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マウスコンピューターが販売する「NEXTGEAR JG-A5G5A」のレビューを行った。Ryzen 5 4500×GeForce RTX 3050 6GB搭載のエントリークラスの一台だ。税込119,900円と低価格なので、マウスコンピューターのモデルの中でも注目度が高い。12万円を切る価格ながらストレージ容量が1TBと余裕があり、基本保証3年間と保証が手厚いのも魅力といえる。初めてのゲーミングPCを探している方にも最適だ。ホワイトカラーケースやRGBケースファン搭載ケースなどにカスタマイズができる。自分好みの一台に仕上げられるのは嬉しいポイントだ。

NEXTGEAR JG-A5G5Aのスペック解説

nextgear

メーカーマウスコンピューター
ブランド名NEXTGEAR
製品名NEXTGEAR JG-A5G5A
価格119,900円(税込)
CPURyzen 5 4500(レビュー)
GPUGeForce RTX 3050 6GB(レビュー)
メモリDDR4-3200 16GB
ストレージSSD 1TB NVMe
電源550W 80PLUS BRONZE
マザーボードチップセットB550
おすすめ度Aランク
評価・コスパ
7.3

—–内訳—–
・ショップ評価
8.9

コストパフォーマンスの評価は7.3と優秀だ。価格を抑えつつもうまくまとまっている。特に1TBのSSDを搭載しているのは素晴らしい。構成を削りきって価格を抑えているわけではない。構成と価格のバランスがよい。それが高評価につながっている。低価格のモデルの中でも、しっかり強みを活かしているNEXTGEAR JG-A5G5Aはおすすめしやすい。

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カスタマイズについて(おすすめ度)

  • CPU ×
  • CPUグリス ×
  • CPUファン ×
  • メモリ ×
  • SSD –
  • 電源 △

NEXTGEAR JG-A5G5Aのカスタマイズは、変更するメリットのある箇所が少ない。CPUはRyzen 5 5500を選択できるが、7,700円の価値があるかは微妙だ。CPUを強化しても、それほど快適性が高まることはない。低価格が強みのモデルには不要と言える。CPUファン・CPUグリスは、Ryzen 5 4500の発熱量を考えれば必要ない。元々どちらも恩恵を感じにくいパーツで、発熱量の小さいRyzen 5 4500では体感することは不可能に近い。

Ryzen 5 4500とGeForce RTX 3050 6GBの組み合わせでは、メモリを32GBへ変更しても扱いきることはむずかしい。ゲームでは32GBを必要とする場面に対応できず、ゲーム以外ではRyzen 5 4500の処理能力から対応しにくい。32GBの容量があって困ることはないが、助かることもないのでカスタマイズは非推奨である。

電源は一考の価値がある。ただし、NEXTGEAR JG-A5G5Aは550Wの電源ユニットで十分まかなえる。750W以上に変更しても、それほど恩恵という恩恵はない。電源は今後増設・交換対応を検討する際に、容量があると安心という程度のものだ。パーツ交換対応ではなく、パソコンを買い替えるなら不要だ。ハイエンドクラスのグラフィックボードに変更する可能性があるなら、750W 80PLUS GOLD以上をおすすめする。

各タイトルの対応表

Apex Legendsフォートナイトパルワールドマイクラ
Apex-Legends
・240Hz


・144Hz
fortnite
・240Hz


・144Hz
palworld
・144Hz


・60Hz
minecraft1
・影Mod


・通常

★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。

NEXTGEAR JG-A5G5AはRyzen 5 4500とGeForce RTX 3050 6GBを搭載したロークラスのゲーミングPCだ。CPUとグラフィックボードはともに性能が控えめだ。最新のゲームの推奨環境を満たすことはむずかしく、ゲームによっては高リフレッシュレートでの安定したゲームプレイもきびしい。控えめな性能であることを理解して選ぶべきモデルだ。

国内で高い人気を誇るApex Legendsは、144fpsの安定さえ現実的ではない。設定を大きく下げ、解像度も下げれば実現できそうだ。交戦中や開けた場所へ高速移動すると負荷が増大する。ゲームの性質上、負荷を抑えたゲームプレイは不可能だ。60fps~100fps程度の安定を目指して、144Hz~165Hz対応モニターの使用をおすすめする。

同ジャンルのフォートナイトでも、144fpsの安定はむずかしい。設定を下げ、DirectX 11環境であれば部分的に144fpsの安定は実現可能だ。しかし、交戦が始まると負荷が高まり不安定になる。一番安定してほしい場面で安定しないのは致命的だ。高望みせず、それなりの環境でのゲームプレイを想定したい。144fpsで完全な安定を目指すならおすすめできない。

