Crucialmemory

今回は、ゲーミングPCにおけるメモリ容量のゲーミングパフォーマンスへの影響について検証している。メモリ自体はCPUやグラフィックボードに比べるとそれほど表に出てくることはないパーツだ。しかし、実はそれらのパーツと同様にパソコンのコアとなる部分だと言える。

メモリの役割や重要性について気になっている方は多いだろう。ここでは特に容量に焦点を当てて見ていこう。8GBがいいのか16GBがいいのか長らく疑問に思われていたことに対して結論を出す。一般的なメモリの定義や役割については、「メモリとは | パソコンパーツの基礎」を参考にして欲しい。

ゲーミングPCでは16GBが主流となった

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2021年時点でBTOパソコンを購入する場合、選択肢のほとんどが16GBとなる。2019年頃は8GBが59.6%と過半数を占め、16GBが36.7%、32GBが3.7%とまだまだ台数が揃っていなかった。2020年頃になると8GB搭載のゲーミングPCもそれなりの数があったが、16GB搭載モデルが増えていることがわかる。2020年当時の当サイトのデータでは、全140台の内8GBが53台(37.9%)、16GBが75台(53.6%)、32GBが12台(8.5%)だ。

2021年4月では107台の内8GBが13台(12.1%)、16GBが80台(74.8%)、32GBが13台(12.1%)、64GBが1台(1.0%)となっている。各BTOメーカーの売れ筋モデルは全て網羅していることからサンプル数的には十分だと考えている。注目すべきは、32GB搭載モデルが8.5%から12.1%にアップしていることだ。扱うモデルのさじ加減はあるものの32GB搭載モデルが珍しく感じないほど各ショップが取り扱うようになっている。

4GB搭載モデルはそもそもゲーミングPCでは存在していない。税込3万円前後のグラフィックレスモデルでしか見かけない。CPU・GPUの性能向上に伴い32GB搭載モデルは珍しいものではなくなってきた。しかし、まだまだ32GBが主流になる日は遠く、16GBへの移行がほぼ完了している状況だ。2019年からミドルクラスには16GBを搭載するモデルが多くなり、2021年に入って性能問わず16GB搭載モデルが増えてきた。

本来必要としないロークラスのモデルにも搭載されているのは注目に値する。ゲーム専用のゲーミングPCから配信やMMDのようなアプリケーションにも対応できるモデルとして、オンライン上でできることが豊富になったことへの対応とも取れる動きがある。ゲーミング用途に関しては最低でも16GBという時代が見えているため、8GBとの差について詳しく見ていこうと思う。

ゲーミングPCに最適なメモリ容量を検証 Part 1

メモリ容量がゲーミングパフォーマンスに与える影響を検証していく。まずは、ハイクラスのグラフィックボードを使用して、Battlefield V、Hitman2の2つのタイトルについてWQHDと4K解像度と2つの環境におけるフレームレートを計測している。メモリ容量がどのように影響するかに注目して欲しい。

Battlefield V(WQHD)

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ハイエンドクラスであるRTX 2080 Tiでは8GBと16GB以上でスコアに差があることがわかる。要求スペックがそれほど高くないタイトルにおいては、例えそれがWQHD環境であったとしてもメモリ容量で性能に差をつけることはないようだ。

Radeon RX Vega 64でも同様の傾向が見られる。8GBと16GB以上のメモリ容量で平均フレームレートに差がある。その差は2fpsと大きいわけではないが有意に差があるのは間違いないだろう。ハイクラスのグラフィックボードの場合16GB以上のメモリ容量を確保しておくことにも納得ができる。

GTX 1070では、8GBでもそれ以上でもフレームレートが変わらなかった。これは純粋にグラフィックボードの性能が十分ではなく、メモリをいくら足してもグラフィックボードの性能限界を突破できるわけではないということだ。あくまでも補完的な存在だと言える。BattlefiledをWQHD環境でプレイするならGTX 1070以上のモデルを選択した方がよいかもしれない。

Battlefield V(4K)

