マイングベースが販売するPalworld×Astromedaのコラボレーションモデルについてレビューを行った。Core i7-14700F×GeForce RTX 4070 SUPER搭載のハイクラスの一台だ。注目したいのは一目でわかるPCケース全体に施されたパルワールドのデザインだ。他社BTOメーカーを見てもこのデザインのゲーミングPCはない。パルワールドが好きな方は要チェックだ。一方で、コストパフォーマンスが高いわけではない点は理解しておこう。今回マイニングベース様より機材をお借りしてレビューを行っている。
当ページの目次
Palworld×Astromeda コラボPC【ハイモデル】のスペック解説
メーカー | マイニングベース |
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ブランド名 | Astromeda |
製品名 | Palworld×Astromeda コラボPC【ハイモデル】 |
価格 | 336,980円/初期構成 355,460円(カスタマイズ18,480円含む)/貸出機構成 |
OS | Windows 11 Home |
CPU | Core i7-14700F(レビュー) |
GPU | GeForce RTX 4070 SUPER(レビュー) |
メモリ | DDR4-3200 16GB(貸出機は32GB) |
SSD | 1TB Gen4 NVMe |
電源 | 850W 80PLUS GOLD |
マザーボード | ASRock B760M Pro RS/D4 (貸出機はASRock B760M Pro RS/D4 Wi-Fi) *仕入れ状況によって仕入れ状況は異なる |
おすすめ度 | Cランク |
評価 | ・コスパ 3.5 —–内訳—– ・ショップ評価 7.6 |
当該モデルのコストパフォーマンスは3.5と低い。コストパフォーマンスを特徴としたモデルではないことは明らかだろう。比較的コストをかけた品質重視の構成も影響している。何よりも、デザイン重視で性能や構成に関係しない箇所にコストがかかっている。デザイン・品質重視のモデルは、低価格路線のモデルとは全く違う。コストパフォーマンスを意識したモデルとは一線を画す完成されたモデルだ。
貸出機ではメモリとマザーボードがカスタマイズされている。メモリDDR4-3200 16GBからDDR4-3200 32GBへのカスタマイズ費用が12,000円で、マザーボードの無線LAN搭載モデルへのカスタマイズ費用が6,480円となる。マザーボードの製品については仕入れ状況などによって異なる点は留意してほしい。今回はたまたまASRock B760M Pro RS/D4 Wi-Fiだったということだ。
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Palworld×Astromeda コラボPC【ハイモデル】の特徴
デザイン性の高いケースデザイン
Palworld×Astromeda コラボPC【ハイモデル】では、パルワールドに登場するモンスター「パル」がデザインされたPCケースを採用している。最近流行りのピラーレスケースでデザイン性が高い。強化ガラスを採用しているのも特徴だ。よくあるアクリルパネルやクリアパネルではない。
正面と左側面が一体化したかのようデザインになっている。透き通るような透明感があり、見た目のインパクトと美しさは目を見張るものがある。パルワールドをプレイしていない方には魅力がないのではないか。そう考えていたが、デザインのよさからパルワールドをプレイしていない方にも魅力的に映るはずだ。
かわいらしいパルたちに興味を持ってからパルワールドをプレイしてもいい。このコラボモデルは、ケースが全てだ。デザインに惹かれたなら、購入を検討してもよさそうだ。デザインケースは多く、BTOメーカーでもピラーレスを採用しているモデルもある。
しかしながら、透明な強化ガラスだけでは、このインパクトは出せない。大胆にパルワールドをデザインしているからこそ、受ける印象は大きく違う。また、10基のLEDファンの存在感も素晴らしい。ピラーレスの強化ガラスケースには、これくらい潤沢なLEDファンが効果的だ。
コストパフォーマンスはイマイチ
