windows11画像引用元:https://acerjapan.com/content/Windows11

当記事では、ゲーミングPCにおけるOSの選び方や各OSの特徴について解説している。現在Windows 7・Windows 8・Windows 10など過去のOSを使っている方やこれからゲーミングPCを購入したいと考えている方向けのコンテンツだ。もちろん、Windows 11へのアップグレードをするべきか悩んでいるWindows 10ユーザーにも参考にしていただけるだろう。

これからOS搭載のゲーミングPCの購入を考えている方はWindows 10あるいはWindows 11のいずれかを選択する必要がある。結論としては基本的にはWindows 11を選択しておけば間違いない。Windows 10を選択しても将来的には無料でWindows 11にアップグレードできる。色々試してみたいならWindows 10を選択してもよいだろう。2023年時点でBTOメーカーが販売するゲーミングPCでWindows 7やWindows 8が採用されることはない。

Windows 11を選択しておくのが無難

2021年10月29日に新しいOSであるWindows 11がリリースとなった。Windows 10が最後のOSだと言われていたためまさかWindows 11が登場するとは考えていなかった方が多いはずだ。このページはBTOでゲーミングPCの購入を考えている方やWindows 11へアップグレードしようか悩んでいる方が対象となる。

筆者は迷わずWindows 11搭載モデルを選ぶ。いずれWindows 10はサポートが終了してWindows 11に統一される。早い段階から新しいOSに慣れておきたいというのが最大の理由だ。セキュリティ面からも新しいOSの方がメリットは大きい。PコアとEコアの2つの組み合わせたハイブリッドアーキテクチャを採用しているIntel第12世代Core iシリーズではWindows 11が必須だ。

Windows 11以外のOSだとうまく制御されずパフォーマンスが低下してしまう可能性がある。もっともBTOメーカーもその辺りがわかっているので、今後は改善される可能性がある。なお、従来モデルと同じPコアのみのCore i5-12400以下のモデルについては、Windows 10でもパフォーマンスの低下は見られない。(TECHPOWERUP, 2022)Intel第13世代ではCore i5-13400でもハイブリッドアーキテクチャを採用している点は注意が必要だ。

BTOメーカーでは2つのOSから選択可能

windows11game

2023年2月まではほとんどのBTOメーカー(ドスパラやマウスコンピューターなど)でWindows 11あるいはWindows 10を搭載したモデルがそれぞれ用意されていたが、今はドスパラを含めてWindows 11で統一されてきているように思う。サイコムではWindows 10が初期搭載OSで、カスタマイズでWindows 11に変更できる。その後サイコムでもWindows 11が標準となり、Windows 10はカスタマイズで変更となった。

どちらのOSを使用するかはユーザーに委ねられる形だ。価格はWindows 11の方が安く、選択するメリットは価格にもある。ただし、カスタマイズではWindows 10はダウングレードという形になり数千円安く選択できる。OSに選択肢があると、どうしても悩んでしまうのではないだろうか。次に紹介するそれぞれのOSのメリットを見て判断していただければと思う。Windows 10ではハイブリッドアーキテクチャ採用CPUとの相性問題、Windows 11ではセキュリティ機能のVBSとの相性問題が上がっている。

Windows 11を選択するメリット

新しい環境に早く慣れることができる

今の段階でWindows 11を選択しておけば新しい環境に早く慣れることができるというのは大きなメリットだと言える。Windows 11ではメニューバーなどの位置が変わっているだけで、システム上は大きく変わらない。新しいOSでも比較的スムーズに受け入れられるのではないかと思う。

職場でパソコンを使っている方にとっても魅力的な選択肢となるだろう。職場ではセキュリティの観点から早くWindows 11を導入する可能性があるからだ。Windows 10のサポートは2025年に終了するため、遅かれ早かれWindows 11へ移行する。早くから慣れておけば仕事もスムーズにこなせるのではないかと思う。

