(サードウェーブ)ドスパラが販売するraytrek MV 冬キャンペーン特別モデルのレビューをしている。Core i7-13700F×GeForce RTX 4060搭載のクリエイターPCだ。グラフィックス処理性能が高くゲームプレイにも対応できる。CPUにCore i5-13400Fではなく、Core i7-13700Fを搭載しているのがポイントだ。ここはクリエイターPCらしさがあると言えるかもしれない。Core i5-13400F搭載のraytrek MV5も販売されている。
CPU性能が高いからといって劇的にフレームレートが向上するわけではないが、将来的にグラフィックボードの換装を考えた場合などにメリットがある。先に投資をしているイメージだ。今ならお得なキャンペーンを実施していて、他社のCore i5-13400F搭載モデルと比べてもコスパは良好だ。なお、初期構成では光学ドライブ及びカードリーダーが非搭載となっているのでその点は注意しよう。
raytrek MVのスペック
メーカー | サードウェーブ(ドスパラ) |
---|---|
ブランド名 | raytrek |
製品名 | raytrek MV |
価格 | 179,980円 |
CPU | Core i7-13700F(レビュー) |
GPU | GeForce RTX 4060(レビュー) |
メモリ | DDR4-3200 32GB |
SSD | NVMe 1TB |
電源 | 650W 80PLUS BRONZE |
マザーボード | チップセットB760 |
光学ドライブ | オプション |
カードリーダー | オプション |
おすすめ度 | Aランク |
評価 | ・コスパ 7.9 —–内訳—– ・コスパ(CPU・GPUメイン) 7.7 ・構成 7.0 ・品質/サポート 9.0 |
各タイトルの対応表
FF15 | Apex Legends | FORTNITE |
---|---|---|
![]() ・4K ・WQHD |
![]() ・240fps ・144pfs |
![]() ・240fps ・144fps |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
raytrek MVはCore i7-13700FとRTX 4060を搭載したミドルクラスのモデルだ。標準的な性能で、フルHDを中心にしたゲームプレイに適している。WQHDへの対応力も向上しているため、ゲームによってはWQHD解像度でも快適な環境を構築可能だ。フルHDなら240Hz環境に対応しやすいが、最高設定での運用にはあまり適していない。設定を下げることで高リフレッシュレートを実現しやすくなるので、設定を下げることに抵抗がないことがおすすめできる条件になりそうだ。
raytrek MV 第13世代Core搭載のゲーミング性能
Core i7-13700F(CPU)
型番 | 総合性能 |
---|---|
Core i9-13900K | 42,134 |
Core i9-13900 | 40,237 |
Core i7-13700K | 38,343 |
Ryzen 9 7900X | 37,541 |
Core i7-13700 | 36,074 |
Core i9-12900K | 34,518 |
Ryzen 9 7900 | 31,376 |
Core i5-13600K | 30,159 |
Core i7-12700K | 30,046 |
Core i7-12700 | 28,961 |
Ryzen 7 7700X | 27,183 |
Ryzen 7 7700 | 25,754 |
Core i5-12600K | 25,507 |
Core i5-13400 | 25,114 |
Ryzen 7 5800X | 24,001 |
Core i5-12400 | 20,146 |
Core i7-11700 | 20,009 |
raytrek MVで採用されているCPUは、Intel第13世代のCore i7-13700Fだ。16コア24スレッドとマルチスレッド性能が高く動画編集や3D CADなどのクリエイター作業にも適している。ハイブリッドコアアーキテクチャを採用して物理コアが増えたことがプラスに働いている。従来モデルのCore i7-12700と比べて28%前後パフォーマンスが向上した。フラグシップモデルのCore i9-12900Kよりも性能が高い。競合モデルのRyzen 9 7900やRyzen 7 7700Xと比べてもパフォーマンスで上回っている。
