gtx1050-gigabyte画像引用元:https://www.gigabyte.com/

当記事では、GeForce GTX 1050のスペック&性能ベンチマークを検証している。Maxwell世代のGTX 950の後継モデルだ。GTX 1050は、2016年10月下旬に登場したPascal世代のグラフィックボードだ。中古での購入を考えている方やすでに利用している方向けのコンテンツとなっている。

登場したばかりの頃は低価格帯のゲーミングPCにおいて性能の底上げが行われたという点で評価されていた。2024年時点ではゲーム側の要求スペックも高くなり相対的にゲーム適正は下がって評価は低迷していると言える。50番台の寿命はそれほど長くないことを理解しておく必要があるだろう。

GTX 1050の後継モデルは、Turing世代の「GeForce GTX 1650」及び「GeForce GTX 1650 SUPER」となる。後者はGTX 1650の後発モデルでGTX 1650よりもパフォーマンスが引き上げられている。これまでの「Ti」的な立ち位置だと考えておくとよい。

GeForce GTX 1050の概要

基本スペック

GTX 1050GTX 1050 TiGTX 950GTX 1650
アーキテクチャPascalPascalMaxwellTuring
プロセス14nm14nm28nm12nm
GPUGP107GP107GM206TU117
トランジスタ数33億33億29億47億
ダイサイズ132n㎡132n㎡227n㎡200n㎡
CUDAコア数640基768基768基896基
コアクロック1354MHz1290MHz1024MHz1485MHz
ブーストクロック1455MHz1392MHz1188MHz1665MHz
GPUメモリ2GB GDDR54GB GDDR52GB GDDR54GB GDDR5
メモリクロック7 Gbps7 Gbps6.6 Gbps8 Gbps
メモリバス128 bit128 bit128 bit128 bit
バンド幅112.1 GB/s112.1 GB/s105.8 GB/s128.1 GB/s
バスインターフェースPCIe 3.0 x16PCIe 3.0 x16PCIe 3.0 x16PCIe 3.0 x16
TDP75W75W75W75W
MSRP$109$139$159$149
中古価格6,480円~9,980円~3,980円~13,980円~
発売日2016年10月25日2016年10月25日2015年8月25日2019年4月23日
Pascal世代になってプロセスが14nmへ進化

前世代のGTX 950と同じPascal世代の上位モデルであるGTX 1050 Tiと比較しながらスペックを見ていく。また、参考として最新のTuring世代GTX 1650も一覧にまとめているので合わせて見て欲しい。まず、前世代のGTX 950と比較するとアーキテクチャがMaxwellからPascalに変わり、プロセスも28nmから半分の14nmになっている。トランジスタ数が29億→33億へと15%増えているにも関わらず、プロセスは227m㎡→132m㎡へと40%小さくなった。少ないスペースをより有効活用できるということだ。

GTX 950と比べてCUDAコアが768基→640基に15%少なくなった。一方で、コアクロックが32%高く、ブーストクロックも23%高い。結果的にパフォーマンスで上回っている。GPUメモリはGDDR5 2GBと共通だ。メモリクロックが10%高くなり、バンド幅が6%高くなっただけだ。メモリ周りはほとんど変わっていない。価格が$50下げられているのは評価に値する。

上位のGTX 1050 TiになるとCUDAコアが20%アップの768基となる。プロセスやダイサイズは同じだ。コアクロックが4%低く、ブーストクロックも4%低い。GPUメモリ容量が倍の4GBになるのも大きい。メモリクロック・メモリバス・バンド幅は共通だ。価格は$139と十分価格も抑えられている。

最後に最新のTuring世代のGTX 1650とも比較しておこう。プロセスは14nm→12nmへとさらに進化している。ダイサイズも一回り大きくなっているが、トランジスタ数も増えてポテンシャルの高さが伺える。CUDAコア、クロック周波数も引き上げられている。GPUメモリもGTX 1050 Tiと同じ4GBを搭載している。価格は$109から$149へと高くなっているが、性能を考えると納得もできるはずだ。

性能

gtx1050seinou20222

グラフを見てわかる通りGTX 1050のゲーミング性能はそれほど高くない。前世代のGTX 950よりも3%程度性能が高いが、GTX 950から買い換えるほどではない。2世代前のGTX 750 TiやGTX 750からの買い替えなら意味がある。上位モデルであるGTX 1050 Tiになるともうワンランク性能が引き上げられる。GTX 1050 Tiとの性能差は22%だ。

