Crucialmemory

今回は、ゲーミングPCにおけるメモリ容量のゲーミングパフォーマンスへの影響について検証している。CPUやグラフィックボードに比べるとそれほど表に出てくることはないパーツだ。しかし、実はそれらのパーツと同様にコアとなる部分だと言える。

メモリの役割や重要性について気になっている方は多いだろう。ここでは特に容量に焦点を当てて見ていこう。8GBがいいのか16GBがいいのか長らく疑問に思われていたことに対して結論を出す。一般的なメモリの定義や役割については、「メモリとは | パソコンパーツの基礎」を参考にして欲しい。

BTOパソコンでは8GB or 16GBが主流

2020年時点でBTOパソコンを購入する場合、選択肢のほとんどが8GBあるいは16GBとなる。当サイトで紹介しているモデル(参考:ゲーミングPCレビュー)に関して言うと、全140台の内8GBが53台(37.9%)、16GBが75台(53.6%)、32GBが12台(8.5%)だ。1年前は8GBが59.6%と過半数を占め、16GBが36.7%とまだまだ台数が揃っていなかった。

注目すべきは、32GBは3.7%から8.5%にアップしていることだ。扱うモデルのさじ加減はあるものの32GB搭載モデルが珍しく感じないほど各ショップが取り扱うようになっている。各BTOメーカーの売れ筋モデルは全て網羅していることからサンプル数的には十分だと考えている。

4GBモデルはそもそもゲーミングPCでは存在していない。CPU、GPUの性能向上に伴い32GB搭載モデルは珍しいものではなくなってきた。しかし、まだまだ32GBが主流になる日は遠く、8GBから16GBへようやく移行し始めているくらいだ。2019年からミドルクラスには16GBを搭載するモデルが多くなり、2020年に入って性能問わず16GB搭載モデルが増えてきた。

本来必要としないロークラスのモデルにも搭載されているのは注目に値する。ゲーム専用のゲーミングPCから配信やMMDのようなアプリケーションにも対応できるモデルとして、オンライン上で出来ることが豊富になったことへの対応とも取れる動きがある。ゲーミング用途に関しては最低でも16GBという時代が見えているため、8GBとの差について詳しく見ていこうと思う。

ゲーミングPCに最適なメモリ容量を検証【2020年】

メモリ容量がゲーミングパフォーマンスに与える影響を検証していく。Battlefield V、Hitman2の2つのタイトルについて、WQHDと4K解像度でのフレームレートをグラフィックボード基準で計測している。メモリ容量がどのように影響するかに注目して欲しい。

Battlefield V(WQHD)

Battlefield V(WQHD)

GTX 1070は性能の限界が8GBで達していることがわかる。メモリをいくら足してもグラフィックボードの性能限界を突破できるわけではなく横並びとなっている。RX Vega 64は32GBでは平均フレームレートが2上がっている。メモリをアップさせた恩恵というよりもWQHD環境に最適なグラフィックボードではないことが要因だと考えられる。性能上限に達しておらずメモリの恩恵で少し安定したのだろう。

RTX 2080 TiはCPUさえしっかりしていれば高い安定感を持つグラフィックボードであるだけに、Battlefield Vでは性能の余裕もありメモリ16GBでほぼMAXの平均141に到達している。要求スペックがそこまで高くないゲームにおいては、例えそれがWQHD環境であったとしてもメモリ容量で性能に差をつけることは無いようだ。

Battlefield V(4K)

Battlefield V(4K)

高解像度になるとGTX 1070は性能的に対応できずスコアが低くなる。上下に激しくブレたことでの誤差である。流石に高解像度が得意というわけではないので、GTX 1070のデータはミドルクラスが高解像度に挑んだ場合のフレームレートとして見ておくと面白いかも知れない。

RX Vega 64はWQHDのGTX 1070と同じように性能の上限に達している。メモリ容量が増加してもスコアが変わらないようだ。RX Vega 64も高解像度が得意というほどではないので仕方がないだろう。ただ、十分対応できている数値であることも見逃せない。

RTX 2080 Tiは安定して高い数値を出している。8GBと32GBの平均フレームレートの差は3である。非常に高い負荷がかかっているときの3はかなり大きく侮れない差である。この様子なら64GBでも恩恵がありそうだ。やはり32GBが普及した理由はRTX 2080 Tiのような高性能なグラフィックボードに対してその恩恵が認められたからなのだろう。

HITMAN2(WQHD)

HITMAN2(WQHD)