一時期話題を集めたパルワールドは、60fpsで安定させることもむずかしい。大きく設定を下げればストレスなくプレイは可能だ。ただ、中終盤は負荷が大きくなりやすく、60fpsを維持するのも場所によるという状況になる。快適なゲームプレイではなく、ある程度の妥協でゲームをプレイできる程度だ。とりあえずプレイはできるという認識で、高リフレッシュレートや快適性は望まない方がいいだろう。

今も人気のMinecraftは、Modを導入していないバニラ状態でなら快適にプレイできる。人気の影Modを導入すると負荷が大きくなり、快適にプレイすることはむずかしくなる。NEXTGEAR JG-A5G5AでMinecraftをプレイするなら、影Modはおすすめしない。とくに、マルチサーバーで遊ぶと、負荷は大きくなりやすいので注意したい。Modがなくても負荷を感じる場面はあるので、バニラで快適にプレイすることを想定したい。

NEXTGEAR JG-A5G5Aの性能まとめ

ゲーミングPCは、CPUやグラフィックボードなどのパーツの集合体だ。ゲーミングPCの性能は、主にCPUとグラフィックボードによって決定される。この2つのスペックを詳しく見ることで、そのモデルが持つ性能が理解できる。CPUとグラフィックボードの性能を数値やグラフで確認することで、パソコンに慣れていない方でも直感的にわかりやすいはずだ。

AMD Ryzen 5 4500(CPU)

ryzen54500gamescore202404

Ryzen 5 4500は、2024年9月時点で購入できるBTOパソコン搭載のCPUの中でもっとも性能が低い。ゲーム性能スコアは21,026だ。従来モデルのRyzen 5 3500と比べて7%弱高いだけにとどまる。Intel第14世代のエントリーモデルであるCore i3-14100にも及ばない。ただし、6コア12スレッドとスペックが高く有利に働くケースもある。次世代のRyzen 5 7500Fと比べると25%以上性能が劣る。50番台や60番台との組み合わせを考えるとよさそうだ。

GeForce RTX 3050 6GB(GPU)

rtx30506gbgamescore

GeForce RTX 3050 6GBは、2024年2月に登場したモデルでAmpere世代のモデルの中では後発だ。ゲーミング性能はそこまで高くなく、GeForce GTX 1650の後継モデルと考えるとよい。GeForce GTX 1650と比べて17%程度性能が高い。GeForce RTX 3050 8GBとの性能差は20%とやや大きい。フルHD環境でも設定を下げる必要がある。低価格帯のゲーミングPCを探しているならこのGeForce RTX 3050 6GBを搭載していることが多いことに気付くだろう。

CPUとGPUのバランス考察

54500-rtx30506gb

Ryzen 5 4500とGeForce RTX 3050 6GBのバランスはよい。どちらも最低限の性能を持つパーツという共通点がある。いかに性能の低いRyzen 5 4500でも、そこまで性能の高くないGeForce RTX 3050 6GBは最大限パフォーマンスを発揮できる。グラフィックボードの性能が高いとCPUのボトルネックが生じるため、このくらいの性能なら問題ない。もっとも、この組み合わせは性能よりも価格を重視している傾向にある。NEXTGEAR JG-A5G5Aのようなモデルであれば、たとえCPUとGPUの性能バランスが悪くても評価が下がることはないだろう。

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NEXTGEAR JG-A5G5Aの特徴&注意点

優れた構成とサポートで初心者でも選びやすい

NEXTGEAR JG-A5G5Aは、低価格でありながら十分な構成を持つ珍しいモデルだ。Ryzen 5 4500とGeForce RTX 3050 6GB搭載して、NEXTGEAR JG-A5G5Aより安価なモデルは存在している。しかし、SSD 1TBを搭載したモデルはない。他のモデルはすべて500GBに抑えられている。カスタマイズ不要で安心して使用できるのが特徴である。

Ryzen 5 4500もGeForce RTX 3050 6GBも現行最低限の性能だ。その性質から価格を抑えたモデルばかりだ。全く同じ構成のモデルが並べば、価格か見た目で選ぶしかない。その中で、あえて価格競争に飛び込まず、個性的な特徴を持ったモデルにした。それがNEXTGEAR JG-A5G5Aだ。似たモデルしかない競合製品に、真っ向から立ち向かわずに新たな選択肢を提供する存在だ。