GeForce RTX 4060(GPU)
型番 | 総合性能 |
---|---|
RTX 4070 | 34,914 |
RX 6800 | 30,479 |
RTX 3070 Ti | 29,957 |
RTX 3070 | 28,194 |
RTX 4060 Ti | 28,036 |
RTX 2080 Ti | 26,552 |
RX 6700 XT | 25,895 |
RTX 3060 Ti | 24,213 |
RX 7600 XT | 23,782 |
RTX 4060 | 22,620 |
RX 7600 | 22,164 |
RX 6650 XT | 21,990 |
RX 6600 XT | 21,147 |
RTX 3060 | 18,722 |
RTX 2060 SUPER | 16,150 |
RTX 2060 | 14,812 |
GTX 1660 SUPER | 13,913 |
当該モデルでは、グラフィックスにAda Lovelace世代のGeForce RTX 4060を搭載している。従来モデルのRTX 3060と比べて20%以上も性能が引き上げられている。フルHD環境でのゲームプレイを考えているなら十分通用するグラフィックボードだ。競合モデルのRadeon RX 7600と比べても性能は上だ。レイトレーシング性能では大きく上回る。DLSS機能を活かせるのもRTX 4060の強みだ。DLSS 3.0を活用すれば数倍のfpsを叩き出せる。
raytrekの概要&特徴
キャンペーンで特徴的なモデルへ
raytrek MVは、冬キャンペーン特別モデルとして販売中だ。価格据え置きでメモリ容量32GBへアップグレードされている。このアップグレードはクリエイターモデルとしての価値を上げているように思う。メモリ容量が増えればメモリ負荷の高いPremiere Proなどのクリエイター向けソフトで有利になる。もちろんゲームプレイにおいてもプラスだ。
ゲームにも作業にも対応できるオールラウンドなパソコンだ。Core i7-13700FとRTX 4060の組み合わせは、ゲーマーよりもクリエイターやストリーマーに人気だ。ゲームをプレイするだけなら、GeForce RTX 4060とのバランスを考えてCore i5-13400Fを選ぶべきだ。Core i7-13700Fを搭載していることで、CPU負荷の高い作業やアプリを快適に操作できる。複数のアプリケーションの動作の安定性にもつながる。
Core i7-13700FとRTX 4060のゲーミングPCは20万円近いモデルも多く、17万円台ならraytrek MVを選択する価値はある。ドスパラのクリエイター向けモデルは、メモリアップグレードのキャンペーンが多い印象がある。逃しても次のチャンスはあるはずだ。もっともメモリの増設自体は容易に行えるので、16GB搭載モデルを購入後必要になったら増設するくらいでもいいかもしれない。
raytrek MVは、ドスパラのクリエイター向けモデル1位を獲得し続けている。選びやすい価格に扱いやすい性能が魅力だからだろう。多くのユーザーに選ばれている理由もしっかりしている。選んで後悔することはないはずだ。ゲーム配信や動画投稿など、ゲームに関わる用途を想定するならおすすめできる。一方で、ゲームをメインにゲーム以外の用途を考えていないならおすすめはできない。用途に合っているかを確認して選んでほしい。
ケースデザインが凡庸
raytrek MVの弱点は、クリエイター向けモデルには見えないやや古さを感じるケースデザインだ。ミドルタワーのケースは一新されたが、ミニタワーは依然として汎用ケースが採用されている。デザインのよいケースこそ、クリエイター向けモデルに求められているように感じるだけに、今のままではあまり購入意欲をそそられないのではないだろうか。
見た目はそれほど重要視しないという意見も多い。購入後にパソコン本体を見ることは少ないからだ。しかしながら、昨今のゲーミングPCの派手さを見れば、影響の大きさは理解できる。一定の層には刺さるはずだ。raytrekシリーズのミドルタワーもスタイリッシュなケースに変更されており、クリエイター向けらしさが出ている。メーカー側も見た目の重要性を把握しているはずだ。
見た目がよければ、本体がよく見える場所にパソコンを設置する可能性はある。インテリアとして考えることもできるだろう。見た目が一般向けビジネスモデルと同等であれば、クリエイター向けという特別感がない。raytrek MVに採用されているケースは、一般向けビジネスモデルのMagnate・Lightningシリーズと同じだ。
