出典:https://www.sapphiretech.global/ja-jp/
Radeon RX 9070の性能比較&ベンチマーク検証を行った。2025年3月に次世代アーキテクチャRDNA 4.0採用のRadeon RX 9070シリーズが登場した。価格的にはRadeon RX 7900 GREの後継モデルという位置付けだ。Radeon RX 8000シリーズがないのはRyzen AI Maxプロセッサーの内臓グラフィックスでRadeon 8000Sシリーズが使われているからだろう。上位モデルであるRadeon RX 9700 XTよりも$50だけ安い。これは旧世代のRadeon RX 7900 XTXとRadeon RX 7900 XTの関係に近い。つまり、モデルの価格差を小さくすることで上位モデルが売れるように仕向けているわけだ。
事実Radeon RX 7900 XTの売り上げは伸び悩み、最終的に価格を大幅に引き下げることになった。市場の原理からすれば価格に見合わない性能なら価格が下がるべきなのだ。Radeon RX 9070も同じ道を辿りそうだ。搭載モデルを見てもRadeon RX 9070 XTと比べると明らかにラインナップが少ない。将来的に価格が下げられる可能性がある。搭載モデルは「Radeon RX 9070搭載おすすめゲーミングPC」でまとめているので参考にして欲しい。
なお、今世代では型番のグレードを表す数値が百の位から十の位に代わり競合モデルと比較しやすくなったのがハイライトだ。もっともRadeon RX 7000シリーズは競合と数値(グレード)が全く合っていなかった。例えば、Radeon RX 7900 GREの競合はGeForce RTX 4090かと思いきや、実際はGeForce RTX 4070 SUPERとユーザーからするとわかりづらくマーケティングに失敗したといえる。今回はそれを正した形だ。
Radeon RX 9070のスペック
世代 | RDNA 4.0 |
---|---|
プロセス | 4nm TSMC |
シェーダーユニット | 3,584 |
ベースクロック | 1330 MHz |
ゲームクロック | 2070 MHz |
ブーストクロック | 2520 MHz |
GPUメモリ | GDDR6 16GB |
L2キャッシュ | 8MB |
L3キャッシュ | 64MB |
TDP | 220W |
MSRP | $549 |
国内価格 | 114,800円~ *2025/3時点 |
発売日 | 2025/03/06 |
よくわかる!!Radeon RX 9070の特徴まとめ
- (+)RTX 5070を上回るグラフィックス処理性能を持つ
- (+)レイトレーシング性能も大幅に向上している
- (+)省電力性に磨きがかかる
- (-)RX 9070 XTと比べると魅力に乏しい
- (-)搭載モデルのラインナップが少ない
Radeon RX 9070の基本スペック
Radeon RX 7900シリーズと比較
項目 | RX 9070 | RX 9070 XT | RX 7900 GRE |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | RDNA 4.0 | RDNA 4.0 | RDNA 3.0 |
GPU | Navi 48 XT | Navi 48 XTX | Navi 31 XL |
プロセス | 4nm TSMC (N4P FinFET) |
4nm TSMC (N4P FinFET) |
5nm TSMC (N5 FinFET) |
MCDプロセス | – | – | 6nm TSMC (N6 FinFET) |
トランジスタ数 | 539.0億 | 539.0億 | 577.0億 (454億+123億) |
ダイサイズ | 357m㎡ | 357m㎡ | 529m㎡ (304.35m㎡+225.12m㎡) |
CU数 | 56 | 64 | 80 |
シェーディングユニット | 3,584 | 4,096 | 5,120 |
RTコア | 56(第3世代) | 64(第3世代) | 80(第2世代) |
Tensorコア | 112(第2世代) | 128(第2世代) | 160(第1世代) |
ベースクロック | 1330 MHz | 1660 MHz | 1287 MHz |
ゲームクロック | 2070 MHz | 2400 MHz | 1880 MHz |
ブーストクロック | 2520 MHz | 2970 MHz | 2245 MHz |
VRAM | GDDR6 16GB | GDDR6 16GB | GDDR6 16GB |
メモリクロック | 20.1 Gbps | 20.1 Gbps | 18.0 Gbps |
