rtx2080ti画像引用元:https://www.gigabyte.com/

当記事では、Geforce RTX 2080Tiのスペック&性能ベンチマークを紹介している。2018年9月20日についに登場したウルトラハイエンドクラスのグラフィックボードだ。とにかく性能が高いグラフィックボードだが、下位モデルのRTX 2080 SUPERと比べてかなり価格が高い。そういう意味では万人受けするモデルではないと言える。

これまで長らく王者だったGTX 1080 Tiをその座から引き下ろした。レイトレーシング・DLSSも高い水準でサポートしている。すでに後継モデルである「GeForce RTX 3080 Ti」が発売されている。ゲーミング性能はRTX 2080 Tiよりもおよそ20%向上していてより4K解像度への適性が向上している。レイトレーシング性能も高く幅広い用途に対応することが可能だ。

よくわかる!!RTX 2080 Tiの特徴まとめ

  • シングルGPUで最速を誇るグラフィックボード(+)
  • 将来性が高く4K解像度でもヌルヌル動かせる(+)
  • 最新技術レイトレーシング性能が高い(+)
  • GTX 1080 Tiと比べて大幅に価格が上昇(-)

GeForce RTX 2080 Tiの基本スペック・仕様

RTX 2080 TiRTX 2080RTX 2080 SUPERGTX 1080 Ti
コードネームTuringTuringTuringPascal
プロセス12 nm12 nm12 nm16 nm
GPUTU102TU104TU104GP102
トランジスタ数186億136億136億118億
ダイサイズ754m㎡545m㎡545m㎡471m㎡
GPC数6基6基6基6基
SM数68基46基48基56基
CUDAコア数4352294430723584
RTコア数68基46基48基-
Tensorコア数544基368基384基-
ベースクロック1350MHz1515MHz1650MHz1480MHz
ブーストクロック1545MHz1710MHz1815MHz1582MHz
GPUメモリ11GB GDDR68GB GDDR68GB GDDR611GB GGDR5X
メモリクロック14.0 Gbps14.0 Gbps15.5 Gbps11.0 Gbps
メモリバス352 bit256 bit256 bit352 bit
メモリバス帯域幅616.0 GB/s448.0 GB/s495.9 GB/s484.0 GB/s
バスインターフェースPCIe 3.0 x16PCIe 3.0 x16PCIe 3.0 x16PCIe 3.0 x16
FP3213.45 TFLOPS10.07 TFLOPS11.15 TFLOPS11.34 TFLOPS
TDP250W215W250W250W
価格$999$699$699$699
中古価格44,980円32,980円29,980円23,990円
発売日2018/09/202018/09/202019/07/232017/03/11
RTX 2080 Tiの性能を見ていこう。コードネームはTuring(テューリング)となる。前世代のPascalの最上位モデルGTX 1080 Tiと比較すれば何が変わったのかがわかりやすい。まず、プロセスが16nmから12nmへと微細化されたのがポイントだ。トランジスタ数が118億から186億と60%近く増えているにもかかわらずダイサイズが471m㎡→754m㎡へと60%大きくなったにとどまる。RTコアやTensorコアが追加されたことを考えるとよりコンパクトになったと考えて間違いない。

さらに、CUDAコアについても20%以上増えていてこれだけで性能が上がっているということが容易に想像できる。ベースクロックについては10%ほど下がっているが、総合性能を見るとおよそ30%上がった。また、メモリの規格もGDDR6へと進化しているのも注目だ。メモリ容量については同じ11GBとなっている。

消費電力も変わらず250Wに留めている。その他GPC数、SM数、RTコア数などは初心者向けではないので後述している。ハード初心者の方はそれほど気にしなくても良いだろう。大切なことはコードネームが変わりアーキテクチャが変わったことトランジスタ数及びCUDAコアが増えたことぐらい押さえておけば良い。価格は$699から$999と大幅に価格が引き上げられている。やはりフラグシップモデルということもあってやや手を出しにくい価格帯だ。