当サイトが重視しているコストパフォーマンスについては正直よくない。デザインやこだわりのあるモデルはどうしても低くなりがちだ。基本的に、性能と構成に対して価格が安いか高いかがコストパフォーマンスである。性能や利便性に影響を与えにくいデザインは、コストがかさみ価格が高くなることからマイナスに作用する。デザインを重視するモデルに、コストパフォーマンスを求めるのは酷な話だ。
Core i7-14700FとGeForce RTX 4070 SUPERの組み合わせなら28万円台が相場だ。セール・キャンペーン時の特別モデルなら25万円台も実現するモデルもある。当該モデルは価格が336,980円は相場と比べてやや高めだ。構成などを考慮すればコストパフォーマンスの評価が下がるのも仕方がない。
例えば、採用されているメモリはRGBに対応したタイプだ。性能は同じであってもコストはかかる。デザインを重視するモデルには必要でも、価格を重視するモデルには不要だ。こういったタイプの違いから、そもそもコストパフォーマンスを意識するべきモデルではないことがわかる。
お世辞にもコストパフォーマンスがよいとはいえないが、仮にそれぞれのパーツの品質なども細かく見ていけば妥当な価格に落ち着くかもしれない。DDR4-3200 16GBというスペックだけではなく、XPGのRGB対応は数千円コストが高くなり、その分を上乗せしているところまで見るというものだ。
もっとも、それがコストパフォーマンスの定義に収まるかはわからない。当該モデルはデザインを重視し、パーツを厳選したことで価格が高くなった。単純に性能・構成あたりの価格だけで勝負していない。それを承知した上でコストパフォーマンスを算出している。
コストパフォーマンスを重視する方がどう受け止めるかだ。性能・構成あたりの価格をコストパフォーマンスとし、評価が悪くてもそれを理解した上で選ぶべきモデルだから問題のないモデルだ。
カスタマイズにこだわりが見える
カスタマイズにこだわりが見えるのも特徴だ。じっくりカスタマイズを楽しむのもよいだろう。本来デザイン重視のモデルは、価格が高めになりがちでかつ標準構成で全てが完成していることが多い。変更の余地が少なく、カスタマイズするメリットが少ない。このモデルには当てはまらない。
例えば、白色の「GPUカラー」が選択可能だ。ケース全体が白色なので、こだわるなら白色のグラフィックボードへの変更はありだ。グラフィックボードに電源を供給するための「電源スリーブケーブル」では様々なカラーの電源ケーブルを選択できる。
ケースの特性を活かせるカスタマイズは、デザインを重視するモデルの特徴といえる。そして、こういった選択肢を用意しているのはさすがの一言だ。もちろんデザインだけでなく、本来の用途である利便性の向上や不足を補うカスタマイズもある。
SSD容量の増量や追加、メモリ容量・電源の容量アップのようなオーソドックスなカスタマイズが可能だ。気になるのはHDDの追加だ。貸出機では、取り付けできる箇所がなかったように思う。2.5インチシャドウベイの内側に取り付けるのだろうか。
ここは後から増設するのは少し手間になるかもしれないので、必要ならHDDはカスタマイズしておく方がよさそうだ。カスタマイズにかかる費用が他のメーカーと比べても高めなのが悩ましい。少しの変化でもそれなりに費用がかかり、簡単に40万円台に突入してしまう。カスタマイズは多くても2箇所程度にしておきたい。
上位となるハイモデルプラスは、ハイモデルよりも47,000円高い。せめてカスタマイズの費用は47,000円以下にするべきだ。ただし、デザインを重視するカスタマイズはその限りではない。ここでしか選べないものであるからだ。製品の特徴を考えても妥協しない方が満足度は高くなるはずだ。
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Palworld×Astromeda コラボPC【ハイモデル】の負荷テスト
Counter-Strike2
Counter-Strike2を実際にプレイしたところあまり負荷がかからないことがわかった。これは5人対5人のコンペティティブでは、10人が一箇所に集まることがなかったためだ。負荷を掛けるため今回はBOTを用いた負荷テストを行った。練習・弾薬無限・ウォームアップの状況下で30分ほどプレイした。
平均フレームレートは313fps、最大346fps、最小249fpsだ。240fpsの張り付きは十分見込める。今回のテスト外で、敵が密集した状態で投擲武器を集中してみた。スモークと火炎瓶を集中して投げると、かなりフレームレートにぶれがあった。
