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CPUグリスとは何かについて解説していく。CPUグリスの役割やおすすめのCPUグリスを知りたい方はぜひチェックしてほしい。BTOパソコンを購入した場合ご自身で塗る機会はないように思う。それでもCPUやCPUクーラーの交換の際に必要になるものなので理解として押さえておこう。

CPUグリスとは

CPUグリスとは、CPUのヒートスプレッダーとCPUクーラーのヒートシンクの間に塗布する油剤のことだ。CPUの熱をヒートシンクに逃すことでCPUが冷却される。パッと見るとヒートスプレッダーとヒートシンクの間に隙間がないように見えるが、実際は微細な凸凹(隙間)があってそのまま使うと熱伝導率が低くうまく熱が逃げない。CPUグリスにはその隙間を埋める役割がある。

CPUあるいはCPUクーラーを交換する際は必ず塗り直す必要がある。基本的にCPUグリスの流用はできない。そこまで高価なものでもないのでケチらないようにしよう。塗り直す際はしっかりと拭き取ってから行おう。電子パーツクリーナーやCPUグリス拭き取りシートを使うと細かい部分も拭き取りやすい。

自作ユーザーの方であれば手元に予備のCPUグリスを用意しているのではないかと思う。CPUグリスを使いたくない方は熱伝導パッドで代用できる。塗ったり拭き取ったりする手間が省けるのは大きい。ベンチマークの計測などで頻繁にCPUを交換する際などに重宝する。ただし、機能的にはCPUグリスに劣ってしまう。よほどのこだわりがない限りはCPUグリスを選択するべきだろう。

CPUグリスの塗り方

ヘラを使えば簡単に塗れる

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付属のヘラを使うとキレイに塗ることができる。ほとんどの製品にヘラが付いてくるが、稀に付いていない製品もあるので事前に確認しておくとよい。CPUグリスは、塗り過ぎないのもポイントだ。たくさん塗ったからといって性能が向上するわけではない。むしろ厚みが増せば熱伝導率は下がる。

また、CPUグリスが溢れてマザーボードやCPU端子に付いてしまい最悪の場合動かなくなる可能性がある。適度な容量で塗ることを心がけよう。ヘラがない場合は「×(バツ)」塗りがおすすめだ。ヒートシンクに対してバッテンになるように塗ろう。CPUクーラーを付けると押されてグリスが伸びる。

拭き取りはクリーナーを活用しよう

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CPUクーラーの交換などでCPUグリスを塗り直す必要がある場合はエレクトリッククリーナーでキレイに拭き取ろう。粘度の高いCPUグリスでも簡単に拭き取ることができる。拭き取りクリーナー同梱のCPUグリスを購入するのもいいだろう。しっかりと拭き取ることでCPUグリスの効果が発揮される。

CPUグリスのスペックの見方

CPUグリスを選ぶ上でのスペックの見方をまとめている。他のPCパーツと比べるとそこまで難しいわけではない。

素材・種類

  • シリコングリス
  • シルバーグリス
  • カーボン
  • ダイヤモンドグリス

様々な素材が配合されたCPUグリスが販売されている。シリコングリスは最も安価な製品で熱伝導率はやや劣る。熱伝導率の高いシルバーグリスやダイヤモンドグリスが主流だ。カーボングリスはまだまだ数が少ない。素材による価格差が小さいのでシリコングリス以外を選択するとよい。

熱伝導率

熱伝導率は、熱の伝わりやすさを表している。単位はW/m・Kだ。12.0W/m・K~16.0W/m・Kの間が多い。数値が高ければ高いほど熱が伝わりやすいことを意味する。つまり、CPUのヒートスプレッダーからCPUクーラーへと効率的に熱を放出でき、低い温度を維持できる。ただし、実際のパフォーマンスにおいては様々な要素の影響を受けるため注意しよう。

粘度

粘度は数値が小さいほど粘り気がなくなる。粘度が高いとやや塗りづらくなるように思う。個人差があるため好みの粘度を探すとよいだろう。

体積抵抗率

体積抵抗率の数値が高いほど導電性がなくなる。要は電気が通らなくなるということだ。グリスがマザーボードに垂れると故障の原因となってしまうので、数値は高い方がよい。非導電性を謳う製品も多い。

耐熱温度

どのぐらいの温度に耐えられるかを表している。この項目についてはそれほど気にしなくてもよいように思う。

おすすめのCPUグリスを紹介

CPUグリスは1,000円~3,000円程度で購入できる。価格が高い方がより効果的であると考えてよい。何度も使用するわけではないので高価な製品を選択しても問題はないように思う。なお、付属品は製品ごとに異なる。付属品としては塗布用のヘラ、拭き取りクリーナー、塗布用枠などがある。塗布用ヘラがもっとも一般的だ。

Thermal Grizzly Kryonaut TG-K-001-RS

TG-K-001-RS

  • 熱伝導率:12.5W/m・K
  • 粘度:120~170pas
  • 耐熱温度:-250℃~350℃
  • 容量:1g
  • 価格:1,070円

Thermal Grizzly Kryonaut Extreme TG-KE-002-R

TG-KE-002-R

  • 熱伝導率:14.2W/m・K
  • 粘度:120~170pas
  • 耐熱温度:-250℃~350℃
  • 容量:2g
  • 価格:3,360円(1,680円/1g)

アイネックス ナノダイヤモンドグリス JP-DX1

ainex-JP-DX1

  • 熱伝導率:16.0W/m・K
  • 粘度:120~170pas
  • 耐熱温度:-50℃~250℃
  • 容量:3g
  • 価格:1,182円(394円/1g)