価格競争で勝てないわけではなく、コストパフォーマンスも上々だ。ただ、価格勝負にしてしまうと1,000円の差が絶望的な差となってしまい、結局低価格を得意とするメーカーにはかなわない。それなら、独自性を貫いたモデルの方が勝負になる。価格が安いだけのモデルとは一線を画すNEXTGEAR JG-A5G5Aに注目したい。

本体とは関係がない部分でも魅力的なところはある。まず、基本保証が3年間と長い。他社BTOメーカーでは本体価格に+10%のコストがあるので10,000円程度の価値があるということだ。これはNEXTGEAR JG-A5G5Aの特徴というよりもマウスコンピューターの特徴だ。これらの要素から、低価格でありながら構成にも保証・サポートにも優れたモデルに仕上がっている。24時間365日電話サポートにも対応しており、初心者の方にとっては選びやすいはずだ。

壊れても3年間の保証、トラブルが生じてもいつでも電話で対応してくれる。これらのサポートまで加味すれば、最安値と言えるのではないだろうか。価格以外のところでアプローチできるモデルは、マウスコンピューターの製品以外にない。ある程度の故障やトラブルに対応できる熟練者の方にはあまりメリットとならないが、不安な方にとっては最良の選択肢となってくれるはずだ。

性能の低さがネック

前述したように、Ryzen 5 4500とGeForce RTX 3050 6GBはどちらも現行最低限の性能だ。型番から見てもわかるように、現行とは言っても最新世代というわけではない。Ryzen 5 4500は2世代ほど落ちる4年前のCPUだ。現在も取り扱われているだけで、現行というのは無理があるかもしれない。GeForce RTX 3050 6GBも同じく1世代落ちるグラフィックボードだ。双方ともに世代落ちの構成だ。これが価格を抑えられる要因だ。

人によっては扱いにくいと感じるほどのスペックである。プレイするゲーム次第で、快適性も大きく変わる。144fpsで安定するタイトルもあれば、60fpsの安定がむずかしいタイトルもある。比較的古めのゲームや軽いゲームをプレイするのに適している。本格的なゲームプレイを想定するには、性能が心もとない。NEXTGEAR JG-A5G5Aは、エントリークラスのモデルだ。初めてのゲーミングPCというよりも、とりあえずPCゲームを体験したい方に向けたモデルだ。

240fpsや4Kのような負荷の高い環境には適していない。みんなでわいわい楽しめればよいというカジュアル層に適している。もっとも、対人要素の強いゲームは比較的負荷が低い。NEXTGEAR JG-A5G5Aでも対応できるので、全てのゲームを諦める必要はない。自分がプレイしたいゲームに対応できるか、まずはそれだけでも知っておく方がいいだろう。必ずしも性能の高いゲーミングPCが必要というわけではない。

オンラインゲームの多くは、幅広い層に遊んでもらえるようにほどほどの負荷に抑えられている。海外のオフラインゲームや一部のオンラインゲームが異常なだけだ。NEXTGEAR JG-A5G5Aで対応できないゲームは限りなく少ないと考えたい。問題となるのは快適性だ。快適の基準は人によって異なる。かくかくしなければ問題ないという方から、240fpsの張り付きが必須だという方まで様々だ。NEXTGEAR JG-A5G5Aは前者のニーズに応えられるモデルということを理解しておこう。

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競合モデルとの比較

ブランド名NEXTGEARLEVELθ
イメージnextgearLEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITE
製品名NEXTGEAR JG-A5G5ALEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITE
ケースミニミニ
価格119,900円99,800円
送料無料2,200円(会員無料)
CPURyzen 5 4500Ryzen 5 4500
CPUクーラー空冷空冷
GPURTX 3050 6GBRTX 3050 6GB
メモリDDR4-3200 16GBDDR4-3200 16GB
SSD1TB NVMeNVMe 500GB
電源550W BRONZE650W BRONZE
マザーボードB550B550
納期約14営業日2日後
基本保証
(延長)
3年間
(-)
1年間
(最長4年間)
電話サポート24時間365日24時間365日
公式公式公式
レビュー当ページレビュー
比較対象はパソコン工房のLEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITEだ。構成は下がるが、価格は20,100円安くなる。3年保証とSSD 1TBに変更すると120,781円となり、価格差は逆転する。つまり、ストレージ容量と3年間の保証期間に魅力を感じるならNEXTGEAR JG-A5G5Aがよく、どちらか一方にしか魅力を感じないならLEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITEがよいということになる。お気に入りのケースを選ぶのもよいだろう。