その後RTX 2080の後継モデルとしてパワーアップしたRTX 2080 SUPERが登場した。ただ、それほど大きくパフォーマンスが向上したということはなくRTX 2080 Tiの地位は揺るがない。フラグシップモデルとして差別化が図られている。搭載されているゲーミングPCの価格についても下位のRTX 2080 SUPERから一気に価格が高くなってしまう。万人受けするモデルでないことは理解しやすいだろう。

*補足
GPCとはグラフィックボードの核となる部分だ。それが6基あり、それぞれのGPCについき12基の演算ユニットが搭載されている。つまり、理論上は72基の演算ユニットがあるが、その内4基が無効化され68基となっている。

RTコアとは、今回のRTXシリーズから新たに実装されたものでNVIDIAが押していたレイトレーシングに特化したコアだ。今はまだレイトレーシングに対応しているタイトルは少ないが今後増えてくるとRTXシリーズの存在価値が出てくる。現時点で対応しているのはBattlefieldやTomb Raiderとなっている。

GeForce RTX 2080 Tiの最新評価

ミドルハイクラス相当のグラフィックス処理性能を持つ

rtx2080tiscore
RTX 2080 Tiの発売から5年の月日が流れフラグシップモデルという立場は消滅した。現行モデルで言えばGeForce RTX 4060 Tiと同等のゲーミング性能ということになる。ミドルハイクラス相当でフルHDからWQHDがメインだ。解像度を落とせば高リフレッシュレートを目指せる。

現行のフラグシップモデルであるRTX 4080になると65%以上ゲーミング性能が高くなる。レイトレーシング・DLSS性能も大きく向上している。反対に考えれば5年経ってもミドルハイクラスに匹敵する性能を持っているということは素晴らしい。フラグシップモデルは息の長いグラフィックボードになる証明だ。

中古価格は44,980円~とやや高め

製品性能価格コスパ
GeForce RTX 307028,19438,980円*0.723
GeForce RTX 4060 Ti28,03657,800円0.485
GeForce RTX 2080 Ti26,55244,980円*0.590
Radeon RX 6700 XT25,89533,990円*0.762
GeForce RTX 3060 Ti24,21338,980円*0.621
GeForce RTX 2080 SUPER23,71229,980円*0.791
GeForce RTX 208022,59032,980円*0.685

*中古価格

RTX 2080 Tiの中古価格は44,980円~でやや高めのように思う。コストパフォーマンスの指標を見ると0.590と低い。RX 6700 XTは0.762、RTX 3060 Tiは0.621とRTX 2080 Tiを上回っている。新品のRTX 4060 Tiが0.485となる。GPUメモリ容量が11GBと大容量であることとレイトレーシングに対応していることを考えると選択肢として悪くない。フラグシップモデルということで所有欲も満たしてくれるのではないかと思う。

GeForce RTX 2080 Tiの特徴&注意点

4K解像度でのゲームプレイが大前提

このクラスになると4K解像度でのゲームプレイが前提となっていることを忘れてはならない。少なくともウルトラワイド(3440×1440)でのゲームプレイが前提だ。WQHDでの144Hzも対象となる。それ以下ならあえてRTX 2080 Tiを購入する必要はない。その浮いたお金でCPUやデバイスにお金を掛ける方が幸せになれるはずだ。

RTX 2080 Tiの実力を知るにはグラフィックボード全体での立ち位置を見るとわかりやすい。グラフィックボードの頂点に位置するモデルだ。これまでのフラグシップモデルだったGTX 1080 Tiよりも明らかに性能がアップしている。

シングルGPUではこれ以上ない性能だと言えるのだ。フラグシップモデルを買いたいという方には魅力的だろう。RTX 2080の後継モデルとして登場したRTX 2080 SUPERでもRTX 2080 Tiの性能には及ばない。圧倒的なパフォーマンスを持つグラフィックボードと考えて間違いない。

