当記事では、AMD Radeon RX 560の性能スペック&ベンチマークを紹介している。$99と低価格帯のグラフィックボードだ。Radeon RX 460の後継モデルとなっている。当該グラフィックボードはGeForce GTX 1050に対抗するモデルとして登場した。性能的にはGTX 1050の方が上だが、価格が安く特に自作ユーザーにとっては魅力的な選択肢になるはずだ。
同じAMDのRadeon R7 260やRadeon R7 360と同じ立ち位置ということになる。1万円弱という予算がある方であれば選択肢に入るのではないだろうか。競合となるGTX 1050と比較しながらその性能スペックについて詳しく見ていく。後継モデルはRDNA 1.0アーキテクチャを採用した「Radeon RX 5500 XT」だ。Radeon RX 560よりも大幅にパフォーマンスが向上している。
総合評価 :10/100
ゲーム評価:15/100
- 価格が安くエントリークラスとして評価が高い(登場時)(+)
- 中古での入手が難しい(-)
- ゲーム性能はGeForce GTX 1050に大きく劣る(-)
- 前世代のRX 460から大きな変化がない(-)
当ページの目次
Radeon RX 560の基本スペック
RX 560 | RX 460 | GTX 1050 | |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | GCN 4.0 | GCN 4.0 | Pascal |
GPU | Polaris 21 | Baffin | GP107 |
トランジスタ数 | 30億個 | 30億個 | 33億個 |
ダイサイズ | 123m㎡ | 123m㎡ | 101m㎡ |
プロセス | 14nm | 14nm | 14nm |
CUDAコア数 | 1024基 | 896基 | 640基 |
コアクロック | 1175MHz | 1090MHz | 1354MHz |
ブーストクロック | 1275MHz | 1200MHz | 1455MHz |
GPUメモリ | 4GB | 4GB | 2GB |
メモリタイプ | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 |
メモリクロック | 7 Gbps | 7 Gbps | 7 Gbps |
メモリバス | 128 bit | 128 bit | 128 bit |
メモリ幅 | 112.0 GB/s | 112.0 GB/s | 112.1 GB/s |
TDP | 80W | 75W | 75W |
補助電源 | 不要 | 不要 | 不要 |
価格 | $99 | $110 | $109 |
発売日 | 2017/05/13 | 2016/08/08 | 2016/10/18 |
GTX 1050とスペックを比較する。トランジスタ数が33億と10%多くなっている。大きな違いはグラフィックボードの性能を示すコア数とクロック数の特性の違いだ。両者を比較するとGTX 1050はコア数が約38%少ないもののクロック周波数が15-17%高くなっている。AMDとNVIDIAで全く反対の特性を持っていると言える。価格的にはGTX 1050の方が$10高い。実売価格で見るとRX 560は12,000円~、GTX 1050は15,000円からとRadeonに優位性がある。
消費電力についてはスペック上はRX 560の方が省電力だ。しかし、検証するとGTX 1050の方がおよそ16%省電力だということがわかった。GTX 1050が140W弱、RX 560が170Wとなっている。負荷を掛けると多少変動する可能性はあるがGTX 1050の方が省電力と考えて間違いなさそうだ。
Radeon RX 560の最新評価【2024年】
性能が低くゲーム目的ではおすすめできない
Radeon RX 560のゲーム性能スコアは4,328と低い。前世代のRadeon RX 460と比べて3%弱性能が上がっているだけに留まる。やはり新モデルとしては物足りない。基本的にはリフレッシュモデルという扱いで飛躍的なパフォーマンス向上を見込むことはできない。下位モデルのRadeon RX 550との性能差は30%強となっている。50番台のモデルと比べるとワンランク性能が上がる。
競合のGeForce GTX 1050と比べるとパフォーマンスは30%程度落ちてしまう。現行モデルを含めて性能を見ていくとかなり厳しい状況だ。Turing世代の50番台であるGeForce GTX 1650と比べるとその差は歴然となっている。2024年時点ではRadeon RX 560は使いづらいグラフィックボードだ。2世代後のRadeon RX 6400になると性能は2.1倍も高くなる。次世代のRadeon RX 5500 XTになると2.5倍以上性能が高い。