これは普段ゲームプレイをしていてもあり得ない状況であるため、今回の負荷テストでは行っていない。投げ物に関して、負荷はそれなりに高くなる。設定で投げ物に関する箇所を下げた方が安定するはずだ。CounterStrike2はほぼ最高設定での負荷テストだ。
設定を大きく下げても、それほど大きなフレームレートの向上にはつながらなかった。プレイヤーの人数が多くなりがちのFFAなどのゲームモードでは安定しやすくなる。プレイするマップでも負荷は違ってくるので、最高設定でのゲームプレイよりも少し下げることをおすすめする。
Apex Legends
Apex Legendsの負荷はかなり特殊だ。基本的なゲームプレイでは安定して240fps以上を叩き出す。このくらいの性能があれば最高設定でも240fpsの張り付きが目指せるのかと満足していた。しかし、負荷のかかる場面では240fpsを下回り安定してしまうことがあった。多くのゲームがそうであるように、遠くが見える状態というのは負荷が増大しやすい。その状況で、スライディングなどの高速移動を挟むと著しくフレームレートが下がる。
今回のテストは練習場で行った。武器やアイテムが置いてあるポイントまでスライディングすると、フレームレートは240fpsを下回る218fpsを記録した。ウルトで高速移動するタイプのキャラや、スライディングしながら発動できるウルトとは相性がよくない。完全な240fpsの張り付きはむずかしいだろう。このテストでは最高設定でのゲームプレイだ。より高い安定を目指すなら、標準程度に設定を下げればかなり安定しやすくなるはずだ。
フォートナイト
フォートナイトは、最も負荷の高まるモードを模索していた。実際にプレイするよりも、クリエイティブモードが最も負荷が高かった。DirectX 12で最高設定にすると平均は130fps程度だ。これをDirectX 11の標準程度に下げると264fpsにまで高まる。意外と環境によってはApex Legendsよりも負荷が高くなるようだ。
フォートナイトはオブジェクトを連続して破壊するとフレームレートが落ちやすい。普段は余裕があっても、オブジェクトの破壊が連続する可能性のあるモードでは設定を下げた方がよさそうだ。
パルワールド
パルワールドとのコラボレーションモデルである当該モデルは、当然パルワールドを快適にプレイできる。最高設定では平均178fpsと高い数値を叩き出している。一方で、遠くまで見渡せる場所ではフレームレートが著しく低下する。最大fpsは230、最小fpsは101だ。画像のように遠くを眺められる場所は注意が必要だ。焚き火の火に触れて燃え上がるなどのエフェクトが発生しても、フレームレートは目に見えて下がる。最適化がいまひとつなのか、性能に余裕があっても安定させるのはむずかしい。
60fpsでの安定は負荷の高い場面でも可能だ。また、100fps以上を維持することもできるため、144Hz環境を活かせる。パルワールドのコラボレーションモデルに対して、ほぼ全ての方は快適にパルワールドをプレイできることに期待しているはずだ。しかし、パルワールドの推奨モデルではない。あくまでもデザインのコラボレーションモデルだ。
ベンチマーク機の構成がメモリ16GB→32GBへとアップグレードされている点は注意してほしい。ベンチマークや負荷チェックは、通常のハイモデルと異なる可能性がある。ゲームに影響を与えるCPUとグラフィックボードはそのままなので、概ね近い数値に落ち着くとは思う。
パルワールドは推奨環境にメモリ容量32GBが指定されているように、16GBでは体感できる差が生じてもおかしくない。ハイモデルを選択するなら、性能を支える意味でも32GB以上にメモリをカスタマイズすることも視野に入れたい。
Palworld×Astromeda コラボPC【ハイモデル】のベンチマーク
貸出機はメモリ容量が32GBである点は留意してほしい。メモリ16GBとはスコアが変わる可能性がある。
3Dmark
Fire Strike Ultra Score
Fire Strike Extreme Score
Steel Nomad Score
Time Spy Extreme Score
Time Spy Score
