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当記事では、Radeon RX 6600の性能スペックレビュー&おすすめゲーミングPCの紹介をしている。RDNA 2.0アーキテクチャ採用のRX 6000シリーズの最安値モデルだ。先に登場したRadeon RX 6600 XTと同じNavi 23 GPUを採用しているが、当然スペックダウンが図られている。メインターゲットとなるのはフルHD環境で、競合は同じ$329が設定されているGeForce RTX 3060だ。レイトレーシングについても対応している。
搭載モデルについては、「Radeon RX 6600搭載おすすめゲーミングPC」で紹介している。2022年4月時点でパソコン工房・TSUKUMO・フロンティアなどから搭載モデルがリリースされている。RTX 3060搭載モデルと比べると比較的価格は抑えられているように思う。問題はゲーミング性能がどの程度あるかということだろう。スペックやベンチマークを比較しながら検証していく。
- (+)フルHD環境でのゲームプレイに適している
- (+)GPUメモリ容量8GBを搭載している
- (+)省電力性が高く静音性も高い
- (+)単体価格が安くコスパに優れている
- (-)RTX 3060と比べると魅力に乏しい
- (-)レイトレーシング性能はかなり弱い
当ページの目次
Radeon RX 6600 XTの総合性能
Radeon RX 6600 XTは、フルHD環境をターゲットとしたグラフィックボードでNVIDIAの60番台に近いゲーミング性能を持っている。RTX 3060よりもゲーミング性能は低く、RTX 2060 SUPERよりも高い。おおよそ想定通りの性能を持っていると言えるかもしれない。上位モデルのRX 6600 XTよりも10%程度性能は抑えられている。従来モデルのRadeon RX 5700にはわずかに及ばない。前世代で$349のRX 5700と同程度の性能ではやや物足りなさがある。
Radeon RX 6600 XTの概要
基本スペック
RX 6600 | RX 6600 XT | RX 5600 XT | |
---|---|---|---|
コードネーム | RDNA 2.0 | RDNA 2.0 | RDNA 1.0 |
GPU | Navi 23 | Navi 23 | Navi 10 |
プロセス | 7nm | 7nm | 7nm |
ダイサイズ | 237 mm² | 237 mm² | 251 mm² |
トランジスタ数 | 110.6億 | 110.6億 | 103.0億 |
コンピュートユニット | 28 | 32 | 36 |
CUDAコア数 | 1792 | 2048 | 2304 |
RTコア数 | 28 | 32 | - |
Tensorコア数 | - | - | - |
ベースクロック | 1626 MHz | 1968 MHz | 1130 MHz |
ゲームクロック | 2044 MHz | 2359 MHz | 1375 MHz |
ブーストクロック | 2491 MHz | 2589 MHz | 1560 MHz |
GPUメモリ | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 | 6GB GDDR6 |
メモリクロック | 14 Gbps | 16 Gbps | 12 Gbps |
メモリバス幅 | 128 bit | 128 bit | 192 bit |
メモリバス帯域幅 | 224.0 GB/s | 256.0 GB/s | 288.0 GB/s |
TDP | 132W | 160 W | 150 W |
価格 | $329 | $379 | $279 |
発売日 | 2021/10/13 | 2021/08/10 | 2020/01/21 |
Radeon RX 6600のスペックについて見ていこう。RDNA 2.0アーキテクチャを採用した最新のグラフィックボードだ。上位モデルであるRadeon RX 6600 XTの廉価モデルと考えるとわかりやすい。同じGPUのNavi 23を搭載している。プロセス・ダイサイズ・トランジスタ数は共通だ。コンピュートユニットは、28基とRX 6600 XTよりも12%少ない。つまり、CUDAコアはRX 6600 XTの2048(32×64)に対してRX 6600では1792(28×64)だ。RTコアはコンピュートユニットと同じ数になる。
ベースクロックはRX 6600 XTよりも17%低く、ゲームクロックは13%低い。さらにブーストクロックも4%低くなっている。GPUメモリは同じGDDR6 8GBだが、メモリクロック速度が14 Gbpsへとダウングレードされていてメモリバス帯域幅は224.0 GB/sに留まる。TDPは132WとRX 6600 XTよりも17%抑えられている。グラフィック周波数が低くメモリ周りのスペックダウンを考えると納得できる。価格差は$50だ。
従来モデルのRadeon RX 5600 XTと比較していく。アーキテクチャはRDNA 1.0でGPUはNavi 10だ。プロセスこそ同じ7nmだが、ダイサイズはコンパクトにそしてトランジスタ数はより多くなっている。コンピュートユニットが36から28へと22%ダウンで、CUDAコアが2304から1792へと少なくなった。それでもベースクロックが44%高く、ゲームクロック・ブーストクロックはそれぞれ49%・59%も高い。RDNA 2.0アーキテクチャになりより高いクロック周波数が実現できたのだ。
