,9800.871
GTX 166013,6456GB120W12,9801.051
RX 6500 XT12,3164GB107W14,9800.822
GTX 97011,9334GB145W6,9801.710
RTX 3050 6GB11,7246GB75W32,7990.357
GTX 16509,5064GB75W13,9800.680

2024年時点でのGTX 1660の中古価格は12,980円~となっている。発売当時の価格が30,000円前後だったので、半分以下で購入できるということだ。発売から時間が経ちかなり価格が下がっている。上位モデルであるGTX 1660 TiやGTX 1660 SUPERと比べてもコストパフォーマンスが高い。Turing世代のグラフィックボードでコストパフォーマンスが1.0を超えている貴重なモデルだ。よりコストパフォーマンスを重視するならGTX 980やGTX 970候補に入るかもしれない。Ampere世代のエントリークラスであるRTX 3050と同等の性能がかなり安く手に入るのは大きい。レイトレーシング・DLSSには対応していないことを理解しよう。もっともRTX 3050はレイトレーシングには力不足だ。

GeForce GTX 1660の特徴&注意点など

フルHD環境が得意なミドルクラスのモデル

GTX 1660は、フルHD環境(1920×1080)でのゲームプレイを得意とするグラフィックボードだ。性能的にも実質GTX 1060 6GBの後継モデルだと言える。今後GTX 1660 Tiと同様に市場の中心となると予想できる。Steamの統計調査でも$250以下のグラフィックボードが主流となっていることからも明らかだ。

GTX 1080やGTX 1080 TiそしてすべてのRTXモデルを合わせても市場の6%以下である一方で、GTX 1060・GTX 1050 Ti・GTX 1050が統計におけるすべてのグラフィックボードの30%以上を占めている。もちろんSteamの統計がゲーム市場の完璧に表しているわけではないかもしれない。しかしながら、現時点ではわかりやすい指標であることは間違いなく、それだけ安価なグラフィックボードが人気かを把握することができる。

メモリ規格のダウングレードでコストカット

GTX 1660は、上位モデルのGTX 1660 Tiと比べてメモリ規格をダウングレードすることで辻褄を合わせている形だ。GeForce GTX 1660 Tiと比較して価格が21%安いもののCUDAコアはわずか8%減に留められている。ベースクロック及びブーストクロックが非常に似ていることを考えると平均して5%程度の性能差しかないのではないかと思ってしまうかもしれない。しかし、他にもう一つ大きな変化があるためこの理論通りにはいかない。

もちろんメモリ周りだ。GTX 1660 Tiではメモリバス帯域幅 288.0 GB/sと高くGDDR6メモリを使用している一方で、この新しいグラフィックボードではGDDR5メモリにダウングレードされている。GDDR5は、かろうじて192 bitメモリバスとなっている。性能が劣るGDDR5メモリではメモリバス帯域幅を高くすることもできず192.0 GB/sと33%も低くなっている。

結果的に性能差はCUDAコアとクロック周波数の差である5%以上に広がっているというわけだ。意外とメモリ規格は性能に与える影響が大きいと言える。GTX 1660 Tiとの性能差はこのメモリ周りにあると言っても過言ではない。

GTX 1660 SUPERの供給不足で復活した

GeForce GTX 1660の後継モデルとして、2019年10月29日にGeForce GTX 1660 SUPERがリリースされた。CUDAコアやクロック周波数はGTX 1660と変わっていないが、メモリ周りが強化されてパフォーマンスが向上している。GTX 1660 Tiと同じGDDR6を採用してバンド幅も336.0 GB/sとGTX 1660 Tiを上回っている。

わずか$10アップ(5%)で10%以上の性能アップが見込めるのでコストパフォーマンスが高い。BTOメーカーにおいても、GTX 1660の取り扱いをなくしてGTX 1660 SUPER搭載モデルのみとなっている。税込10万円前後の価格帯を支える魅力的なグラフィックボードだ。これで一旦GTX 1660の役割を終えたと言えるだろう。

2021年5月時点でGTX 1660 SUPERを搭載したゲーミングPCが減少した結果再度このGTX 1660が注目されている。搭載BTOパソコンの価格も抑えられていて選びやすい。まさか旧モデルのグラフィックボードが再販されるとは思わなかったしNVIDIAも想定していなかっただろう。

GeForce GTX 1660のベンチマーク一覧

各タイトルのゲームプレイ時におけるフレームレートを計測している。当該グラフィックボードはFULL HDでのプレイが前提となる。ここでは各タイトルについてはFULL HD環境×最高設定での数値を計測。また、より性能がわかりやすいように平均fpsと最小fpsを計測した。

*フレームレート(fps)は、1秒間に描写されるコマ数のことだ。一般的に平均fpsが60以上が出れば快適だと言われている。最小fpsはゲームプレイ時において計測された最も低いfpsだ。負荷が高い場面などでの想定される目安のfpsだ。平均fpsと最小fpsとの乖離を見ればゲームプレイの安定度がわかる。