3Dmarkのベンチマークスコアだ。これだけ見ても、おそらく何のことかわからないだろう。形式的に行っているもので、この数値を見て大体の性能を理解できる方は参考にしていただければと思う。見るべきはSteel Nomadだろうか。Time Spyの後継となる負荷の高いベンチマークである。Fire Strikeのように昔からあるものは、スコアが高くなりがちで、性能を判断する基準にしにくい。
Cinebench
Multi Core
Single Core
CinebenchはCPUの性能を表すものだ。Core i7-14700Fを搭載しているので、他のCore i7-14700Fと比べてもそう大きく変わるものではない。詳細はCore i7-14700F(レビュー)を確認してほしい。
FF14
2024年7月2日に登場した「黄金のレガシー」によるベンチマークだ。フルHDの最高品質で「非常に快適」と、最高評価を得ている。FF14は大型アップデートの度に要求スペックが高くなる。基本無料のオンラインゲームよりも大幅に変更されるため、長くプレイするなら余裕を持った性能を見ておきたい。最高評価の「非常に快適」はスコア15,000以上の評価だ。当該モデルでは27,167で基準よりも+80%異常と余裕があるため、フルHD環境ではかなり長い期間安定したゲームプレイが可能になるはずだ。
FF15
FF15のベンチマークでも、フルスクリーンの高品質で最高評価の「非常に快適」だ。「非常に快適」の評価は12,000以上からだ。このモデルの結果は18,977と余裕がある。+58%とFF14と比べるとそこまで余裕があるスコアではない。これは、FF15はMMORPGではなくマルチプレイに対応しているRPGだからだろう。アップデートも終了しており、既に完結したゲームである。今後要求スペックがかわらないことから、十分余裕のあるスペックと言える。
ストリートファイター6
ストリートファイター6のベンチマークでは100/100の満点だ。概ね60fpsでの安定が認められる状態だ。実際にゲームをプレイする際は、144Hzや240Hzモニターを利用した高リフレッシュレートを使用する方も多いはずだ。あまり参考にならないが、要求スペックに対してかなり余裕を持っている。
240fpsは難しくても144fpsは実現できるはずだ。ストリートファイター6のベンチマークはかなり緩い。ミドルハイクラスでも100/100を取ることは難しくないだろう。しかし、ハイクラスの性能を有するパルワールドとのコラボモデルなら、高リフレッシュレートなどの高い負荷のかかる環境にも対応可能だ。
ブループロトコル
ブループロトコルの要求スペックは少し高めの印象を受ける。しかしながら、GeForce RTX 4070 SUPERを搭載していれば余裕なので、スペックを気にすることもない。最上位の「極めて快適」はスコア10,000以上での評価になる。スコアは33,576で、最高評価の「極めて快適」だ。かなり余裕のあるスコアなのがわかる。推奨環境はそれほど低くないので、実際にプレイすると印象は違うかもしれない。フルHD環境であれば200fps以上の安定は期待できそうだ。
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Palworld×Astromeda コラボPC【ハイモデル】のケースレビュー
開封
- ダンボールからの取り出し
- PC入りダンボールの開封
ダンボールの中には、パソコン本体が入った黒い大きいダンボールとケーブル等が入った細長く黒いダンボールが入っている。しっかりとAstromedaのロゴが刻印がされている。ダンボールからもこだわりが見える。
パソコンの入った黒いダンボールを開けると、パルワールドのデザインがビニール越しに見える。よくあるパソコンとはこの時点で違う。
ケース詳細
- 正面
- 左側面
- 右側面
- 背面
- 天板
- 天板I/Oパネル
- 底面
- 底面防塵フィルター
ピラーレスタイプで正面にも強化ガラスが採用されおり、サイドパネルとデザインがつながっている。パルワールドの文字とパル、プレイヤーが確認できる。
左側面はほぼ一面が強化ガラスパネルとなっている。デザインの隙間からケース内部も確認できる。この面から見ると内部にファンが多く搭載されているのもよく見える
右側面にもパルワールドの文字とパルがデザインされている。白色ケースの見栄えを映えさせる寒色のパルがデザインの主軸を担っている。こちらは強化ガラスではないが、デザインのよさでケースの雰囲気をよく見せているように感じる。