細かい点で不便に感じられる箇所もそれなりにある。例えば、デスクトップを右クリックすると表示されるコンテキストメニューだ。UIや操作性をWindows 10に寄せるツールも用意されている。ある程度カスタマイズの幅が広いものの、使いやすいように変更できるツールを探す手間がある。こういった部分に慣れるためにも早めに使用しておくといい。

少しだけ高いゲーミング性能を得られる

Windows 11は、Windows 10よりも少しだけ高いゲーミング性能を得られる(PC Watch, 2021)ことがわかっている。TECHSPOTのベンチマーク(TECHSPOT, 2021)でもわずかながらゲームプレイ時のフレームレートが高い。Intel第12世代のAlder Lake世代ではハイブリッドコアアーキテクチャを採用していてコアへの振り分けがWindows 11で最適化されているというのも忘れてはいけない。Alder Lake世代及びその次世代のRaptor Lake世代のCPUを使用する予定があるならWindows 11を選んでおくとよいだろう。

さらに、Windows 11ではゲームに特化した機能がいくつか実装された。設定メニューに”ゲーム”という項目が追加されていることからも判断できるはずだ。例えば、Direct StorageやAuto HDRなどが該当する。Direct Storageでは本来CPU経由で処理されていたデータを直接GPUに送れる機能のことだ。よりスピーディーなゲームプレイが可能になる。また、Auto HDRでは映像の輝度を自動的に調節して視認性を高めてくれる機能だ。

サポート期間が長く安心して使用できる

Windows 11は最新のOSなので、当然サポート期限も長い。Windows 11は従来のWindows 10と同じく、アップデートを適用したバージョン単位でサポート期限が設けられている。現在でもWindows 11自体のサポート期限は設定されていないが、バージョン単位で指定されている。詳細は下記のOS期限一覧を確認してほしい。Windows 10よりも前のOSはOS単位で何年何月何日までと定められていたのとは異なる。

注意点としては、Windowsアップデートを一切適用しないままでいると、バージョンのサポートが終了する可能性がある。定期的なアップデートを忘れず行っておきたい。Windowsの設定からWindows Updateで最新の状態になっているか確認しておくとよい。

今後OSの方向性を変更する可能性は否めない。最後のOSの次が登場する可能性がある。そうなった時でも、Windows 11なら過去の期間から考えると2030年までは使用できるだろう。現在最新のOSである以上、最も長く使用できるのは当然ながら大きい。長期政権を担う可能性の高いWindows 11に目立ったデメリットはない。

各OSのサポート期限一覧

  • Windows 11 23H2 2025年11月11日
  • Windows 11 22H2 2024年10月8日
  • Windows 11 21H2 2023年10月10日
  • Windows 10 2025年10月14日
  • Windows 8.1 2023年1月10日
  • Windows 7 2020年1月14日

Windows 11はWindows 10と同じく、バージョン毎にサポートが設定されている。このバージョンはWindows Updateにより更新される。手間に感じて更新を放置していたり、オフライン環境で使用していたりすると古いバージョンでの使用となる。また、ダウンロードが完了していても、インストール(再起動など)を行わなければバージョンの更新は行われない。現在のバージョンが古くても、何度かWindows Updateで更新を行えば最新のバージョンになる。現在使用しているバージョンは、スタートボタンを右クリックでシステムを選択し、「Windowsの仕様」の項目から確認できる。

Windows 11&Windows 10のベンチマーク検証

ここに注目

ベンチマークではVBSを有効化した時と無効化した時のパフォーマンスを比較して欲しい。同時にWindows 11とハイブリッドアーキテクチャとの相性もチェックポイントとなる。Windows 11では新しくVBS(Virtualization-Based Security)と呼ばれるセキュリティ機能が搭載された。仮想化ベースのセキュリティのことだ。

このVBSの影響でゲーミング性能が28%も失われたという報告(tom’s HARDWARE, 2021)がある。TECHPOTのベンチマーク(TECHSPOT, 2021)でも同様にゲーミング性能の低下が見られる。今後のアップデートで改善される可能性もあるが、それまではVBSを無効化しておくのがよいだろう。