メモリバス | 256 bit | 256 bit | 256 bit |
メモリバンド幅 | 644.6 GB/s | 644.6 GB/s | 576.0 GB/s |
L2キャッシュ | 8MB | 8MB | 6MB |
Infinity Cache | 64MB | 64MB | 64MB |
NVENC | – | – | – |
NVDEC | – | – | – |
接続インターフェース | PCIe 5.0×16 | PCIe 5.0×16 | PCIe 4.0×16 |
TDP | 220W | 304W | 260W |
補助電源 | 2x 8-pin | 2x 8-pin | 2x 8-pin |
MSRP | $549 | $599 | $549 |
国内価格 | 114,800円~ | 128,800円~ | 104,800円~ |
搭載モデルの価格 (Ryzen 7 9800X3D) |
399,800円~ | 419,800円~ | – |
発売日 | 2025/03/06 | 2025/03/06 | 2023/07/27 |
*価格は発売時点
Radeon RX 9070のスペックについて上位モデルであるRadeon RX 9070 XTと旧世代のRadeon RX 7900 GREと比較しながら見ていく。まずは前世代のRadeon RX 7900 GREと比較していく。MSRPはRadeon RX 9070と同じ$549だ。発売時点での国内価格はRadeon RX 9070の方が10,000円ほど高くなっている。Radeon RX 7900 GREはRDNA 3.0アーキテクチャ採用のグラフィックボードだ。GPUはNavi 32 XLだ。
Radeon RX 9070ではアーキテクチャがRDNA 4.0へ一新されている。GPUはNavi 48 XTとなる。さらに、2つのチップレット構造を辞めてモノシリック構造に戻した。メモリコントローラーを含むすべてのダイは4nmプロセス(N4P FinFET)で製造されている。Radeon RX 7900 GREではGPUダイが5nmで、メモリキャッシュダイが6nmと異なるプロセスルールで製造されていた。ダイの生産を分けることで歩留まりが向上してコスト削減につながるわけだ。
今回4nmプロセスの熟成でコスト面をクリアできて採用されるに至った。これでメモリレイテンシなどの問題が解決する。ダイサイズは529m㎡から357m㎡へと大幅に縮小化された。これだけ小さくなればRadeon RX 9070は金のなる木となりそうだ。Radeon RX 9070のCU数(コンピュートユニット)は56基でシェーディングユニットは3,584だ。Radeon RX 7900 GREと比べるとCUが24基少なく、シェーディングユニットも1,534も少ない。Tコア及びTensorコアもそれぞれ24・48基少なくなっている。
クロック周波数は引き上げられている。ベースクロックは43MHz(3%)、ゲームクロックは190MHz(10%)、ブーストクロックは275MHz(12%)高くなった。これはプロセスの微細化によって実現している。VRAMはGDDR6 16GBと共通でメモリバスも256 bitと変更なしだ。ただし、メモリクロックが20.1 Gbpsへと11%速くなり、メモリバンド幅も11%広く644.6 GB/sとなる。L2キャッシュは2MB増えて8MBだ。Infinity Cacheは64MBと同じだ。接続インターフェースはPCIe 5.0×16をサポートしている。PCIe 4.0との互換性もあるので古いモデルでも対応できる。TDPは40W減少して220Wだ。補助電源は2×8-pinだ。価格は冒頭で述べたとおりだ。搭載モデルの価格は399,800円~となる。
上位モデルであるRadeon RX 9070 XTと比較していく。アーキテクチャは共通だ。フルスペック版のNavi 48を使用している。CU数はRadeon RX 9070よりも8基増えてシェーディングユニットは4,096だ。RTコア及びTensorコアもそれぞれ増量となっている。Radeon RX 90 XTではクロック周波数が大幅に引き上げられている。ベースクロックは330MHz(25%)、ゲームクロックも330MHz(16%)、ブーストクロックは450MHz(18%)も高い。メモリ周りに変更はない。接続インターフェースもPCIe 5.0×16と共通だ。
TDPは84W(40%)も高くなっている。これだけクロック周波数が高くなれば仕方がないだろう。補助電源は2×8-pinだ。MSRPは$50高く$599だ。国内発売時点での価格は128,800円とRadeon RX 9070よりも14,000円高い。