構成まで近いとなれば、両ブランドを分けている意味がない。Magnate XVという製品があり、raytrek MVはその完全な上位互換にあたるモデルだ。それを知る人は少ないのではないだろうか。見た目ではなく、名前で区別しているから伝わりにくい。
クリエイター向けらしさを出しすぎると、高価な印象を与えてしまうことも危惧される。安価が売りのraytrek MVにとっては、あまりよい結果にはならない。このあたりがケースデザインの難しいところだ。それでも、クリエイター向けモデルらしさの伝わるケースに一新してほしい。このくらいしかraytrek MVの弱点がないのは強みである。
似ているゲーミングPCとの比較
ブランド名 | raytrek | GALLERIA |
---|---|---|
イメージ | ![]() |
![]() |
製品名 | raytrek MV 冬キャンペーン特別モデル |
GALLERIA RA7C-R46 |
ケース | ミニタワー | ミドルタワー |
価格 | 179,980円(税込) | 192,800円(税込) |
送料 | 3,300円(税込) | 3,300円(税込) |
CPU | Core i7-13700F | Core i7-13700F |
CPUクーラー | 空冷 | 空冷 |
GPU | RTX 4060 | RTX 4060 |
メモリ | DDR4-3200 32GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | NVMe 1TB | NVMe 500GB |
電源 | 650W BRONZE | 650W BRONZE |
マザーボード | B760 | B760 |
保証 | 1年間 (最大5年間) |
1年間 (最大5年間) |
電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
raytrek MVは見た目こそ一般向けビジネスモデルのMagnateと同じだが、採用されているチップセットはB760で、ゲーミングPCと同等だ。つまり、見た目は一般向けビジネスモデルでも、中身はゲーミングPCと同等という変わり種である。幅広い用途を想定するなら、ゲーミングPCではなく、あえてraytrek MVのようなクリエイター向けモデルの方がいいこともある。
パソコンケースレビュー
本体前後
ケースデザインは非常にシンプルだ。ゲーミングPCらしさはなくビジネスモデルと考えた方がわかりやすい。LADDER(ハシゴ)をイメージしたデザインとなっている。もちろんデザインの好みこそあれ機能面で劣るわけではない。吸気は前面部及び左サイドから行い、天板及び後部から熱を放出する。
右側
本体右側は非常にシンプルなデザインだと言える。
左側
本体左側には大きな吸気口が設けられている。グラフィックボードやCPUといったパーツを直接増やすことが可能だ。
左側内部
本体内部は配線も綺麗にまとめられていて好印象だ。配線がタイラップで綺麗にまとめられている。ケーブルがパーツに干渉しないように工夫されているのがわかるだろう。シンプルながらその完成度は高い。プロのなせる技だろう。個人でここまでの作業を行うにはどうしても時間が掛かってしまうし、手先の器用さが求められてしまう。
管理人による総評(raytrek MV)

raytrek MVは、Core i7-13700F×RTX 4060搭載のミドルクラスのクリエイターPCだ。サードウェーブのクリエイターカテゴリーのNo.1に輝くモデルとなっている。GeForce RTX 4060にCore i5-13400Fではなく、Core i7-13700Fを選択しているにも関わらず比較的価格が抑えられているのが人気の秘密だろう。キャンペーン中はメモリが倍の32GBとなり構成も充実している。光学ドライブ及びカードリーガー必要な方はカスタマイズで対応しよう。ゲーミングブランドと比べてケースデザインこそ見劣りするもののコストパフォーマンスがよくおすすめしやすい。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
179,980円 (税込) | Core i7-13700F | RTX4060 |
メモリ | SSD | HDD |
DDR4 32GB | 1TB | 非搭載 |