価格的にはRadeon RX 6400の方が近い。当然省電力性にも磨きが掛かっている。エントリークラスのグラフィックボードでゲームプレイというよりはビジネス向けモデルだと言える。モニター出力や簡単な3Dグラフィックス処理が目的なら大きな問題はない。ゲーム目的で購入すべきモデルとは言えないだろう。
中古価格がGeForce GTX 1050と同等で選びづらい
RX 560の中古価格は税込5,980円だ。GeForce GTX 1050も同等の価格で販売されていることを考えると、性能で劣るRadeon RX 560を選ぶ理由は見つからない。半導体不足によるグラフィックボード価格の高騰も落ち着き、中古のモデルも軒並み下落している。10,000円以下のモデルは性能的に厳しくゲームを楽しみたい方は避けた方がよいかもしれない。
現段階でRadeon RX 560を選択するのは賢明だとは言えない。いずれにしても中古でのタマが多いわけではないので、中古で見つけられることができればラッキーだという感覚でいるとよい。今後も輝く時期が来ることはないだろう。競合との戦いに破れてむなしく去っていくことになる。
2024年4月時点ではRadeon RX 560を見つけることは難しい。GeForce GTX 1050が6,480円から購入できるので、やはりGeForce GTX 1050を選択する方がよい。GeForce GTX 1050 Tiが9,980円~、Radeon RX 6400が12,980円~、GeForce GTX 1060 6GBが10,980円~となっていて予算が許すならこの辺りのモデルも候補に入れておこう。性能的にはRadeon RX 6400ぐらいあると安心だ。
Radeon RX 560の特徴&評価
RX 460のリネームモデルに留まる
Radeon RX 560は、RX 460のリネームモデルで大幅に性能が向上したわけではないのが残念だ。NVIDIAのエントリークラスであるGeForce GTX 1050と比べるとかなり性能で劣ってしまう。もちろんプレイするタイトルによっては上回ることもあるが、総合的に見れば性能は下だ。価格差が$10であることを考えるとやや選びづらいかもしれない。性能に見合った価格設定になれば選択する価値が出てくる。
GTX 1050と比べた際の優位性はGPUメモリ容量が倍の4GBというところにある。ただし、Radeon RX 560がターゲットとする環境においてメモリ容量の多さがプラスに働くことはそれほど多くない。優位性としては弱いかなという印象だ。一般的にGPUメモリは、高解像度などで負荷が掛かる場面において重要な役割を果たすからだ。つまり、フルHDあるいはHD環境がメインとなるRX 560では活かせない。
消費電力が高めで電源ユニットにコストが掛かる
Radeon RX 560は、GTX 1050と比べて消費電力がやや高めなのが気になる。エントリークラスのグラフィックボードであることを考えると省電力性も評価のポイントとなるはずだ。AMDはアーキテクチャをそのままにクロック周波数を引き上げたためこのような結果となった。消費電力が高いということは電源ユニットに気を使う必要が出てくる。
場合によってはワット数をワンランク引き上げなければいけないかもしれない。低価格が魅力のこのモデルで電源ユニットにコストを掛けるの本末転倒だ。そうはいってもよほど高性能なCPUを搭載しているなどの条件がない限りはGTX 1050搭載のゲーミングPCと同じ電源ユニットで対応できる可能性が高い。うまくバランスを考えて選択して欲しい。
Radeon RX 560のベンチマーク一覧
当該グラフィックボードのベンチマークを一覧でまとめている。各ゲームタイトルにおいて、フルHD環境×ミディアム設定でフレームレート(fps)を計測。どのぐらいゲームプレイが安定するかを把握することができる。60fps以上の数値が出ていれば最高設定でも快適にゲームをプレイすることができるということだ。Radeon RX 560はエントリークラスのグラフィックボードということでWQHDや高設定でのベンチマークは行っていない。
Ashes of the Singularity: Escalation
Rise Of The Tomb Raider
Battlefield1
Hitman
Doom
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OS | Windows 10 64-bit |
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CPU | Core i7 5960X |
メモリ | 16GB |
電源ユニット | Corsair 1200W PLATINUM認証 |