Turing世代のGTX 1650になるとGTX 1060 6GBとGTX 1050 Tiの間まで性能が高くなる。2023年の状況を考えると最低でもGTX 1650を選びたい。できればGTX 1660 SUPER以上が無難だ。最新の50番台であるRTX 3050は、GTX 1660 Ti/GTX 1660 SUPERと同等以上の性能を持っている。レイトレーシングやDLSSといった機能も搭載されている。

GeForce GTX 1050の最新評価【2024年】

ゲーム用途では通用しなくなっている

gtx1050gamescore

GTX 1050が出たばかりの頃、およそ8年前まではゲーミング用途としてかろうじて通用していた。2024年になった今は正直ゲーミング用途で使うのはおすすめしない。現行モデルになると50番台でも性能の底上げが行われていて余計に古いモデルだと見劣りしてしまう。次世代のGTX 1650になると50%性能が高く、その次の世代のRTX 3050になると130%も性能が高い。

50番台のモデルもしっかりと進化している。時代の流れとともにゲーム側の要求スペックも高くなっていてどんどん対応しづらくなってきた。一般的なフルHD環境なら低設定でのゲームプレイが基本で場合によってはHD環境でないと対応できないこともある。特に最新のタイトルがメインなら避けるべきだ。

将来性も低く今購入するのはおすすめしない。50番台のモデルについては次世代モデルが登場したら買い替えていくとよい。例外として古めのタイトルがメインだったり、設定にこだわりがなかったりするのであれば候補に入れてもよいだろう。GeForce GTX 700番台のグラフィックボードと比べても運用はしやすい。購入前にどういったゲーム環境を構築したいのかを考える必要がある。

中古価格は6,480円~とコスパは良好

製品性能価格コスパ
RTX 3050 8GB14,73426,9800.546
GTX 1650 SUPER12,23815,9800.766
RTX 3050 6GB*11,72431,7990.369
GTX 1060 3GB10,9617,9901.372
GTX 16509,50613,9800.680
RX 64009,39212,9800.724
GTX 1050 Ti7,7629,9800.778
GTX 9607,4054,9801.487
GTX 1630*6,39421,6360.296
GTX 10506,3006,4800.972
GTX 9506,1323,9801.541
*新品

GTX 1050の中古価格は6,480円~とかなり価格が下がっている。GTX 1050のコスパ指標は0.972と1.0に近い。GTX 1650やGTX 1050 Tiと比べてもコスパ指標は高い。一方で、旧世代のGTX 950になるとさらにコストパフォーマンスは高い。問題はGTX 1050にしろGTX 950にしろ絶対的なゲーミング性能が物足りないことだ。いくらコストパフォーマンスが高くてもゲーミング性能が低ければ意味がない。

古いタイトルだけをプレイする方などそこまで高いグラフィックス処理性能が必要でない方であれば候補に入れてもよいかもしれない。省電力性を重視しないならGTX 960も候補に入れてもよいだろう。かなり価格が落ちていてお買い得感がある。ゲーム性能もGTX 1050よりも上だ。

同じGTX 10シリーズのGTX 1060 3GBもおすすめだ。発売当時の人気モデルでSteamでも長らくトップシェアを誇っていたこともあって国内でもタマが多い。結果的に価格もかなり落ちている。GTX 1050に+1,500円なら間違いなく書いだ。

どちらかと言うとGTX 1050はクリエイター向けの用途での使用がおすすめだ。WEBデザイナーの方や趣味でRAW現像などを行っている方であればメリットがあるだろう。CPU内蔵グラフィックスよりは格段にパフォーマンスが上がるためより効率的に作業を行える。上述のとおりゲーミング性能が高くないためゲーム目的で購入するのはおすすめしない。

GeForce GTX 1050のベンチマークと比較のポイント

  • GTX 950との性能差がわずかであるということ
  • 設定を落とさないと60fps達成が厳しいということ

Battlefield 1

battlefield

GTX 1060 6GB147.7
102.0
GTX 1050 Ti94.3
68.4
GTX 96086.2
63.6
GTX 95078.7
55.4
GTX 105078.7
54.7
RX 46069.5
49.6
標準最高設定
Battlefield 1ではGTX 950の方がフレームレートが高くなってしまっている。これだとGTX 1050を選択する理由が薄くなってしまう。GTX 1050 Tiになるとワンランク性能が高くなることから選ぶ理由が生まれてくる。GTX 1050との差は20%程度と大きい。最高設定でも60fpsを超えてくるのはさすがだ。GPUメモリ容量がGTX 1050の倍の4GBあるのが心強い。なお、テーブルに記載はないがGTX 1650なら標準設定で100fps以上を出すことが可能だ。