GeForce RTX 5070シリーズと比較
項目 | RX 9070 | RTX 5070 Ti | RTX 5070 |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | RDNA 4.0 | Blackwell | Blackwell |
GPU | Navi 48 XT | GB203 | GB205 |
プロセス | 4nm TSMC (N4P FinFET) |
5nm TSMC (4N FinFET) |
5nm TSMC (4N FinFET) |
トランジスタ数 | 539.0億 | 456.0億 | 311.0億 |
ダイサイズ | 357m㎡ | 378m㎡ | 263m㎡ |
CU数(SM数) | 56 | 70 | 48 |
シェーディングユニット(CUDAコア) | 3,584 | 8,960 | 6,144 |
RTコア | 56(第3世代) | 70(第4世代) | 48(第4世代) |
Tensorコア | 112(第2世代) | 280(第5世代) | 192(第5世代) |
ベースクロック | 1330 MHz | 2300 MHz | 2325 MHz |
ゲームクロック | 2070 MHz | – | – |
ブーストクロック | 2520 MHz | 2452 MHz | 2512 MHz |
VRAM | GDDR6 16GB | GDDR7 16GB | GDDR7 12GB |
メモリクロック | 20.1 Gbps | 28.0 Gbps | 28.0 Gbps |
メモリバス | 256 bit | 256 bit | 192 bit |
メモリバンド幅 | 644.6 GB/s | 896.0 GB/s | 672.0 GB/s |
L2キャッシュ | 8MB | 64MB | 48MB |
Infinity Cache | 64MB | – | – |
NVENC | – | 第9世代NVENC×2基 | 第9世代NVENC×1基 |
NVDEC | – | 第6世代NVDEC×1基 | 第6世代NVDEC×1基 |
接続インターフェース | PCIe 5.0×16 | PCIe 5.0×16 | PCIe 5.0×16 |
TDP | 220W | 300W | 250W |
補助電源 | 2x 8-pin | 1x 16-pin | 1x 16-pin |
MSRP | $549 | $749 | $549 |
国内価格 | 114,800円~ | 162,980円~ | 118,800円~ |
搭載モデルの価格 (Ryzen 7 9800X3D) |
399,800円~ | 424,800円~ | 359,800円~ |
発売日 | 2025/03/06 | 2025/02/20 | 2025/03/04 |
*価格は発売時点
競合モデルであるGeForce RTX 5070 TiとGeForce RTX 5070と比較していく。MSRP的にRadeon RX 9070の直接の競合はGeForce RTX 5070となる。アーキテクチャが異なるため一部の項目についてそれほど意味をなさない。ここでは特に重要なポイントのみ触れていくことにしよう。GeForce RTX 5070のアーキテクチャは最新のBlackwellだ。プロセスは従来モデルと同じTSMC製5nmとなる。製造プロセスはRadeon RX 9070の方が進んでいる。トランジスタ数はRadeon RX 9070の方が73%多く539.0億だ。ダイサイズも一回り大きく357m㎡となる。CU数・シェーディングユニット数・クロック周波数の比較は割愛させていただく。
次の注目ポイントはVRAMだ。GeForce RTX 5070が次世代のGDDR7規格を採用しているのに対してRadeon RX 9070はGDDR6を継続して使用している。容量はRadeon RX 9070の方が33%多く16GBだ。メモリバンド幅はRadeon RX 9070の方が4%程度遅くなっている。キャッシュ周りもメーカーの違いが見える。L2キャッシュはGeForce RTX 5070の方が40MBも多く48MBとなる。一方で、L3キャッシュはGeForce RTX 5070には搭載されておらずRadeon RX 9070ならではの強みだ。
動画のエンコード及びデコードについても強化された。Radeon RX 9070ではNVIDIAのNVENC(NVIDIA ENCODING)及びNVEDC(NVIDIA DECODING)は搭載されていないが、デュアルメディアエンジンも進化していて画質が改善されている。TDPは220WとRadeon RX 9070の方が消費電力が低い。補助電源にも違いがある。GeForceでは定番の1×16-pinとなる。MSRPはGeForce RTX 5070も同じ$549だ。国内販売価格はRadeon RX 9070の方が4,000円ほど安い。一方で、搭載モデルの価格はGeForce RTX 5070の方が40,000円も安い。