背面を見ると、正面で見るよりもケースのサイズがわかりやすい。一般的なミニタワーよりも横長だ。I/Oパネルの下にPCIスロットがある形だ。電源の位置が少し横にずれているのがわかる。高さを抑えるためか。強化ガラスパネル採用モデルは、縦長になると転倒で大変なことになる。
それを防ぐと考えれば、この形状も悪くない。何よりもバランスを重視しているのだろう。I/Oパネル上部に2つのアンテナが並んでいるが、これは標準構成ではないWi-Fi搭載のマザーボードだからだ。Wi-Fi搭載のマザーボードは、現在カスタマイズでも選択できない。
天板の防塵フィルターも素晴らしいデザインだ。こちらも右側面と同様に、白いケースを意識した寒色したパルがデザインされている。この防塵フィルターはマグネットで軽く設置されているため、ずらせばすぐに取り外せる。
天板右手前にフロントI/Oパネルがまとめられている。何を接続するのかはっきりとわかる。左から、電源スイッチ・リセットボタン・USB 2.0・イヤホンジャック・マイク入力・USB 2.0・USB 3.0・LEDボタンだ。LEDボタンを押すとケースファンのライティングカラーを変更できる。部屋の雰囲気に合わせたり、好みのカラーに合わせたりできるのはすばらしい。ただし、メモリとマザーボードのLEDはASROCKの専用ツールで変更しなければならない。
底面にデザインはなく、防塵フィルターも無地の白いタイプが採用されている。ただ、白いケースに白いLEDは映える。四隅にインシュレーターがあり、下からもLEDの光が反射する。机の色も白くすれば、派手さも演出できそうだ。
防塵フィルターは天板と同じく、マグネットでの固定だ。少しずらせば簡単に取り外せる。ただ、底面の足はそれほど高さがない。手を入れてもなかなか取り外すことはできず、防塵フィルターはフロント下部から引き出せる構造ならよかった。この防塵フィルターの手入れは、パソコンを横に倒すなどしなければならない。割れる可能性を考えると、右側面を下にするしかない。便利なようで不便な箇所という印象がある。
ケース内部
- 左側面ケース内部
- 右側面ケース内部
- 2.5インチシャドウベイ
- 電源部分
- LEDコントローラー
- LEDコントローラー2
ケース内部も白を基調としている。グラフィックボードは黒色のPALIT製が採用されている。この部分はガラスパネルのデザインと被るので黒色でも気にならない。カスタマイズで白色のグラフィックボードも15,000円で選択可能だ。カラーを意識するなら選択するのも悪くない。電源スリーブケーブルのカラーも変更できる。グラフィックボードにつながるケーブルも白くできるので、白色をより強くすることも可能である。
上下に3つずつ、奥に3つ、背面に1つの10基のファンが搭載されている。これだけファンが多いと音が気になるが、ゲームをプレイ中はとくに気にならなかった。多くのゲームやファイルをダウンロードしている時は、マイクも拾うのではないかと思うほど大きな音が発生した。使用した感じではグラフィックボードよりもメモリ・SSDに負荷がかかるタイミングに音が大きくなりやすい印象だ。
CPUファンには360mmの簡易水冷クーラーを搭載で、中央は鏡のようになっている。電源を入れるとAstromedaの文字が浮かび、電源を入れていなくてもデザインを邪魔しない。
右ケース内部は、少しごちゃごちゃしているように見える。多くのLEDファンやケースのLEDの影響で様々なケーブルが張り巡らされている。
右側面ケース内の中央部分に2.5インチベイがある。幅的には3.5インチのHDDも搭載できるが、HDDの厚みではカバーを閉められない。内蔵式のHDDの搭載は考えられていないようだ。内側に取り付ければ可能だろうか。ケーブルに干渉しそうなのでおすすめはしにくい。カスタマイズで選択できるようなので、増設よりもカスタマイズでの追加をおすすめする。
一見するとごちゃごちゃしているように見えて、それぞれがよくまとめられている印象だ。電源のケーブルはセパレートタイプで、別途必要になれば増設できる設計だ。同梱されるケーブル類の中に、増設用のケーブルがあった。スペースに余裕がなく、増設も想定されていないように感じた。
電源の上にポンと置かれたような電子基板があった。これはケースのLEDコントローラーのようだ。右側面内部は舞台裏のようなもので、左側面の鮮やかさのためのスペースだ。あまり美しいと感じない部分なので、少し甘めに見ておきたい。