このパフォーマンスを実現しているのは新技術の「GPU Boost 4.0」の恩恵も大きい。これはGPU温度を監視して一定の温度に到達するまではブーストクロック以上のパフォーマンスを発揮させることができる機能だ。ユーザー側でうまく熱対策を行えば負荷が掛かる場面でもパフォーマンスが落ちず安定してゲームをプレイすることができる。

2023年になって性能的にはハイクラスに落ち着く。4K解像度よりもWQHD環境でのゲームプレイに最適だ。タイトル次第では4Kにも対応できるが、発売から時間も経ちゲーム側の要求スペックも高くなっている。将来性は高く今でも通用する性能を持っているのは素晴らしい。

RTX 2080 SUPERから一気に価格が跳ね上がる

RTX 2080 Tiは、性能も高いが価格も高いグラフィックボードだ。RTX 2080 SUPERに比べると正直手を出しにくいグラフィックボードとも言える。これまでのフラグシップモデルを見ていくとGTX 780 Tiが$649、GTX 980 Tiが$649、GTX 1080 Tiが$699と続いている。そこにきてRTX 2080 Tiが$999なのだからさすがに差がありすぎだ。

単体価格で15万円~18万円でRTX 2080 SUPERと比べて50%程度高い。当然完成品としてゲーミングPCの価格もかなり高額だ。税込み30万円近くになるので売れ筋モデルにはならない。CPUもCore i7以上が当たり前となるので大きく価格が下がることはないだろう。BTOメーカー側もそれほど数が出るとは考えていない。RTX 2080 SUPER搭載モデルなら税込み20万円弱で購入できるため差は歴然だ。

ハイエンドの売れ筋はRTX 2080 SUPERとなる。一方で、いつでもフラグシップモデルにこだわりを持ちたいと考えているゲーマーの方も多いだろう。RTX 2080 Tiはそういう方にとっては魅力的なモデルだと言える。Titan XがリリースされていないTuring世代でトップに君臨するRTX 2080 Tiは購入する価値がある。

GeForce RTX2080 Tiのベンチマーク一覧

グラフィックボード性能を測るのにゲームタイトルごとにベンチマークを計測するのは有効だ。すべてのタイトルにおいて最高設定を適用している。

PUBG

pubg

RTX 2080 Ti142.3
75.7
RTX 2080113.2
58.6
GTX 1080 Ti108.8
57.1
GTX 108086.7
46.0
GTX 1070 Ti84.4
44.3
RX Vega 6476.7
40.2
WQHD4K
人気のPUBGでも安定したフレームレートを計測している。WQHDで142.3fps、4Kでも75.7fpsと圧倒的な性能を見せつけている。GTX 1080 Tiよりも30%以上高い数値となっている。GTX 1080 Tiの場合4Kでは60fpsを切っているがGTX 2080 Tiなら余裕で60fpsを超えている。下位モデルであるRTX 2080との性能差はフルHD環境で26%だ。4Kにこだわるなら最高のグラフィックボードだろう。将来性も高く長く使用することができる。

Assassin’s Creed Origins

assassin

RTX 2080 Ti94.7
64.1
RTX 208082.3
52.5
GTX 1080 Ti78.4
50.0
GTX 108063.7
38.4
GTX 1070 Ti60.1
35.6
RX Vega 6456.3
35.3
WQHD4K
PUBGと同様4K解像度でも余裕の60fps超えだ。RTX 2080との差は22%となっている。GTX 1080 Tiよりも20%も高いフレームレートが出ている。AMDのフラグシップモデルであるRadeon RX Vega 64との差は歴然だ。WQHD環境なら高リフレッシュレートでのゲームプレイにも対応できる。