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RTX 2080 Tiは安定して高い数値を出している。8GBと32GBの平均フレームレートの差は3でfpsとなっている。非常に高い負荷がかかっているときの3fpsはかなり大きく侮れない差である。この様子なら64GBでも恩恵がありそうだ。やはり32GBが普及した理由はRTX 2080 Tiのような高性能なグラフィックボードに対してその恩恵が認められたからなのだろう。CPUの処理性能をより効率的に行ってくれるためフレームレートの低下を防いでくれる。

Radeon RX Vega 64はWQHDのGTX 1070と同じように性能の上限に達している.。メモリ容量が増加してもスコアが変わらないようだ。Radeon RX Vega 64も高解像度が得意というほどではないので仕方がないだろう。Battlefield 5ではWQHD以下でのゲームプレイを行うべきだ。

GeForce GTX 1070でも性能的に対応できずスコアが低くなっている。メモリ8GBとそれ以上ではわずかに差があるが、上下に激しくブレたことでの誤差であるとも言える。流石に高解像度が得意というわけではないので、GTX 1070のデータはミドルクラスのグラフィックボードで高解像度に挑んだ場合のフレームレートとして見ておくと面白いかもしれない。

Hitman 2(WQHD)

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Hitman 2は比較的負荷の高いタイトルの一つだ。RTX 2080 Tiは非常に性能が高くメモリの恩恵を大きく受けているのが興味深い。16GBでもまだまだ物足りない。8GBと32GBでは平均フレームレートが14%ほど違っている。やはり高性能なグラフィックボードには32GBのメモリ容量を搭載するメリットがあるようだ。

RX Vega 64は性能の限界なのか、8GBでも32GBでも変わらない。登場したのが3年前ということもあり、まだまだメモリ16GBへの移行も始まっていなかった背景を考えると、何故移行しなかったのかがよく分かる。大容量と言えるメモリを搭載するメリットが薄かったのがスコアから見ても伝わるはずだ。

GTX 1070はなかなか健闘しているもののスコアはほぼ横ばい。メモリ16GBの恩恵はありそうだが、8GBとの差はこのくらいのスコアでは同等程度なので気になるほどでもない。32GB搭載モデルの多くが高性能なグラフィックボードを搭載している理由は、性能の向上がしっかり見込めるという単純な理由なのだろう。

Hitman 2(4K)

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RTX 2080 Tiは余裕の性能を見せつけていると取るべきなのか。4K解像度ではRTX 2080 Tiを持ってしても90辺りが上限のようだ。メモリ容量16GBと32GBでは差が生まれない。4K解像度の上限が60fpsだと考えると十分過ぎる安定感を持っている。Direct X 11相手では役不足かもしれない。

Radeon RX Vega 64は相変わらずの横ばい。メモリの恩恵を受けていないのか、メモリの性能に影響されない安定感なのか。グラフィックス性能が物足りないからだと考えるのが普通だ。4K解像度では60hzのリフレッシュレートが基本となるため、60fpsを上限に考えてみるとかなり良い線ではないだろうか。少し負荷を感じる場面がある程度のものだろう。

GTX 1070は性能の限界からかスコアが伸び悩んでいる。4K解像度+最高設定の環境で40超えのフレームレートは大健闘のように感じる。8GBと16GBの差はお馴染みの誤差のようなものなので気にしなくてもよいだろう。少なくともGTX 1070には32GBは不要のようだ。

ゲーミングPCに最適なメモリ容量を検証 Part 2

メモリ容量がゲーミングパフォーマンスに与える影響を検証していく。次は、ミドルクラスのグラフィックボードを使用して、Battlefield V、Hitman2の2つのタイトルについてフルHDとWQHDと2つの環境におけるフレームレートを計測している。メモリ容量がどのように影響するかに注目して欲しい。

Battlefield V(フルHD)

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Radeon RX 580では、16GBと32GBで1fpsの違いがあるが、さすがにこのクラスのグラフィックボードで32GBを選択するゲーマーは少ないはずだ。Radeon RX 570やGeForce GTX 1060 3GBでは8GBと16GB以上で大きさがある。それぞれ11%・10%だ。メモリを増やすだけでこれだけフレームレートが変わるのであれば8GB搭載モデルを選択する理由はない。