BTOパソコンなどWindows 11がプリインストールされたモデルではこのVBSが有効化されている可能性が高い。ゲーミング性能が著しく低下していると感じたら無効化するとよい。Windowsセキュリティアプリの”デバイスセキュリティ”から”コア分離”の”コア分離の詳細設定”をクリックする。メモリ整合性の項目をOFFにすれば完了だ。それほど手間が掛からず初心者の方でも簡単にできるので安心して欲しい。

アプリケーション

Cinebench R23

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Cinebench R23ではWindows 10との性能差はほとんどないことがわかる。一方で、セキュリティ機能のVBSを有効化すると4%程度スコアが低下している。これぐらいの差であれば体感しづらいと思うが、心に留めておくとよい。

Adobeソフト

Adobe Premiere Pro CCwin11-adobe

AdobeソフトではWindows 10と比べてWindows 11の方がパフォーマンスが高い。3%-5%程度性能が高くなっている。より最適なコアの振り分けが実現しているのではないかと思う。そしてやはりVBSを有効化すると3%-7%程度パフォーマンスが落ちていることがわかる。Windows 11の課題はこのVBSにあると言っても過言ではない。

7-Zip

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Zipファイルの解凍及び圧縮ではWindows 11とWindows 10の差がない。一方で、VBSを有効化すると6%-10%もパフォーマンスが低下している。

ゲーム

Borderland 3

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Borderland 3では平均fpsはWindows 10と同じだが、最小fpsでは4%高くなっている。また、VBSをONにした場合3%-4%フレームレートが低下している。ゲームプレイではやはりVBSをOFFにすることが必須だと考えてよいだろう。

Watch Dogs: Legion

watchdogslegionwin11-watchdogs

Watch Dogs: LegionではわずかながらWindows 10よりもフレームレートが高くなっている。Watch Dogsぐらいの差であればWindows 11が必須とは言えないかもしれない。VBSを有効化すると14%程度パフォーマンスが低下してしまうのは他のタイトルと同様だ。

Hitman 3

hitman3win11-hitman3

Hitman 3では最小fpsがWindows 10より有意に高くなっている。平均fpsは1%の差だが、最小fpsは13%も高い。Hitman 3のプレイを考えているならWindows 11を選ぶメリットがある。また、VBSを有効化すると6%程度数値が落ち込むことは押さえておこう。手間が掛かるわけではないので無効化しておくとよい。

Shadows of the Tomb Raider

Shadow Of The Tomb Raiderwin11-shadowofthetombraider

Shadows of The Tomb RaiderではWindows 10の方がパフォーマンスがわずかに高くなっている。タイトルによってはこういうこともあるようだ。2%-3%の差がある。VBSをONにすると5%-6%フレームレートが低下している。

その他OSとゲーミングPCの相性検証【2024年】

ここではWindows 11以外のOSとゲーミングPCの相性を見ていこう。具体的にはWindows 7、Windows 8.1、Mac OSの3つだ。これらのOSの導入を検討している方はぜひ参考にして欲しい。

Windows 10

windows10
Windows 10を選ぶメリットはこれまでと変わらない環境でゲームをプレイできることだ。新しいOSでは不具合が発生してしまったり、挙動が不安定になってしまったりすることもあるからだ。次の項目で解説しているVBSもその一つだと言える。また、AMD製CPUでも最大15%程度ゲーミング性能が落ちている(tom’s HARDWARE-2, 2021)ということだ。

そういう意味では少し様子を見て問題が完全になくなってからWindows 11にアップグレードするというのもよい選択肢となる。基本的にWindows 10搭載モデルの場合も無償でWindows 11にアップグレードできる。Windows 10搭載モデルなら選択肢が増える。そのままWindows 10のままで使用してもよいし、タイミングを見計らってWindows 11にアップグレードしてもよい。