右側面の左上にもLEDのための基盤がある。華やかさの裏に、こういった部分がしっかり用意されている。やはり、右側面の内部はあまりじっくり見るものではない。左側面からは舞台裏が見えないように、配線も考えられている。デザインを重視するケースにはよくあることだ。
ケースLED発光
- 左側面オープンLED発光
- 左側面オープンLED発光2
- 左側面LED発光
- 背面LED発光
- 正面LED発光
- 右側面LED発光
左側面の強化ガラスパネルを外した状態で電源をつけてみた。やはり、10基全てがLEDファンともなると圧巻だ。この壮大な光景を目にすれば、後述するケースの弱点も気にならないだろう。マイナス要素を飲み込んでも手にしたいと思える価値がある。
電源を入れると水冷式CPUファンの中心部も白く発光する。鏡のようになっていた部分に「Astromeda」の文字が浮かび上がる。パソコンとは思えない仕上がりは、ゲーミングPCらしさがある。その一方で、白色発光は派手さの中におしとやかな雰囲気だ。ビカビカ光るのが苦手でも、優しい光で癒やされそうだ。
左側面のLEDは本当に鮮やかだ。ゲーミングPCらしさのある派手さと、デザインを浮かび上がらせるような鮮やかさのバランスが素晴らしい。品のある光源というべきか、目が痛くなる雑な派手さはない。感覚的には光を取り入れた水槽のようなものだ。パソコンとは思えない美しさを体感できる。
とくにコメントなし
とくにコメントなし
エアホールとLEDファンが重なり、うまく発色を活かしているように思う。その分だけ、マザーボード側のエアホールの発光がないのは物足りなさを感じてしまう。
ケース以外の部分
- 留め具画像
- 同梱品
左4つが左側面の留め具、右2つが右側面のカバーを固定する背面の留め具だ。ドライバーなどの工具なしでも外せるのはよかった。ただ、左側面はこの留め具の分だけ1cmほど飛び出すので、サイドラックなどを活用する際は引っかかるかもしれない。
当初は微妙な留め具と考えていたが、パソコンが横転する形になったとき、地面にこの留め具が先に設置し、ガラスへのダイレクトな衝撃を防いでくれるのではないか。そう考えれば悪くないが、実際は横幅の大きい当該モデルが横転するのは考えられない。高い場所に置いての落下では衝撃が全面に伝わるので、やはりこれ自体にあまりよい効果はなさそうだ。どちらかというと、強化ガラスを全面にするために用意された留め具なのだろう。
付属品として、左からマザーボードのマニュアル・Wi-Fiのアンテナ2本・内部の留め具(M.2?)・SATA 3.0ケーブル・電源に接続するセパレートケーブルの余りだ。これとは別にパソコンの電源も同梱されていた。オーソドックスと言えるものだが、これは貸出機なので実際のモデルでは多少の差異があるかもしれない。
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ケースの気になるところ
メンテナンス性が悪い
強化ガラスケースはメンテナンスに少し手間が掛かる。サイドパネルの取り外しも慎重に行う必要があり、取り外したサイドパネルの置き方や置き場所にも気を遣う。少し手元が狂って衝撃を与えると傷やヒビが入るかもしれない。普段から丁寧にパソコンを扱う方には問題はないが、ある程度スピーディーに物事を行う筆者のようなタイプは苦手だ。
少し慣れた中級者の方や自作を行う方ほど、ガラス素材のサイドパネルの扱いをネックに感じそうだ。アクリルのクリアパネルと違い、ガラスは黄ばんだりくすんだりせず、簡単に磨くことができる。一方で、描かれたデザインは内面に貼り付けられているので、強くこすると剥げる可能性がある。
全体的に優しく取り使わなければ、美しさを維持するのは難しいだろう。メンテナンス性の低さは、底面の防塵フィルターの取り外しや手入れのしにくさにある。吸気を行う底面ファンは埃を吸い上げる。防塵フィルターは埃で詰まりやすい状態だ。この防塵フィルターを取り外すには、パソコンそのものを傾けるか横に倒さなければならない。
全体的に丁寧に扱わなければならないケースを少し傾けての作業は転倒のリスクがある。パソコンに接続しているケーブルを全て外し、クッションの上などに横向きに置いて底面を掃除しよう。強化ガラスのせいか、それなりの重量がある。取り扱いや移動には注意してほしい。
白を基調としていること、内部を見渡せるピラーレスの強化ガラスケースということから、定期的なメンテナンスが必要だ。ケース内は埃が溜まりやすく、全体的に白いPCケースは汚れが目立ち、中が汚れるとすぐに見えてしまう。メンテナンス性の悪さと相まって少し手間に感じてしまう。
