マウスコンピューターが販売するG TUNE H6-I9G7TBK-Cのレビューを行った。Core Ultra 9 275HX×GeForce RTX 5070 Ti Mobile搭載のハイクラスのゲーミングノートPCだ。16.0インチディスプレイ搭載で快適にゲームを楽しめる。ディスプレイのスペックもWQXGA(2560×1600)、300Hz(MS Hybrid時は240Hz駆動)と優秀だ。40万円近い価格は誰にでもおすすめできるわけではないが、性能的には満足できる水準にある。
G TUNE H6-I9G7TBK-Cのスペック
メーカー | マウスコンピューター |
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ブランド名 | G TUNE |
製品名 | G TUNE H6-I9G7TBK-C |
液晶サイズ | 16.0インチ 300Hz |
解像度 | WQXGA(2560×1600) |
価格 | 399,800円(税込) |
CPU | Core Ultra 9 275HX |
グラボ | GeForce RTX 5070 Ti Mobile |
メモリ | DDR5-5600 32GB |
SSD | 1TB Gen4 NVMe |
電源 | 330W ACアダプター |
重さ | 約2.58kg |
バッテリー駆動時間 | 約7.5時間(動画再生時) |
発売日 | 2025年2月26日 |
評価 | ・コスパ 7.2 ・ショップ評価 9.7 |
G TUNE H6-I9G7TBK-Cのカスタマイズを評価
パーツ | おすすめ度 | 詳細 |
---|---|---|
OS | 変更なし | |
オフィスソフト | 変更なし | |
メモリ | 64GB メモリ [ 32GB×2 ( DDR5-5600 ) / SO-DIMM / デュアルチャネル ] +34,100円 | |
SSD (M.2) | 2TB NVMe SSD ( M.2 PCIe Gen4 x4 接続 ) +25,300円 | |
SSD | 変更なし | |
外付けストレージ | 変更なし | |
光学ドライブ(外付け) | 変更なし | |
UPS | 変更なし | |
ノートPC用クーラー | 変更なし | |
サポート | [3年保証/PC本体] センドバック修理保証+ 安心パックサービス(専用ダイヤル/即日修理) +5,500円 |
|
破損盗難保証サービス | 破損盗難保証 レベル4 (保証限度額¥200,000-) +19,800円 |
黄色のマーカーは一般的なBTOノートパソコンで人気のカスタマイズを示す。おすすめ度はG TUNE H6-I9G7TBK-Cでの評価だ。基本的にカスタマイズは検討しなくてもよさそうだ。メモリやSSDはカスタマイズ費用が高額だ。サポートや保証については一考の価値がある。例えば、安心パックサービスを追加すれば専用ダイヤルを利用でき、即日修理に対応してもらえる。+5,500円なら悪くないように思う。破損盗難サービスは悩ましい。保証限度額は200,000円とG TUNE H6-I9G7TBK-Cの本体価格の半分に過ぎない。それでも持ち運び時の故障リスクを考えると悪くない。全額保証を受けられないよりも半分でもある方がマシだからだ。
G TUNE H6-I9G7TBK-Cの特徴&注意点
G TUNEブランドの現行モデルではもっとも購入しやすい
G TUNE H6-I9G7TBK-Cは、マウスコンピューターのプレミアムブランドG TUNEでもっとも安く購入できるモデルとなる。これは現行モデルに限定した場合で旧世代のモデルを含めればより安いモデルは存在している。CPUにはCore Ultra 9 275HXを、GPUにはGeForce RTX 5070 Ti Mobile搭載で高いゲーム性能を持つ。
ゲーミングノートPCという括りでみればハイクラスに属している。上位モデルのG TUNE H6-I9G0BK-Cになると549,800円(セール時499,800円)と150,000円も高くなる。G TUNEブランドはケースデザイン・性能・構成に優れ廉価グレードのNEXTGEARとは一線を画す。せっかくゲーミングノートPCを購入するならこだわりのモデルを手に入れたいと考えている方向けだ。
ゲーミングノートPCの中ではトップクラスの性能を誇る
