液晶モニターが反応しない場合の対処法について詳しく解説している。パソコンの電源は間違いなく付いていて稼働しているにもかかわらず、モニターが反応しないといった状態に陥っている方はぜひ参考にして欲しい。漏れやすいポイントをまとめた簡単なチェックリストを公開しているので、それに合わせて対策していけば解決に繋がるはずだ。どうしても解決しない場合はお問い合わせフォームあるいはコメント欄からご連絡いただければと思う。
当ページの目次
モニターの問題は原因を特定しにくい!
液晶モニターが反応しない場合、故障以外にもドライバーなどが原因となることもあり特定することが難しい。様々な要因が考えられるためじっくりと取り組む必要がある。初歩的なミスも含めて一つずつ可能性を潰していって欲しい。私の経験ではPCを初期化した後にモニターが反応しなくなることが多く、グラフィックボードを搭載していると起こりやすいように感じている。
グラフィックボードの搭載が一般的なゲーミングPCでは意識しておく必要があるだろう。まず初めに意外と見落としがちなポイントをまとめている。多くの場合、このような初歩的なエラーはほとんどないだろう。しかしながら見落としてしまう代表的なものでもある。この初歩的なエラーで直ったとしたらむしろ安心するところだ。慣れている方でも起こり得る。これで直らなければPCを開いての作業となるため手間が掛かってしまう。
液晶モニターが反応しない場合の対処法まとめ
初歩的なミスのチェック項目
- 配線に問題がないか
- モニターの電源は入っているか
- PCにしっかり接続されているか
- モニターが壊れていないか
断線やモニターへの接続が甘いなど、意外と見落としがちなところだ。断線している場合は新しいケーブルを用意する必要がある。パソコンの接続場所が正しいかも確認したい。グラフィックボードではなく、マザーボードに接続していると表示されないこともある。
モニターの電源がONになっているか、電源コードはコンセントに接続されているかをチェックしておこう。念には念を入れておくに越したことはない。接続に合った描写ができているかも確認したい。HDMI接続しているのにDisplayPort入力を選択していると正しく描写されない。これはモニターの設定で変更する必要がある。
モニター側でなくPC側の接続を確認する。机の下に入れている方だと外れてしまっていても気付きにくい。前述のように、パソコンの接続場所も確認しておきたい。CPUに内蔵グラフィック機能がなければ、マザーボード側に接続していても表示されることはない。
判断が難しい部分だ。モニターの電源が入らない、他のモニターでは映るなどがあれば故障とすぐ分かる。しかしもう一枚モニターがないと判断しにくく、さっきまで映っていたのに急に壊れるなんておかしいと考えてしまいがちだ。モニターもただの機械なのである日突然故障するものだと理解しておこう。入力が合っているかを確認しておきたい。HDMI接続に対して、DisplayPort表示では正しく描写されない。細かいことだが、こういう細かい見落としがないようにしたい。
まずは玄人の方でも気付かないことがある初歩的なミスをまとめている。ここで問題が解決すればラッキーだ。一つずつ可能性を潰していこう。
最小起動から調整
最小起動とは、メモリを1枚だけ残し、PCI-e等に接続されている機器(グラフィックボード etc.)を外しての起動のことだ。ドライバを入れてもグラフィックボードが反応しないということがある。この最小起動を行いモニターが正常に表示されるかを確認する。
モニターの電源が入っていること、接続されていることを確認してから行いたい。初歩的な見落としもまたよくあることである。最小起動で起動した場合はドライバを更新し、最新の状態にしてからグラフィックボードやメモリを搭載していくことで上手くいくことがある。最小起動でも上手く起動しない、あるいはドライバを更新しても上手く起動しない場合は次のマザーボード(BIOS)の初期化を行わなければならない。
これはモニター側の問題ではなく、パソコン側の問題だ。そのため、原因を特定するというよりも、不具合の解消という意味合いが強い。よくあることなので、とりあえず最小起動で正しくパソコンが起動するかを確認したい。メモリを追加したり、グラフィックボードを交換したりした際に発生しやすいように感じる。
最小起動はパーツ交換時に生じやすく、自作すると最初の立ち上げは最小起動が推奨されている。突然モニターが映らなくなった際の解決策としては少し弱い気もする。正常に使用できていたのに突然表示されなくなった場合は、最小起動で改善しにくいように感じる。別の方法も合わせて確認してほしい。