それぞれに特徴があるため、この2製品は真っ向からぶつかり合うことはない。もっと単純に言えば、構成とサポートを重視するのか、価格を重視するのかだ。あとは見た目で決めてもいい。それくらいどちらも優秀なモデルだ。ただ、この性能帯のモデルを候補に入れる理由の多くは予算を抑えたいというのがあるはずだ。その点で言えば、100,000円を下回るLEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITEに分がありそうだ。

パソコンケースレビュー

NEXTGEAR JG-A5G1D」のレビューで撮影したケース画像だ。基本的な中身は同じだ。カスタマイズで赤色LEDケースファンを選択している。

梱包

NEXTGEAR-konpou
非常にシンプルだ。説明書と電源ケーブルがついている。

NEXTGEAR-konpou2
かなりきれいに梱包されている。

正面

NEXTGEAR-syoumen
NEXTGEARを表したピンクのNGというデザインロゴが黒いケースに映える。2世代前のNEXTGEAR-Microを彷彿とさせる強力なフロントファンが、エアフローの強さを感じさせる。確認しづらいが、フロントファンは3連ファンとなっており、吸気性能は非常に高いことがわかる。右下には小さくNEXTGEARのロゴも見える。シンプルでありながら、ゲーミングPCとしての存在感のある重厚でスタイリッシュなデザインに仕上がっている。

ライトアップ

NEXTGEAR-lightup
カスタマイズで変更可能な赤色LEDファンをライトアップ。カスタマイズなしはLEDファン非搭載なので注意。ゲーミングPCらしい派手なライトアップはガラスサイドパネル採用ケースには映える。従来のケースと異なり、サイドパネルを変更した上でLEDファンへ変更ではない。標準でガラスサイドパネル採用のケースである。単にLEDファンに変更するだけなので、コストも抑えられており、デザインを意識した選択がしやすくなっている。

I/Oパネル

NEXTGEAR-iopanel
I/Oパネルは最近のゲーミングPCに多い天板に搭載されている。USB 3.0が2つにイヤホン・マイクの入出力端子が1つのオーソドックスなものだ。一般的にUSBの接続端子が黒色はUSB 2.0を指すが、NEXTGEARのケースでは黒色でも3.0となっている。背面の黒色は2.0、青色は3.0となっているので少しややこしく感じる。天板部に黒色のUSB 3.0を採用したのはデザインを重視してのことだろう。

イヤホンマイクの入力端子にしても、I/Oパネルがケース全体の雰囲気を損なわない工夫だ。電源スイッチが黒く四角いタイプであることもケースデザインやカラーの基調に合わせたものだ。小さなところかもしれないが、こういった工夫がゲーミングPCのデザインと言える。

また、天板部には取り外し可能な防塵フィルターが装着されている。天板にも2基のファンがあり、吸気の強さを感じさせる。その分だけ埃の吸入も多くなるので、防塵フィルターの存在はありがたいものだ。パソコン内部に埃がたまりにくくなれば、それだけ長く使い続けることができる。本当によく考えられたケースであり、NEXTGEAR-Microの正当な後継機と言えそうだ。

右側

NEXTGEAR-right
NEXTGEARのケースの右側はエアホールのないカバーのみとなっている。左側がガラスサイドパネルであることを考えると、空気の出入りは左右から行われない構造である。吸気が強いことで、空気が横に流れずに正しいエアフローを構築するような形だ。フロント3基、天板2基のファンのよさを損なわないカバーである。

右側内部

NEXTGEAR-rightinside
右側パネルの中は背面通しが可能なケーブルマネジメント機構となっている。ボトムカバーと合わせて、ケーブルを見せずにすっきりさせる形状となっている。また、2つの2.5インチシャドウベイも右側パネルの中にある。SATA SSDを搭載する際は、ここに固定することで表からはSATAケーブルのみ見える形になる。すっきりするだけでなく、接続しにくい電源ケーブルに近いことでセットアップが容易になる。

搭載されているファンが多いことで、少しケーブルがごちゃごちゃして見えるかもしれない。しかし、表からは見えないようにすっきりさせるというポイントはしっかり抑えられている。意外とこういった形状は管理がしやすく、ケーブルの破損も少ないので合理的なものだ。