グラフィックボードにはBlackwell世代のGeForce RTX 5070 Ti Mobileを搭載している。TDPも最高の140Wに設定されていてゲーム性能の高さは折り紙付きだ。WQHD環境でのゲームプレイにも対応できる。従来モデルのGeForce RTX 4070 Mobileよりも33%程度処理性能が向上している。
下位グレードのGeForce RTX 5070 Mobileと比べても14%程度上回っている。デスクトップ向けモデルでいえばGeForce RTX 5060 Ti 16GBが近い。デスクトップ向けとノート向けでは型番が同じでも性能が異なることは理解しておこう。
CPUにはIntel Core Ultraシリーズ2のフラグシップモデルであるCore Ultra 9 275HXを搭載している。24コア24スレッドと高スペックだ。8つのPコアと16のEコアを組み合わせたハイブリッドコアアーキテクチャを採用している。ゲームプレイだけではなくクリエイティブ作業にも最適だ。
CPU性能はデスクトップ向けのCore Ultra 7 265やCore i7-14700が近い。さすがにCore i9シリーズには及ばないもののモバイル向けモデルとしてみれば空大展だろう。競合のRyzen 9 9955HXと比べると少し劣る結果となっている。そうはいってもGeForce RTX 5070 Ti Mobileの性能を引き出すにはこの上ないモデルといえる。
キーボードがかなり熱くなる
ゲーミングノートPCの宿命かゲームをプレイしているとキーボード周辺が高温になってしまう。40℃を軽く超えてくるので熱さを感じてしまうだろう。手汗をかきやすい方だと使いづらさを感じてしまうかもしれない。別途外付けのゲーミングキーボードで対応するのもよいだろう。
ACアダプターも高温になる。使用時のACアダプターの置き場所も注意しよう。布団やカーペットなど空気の流れが悪くなる場所には置かない方がよい。
参考までにアイドル時だと25.2℃で全く熱くない。CPUやGPUの負荷が上がると発熱量も一気に増す形だ。
ターボモードでは音が大きい
ゲームをプレイする際はターボモードを使用することになるが、そうなるとファンの音が大きく56.0dBを計測した。洗濯機や掃除機の音と同等だ。
少し離して計測しても49.9dBだ。「サー」という音がはっきりと聞こえる。周りに家族がいると騒がしいと思われるはずだ。
G TUNE H6-I9G7TBK-Cのベンチマーク計測【ゲーム】
ゲームプレイ時のパフォーマンスを計測した。比較対象はデスクトップのCore Ultra 5 225×GeForce RTX 5060 Ti 16GBとなる。おおよそ同等のフレームレートが出ていることが確認できるはずだ。
FF14
製品名 | フルHD | WQHD |
---|---|---|
G TUNE H6-I9G7TBK-C | 152.9 | 114.1 |
5 225×RTX 5060 Ti 16GB | 143.2 | 105.8 |
最高品質でのフレームレートを計測した。フルHDで152.9fps、WQHDで114.1fpsと高いフレームレートが出ている。高解像度でのゲームプレイにも対応できる。
フォートナイト(DirectX12)
製品名 | 低 | 中 | 最高 |
---|---|---|---|
G TUNE H6-I9G7TBK-C | 226.0 | 178.0 | 89.0 |
5 225×RTX 5060 Ti 16GB | 195.0 | 188.0 | 110.0 |
フォートナイトではフルHDでのフレームレートを計測している。低設定・中設定・最高設定の3つの画質だ。最高設定でも89.0fpsと十分なフレームレートが出る。画質を下げればより高フレームレートを維持しやすくなる。
モンハンワイルズ
製品名 | フルHD | WQHD | WUXGA |
---|---|---|---|
G TUNE H6-I9G7TBK-C | 187.95 | 157.55 | 177.44 |
5 225×RTX 5060 Ti 16GB | 125.03 | 108.76 | – |
モンハンワイルズは中設定でのフレームレートを計測した。WQHDでも157.55fpsと十分すぎる数値が出る。Core Ultra 5 225×GeForce RTX 5060 Ti 16GB搭載モデルよりも50%程度フレームレートが高いのは驚きだ。
Forza Horizon 5
製品名 | フルHD | WQHD | FHD×中 |