マザーボード(BIOS)の初期化
最終手段としてマザーボードの初期化を行う。それほど難しいことではないので初心者の方でも行いやすい。筆者はこの方法で解決した。マザーボードに搭載されているボタン電池を外して1分~5分程度放置する。ボタン電池を取り付けて起動してみるとBIOSが初期化され、不具合が解消される。
ボタン電池が見つけにくい場所にあるマザーボードの場合は注意が必要だ。グラフィックボードの影に隠れていることもあり、私自身もなかなかに見つけにくかった。BIOSの初期化は深刻なエラー等に対応することができるので覚えておいても損はない。パソコンを使っている方なら今後活用する機会が訪れるかもしれない。
これはCMOS情報をクリアするため、BIOSに保持されている情報が消去される。時計の設定やBIOSの設定も初期化される。それ自体にデメリットはないが、BIOSのアップデート情報もクリアされることがある。また、マザーボードによってはマザーボードに接続された電源を全て外して様子を見る必要がある。別の方法としてCMOSクリア端子をショートさせる方法も一般的だ。
ただ、端子をショートさせるという言葉から、慣れていない方は敬遠しがちだ。様々な方法があるということだけ覚えておいてほしい。まずは電池を抜いてみて様子を見るのが容易な手法だ。
パソコンの放電を行う
パソコンの不具合対策として、昔からあるのが放電だ。やり方は非常に簡単だが、それなりに時間を要する。上記の手法で改善されなかった場合の最終手段として考えたい。まずはパソコンの電源を切り、電源コードをコンセントから抜く。その後、電源ボタンを数回押してそのまま放置する。
放置時間は1時間程度が推奨されている。実際に放電を行った時は15分程度だったが、うまくパソコンが起動した。放電については、必要としない電気が帯電することで、パソコンに搭載されているパーツがうまく起動しなくなる。放電を行うことで帯電がなくなり、うまく機能するようになる。
この帯電状態は、ある日突然症状として現れる。パソコンが壊れたのではないかと思ってしまうほどだ。放電を知らない人も多く、こんな簡単なことで直るわけがないと決めつけないようにしたい。筆者は初めて放電を行うことになったとき、ほぼ疑いの半信半疑だった。それで改善して以降は、最終手段としてよく用いる。
放電が必要になる頻度は明確にはなっていない。体感としては1年~2年に1回程度だろうか。パソコンの使用時間、頻度などの影響がある。突然パソコンがうまく起動しなくなった、上記の方法を行ってもモニターがつかない。こうなったら一度放電を試してほしい。
主な症状としては、グラフィックボードが起動してすぐ止まる、グラフィックボードが起動していないなどがある。マザーボードに搭載されているパーツがうまく機能しなくなる。他に原因があることもあり、放電で改善するとは限らない。一つの方法として覚えておいて損はない。
ゲーミングモニターに関するよくある不具合
リフレッシュレートを最高にできない
144Hzや240Hzのような、高リフレッシュレートに対応したゲーミングモニターで、60Hzにしか設定できないことがある。この場合入力端子の規格が合っていない、パソコンとモニターをつなぐケーブルの規格が対応していない可能性がある。パソコンとモニターをHDMIで接続している場合、HDMIケーブルの規格はHDMI 1.3以上でなければ144Hzに設定できない。HDMIで240Hz出力をするにはHDMI 2.0以上が必要だ。
今はあまり見かけないものの、安価なHDMIケーブルは規格が低いことがある。購入前にパッケージに記載されている規格を確認してほしい。DisplayPortは1.2以上であれば240Hzに対応可能だ。240Hzを超えるリフレッシュレートに対応したモニターの場合は、DisplayPortでの接続が推奨されている。そのモニターが対応する最高のリフレッシュレートはDisplayPortでしか出せないことがあるからだ。それぞれの対応するリフレッシュレートは以下の表で確認してほしい。
解像度 | 1080p | 1440p | 4K |
---|---|---|---|
HDMI 2.1 | 240Hz | 240Hz | 120Hz |
HDMI 2.0 | 240Hz | 120Hz | 60Hz |
HDMI 1.3 / 1.4 | 120Hz | 60Hz | 30Hz |
HDMI 1.0 – 1.2 | 60Hz | 30Hz | 非対応 |
DisplayPort 2.0/ 2.1 | 540Hz | 240Hz | 144Hz-240Hz |