Radeon RX 9070の特徴&強み
競合のRTX 5070を上回るゲーム性能を持つ
Radeon RX 9070のゲーム性能スコアは41,193だ。従来モデルのRadeon RX 7900 GREと比べて11%程度パフォーマンスが向上している。Radeon RX 7900 XTと同等だ。競合モデルであるGeForce RTX 5070よりも4%弱上回っていることがわかる。Ada Lovelace世代のGeForce RTX 4070 Tiと同等の性能を得られる。メインターゲットはWQHDという認識でよさそうだ。アップスケーリングを活用すれば高リフレッシュレートを実現しやすくなる。上位モデルであるRadeon RX 9070 XTと比べると9%弱パフォーマンスが低くなっている。Radeon RX 9070 XTの競合はGeForce RTX 5070 Tiとなる。
レイトレーシング性能はRX 7900 XTXに匹敵する
Radeon RX 9070シリーズではレイトレーシング性能が大幅に強化された。Radeon RX 9070もレイトレーシング性能が高く、前世代のフラグシップモデルであるRadeon RX 7900 XTXと同等以上だ。GeForce RTX 5070やAda Lovelace世代のGeForce RTX 4070 SUPERと比べると10%前後劣る。NVIDIA製GeForceにはかなわなかったが、RDNA 3.0からみれば大きな進歩が見える。
レイトレーシングアクセラレーターが第3世代になったことで従来のRDNA 3.0アーキテクチャから最大で2倍も向上している。大きな部分ではレイの交差判定を行うインターセクションエンジンを1基から2基に増やしたことだ。その他にもBVH(Bounding Volume Hierarchy)をより効率的に取り扱うためにOBB(Oriented Bounding Box)を実装している。GPUメモリやメモリバンド幅への負荷を下げることが可能だ。
ワットパフォーマンスはまずまず優秀
上記グラフ1W当たりのパフォーマンスをまとめたものだ。全体で見ればGeForce RTX 50/RTX 40シリーズが優れているが、Radeon RX 9070も負けていない。GeForce RTX 4070 SUPER・GeForce RTX 5070に次いで高いワットパフォーマンスを誇る。Radeon RX 7900シリーズが苦戦していたので今回の結果は快挙といえるかもしれない。製造プロセスの微細化による恩恵だ。もっともクロック周波数を引き上げたのでGeForceの70番台のグラフィックボードを超えることはできなかった。上位モデルのRadeon RX 9070 XTは省電力性を犠牲にしてパフォーマンスを引き上げている。フルスペックのGPUを使っているので仕方がない。
コストパフォーマンスはRX 9070 XTよりも高い
製品名 | ゲーム性能 | VRAM | メモリ規格 | TDP | 価格 | コスパ | 発売日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
RX 7900 XTX | 46,573 | 24GB | GDDR6 | 355W | $999 | 46.62 | 2022/12/13 |
RTX 5070 Ti | 46,869 | 16GB | GDDR7 | 300W | $749 | 62.58 | 2025/02/20 |
RX 9070 XT | 44,982 | 16GB | GDDR6 | 304W | $599 | 75.10 | 2025/03/06 |
RX 7900 XT | 41,531 | 20GB | GDDR6 | 300W | $899 | 46.20 | 2022/12/13 |
RTX 4070 Ti SUPER | 42,652 | 16GB | GDDR6X | 285W | $799 | 53.38 | 2024/01/24 |
RTX 4070 Ti | 41,219 | 12GB | GDDR6X | 285W | $799 | 51.59 | 2023/01/05 |
RX 9070 | 41,093 | 16GB | GDDR6 | 220W | $549 | 74.85 | 2025/03/06 |
RTX 5070 | 39,624 | 12GB | GDDR7 | 250W | $549 | 72.17 | 2025/03/04 |