HITMANは比較的負荷の高いタイトルの一つだ。結果的にGTX 1070はなかなか健闘しているもののスコアはほぼ横ばい。メモリ16GBの恩恵はありそうだが、8GBとの差はこのくらいのスコアでは同等程度なので気になるほどでもない。

RX Vega 64は性能の限界なのか、8GBでも32GBでも変わらない。登場したのが3年前ということもあり、まだまだメモリ16GBへの移行も始まっていなかった背景を考えると、何故移行しなかったのかがよく分かる。大容量と言えるメモリを搭載するメリットが薄かったのがスコアから見ても伝わるだろう。

RTX 2080 Tiは非常に性能が高くメモリの恩恵を大きく受け取れている。8GBと32GBでは平均フレームレートが14%ほど違っている。やはり高性能なグラフィックボードには32GBのメモリ容量を搭載するメリットがあるようだ。32GB搭載モデルの多くが高性能なグラフィックボードを搭載している理由は、性能の向上がしっかり見込めるという単純な理由なのだろう。

HITMAN2(4K)

HITMAN2(4K)

GTX 1070は性能の限界からかスコアが伸び悩んでいる。4K解像度+最高設定の環境で40超えのフレームレートは大健闘のように感じる。8GBと16GBの差はお馴染みの誤差のようなものなので気にしなくても良いだろう。少なくともGTX 1070には32GBは不要のようだ。

RX Vega 64は相変わらずの横ばい。メモリの恩恵を受けていないのか、メモリの性能に影響されない安定感なのか。4K解像度では60hzのリフレッシュレートが基本となるため、60fpsを上限に考えてみるとかなり良い線ではないだろうか。少し負荷を感じる場面がある程度のものだろう。

RTX 2080 Tiは余裕の性能を見せつけていると取るべきなのか。4K解像度ではRTX 2080 Tiを持ってしても90辺りが上限のようだ。4K解像度の上限が60だと考えると十分過ぎる安定感を持っている。Direct X 11相手では役不足かもしれない。

メモリの増設は初心者でも簡単にできる!

デスクトップPC、ノートPCに共通してパーツの増設・交換の中でメモリの交換や取り付けが最も簡単である。マザーボードによっては少し取り外し方が違うものの、基本はツメを外して差し込むだけである。差し込みが甘いと認識されないので注意が必要である。最近のマザーボードはしっかりはめ込むことができれば外したツメが元の位置に戻るように出来ているので見て分かるようになっている。

また、マザーボードやメモリに触る前に静電気対策を忘れてはいけない。静電気が走ると機能しなくなるリスクがあるので、触る前には金属に触れておくなどして対策しておくべきだろう。ただし、数年前からマザーボードとメモリ自体にも静電気対策がされているので、このような事態が起きる可能性は低くなっている。

メモリの容量不足は非常に深刻でその場でブルースクリーンが発生することもある。CPUやGPUの性能不足はカクつきとして現れるのと似ているが、メモリの容量不足の方が深刻だ。メモリに関しては簡単に増設できるため、必要なメモリ容量に少し余裕を持たせるくらいがちょうど良いかもしれない。時代の波を考えれば16GBにアップさせておくことに何のデメリットも無いはずだ。

注意点としては、BTOショップ等で購入したパソコンにはショップでのカスタマイズ以外でのパーツの取り付けは保証対象外となってしまう。修理に出す際は自分で取り付けたパーツを全て外す必要があるので、増設と交換は自己責任で行って欲しい。

当記事のまとめ

当記事では、メモリ容量がゲーミングパフォーマンスに与える影響について検証した。結論としては、高性能なグラフィックボードが登場したここ1~2年で16GB以上の恩恵が大きくなっていることがわかる。GTX 1070はWQHD以上の高解像度に適しておらず、RTX 2080 Tiは高解像度を前提とした性能を持っている。苦手な分野で性能を上手く発揮できていない状態ではメモリ容量がそのままマイナスに繋がることはない。

これまでのグラフィックボードではメモリ16GBを超える容量にあまりメリットは無かったが、現行の高性能なグラフィックボードでは安定性に影響を与えることを考えると、GTX 1070と同等の性能を持つGTX 1660 Superであっても、フルHDで運用することになる以上メモリ容量は安定に繋がるだろう。

今の時代はミドルクラスでも8GBでは容量が不足するゲームタイトルが増えてきているので、メモリは16GBを基準にして考えたほうが良さそうだ。今回の検証ではメモリ32GBの有用性を確認したかったことからミドルクラスやフルHD環境での検証を行わなかった。結果を見る限り、GTX 1660 Superなどを中心としたメモリ容量の検証も今後行って行きたい。

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