---|---|---|---|
G TUNE H6-I9G7TBK-C | 169.4 | 141.2 | 320.4 |
5 225×RTX 5060 Ti 16GB | 166.2 | 144.1 | – |
負荷の高いForza Horizonでもエクストリーム設定で高いフレームレートが出ている。フルHDで169.4fps、WQHDでも141.2となる。設定を中まで落とせば320.4fpsまでフレームレートが向上する。
Cyberpunk 2077
フルHD
製品名 | 通常 | 通常+DLSS 4.0 | レイトレ | レイトレ+DLSS 4.0 |
---|---|---|---|---|
G TUNE H6-I9G7TBK-C | 122.50 | 394.77 | 51.92 | 279.71 |
5 225×RTX 5060 Ti 16GB | 125.03 | 393.83 | 53.98 | 298.53 |
ウルトラ設定でのフレームレートをまとめている。レイトレを有効化しても51.92fpsとまずまずの数値が出ている。DLSS 4.0を活用すれば279.71fpsまで高くなる。快適にゲームがプレイできるはずだ。
WQHD
製品名 | 通常 | 通常+DLSS 4.0 | レイトレ | レイトレ+DLSS 4.0 |
---|---|---|---|---|
G TUNE H6-I9G7TBK-C | 80.03 | 281.57 | 33.07 | 211.11 |
5 225×RTX 5060 Ti 16GB | 77.81 | 266.77 | 33.59 | 204.62 |
WQHD環境でも問題なく対応できる。DLSS 4.0を使わなくても通常時で80.03と十分なフレームレートが出せる。アップスケーリング技術を活用すれば300fps近い数値が出てくる。レイトレーシング有効化するときはDLSS 4.0の使用が必須だ。
G TUNE H6-I9G7TBK-Cのベンチマーク計測【その他】
Cinebench R23
マルチコアは32,929、シングルコアは2,074と高い数値が出た。競合のRyzen 9 9955HXと比べるとマルチコアが4%弱、シングルコアが3%弱低い結果だ。下位モデルのCore Ultra 7 255HXと比べるとマルチコアが26%、シングルコアが2%弱高い。
Cinebench 2024
Cinebench 2024ではRyzen 9 9955HXを上回るスコアが出ている。マルチコアが1%、シングルコアが4%高い。下位モデルのCore Ultra 7 255HXと比べるとマルチコアが29%、シングルコアが3%高い。
消費電力
FF14のベンチマーク計測時のシステム全体の消費電力は286Wだ。330W ACアダプター付属でまだ余力はあるといえそうだ。消費電力が高いということはそれだけCPUとGPUの性能を引き出せていることの証明でもある。
他社製ゲーミングノートPCと比較
メーカー | マウスコンピューター | ドスパラ | パソコン工房 |
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ブランド名 | G TUNE | GALLERIA | LEVEL∞ |
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製品名 | G TUNE H6-I9G7TBK-C | GALLERIA ZL9R-R57T-6 | LEVEL-16WR171-U7-UKSX |
価格 | 399,800円 | 339,980円 | 329,800円 |
送料 | 無料 | 3,300円 | 2,200円(会員無料) |
液晶サイズ | 16.0インチ300Hz | 16.0インチ300Hz | 16.0インチ120Hz |
解像度 | WQXGA(2560×1600) | WQXGA(2560×1600) | WQUXGA(3840×2400) |
重量 | 約2.58kg | 約2.40kg | 約2.20kg |
バッテリー駆動時間 (動画再生時) |
約7.5時間 | 非公開 | 約4.1時間 |
CPU | Core Ultra 9 275HX (24コア24スレッド) |
Ryzen 9 9955HX (16コア32スレッド) |
Core Ultra 7 255HX (20コア20スレッド) |