机の上に置くには不向き
これだけデザインのよいパソコンは、視界に入れておきたいと考えるものだ。しかしながら、当該モデルはその大きさなどから机の上の設置には適していない。強化ガラスのモデルは、落下させてしまうと取り返しのつかないことになる可能性がある。加えて、ケースの幅がミドルタワーよりも大きいため、机の上をかなり専有してしまう。
本体の幅が285mm、最も幅のある箇所で295mmほどだ。これは、一般的なミニタワーやミドルタワーよりも6~7cm幅がある。10cmにも満たない差でも机の上では圧迫感がある。パソコン工房のゲーミングPCのLEVELシリーズに採用されるミドルタワーと比べても横幅はやはり大きい。
机の端ギリギリに設置するわけにはいかない。安全を考えて少し余裕を持たせた方がいい。仮にモニター2枚を机の上に収まるように設置すると150cm以上の広さが必要だ。一般的なゲーミングデスクの広さは120cmだ。少し広いタイプで140cmくらいである。設置のポジションやプレイスタイルによっては机の上には置けない。
PCのサイドラックのようなものに乗せるのが代替案だ。しかし、PCのサイドラックの上段に乗せるにも、幅が合うものは多くない。設置位置は安定と安全を重視して机の下など安定した場所をおすすめする。机の下に設置するにしても、足が触れるなどすれば傷のつく可能性がある。
サイドラック下部に設置できればそれが最善だろうか。PCの置き場所には少し工夫が必要だ。パソコンを右側、モニターを真ん中と左にモニターアームで吊るなどすればスペースをうまくつかえそうだ。
天板のフロントI/Oパネルが右側に並んでいることから、ベストなポジションは机の下左側だ。そうすると左側面の光やデザインが視界から外れてしまう。やはり右側に置いてこそのモデルだ。パソコンやモニターの位置がある程度固定されるのはデメリットか。
ケース内部に自由な空間がほとんどない
パルワールドとのコラボモデルには3.5インチベイがない。こういったPCケースでは珍しいことではない。内蔵を想定していない場合、PC下部の影響が少ない場所に置く形で設置することになる。しかし、当該モデルは下部にも3連ファンがある。底面への設置は干渉するので不可能だ。背面に無理やり設置することもできない。いまやHDDをストレージとして使用する方は少数派だ。HDDの使用はカスタマイズか外付けで対応したい。
ケース内部もデザインの一部になっているコラボモデルには、余裕のある空間とは裏腹に使用できる空間がない。スカスカの中身さえもデザインであることは、拡張性に自由がないということのように感じる。拡張性はマザーボードのスロットに取り付けできるものか、2.5インチシャドウベイに取り付けるSATA接続のSSDくらいだ。
ゲーミングPCとして使い込むことがむずかしいのは、デザインに特化したモデルに生じるデメリットだ。一般的にデザインを重視していると言われるケースでも、ここまで極端なことにはならない。外付けのもので対応するなどが求められそうだ。あまり内部を触らず、増設も考えない初心者の方に適しているケースかもしれない。筆者のように、ストレージを大量に増設するユーザーには適していない。
管理人による総評(Palworld×Astromeda コラボPC)
デザインのよさに特化したケースを搭載したパルワールドとのコラボモデルは、実用面に少し不安はある。しかしながら、デメリットを飲み込めるメリットを持っている。見た目に関しては間違いなくNo.1だ。ここまで鮮やかで綺麗なゲーミングPCを見たことがない。
ゲーミングPCに何を求めるか。その答えによって、パルワールドとのコラボモデルは評価を変わってくる。性能・デザインを重視するなら文句なくおすすめだ。一方で、見た目を重視せず、価格やコストパフォーマンスを重視するなら魅力は半減してしまうだろう。
画像で何度も見ていたケースだが、実際に目にしたときの衝撃は想像を超えていた。このケースのよさは画像では伝わらない。どこかで現物を見る機会があれば、もっと選ばれるように思う。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
336,980円 | i7-14700F | RTX4070S |
メモリ | SSD | HDD |
DDR4 16GB | 1TB | 非搭載 |