Windows 8.1

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画像引用元:https://www.microsoft.com(マイクロソフト社HP)

Windows 8.1は2023年1月10月に延長サポートが終了した。現在はサポートされていないので、使用はおすすめしていない。ゲーム用途では扱いにくさや不具合から、非常に不評だった。Windows 8と比べると幾分かマシにはなっていたものの、Windows 7と時期が被っていたため、Windows 8は選ばれにくいOSだった。

ゲームはWindows 7、ゲームをしないならWindows 8.1と言われるくらいだ。最新のOSが登場すると、ゲームはそのOSに対応していくのが通例である。しかし、Windows 8は推奨環境になかったり、対応しないままのゲームがあったりと散々だ。独特なUIでこれまでのWindowsユーザーから総スカンをくらい、ゲーマーからは扱いにくさを指摘された。

この不評のせいか、一部の中古パソコンショップではWindows 8搭載モデルが非常に多く、価格もかなり抑えられていた。市場にはWindows 8が飽和状態だった印象がある。Windows 8.1になり、Windows 10に近いUIと操作性を得てまずまずの支持を得られるようになった。それでも印象の悪さもあってから伸びなかった。

また、一般ユーザーやゲーマーに人気のあったWindows 7が2020年1月まで延長サポートになったことも影響している。Windows 10の登場が2015年7月であるため、Windows 8.1を選択せずWindows 10を選択する人が圧倒的だった。優れたOSやゲームに適したOSは2世代毎に登場すると言われる不名誉な原因を作ったOSでもある。そのため、XP、Win7、Win10が優れたOSとして評価されている。実際には賛否あり、正しい情報ではない。

現在でもWindows 8は推奨環境どころか、対応OSに含まれていないタイトルも存在する。もちろんプレイ自体は可能である。ただ、Windows 8を使用して遭遇した不具合には対応してくれないなどの弊害がある。できるならWindows 10にアップグレードしておく方が良いだろう。

デスクトップPCでは散々な評価のWindows 8はタッチパネルを採用したノートパソコンでは上々の人気があった。また、タブレットPCなど、Windows 8の登場により大きく進歩したものもある。不要なアプリやUIによる負荷が掛かり、ゲーマーには敬遠されるOSだった。

このWindows 8からWindows 8.1の流れで、Windows 10という優秀なOSが登場した。VistaがWindows 7のベースと言われているように、失敗をしっかり活かしているのはWindowsのよさと言える。ゲームをプレイしないのであればWindows 8は画期的という声もある。視点が違えばメリットを享受できたのかもしれない。

Windows 10の使用感はWindows 7よりもWindows 8の方が近い。Windows 8ユーザーならすぐに馴染めるだろう。Windows 8に留まり続けるメリットは薄い。もはやリスクと言えるところまで来ているのではないだろうか。ゲームやアプリを使用するならWindows 10へのアップグレードを行わない手は無い。

Windows 7

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画像引用元:https://www.microsoft.com(マイクロソフト社HP)

Windows 7は、現在サポートが終了している。2019年までは最も人気の高いOSだった。Windows 10が登場してもWindows 7搭載モデルが主流だったことからも分かるだろう。ほぼ全てのゲームやツールに対応していたこと、64bitが一般的になった時のOSだったことも影響している。また、買い替えに関しては、これまでと同じ環境で使用できたのも大きい。

サポート終了とWindows 10のユーザビリティ改善、ほぼ全てのゲームへの対応が完了したため、Windows 7のの存在意義が失われて結果的にWindows 10が主流になった。現在はセキュリティの面でもWindows 7の使用は推奨していない。早急に無償アップグレードを適用し、Windows 10にアップグレードするべきだ。

Windows 7で使用できたツールやソフトは、Windows 10でも使用出来るようになっている。互換性の高さからもWindows 7を無理して使用し続けるメリットは無い。また、Windows 7のプロダクトキーはWindows 10でも使用できるので、その点も安心だ。