左側内部

NEXTGEAR-leftinside
ガラスサイドパネルを外しての撮影だ。これだけすっきりしていると、ガラスサイドパネルを外さなくてもパソコン内部を確認できる。できるだけケーブルを見せないことで、各パーツの視認性が上がり、取り外しも非常に容易になる。3.5インチベイを採用しないことで、フロント部の余分なスペースを上手く利用できている。ファンを搭載し、3.5インチベイや2.5インチベイにエアフローを阻害されることがない。

ボトムカバーを採用しており、電源周辺のケーブルもうまく見えなくしている。また、デザインの重さを下部に集中させ、3.5インチベイや2.5インチベイを廃止したことで、上部まで広くすっきりして見える。スペースを広く確保しつつ、ボトムカバーで底上げをすることで、ケーブルに光が吸収されにくく、しっかりとLEDが反射しやすくなる。単にLEDファンを設定できるだけではない。LEDファンを搭載することを前提としているからこそできたケース内部だ。最近のデザイン偏重のケースにも負けないスタイリッシュな内部だ。水冷クーラーのラジエーターも設置できることから、実用性の高さもうかがい知れる。

背面

NEXTGEAR-haimen
背面ははっきり言ってデザインを台無しにしやすい。ケース全体が黒なのに背面は銀色というのはよくある。ケースのしっかり合わせたカラーと形状をしており、評価を高めている。剛堅さを感じさせるフォルムに、使い勝手のよさを思わせる構造がある。

気になったのは背面ファンの取り付け位置だ。可変式の固定具があり、位置やサイズをあまり気にせず取り付けられそうだ。天板にファンを搭載しているケースにはよくあることだが、14cmファンなどの大きなタイプは干渉して取り付けられないことがある。それを考えてか、取り付け位置を上下に調整できるようになっている。これは天板のファンを交換することがあると恩恵を受けられる。大型、特殊なファンや機構を天板に取り付けると、設置できる背面ファンが限定されてしまいがちだ。それを防ぎ、幅を広げられている。デザインや機能を活かす機構が備わっているのは素晴らしい。

もう一つの注目点はPCIEカバーの留め具というのだろうか。スロットカバーを固定する箇所だ。内部にネジで固定するのではなく、外部の留め具に固定することで取り外しがしやすくなる。その留め具部分がしっかりケースと一体化しているのに驚く。実用的にもデザイン的にも軽視されやすい箇所を、しっかりとデザインの一部にしている。こほど完成度の高い背面は見たことがない。間違いなくNEXTGEARのケースは歴代のマウスコンピューター製品で最高峰の傑作である。

NEXTGEAR-soko
底面はマウスコンピューターの得意分野であると言える。おなじみのマグネット付きの防塵フィルターで、埃の吸引を抑えている。底面に関して少しても衝撃はあった。それは、底面の吸気箇所が完全に電源に集約されていることだ。G-Tuneのミニタワーは底面全体にエアホールがあり、全体を覆う防塵フィルターを採用していた。それをNEXTGEARでは実用性に完全に割り振っている。フロント3基、天板2基の吸気ファンは底面にも影響を与えていたのだ。

電源部分にのみ吸気口を用意しており、防塵フィルターもその部分だけにしている。これは完全に電源のためのスペースとして準備されている。電源の冷却と防塵のみを考えており、電源のパフォーマンスを安定させる構造だと言える。それはケース底面四隅の足を見てもわかる。一般的なパソコンやゲーミングPCはあまり高くないゴム足が採用されている。

そのため、底面はメンテナンスがしにくく、埃もたまりやすい環境になる。当然埃の吸入も多くなり、電源へのダメージは大きい。これだけの高さのあるNEXTGEARなら、電源は安定した吸気が可能となる。さらに、防塵フィルターの存在で電源へのダメージは軽微になるはずだ。ただ、防塵フィルターは定期的に水洗いして乾かすなどのメンテナンスが必要になる。

管理人による総評(NEXTGEAR JG-A5G5A)

nextgear

Ryzen 5 4500×GeForce RTX 3050 6GB搭載のエントリークラスの一台だ。税込12万円以下で購入できるのが魅力となる。ゲーミング性能は控えめで妥協が必要な部分が多い。それでもメモリ16GB・SSD 1TB NVMeと平均以上の構成を持ちカスタマイズをしなくても問題ない。ケースデザインもいい。また、マウスコンピューターでは基本保証3年間+24時間365日と手厚い保証とサポートを提供している。初心者の方でも選びやすいように思う。

価格CPUグラボ
119,900円5 4500RTX3050 6GB
メモリSSDHDD
DDR4 16GB1TB非搭載