RTX 4070 SUPER | 38,098 | 12GB | GDDR6X | 220W | $599 | 63.60 | 2024/01/08 |
RX 7900 GRE | 37,016 | 16GB | GDDR6 | 260W | $549 | 67.42 | 2024/02/26 |
RTX 4070 | 34,714 | 12GB | GDDR6X | 200W | $599 | 57.95 | 2023/01/05 |
Radeon RX 9070は上位モデルのRadeon RX 9070 XTと比べて少しだけコストパフォーマンスが低いが気になるほどではない。MSRPでは+9%の費用で、+9%のパフォーマンスが得られる。妥当な価格設定といえるだろう。国内販売価格を見ると、それぞれ114,800円と128,800円で+12%の費用で9%のパフォーマンスが得られるのでRadeon RX 9070の方がコストパフォーマンスが高い。問題はグラフィックボードに10万円以上の予算をかけられる方が14,000円をけちるかどうかだ。旧世代のRadeon RX 7900 XTXとRadeon RX 7900 XTと同じように価格調整が行われるのではないかと考えている。
なお、競合のGeForce RTX 5070と比べるとMSRPは同じだが、国内販売価格はRadeon RX 9070の方が4,000円安く、それでいてラスタライズ性能は上だ。また、省電力性も高くGPUメモリ容量も多い。ただし、レイトレーシング性能が向上したとは言ってもGeForce RTX 5070には及ばない。また、DLSS 4.0に搭載されているマルチフレーム生成に該当する機能はない。これらの機能を考慮すればもう少し価格差がないと厳しいかもしれない。Radeon RX 9070の方が入手しやすいとなれば話は別だが、現時点ではGeForce RTX 5070かRadeon RX 9070 XTを選ぶ方が幸せになれそうだ。
Radeon RX 9070のベンチマーク一覧(ゲーム)
モンハンワイルズ
モンハンワイルズではGeForce RTX 5070よりもフルHDで9%、WQHDで15%、4Kで7%高くなっている。GeForce RTX 5070 Tiに匹敵するパフォーマンスは出来過ぎだ。モンハンワイルズはRadeonシリーズとの相性がよく全体的に高いフレームレートが出ている。上位のRadeon RX 9070 XTになると4K環境を除けばGeForce RTX 5080に匹敵するほどだ。
FF14 黄金のレガシー
モンハンワイルズとは対照的にFF14ではフレームレートが伸びない。フルHD環境でのフレームレートは下から二番目という結果だ。従来モデルのRadeon RX 7900 GREと比べると2%-12%程度フレームレートが高いが、GeForce RTX 5070よりも2%-9%程度低い。特に4K環境での差が大きい。上位モデルであるRadeon RX 9070 XTとの差は4%-15%となっている。
Forza Horizon 5
Forza Horizon 5では満足できるパフォーマンスが発揮できている。従来モデルのRadeon RX 7900 GREと比べるとフルHDで12%、WQHDで8%、4Kで9%弱上回っている。GeForce RTX 5070と比べても4%-9%フレームレートが高い。WQHD環境での差がもっとも広がっている。GeForce RTX 4070 Ti SUPERに近いフレームレートが出ているのは印象がよい。
Counter-Strike 2
Counter-Strike 2ではGeForce RTX 5070にわずかに届かなかった。Radeon RX 7900 GREと比べるとフルHDで23%、WQHDで30%、4Kで48%も高くなっている。CUあるいはシェーディングユニットが減少していもこれだけ差を広げられるのはRDNA 4.0アーキテクチャのすごさだ。上位モデルであるRadeon RX 9070 XTとのフレームレートの差は最大で12%だ。しっかりと性能差が出ている。
Cyberpunk 2077
Cyberpunk 2077ではGeForce RTX 5070よりも2%-4%程度フレームレートが高くなっている。GeForce RTX 4070 Tiと同程度のフレームレートが出ている。Radeon RX 7900 XTには少し届かなかった。4K環境では10%程度の差がある。Radeon RX 7900 XTX以上のモデルとの性能差が大きい。Radeon RX 9070 XTになるとフレームレートが20%-23%程度高くなる。
Radeon RX 9070のベンチマーク一覧(クリエイティブ)
Cinebench 2024