DisplayPort 1.4 | 360Hz (DSC 540Hz) | 240Hz | 120Hz (DSC 144Hz) |
DisplayPort 1.3 | 360Hz | 240Hz | 120Hz |
DisplayPort 1.2 | 240Hz | 165Hz | 75Hz |
DisplayPort 1.0 / 1.1 | 144Hz | 60Hz | 30Hz |
最新の規格なら、240HzまではHDMIでもDisplayPortでも対応できる。モニターのリフレッシュレートに合わせたケーブルの選択が求められる。HDMIはパソコンモニターだけでなく、様々な機器で採用されている。たとえば、プレイステーション5は120fpsに対応しているが、それ以外の機器で120fpsに対応したものはない。HDMI 1.3ケーブルはパソコンとの接続を想定していなければ十分な規格という評価がされている。
案外HDMIケーブルはどこの家庭にもある。ただ、パッケージがないので規格がわからないかもしれない。自宅にあるものは古い可能性があるので、ゲーミングモニターに使用するのはあまりおすすめできない。リフレッシュレートをモニターが対応している最大数値に設定できない原因は、そのほとんどがケーブルの規格によるものだ。
次に多いのがケーブル絡みでもう一つある。それはコネクターや接続端子が異なるものだ。少し古いゲーミングモニターには、HDMI端子がないモデルもある。その際、モニターへの入力がDVI-Dになると、今度はパソコン側にDVI-D端子がない。そこで、DVI-DケーブルにHDMI出力に変換するコネクターをつけると、リフレッシュレートは60Hzが最大になる。
これと似たようなもので、片方がHDMI端子、もう片方がDisplayPort端子のようなケーブルでも60Hzが最大になる。変換を行うことで出力に制限がかかるので、必ず使用するケーブルはHDMIかDisplayPortで統一してほしい。変換コネクタや入出力がそれぞれ異なるケーブルはトラブルの要因となる。
Netflixやプライムビデオで一瞬モニターが消える
最近は映画をNetflixやプライムビデオのようなサブスクリプションで視聴することが一般的になっている。それらの映像自体はスムーズに視聴できても、動画を開始する前やブラウザやアプリケーションを閉じる際に一瞬だけモニターが消えることがある。この症状はサブモニターに起こりやすい印象だ。
これはHDCPという著作権保護の機能が働くことで起こる症状である。映画をキャプチャーできないようにする保護機能で、映像キャプチャーソフトも強制終了することがある。Netflixやプライムビデオを視聴すると、NVIDIAのインスタントリプレイも強制的にオフになる。これに連動してモニターも一瞬真っ暗になる。この症状自体はすぐに戻るのでそれほど問題があるわけではない。
しかし、毎日映画を見るたびにモニターが切れたり、キャプチャーソフトがオフになったりするのは気になってしまう。対処法としては接続している端子を変更することだ。HDMIやDisplayPortで接続している場合はDVI-Dに変更する。このDVI-Dに対応したモニターは年々減少傾向にある。変換コネクターを使用することで直るという報告も上がっているが、直らないという報告もあるので確実ではないようだ。
HDMIからDisplayPortに変更しても直った例もあるので、一度接続端子を変更してみてほしい。著作権を保護するためのHDCPを解除することは違法ではない。パソコンでHDCPを解除するにはキャプチャーボードや分配器を使用する必要がある。これらはコストがかかるのでおすすめはしないが、どうしても気になる場合の最終手段に考えておこう。
当記事のまとめ
当記事では、液晶モニターがうまく起動しない場合の対象方法についてまとめた。中上級者の方でも躓いてしまうことがあるのでぜひチェックして欲しい。まずは、配線に問題はないか、モニターの電源は入っているかなど初歩的なミスがないかどうか確認するとよい。
それらに問題がなければPCの最小起動及びマザーボードの初期化を行おう。これらの対策を行っても解決しない場合はコメント欄あるいはお問い合わせフォームより連絡をしていただければと思う。
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記事の主旨と違うかもしれませんが、初めてデスクトップ買ったときにした初心者すぎるミスで、配線をマザボ側?に挿して点かないなーと1日悩んだことがあります。
その後、その下のグラボに挿さなきゃいけないことに気づいたことを挙げときます。