GPUメモリ容量が6GBから8GBへと33%多くなっている。メモリクロックも14 Gbpsへと引き上げられた。メモリバス幅は192 bitから128 bitへとダウングレードされてメモリバス帯域幅は23%狭い。TDPは150Wから132Wへと12%省電力性が高くなった。価格差は$50でRX 6600の方が高い。AMDはコスパ重視のブランドからプレミアムブランドへの過渡期にいるのかもしれない。
NVIDIA製グラフィックボードと比較
RX 6600 | RTX 3060 | |
---|---|---|
コードネーム | RDNA 2.0 | Ampere |
GPU | Navi 23 | GA106 |
プロセス | 7nm | 8 nm |
ダイサイズ | 237 mm² | 276 mm² |
トランジスタ数 | 110.6億 | 120.0億 |
コンピュートユニット | 28 | 28 |
CUDAコア数 | 1792 | 3584 |
RTコア数 | 28 | 28 |
Tensorコア数 | - | 112 |
ベースクロック | 1626 MHz | 1320 MHz |
ゲームクロック | 2044 MHz | - |
ブーストクロック | 2491 MHz | 1777 MHz |
GPUメモリ | 8GB GDDR6 | 12GB GDDR6 |
メモリクロック | 14 Gbps | 15 Gbps |
メモリバス幅 | 128 bit | 192 bit |
メモリバス帯域幅 | 224.0 GB/s | 360.0 GB/s |
TDP | 132W | 170 W |
価格 | $329 (45,980円~) | $329 (58,200円~) |
発売日 | 2021/10/13 | 2021/01/12 |
競合モデルであるGeForce RTX 3060とスペックを比較していく。RTX 3060はAmpere世代のグラフィックボードでGPUにはGA106を搭載している。プロセスは8nmで、RX 6600より少しだけ大きい。トランジスタスはRTX 3060の方が9%多く、ダイサイズもRTX 3060の方が17%大きい。RTX 3060のCUDAコア数はRX 6600の2倍の3584基だ。当然アーキテクチャが異なるためCUDAコア数がそのまま性能に反映されるわけではない。事実性能的には非常に近いからだ。
RTコアはどちらも28だが、第2世代になるRTX 3060は性能が高い。RX 6600にはTensorコアは搭載されていない。ベースクロックはRX 6600の方が23%高く、ブーストクロックもRX 6600の方が40%以上高い。2.5GHzに近いクロック周波数を実現しているのは驚きだ。GPUメモリ容量はRTX 3060の方が多い。メモリクロックもRTX 3060では15 Gbpsだ。メモリバスもRTX 3060では192 bitでメモリバス帯域幅は360.0 GB/sとなる。
TDPはRTX 3060の方がおよそ30%高く170Wとなる。性能差があるためこのTDPも許容範囲と言えるかもしれない。定価はどちらも同じ$329だが、実売価格には差がある。RX 6600の方が20%程度安価だ。なお、搭載ゲーミングPCではRTX 3060の方が安い傾向にある。これは販売台数の差が出ているのかもしれない。
Radeon RX 6600の特徴&強み
Radeon RX 6600は、上位モデルのRadeon RX 6600 XTと同じNavi 23を採用したグラフィックボードだ。多くのユーザーにとって十分な性能を有するミドルクラスのモデルとして注目度が高い。フルHD環境でのゲームプレイに最適で高設定でも対応することが可能だ。AMDが好きだけどハイパフォーマンスなモデルは必要ないという方はこの最安値モデルのRX 6600を是非チェックして欲しい。
従来モデルのRadeon RX 5700と同等の性能を持っているので合わせて旧モデルであるRX 5700も比較対象に入れてもよいかもしれない。また、RX 5600 XTならより安く購入できる可能性がある。高解像度でのゲームプレイを考えていない方や最新のタイトルをプレイする予定のない方であればより魅力的な選択肢になるだろう。
競合モデルに比べると魅力に乏しい
競合モデルであるNVIDIA RTX 3060と比べると魅力に乏しいのは否定できない。グラフィックス処理性能こそおおよそ同等レベルまで到達しているが、レイトレーシング性能まで含めるとワンランク落ちてしまう。さらに、RTX 3060の場合DLSSといった機能がプラスに働く。そういう意味でRTX 3060が、RX 6600の弱点がないグラフィックボードだと考えると立場的に苦しいことがわかる。
従来モデルのRadeon RX 5600 XTよりも価格が18%も高くなってしまったのも致命的だ。Radeon RX 5700が$349で性能的を考慮すると同程度だと考えられる。これならあえて新しいモデルを選択する理由は薄いかもしれない。中古で安く購入できるならなおさらだ。新しい機能であるレイトレーシングが強みになっていない今は厳しい。
搭載ゲーミングPCのラインナップは意外と多い