Cinebench 2024でのGPUレンダリング性能を見ていく。Radeon RX 9070のスコアは15,540とそれほど高いわけではない。Radeon RX 7900 GREよりも14%程度スコアが高いが、Radeon RX 7900 XTと同程度に留まる。競合のGeForce RTX 5070と比べると19%も低くなっている。アプリケーションによってはGeForceとの差が大きいと考えた方がよさそうだ。
Blender
Blenderでも結果はCinebench 2024と似ている。Radeon RX 7900 GREと比べると43%程度向上しているが、Radeon RX 7900 XTXには届かない。上位モデルであるRadeon RX 9070 XTとのスコア差は11%程度だ。競合のGeForce RTX 5070と比べると38%も低くなっている。BlenderはGeForceとの相性がよい。
Stable Diffusion
Stable Diffusionでの画僧生成速度を見ていく。Radeon RX 9070は、RDNA 3.0アーキテクチャのRadeon RX 79000シリーズとほとんど変わらない。RDNA 4.0の上位モデルであるRadeon RX 9070 XTでもそこまで変わらない。GeForce RTX 5070と比べると43%も劣ってしまう。クリエイティブ用途ではやや扱いづらさがある。
Radeon RX 9070搭載おすすめゲーミングPC
正直上位モデルのRadeon RX 9070 XTと比べると搭載モデルの選択肢が少なく存在感がないように思える。今のところドスパラ・パソコン工房・セブン・サイコム(売り切れ)・フロンティアで取り扱いがあるぐらいで、マウスコンピューターやTSUKUMOでは取り扱いがない。ショップからすると立ち位置的に扱いづらさがあるのかもしれない。搭載モデルのコストパフォーマンスが悪いわけではないので、候補に入れても問題ない。
LEVEL-M88H-225F-SGX(パソコン工房)
価格:279,800円+送料2,200円
CPU:Core Ultra 5 225F
GPU:Radeon RX 9070
メモリ:DDR5 16GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS BRONZE
コスパ:調査中
パソコン工房から搭載モデルがリリースされている。CPUにCore Ultra 5 225Fを搭載したゲーミングPCだ。CPUとGPUのバランスが取れているとはいえないが、価格を抑えられるというメリットがある。メモリDDR5 16GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと平均以上だ。電源ユニットは750W BRONZEを搭載している。ケースデザインが一新されてクリアガラスパネルを採用している。カスタマイズでケースカラーとケースファンの数を変更できる。通常3基のケースファンが+2,000円で5基(前面×2基)に増やせる。これぐらいの価格なら追加してもよさそうだ。デザイン的に前面のファンはそれほど目立つわけではない。
LEVEL-M88H-265F-SGX(パソコン工房)
価格:299,800円+送料2,200円
CPU:Core Ultra 7 265F
GPU:Radeon RX 9070
メモリ:DDR5 16GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS BRONZE
コスパ:調査中
Core Ultra 7 265F×Radeon RX 9070搭載のハイクラスの一台だ。CPUにはArrow Lake世代の上位モデルであるCore Ultra 7 265Fを搭載している。20コア20スレッドとスペックが高く同配信などの用途に適している。ゲーム適正は旧世代のCore i7-14700に劣ることがある。メモリDDR5 16GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も平均以上だ。電源ユニットは750W BRONZEを搭載している。ケースカラーは白と黒の2色から選択可能だ。+2,000円で前面にARGB対応ケースファンを2基追加できる。BTOパソコンのケースもオシャレになったものだ。
GALLERIA XA7C-97(ドスパラ)
価格:314,980円+送料3,300円
CPU:Core i7-14700F
GPU:Radeon RX 9070
メモリ:DDR5-4800 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:850W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中