Fortnite

fortnite

RTX 2060130.4
92.9
GTX 1660Ti107.3
75.9
GTX 166090.7
65.0
GTX 1060 6GB82.8
59.6
RX 59081.2
57.9
平均fpsMin fps
GTX 1060 6GBよりも10%スコアが高い。最小fpsも底上げされより安定度が増すという結果になった。GTX 1660 Tiとの差も10%-15%程度と想定どおりだ。ここはメモリ規格の差が大きく出ているということになる。新しいタイトルでも余裕で対応することができる性能は魅力的だ。RTX 2060と比べると45%程度の差が生じている。RTX 20シリーズとの差はそれなりにありそうだ。

Battlefield 5

battlefiled5

RTX 2060113.2
88.0
GTX 1660Ti94.5
74.3
RX 59093.7
70.1
GTX 166079.8
62.3
GTX 1060 6GB74.6
62.6
平均fpsMin fps
Battlefiedではややスペック通りの性能を発揮できていない。GTX 1060 6GBとほぼ同等のスコアとなっている。Radeon RX 590と比べても17%程度の差がある。また、GTX 1660 Tiとの差が大きく20%も性能差が出ている。それでも平均fpsで80近い数値を出していてフルHD環境で安定したゲームプレイができることに変わりはない。

Far Cry 5

farcry5

RTX 2060107.6
82.3
GTX 1660Ti94.2
71.6
RX 59080.3
69.5
GTX 166081.5
62.1
GTX 1060 6GB71.1
59.5
平均fpsMin fps
GTX 1660は、Pascal世代のGTX 1060 6GBよりもおよそ10%スコアが高い。最小fpsも62.1と安定していることがわかる。新しいTuring世代のグラフィックボードであることも伊達ではない。Radeon RX 590とほぼ同等のスコアだ。GTX 1660 Tiとの性能差はおよそ15%と妥当な数値となっている。

Deus EX: Mankind Divided

deusex

RTX 206078.3
60.7
GTX 1660Ti65.6
50.4
RX 59055.8
45.0
GTX 166055.3
43.2
GTX 1060 6GB47.4
37.1
平均fpsMin fps
Deus EXは、負荷の高いタイトルの一つだ。GTX 1660では最高設定でのゲームプレイが難しい。RX 590とほぼ並んでいる。GTX 1060 6GBと比べると20%程度性能が上がっているのはさすがだ。設定を落とせば十分対応することができる。なお、GTX 1660Tiなら60fpsオーバーで快適にゲームをすることが可能だ。

Hitman 2

hitman

RTX 2060108.3
67.5
GTX 1660Ti98.5
62.3
GTX 166089.7
58.9
RX 59081.6
57.0
GTX 1060 6GB74.1
51.0
平均fpsMin fps
Hitman 2でも飛躍的にスコアが伸びている。GTX 1060 6GBよりも20%性能が高い。最小fpsも15%高くなっていて底上げがしっかりと行われている。GTX 1660 Tiとの差は10%程度ほどで差は大きくない。リフレッシュレートの高いゲーミングモニターも活かせる高性能グラフィックボードだと言える。

Apex Legends

apexlegends

RTX 2060147
133
GTX 1660Ti123
103
GTX 1660106
95
RX 59096
78
GTX 1060 6GB83
61
平均fpsMin fps データ引用元:https://www.techspot.com/

最新のApex Legendsでも十分なスコアを計測。GTX 1060 6GBよりも30%も高く、最小fpsも50%以上高くなっている。最もPascal世代との性能差がはっきりと出ているタイトルだと言える。ほぼ同等の性能を持つRX 590よりも10%高く圧倒している。価格帯を考えると選択肢に入れておきたいグラフィックボードであることは間違いない。

GeForce GTX 1660搭載のゲーミングPC一覧

GALLERIA RM5C-G60第11世代(ドスパラ)

GALLERIA RM5C-G60S価格:139,980円(税込)
CPU:Core i5-11400
GPU:GeForce GTX 1660
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:550W BRONZE

GTX 1660×Core i5-11400と最新のCPUとの組み合わせで価格を抑えたゲーミングPCだ。価格高騰の時期に税込み13万円台でこの性能なら及第点だろうか。今はGTX 1660 SUPER搭載モデルである「GALLERIA RM5C-G60S」が同じ価格で販売されているためGTX 1660搭載モデルを選ぶ理由はない。2023時点ではローエンドクラスと考えておくとよいだろう。設定調整を前提に快適にゲームプレイを行うことができる。FPSなど負荷が軽めのタイトルであれば対応しやすい。メモリ16GB、SSD 512GBと構成も充実している。

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ベンチマークテスト環境

desktoppc

CPUCore i7-8700K
メモリ“2x8GB G.Skill TridentZ RGB
DDR4-3200”
SSD“Samsung 970 Evo 1TB
Samsung 860 Evo 4TB”
電源ユニットEVGA SuperNova P2 1000W
マザーボードGigabyte Z370 Aorus Gaming 7
参照元:NVIDIA GEFORCE GTX 1660 REVIEW (PCGAMER)