2022年04月時点ですでにRadeon RX 6600搭載モデルが揃って来ている。パソコン工房・TSUKUMO・フロンティアなどで購入可能だ。特にパソコン工房では様々なCPUとの組み合わせで5種類以上のラインナップを持っている。フロンティアでは次回の台数限定セールで登場するのではないかと予想している。
今後ドスパラ・パソコンショップセブン・サイコムなどでも搭載モデルが選べるようになるだろう。グラフィックボードの供給不足が深刻な今は新しいモデルが投入されるだけでユーザーにはメリットがある。搭載モデルの価格的にはRTX 3060搭載モデルと同等の水準に落ち着き選びやすくなっている。AMDファンの方にとっては魅力的な選択肢となるはずだ。
Radeon RX 6600のフレームレート一覧
Assassin’s Creed Valhalla
RX 6700 XT | |
RX 6600 XT | |
RX 5700 XT | |
RX 6600 | |
RTX 2070 SUPER | |
RTX 3060 | |
RTX 2060 |
Metro Exodus
RX 6700 XT | |
RTX 2070 SUPER | |
RX 6600 XT | |
RX 5700 XT | |
RTX 3060 | |
RX 6600 | |
RTX 2060 |
Red Dead Redemption 2
RX 6700 XT | |
RTX 2070 SUPER | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 | |
RX 5700 XT | |
RX 6600 | |
RTX 2060 |
Radeon RX 6600のレイトレーシング性能
Shadow of the Tomb Raider
RX 6700 XT | |
RTX 3060 | |
RX 6600 XT | |
RTX 2060 | |
RX 6600 |
Metro Exodus
RX 6700 XT | |
RTX 3060 | |
RX 6600 XT | |
RTX 2060 | |
RX 6600 |
Minecraft
RTX 3060 | |
RTX 2060 | |
RX 6700 XT | |
RX 6600 XT | |
RX 6600 |
Radeon RX 6600のその他ベンチマーク
消費電力
温度
Radeon RX 6600搭載おすすめゲーミングPC
LEVEL-M0P5-R56X-DPX(パソコン工房)
CPU:Ryzen 5 5600X
GPU:Radeon RX 6600
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:500W BRONZE
Ryzen 5 5600X×RX 6600搭載のゲーミングPCだ。価格を抑えられるという点でRyzen 5 5600Xのチョイスは絶妙だ。6コア12スレッドと標準的なスペックながらZen 3アーキテクチャになってパフォーマンスが向上している。ゲーミング性能もRyzen 5 3600Xを大きく上回る。バランスも悪くない。フルHD環境でのゲームプレイを考えているなら魅力的なモデルとなるだろう。メモリ16GB、SSD 500GBと構成も十分だ。
G-GEAR mini GI5A-U212/T(TSUKUMO)
CPU:Ryzen 5 5600X
GPU:Radeon RX 6600
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:500W SILVER
最近珍しくなったコンパクトパソコンだ。机の上に置いても違和感がない。CPUにはAMD製のRyzen 5 5600Xを搭載したゲーミングPCとなっている。ゲーミング性能だけで言えばCore i5-11400と同程度にも関わらず価格が跳ね上がってしまうのが難点だ。純粋なCPU性能だとRyzen 5 5600Xの方が高い。オーバークロックにも対応しているということでポテンシャルの高さも光る。メモリ16GB、SSD 500GBと構成も十分だろう。
FRGAB550/66H(フロンティア)
CPU:Ryzen 7 5800X
GPU:Radeon RX 6600
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
電源:600W BRONZE
Radeon RX 6600×Ryzen 7 5800X搭載のゲーミングPCだ。Ryzen 7 5800Xは8コア16スレッドと非常にマルチスレッド性能が高く動画編集・画像編集などで強みを発揮する。正直グラフィックボードとの釣り合いは取れていない。CPU性能が重要な作業を中心にPCを使いたいと考えている方向けだ。メモリ32GB、SSD 1TBと構成も圧倒的だ。カスタマイズをしなくても問題ないモデルだと言える。
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ベンチマークテスト環境
CPU | Intel Core i9-9900K |
---|---|
マザーボード | MSI MEG Z390 Ace |
メモリ | Corsair 2x16GB DDR4-3200 CL16 |
電源ユニット | Seasonic Focus 850 Platinum |