CPUにIntel第14世代の高パフォーマンスモデルであるCore i7-14700Fを搭載した一台だ。次世代のCore Ultra 7 265Fの前世代に当たるCPUだが、ゲーム性能は負けていない。Radeon RX 9070との相性も良好だ。メモリDDR5-4800 32GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も充実している。電源ユニットは850W GOLDが選択されている。ゲーマーに人気のあるガレリアブランドのミドルタワーケースで売却がしやすぐ出口まで考えるなら選択肢として悪くない。次世代モデルが登場したときにも買い替えがしやすくなるはずだ。
FRGHLMB650/WS308(フロンティア)
価格:369,800円+送料3,300円
CPU:Ryzen 7 9800X3D
GPU:Radeon RX 9070
メモリ:DDR5-5600 32GB
ストレージ:SSD 2TB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中
フロンティアの台数限定モデルとなっている。Ryzen 7 9800X3D×Radeon RX 9070搭載で36万円台は相場よりも安価だ。さらに構成が充実していてメモリ32GB・SSD 2TB Gen4 NVMeとなる。電源ユニットは750W GOLD搭載だ。ケースは白と黒の2色から選択できる。クリアガラスパネルを採用していてデザイン性に優れている。初期構成では前面×3基、背面×1基のRGB対応ケースファンを搭載している。ソフトウェアで色やパターンを変更できる。カスタマイズで水冷CPUクーラーを選択すればケース上部RGB対応ファンが追加される。より魅せる一台に仕上げることが可能だ。
GALLERIA XA7R-97 9800X3D搭載 (ドスパラ)
価格:399,980円+送料3,300円
CPU:Ryzen 7 9800X3D
GPU:Radeon RX 9070
メモリ:DDR5-4800 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:850W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中
ガレリアブランドのゲーミングPCだ。CPUに現行最強のゲーミングCPUであるRyzen 7 9800X3Dを搭載している。8コア16スレッドとスペックも高めだ。従来モデルの弱点だったマルチコア性能も、3D V-Cacheの配置を変えて排熱効率を上げたことで引き上げられている。Ryzen 7 9700Xと同等以上だ。Radeon RX 9070との相性も良好だ。メモリDDR5-4800 32GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も充実している。電源ユニットは850W GOLD搭載だ。ガレリアはゲーマーから圧倒的な支持を得ていてリセールにも期待ができる。
ZEFT R61AL(セブン)
価格:490,380円(送料込)
CPU:Ryzen 9 9950X3D(水冷)
GPU:Radeon RX 9070
メモリ:DDR5-5600 32GB
ストレージ:SSD 2TB Gen4 NVMe×2基
電源:1000W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中
Ryzen 9 9950X3D×Radeon RX 9070搭載のハイクラスのゲーミングPCだ。Ryzen 9 9950X3Dは2025年3月に登場したばかりの最新モデルだ。ゲーム性能とマルチコア性能の両立を実現したハイエンドモデルとなる。Radeon RX 9070の性能を引き出すには十分すぎる。メモリDDR5-5600 32GB・SSD 2TB Gen4 NVMe×2基と構成もずば抜けている。電源ユニットは1000W GOLD搭載だ。PCケースはASUS製の「TUF Gaming GT502 Black」だ。フロント及び左サイドにクリアガラスパネルを採用してインパクトのあるモデルに仕上がっている。パソコンショップセブンの特別仕様になっていて初期構成でマザーボードサイドにARGB対応ケースファン×3基、リアにもケースファン1基が搭載されている。当該モデルではCPUクーラーに360mmラジエーター付きARGB対応水冷式モデルを採用しているのでトータルで7基のファンがある。まさに光るゲーミングPCの見本のようなモデルといえる。
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