Battlefield V(WQHD)

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WQHD環境でもフルHD環境と同等の結果となった。Radeon RX 580は、メモリ容量に関係なく63fpsに到達している。一方で、Radeon RX 570やGeForce GTX 1060 3GBでは、メモリ8GBでは明らかにそれ以上のメモリを搭載時とスコアが劣る。特にRadeon RX 570では8GBと16GB以上で18%も差がある。ミドルクラスのグラフィックボードではメモリは特に重要になるようだ。

Hitman 2(フルHD)

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Radeon RX 580やGeForce GTX 1060 3GBでは8GBとそれ以上のメモリを搭載することでフレームレートが変わる。一方で、Radeon RX 570についてはいずれのメモリでもフレームレートに変化がない。フレームレートが低くなるとメモリの差というよりもグラフィックス性能の差が顕著になると考えてよいだろう。

Hitman 2(WQHD)

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Hitman 2のWQHD環境でも同等の結果だ。Radeon RX 570についてはメモリ容量がフレームレートに影響を与えることはない。Radeon RX 580では16GB以下と32GBでフレームレートが異なっている。GTX 1060 3GBでは8GBと16GB以上でフレームレートが異なる。

メモリ容量とパフォーマンスの関係について

メモリ容量8GBは有意にフレームレートが劣る

ゲーミングPCに搭載するメモリとして8GBは好ましくないということがわかった。各結果を見ても明らかに8GBではフレームレートが低下している。今の時代はミドルクラスでも8GBでは容量が不足するゲームタイトルが増えてきている。

ミドルクラス以下のグラフィックボードの場合は8GBと16GBで大きな差が出ることが多い。グラフィックボードをアップグレードするよりもメモリ容量を増やした方が安上がりでコスパが高い。メモリは16GBを基準にして考えたほうがよさそうだ。

ハイエンドモデルなら32GBを選択するメリットがある

RTX 2080 Tiなどのハイエンドのグラフィックボードの場合32GB搭載モデルを選択するメリットがある。グラフィックス処理性能が高くそれ自体がボトルネックになることがなくメモリ容量が増えた分の恩恵を得られる。現行モデルで言えばRTX 3070以上であれば32GB搭載モデルを選択してもよいだろう。

ミドルクラスなら16GBと32GBでそれほど差が出ない

ミドルクラスのグラフィックボードの場合は16GBでも32GBでもパフォーマンスに差は生じない。もっともミドルクラスのグラフィックボードを搭載したゲーミングPCで32GBを選択する方は多くないはずなので妥当な結果だと言える。

補足:メモリの増設は初心者でも簡単にできる!

パーツの増設・交換を行う上でメモリの交換や取り付けが最も簡単である。デスクトップPC、ノートPCに共通していることだ。マザーボードによっては少し取り外し方が違うものの、基本はツメを外して差し込むだけである。差し込みが甘いと認識されないので注意が必要である。最近のマザーボードはしっかりはめ込むことができれば外したツメが元の位置に戻るようにできているので見て分かるようになっている。

また、マザーボードやメモリに触る前に静電気対策を忘れてはいけない。静電気が走ると機能しなくなるリスクがあるので、触る前には金属に触れておくなどして対策しておくべきだろう。ただし、数年前からマザーボードとメモリ自体にも静電気対策がされていてこのような事態が起きる可能性は低くなっている。

メモリの容量不足は非常に深刻でその場でブルースクリーンが発生することもある。CPUやGPUの性能不足はカクつきとして現れるのと似ているが、メモリの容量不足の方が深刻だ。メモリに関しては簡単に増設できるため、必要なメモリ容量に少し余裕を持たせるくらいがちょうど良いかもしれない。時代の波を考えれば16GBにアップさせておくことに何のデメリットもないはずだ。

故障以外の注意点としては、BTOショップ等で購入したパソコンはご自身でパーツの取り付けをすると保証対象外となってしまうことがある。事前に保証規定を確認しておこう。自身で増設後修理に出す際は自分で取り付けたパーツを全て外しておく必要がある。増設と交換は自己責任で行って欲しい。

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