Mac OS

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画像引用元:https://www.apple.com/jp/(Apple社HP)

最後にMac OSについても少しだけ触れておこう。本来はここで取り扱うべきでは無いだろう。しかし、気になるユーザーもいると思うので当サイトの見解をまとめておく。Macに対応しているゲームは非常に少ない。

そのため、ゲーミングPCとしての選択はおすすめしない。有名なタイトルや人気のタイトルでもほとんど対応してない。フォートナイトなどの負荷の軽いゲームやスマートフォンに展開されているようなゲームには対応しているくらいだろう。グラフィックボードを搭載しにくいなど理由はあるだろう。

根本的なことを言えば、ゲームプレイを想定した造りになっていない。それは性能や排熱などゲームをプレイする上で不利になるということだ。Mac OSでゲーミングPCを構築するなら、Windows 10搭載のゲーミングPCを購入した方が良い。

PUBG推奨スペック
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画像引用元:http://pubg.dmm.com/(DMM公式)

人気タイトルであるPUBGの推奨スペックを引用しておいた。OSの欄にMacの記載はない。他のほとんどのタイトルが同様だ。FF14などほんの一部のタイトルではMac版が用意されていることもある。Mac OSだからゲームがプレイできないというよりも、ゲームに必要な性能を備えていないというのが根本にあるのだろう。

ゲーミングPCのOS選びについてのよくある疑問

HomeとProのどちらがよいのか?

Windows OSにはHomeとProの2種類のバージョンが用意されている。これらは機能的に違うものだが、どちらを選んでも問題ない。Windows 10にもWindows 11でも用意されている。Homeは一般の消費者向けで家庭用のパソコンでの使用が想定されている。一方、Pro版はビジネス向けで、ビジネスに便利な機能が備わっている。例えば、BitLocker、Remote Desktopなどが代表的だろう。これらの機能が必要なのであれば選ぶと良い。

ゲーミング用途ではHomeもProも影響は何もないのでHomeの方が安価に選択できておすすめだ。Windows 7は16GBを超えるメモリを搭載するにはHome Premiumの上位のProfessionalが必要だった。Windows 8からどのグレードでも128GBは搭載できるので好みの選択でよくなった。

32 bitと64 bitの違いは?

OSの種類Windows 10 32 bitWindows 10 64 bit
最小メモリ容量1GB2GB
最大メモリ容量4GB128GB / Pro 2TB 
ストレージ上限2TB以下2TB以上
(理論上144000TB/144PB)

最初に結論を言っておくと、ゲームをメインにする場合は64 bitの選択を推奨する。32 bitと64 bitの主な違いは上記の通りだ。32 bitと64 bitには大きな違いがある。最も影響を受けるのはメモリ容量だ。

ゲームの推奨環境に8GBや16GBを求められることが珍しくなくなっている。この状況で32 bitを選択するのは、それだけでプレイ出来るゲームは大幅に制限されてしまう。そういった影響もあって、多くのゲームの推奨環境には64 bit OSと記載されている。

では64 bitは32 bitの上位互換なのかと言うとそうでもない。32 bitにも役目はある。主にビジネスモデルなど、性能が控えめなパソコンには有用だ。性能が控えめであるパソコンに64 bitを搭載すると、システムにリソースを割いてしまい動作が重くなる。最近はほとんどないが、古いソフトは64 bitで正しく動作しないこともあった。

限定的な目的が主なパソコンでは64 bit OSを選択するのはデメリットになる。例えば、2GBのメモリに500GBのストレージを搭載した低スペックのノートパソコンなどがそれにあたる。ハイスペックが求められるゲーミングPCでは64 bitが必須だ。

簡単にまとめると、用途と搭載するメモリ容量に依存する。4GB以下なら32 bitでも問題無い。4GBを超えるメモリを搭載するなら64 bitを選択しなくてはならない。仮に32 bitで4GBを超えるメモリ搭載しても実質3GBしか認識しない。(3GBスイッチを有効にすると4GBまで認識)