GPU | RTX 5070 Ti Mobile | RTX 5070 Ti Mobile | RTX 5070 Ti Mobile |
メモリ | DDR5-5600 32GB | DDR5-5600 32GB | DDR5 16GB |
SSD | 1TB Gen4 NVMe | 1TB Gen4 NVMe | 1TB NVMe |
電源 | 330W ACアダプター | 240W ACアダプター | ACアダプター |
基本保証 (延長) |
3年間 (-) |
1年間 (最長5年間) |
1年間 (最長4年間) |
電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 | 公式 |
性能帯の近いモデルをピックアップしている。いずれのモデルもG TUNE H6-I9G7TBK-Cよりも数万円安く購入できる。G TUNE H6-I9G7TBK-Cの強みはIntel Core Ultraシリーズ2のフラグシップモデルであるCore Ultra 9 275HXを搭載していること、大容量ACアダプター付属であること、そして基本保証が3年間と長いことだ。
ドスパラのGALLERIA ZL9R-R57T-6は59,820円も安く購入できる。ディスプレイのスペックは同等だ。CPには競合であるRyzen 9 9955HXを搭載していて引けを取らない。構成も共通だ。ACアダプターは240Wでパフォーマンス面ではG TUNE H6-I9G7TBK-Cに軍配が上がる。コストパフォーマンス重視なら選択肢として悪くない。
パソコン工房のLEVEL-16WR171-U7-UKSXも個性的な一台だ。ディスプレイはWQUXGAを搭載している。本体重量も約2.20kgと軽めだ。CPUにはCore Ultra 7 255HXを搭載している。構成はメモリDDR 16GB・SSD 1TB NVMeとなる。電源容量は非公開となっているが、330W ACアダプターとはならなさそうだ。
G TUNE H6-I9G7TBK-Cの本体レビュー
正面
オーソドックスなゲーミングノートPCのデザインだと思う。本体はやや大きく重量も重い。持ち運ぶことが多い方は注意が必要だろう。なお、キーボードのバックライトはソフトウェアの”Mouse Control Center”から変更可能だ。パワーセッティングも行える。
右側面
右側面にはUSB 3.0 Type-A×2とSDメモリカードリーダーが備えられている。マウスの接続に適している。
左側面
ネットワーク端子、USB 3.1 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×1、ヘッドホン出力端子がある。I/Oパネルも充実していて実用性が高い。
背面
Thunderbolt 4×1、電源、Mini DisplayPort×1、HDMI×1が搭載されている。Thunderbolt 4及び左側面のUSB 3.1 Type-Cはモニター出力に対応している。全部で5画面主力が可能だ。
手前側
シンプルなデザインを採用している。
ACアダプター
ACアダプターは330Wと大容量でサイズも大きくなっている。下は一般的なノートパソコンのアダプターでサイズが異なることがわかるだろう。
キーボード
キーボードは違和感なく使用できる。上部にパワーセッティングの切り替えと電源ボタンがある。
タッチパッド
タッチパッドも使いやすい。
天板
天板にはG TUNEのロゴが刻印されている。
管理人による総評

G TUNEブランドのハイクラスゲーミングノートPCだ。16.0インチWQXGAディスプレイを搭載している。Core Ultra 9 275HX×GeForce RTX 5070 Ti Mobile搭載で高いゲーム性能を持つ。タイトルによってはWQHD環境にも対応できる。デスクトップでいえばCore Ultra 5 225×GeForce RTX 5060 Ti 16GBが近い。構成はメモリDDR5-5600 32GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと充実している。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
399,980円 | Core Ultra 9 275HX | RTX5070Ti |
メモリ | SSD | 液晶 |
DDR5 32GB | 1TB | 16.0インチ |