Grand Theft Auto5

gta5

RTX 2080 Ti100.8
56.0
GTX 1080 Ti84.9
44.6
RTX 208084.8
44.3
GTX 108064.4
33.1
GTX 1070 Ti60.1
30.4
RX Vega 6449.2
26.7
WQHD4K
4K Max + 4xMSAA + Advancedでゲームプレイをしている。まだ最適化不足なのか60fps到達とはならなかった。このクラスでフレームレートが伸びないならそれはゲーム側の問題だ。安定するまでは設定を落とすなどで対応するとよいだろう。

GeForce RTX 2080 Ti搭載おすすめBTOパソコン

GALLERIA ZA9C-R80T(ドスパラ)

GALLERIA XA7C-R70S (2)価格:289,980円
CPU:Core i9-10850K
GPU:GeForce RTX 2080 Ti
メモリ:DDR4 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
電源:750W GOLD

まさに現行最強の名にふさわしいゲーミングPCだ。グラフィックボードにはRTX 2080 Tiを、CPUにはCore i9-10850Kを搭載している。10コア20スレッドの高パフォーマンスCPUだ。ウルトラハイエンドのグラフィックボードとの相性も良く将来性も高い。メモリ16GB、SSD 1TBと構成面でも不満はない。電源ユニットも750W GOLDと余裕がある。BTOパソコンでこれほど高性能な電源ユニットを採用していること自体が高性能ゲーミングPCの証だ。このままで購入できるイチオシモデルだと言える。

GALLERIA ZA9C-R80T(ドスパラ)

GALLERIA XA7C-R70S (2)価格:289,980円
CPU:Ryzen 9 3900X
GPU:GeForce RTX 2080 Ti
メモリ:DDR4 16GB
SSD:1TB NVMe Gen4
HDD:非搭載
電源:750W GOLD

RTX 2080 Ti×i9-10900K搭載のゲーミングPCだ。AMD製のフラグシップモデルを採用しているのが特徴となっている。12コア24スレッドとIntel製CPUにはない高いマルチコア性能が評価されている。メモリ16GB、SSD 1TB NVMe Gen4と構成も抜群だ。電源ユニットには750W GOLDを採用していて万全だと言える。

LEVEL-R049-LCiX7K-XYXH (パソコン工房)

LEVEL-R027-i7-RNR価格:245,800円
CPU:Core i7-10700K
GPU:GeForce RTX 2080 Ti
メモリ:16GB
SSD:NVMe対応M.2 500GB
HDD:2TB
電源:700W GOLD

CPUに高パフォーマンスのCore i7-10700Kを搭載したゲーミングPCだ。8コア16スレッドと非常に性能が高く様々な用途で使用できる。Core i9シリーズを搭載しなかったことでRTX 2080 Ti搭載モデルとしては格安だ。グラフィックボードの性能については申し分ないだろう。SSD 500GB、HDD 2TB、電源ユニット700W GOLDと構成も抜群。

ZEFT R9Z02(パソコン工房)

SR-ii7-8962TS5GPW10価格:349,800円
CPU:Ryzen 9 3900XT
GPU:GeForce RTX 2080 Ti
メモリ:DDR4 32GB
SSD:500GB NVMe対応
HDD:4TB
電源:750W GOLD

Ryzen 9 3900XTを搭載した怪物マシーンだ。12コア24スレッドと恐ろしく高いマルチスレッド性能を持つ。ゲームプレイだけを考えるなら扱いきれない。動画編集や動画配信などCPU負荷の高い作業も合わせて行いたいというゲーマーの方向けだ。メモリ32GB、SSD 500GB、HDD 4TBと構成にも抜かりはない。ブルーレイスーパーマルチドライブ標準搭載も珍しい。

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ベンチマークテスト環境

desktoppc

CPUIntel Core i7-8700K
メモリ16GB DDR4-2666
電源ユニットEVGA SuperNova P2 1000W
マザーボードGigabyte Z370 Aorus Gaming 7