ビジネスモデルは古いアプリやソフトに対応できたほうが良いので32 bitを検討する余地はある。ゲームでは何があろうと64 bitを選択して欲しい。BTOショップも以前は32 bitが選択出来ていた。今はゲーミングPCに限り、64 bitしか選択できない。ちなみに、Windows 11から32bit版は廃止されている。

Windowsのアップグレード

Windows OSはアップグレードが可能だ。現在使用しているOSがWindows XPだったとしても、Windows 10やWindows 11にアップグレードできる。古いOSだからと諦めなくてもいい。Windowsのプロダクトコードがあれば、古いパソコンから新しいパソコンでも使用できる。ただし、これは規約違反になる可能性があるので、問題がないタイプかを確認してほしい。

それに加えて、性能的な問題でアップグレードできないこともあるので、それも合わせて記載していく。Windows OSのアップグレードで32bit OSを64bit OSへの変更も可能だ。Windows 7以前のOSは32bitが主流だったため、そのまま32bitにアップグレードすると使用感がよくない。32bitの様々な制限については、前述の32bitと64bitの違いの項を確認してほしい。

とくに、メモリ容量最大4GBというのはかなりのデメリットだ。実際には32bitは3GBまでしか認識しない。これを回避して4GBまでしっかり認識させる方法というのが昔あった気がする。しかしながら、3GBスイッチにしても根本的な解決には至らない。ゲームに割り当てられるメモリ容量は2GB程度で、最近のゲームをプレイするのはむずかしい。

この32bitOSが主流だった頃は、OSのアップグレードを検討しても同じ32bitだ。要求スペックが高くなるアップグレードを行うと動作が重くなり、まともに動かなくなる可能性さえある。32bitから64bitへのアップグレード時はメモリ容量に注意したい。また、Windows 11のように、必要なスペックが定められているとアップグレードできないこともある。

Windows 11へのアップグレードするために、CPUはIntel第8世代以降が必要となる。Windows 11からは32bit版が廃止され、64bit版のみとなる。そのため、64bitへの互換性のある第8世代以降のCPUが必要だ。第8世代のCPUの登場は2017年11月で、Windows XPを搭載したパソコンはそもそもスペックが足りない可能性が高い。Windows XPをWindows 11へアップグレードできるのは自作ユーザーくらいなものだろう。

これはWindows 7やWindows 8.1などにも言えることだ。そのため、Windows XPからのアップグレードはWindows 10までが現実的だろうか。OSのアップグレードには、今後パソコンのスペックアップも必要となってくる。パソコンパーツを一から揃えていくよりも、買い替えた方が手っ取り早い。買い替えの際はWindows 11をおすすめする。

Windows 10のサポートは2025年10月まで延長されているので、とりあえずはWindows 10までアップグレードできる。それ以降は買い替えやパーツの交換で対応していかなければならない。サポートが切れるとウイルスの感染リスクが高まったり、OSのバージョンがゲームに対応しなくなったりするので非推奨だ。

当記事のまとめ

当記事では、Windows 11とWindows 10のどちらを選べばいいのかについて検証した。Intel第12世代CPU(おそらくIntel第13世代CPUも)の場合Windows 11の方が少しだけゲーミング性能は高くなる。しかし、その差を体感することは難しいだろう。アプリケーションでは差はないと考えてよい。Windows 11での課題は新しく導入されたセキュリティ機能であるVBSだろう。VBSを有効化すると有意にパフォーマンスが低下するためだ。設定から簡単に無効化できるので安心して欲しい。

筆者としては早く新しいOSに慣れるという意味でWindows 11搭載モデルの購入を推奨する。どうしても不具合を避けたいという場合はWindows 10搭載モデルを選択して時期を見てWindows 11にアップグレードするとよいと思う。基本的にWindows 10でもWindows 11への無償アップグレード付きだ。スペックなどの条件面もクリアできているだろう。

参照外部サイト

ベンチマークテスト環境

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