Hitman

hitman

GTX 1060 6GB132.4
66.3
GTX 1050 Ti75.1
38.3
GTX 96073.3
36.0
RX 46066.0
37.0
GTX 105054.3
28.7
GTX 95053.1
27.1
標準最高設定
Hitmanでは28.7fpsと最高設定でのゲームプレイは到底できない。標準設定でかろうじてゲームプレイができるということだ。GTX 950よりもフレームレートが高くなっているもののその差は3%-5%程度に留まる。GTX 1050 TiになるとGTX 1050よりも40%程度性能が高くなる。

Doom

doom

GTX 1060 6GB138.7
123.0
GTX 96086.4
76.7
GTX 1050 Ti85.5
76.5
GTX 105075.7
52.3
GTX 95075.2
49.6
RX 46070.2
59.4
標準最高設定
GTX 1050とGTX 950のスコアはほぼ横並びだ。最高設定では5%程度高くなっている。標準設定なら快適にゲームプレイすることができる。一方で、最高設定になると52.3fpsとギリギリのラインだ。それがGTX 1050 Tiになると10%以上パフォーマンスが向上する。最高設定では46%もフレームレートが高い。明らかな差があることがわかる。

Rise of the Tomb Raider

Rise Of The Tomb Raider

GTX 1060 6GB94.9
61.0
GTX 96053.4
34.6
GTX 1050 Ti50.4
32.6
GTX 95046.5
23.2
GTX 105044.6
25.5
RX 46041.1
23.6
標準最高設定
Rise of the Tomb Raiderのような負荷の高いタイトルになると50番台のグラフィックボードでは太刀打ちできない。実際このようなタイトルが増えているのでゲーム適性は高くないと言える。GTX 1050では設定を落としても44.6fpsとなっている。低設定にするかHD環境にする必要がありそうだ。

GeForce GTX 1050登場時の評価【2016時点】

先代のGTX 950よりも高パフォーマンス(+)

gtx1050seinou
GTX 1050はPascal世代待望のミドルクラスであり、900シリーズではロークラス、ローエンドクラスにあたる。価格は当時のローエンドクラスGTX 750 Tiに近く、性能は当時のミドルクラスGTX 950よりも僅かに高い。

性能は他の製品より伸びなかったが、補助電源無しでミドルクラスまで性能を底上げしている。特に省電力性は魅力が高く、一般向けのパソコンにもそのまま搭載することができる。低価格帯のグラフィックボードとしてはこれまで考えられないパフォーマンスを持っている。

買い替え対象としては範囲が狭く、600シリーズの50番台以下の製品からくらいだろうか。新規で購入する際に価格が抑えられているため、初心者にとっては選びやすいかもしれない。グラフィックボード自体はGTX 950の性能とGTX 750の価格に近いためコストパフォーマンスは良好だ。長く低価格帯を支えてきたGTX 750とGTX 750 Tiに引導を渡す大役を任されることになった。後継機としては申し分無く、まずまず評価されていくと思われる。

将来性が高いモデルではない(-)

パスカル世代になって性能が上がったとは言え、あくまでミドルクラスのグラフィックボードだ。これから何年も使っていくというのは心もとない。性能は控えめとなっているのでVR、4K解像度や高設定でのゲームプレイなど高い負荷には対応していない。

また、GTX 1050は、GTX 1060 6GBのような60番台でありながら旧モデルの80番台に追いつくようなものではない。さらに、上位のGTX1050Tiの存在も大きい。グラフィックボード単体で5,000円の差、ゲーミングPCも同等の差でワンランク上のモデルを購入できることを考えるとそれほどおすすめできるわけではない。

とにかく今は安く抑えておきたいという方や初心者にはいいが将来的にもゲームをプレイし続けるのであれば考え直す必要があるだろう。

GeForce GTX 1050搭載おすすめゲーミングPC

NEXTGEAR-M im610BA1-TV(G-Tune)

im610価格:89,800円
CPU:Core i5-8400
GPU:GeForce GTX 1050
メモリ:DDR4 8GB
SSD:非搭載
HDD:1TB
電源:500W BRONZE

CPUにi5-8400を搭載した一台だ。GTX1050搭載モデルとしてはコストパフォーマンスは高めだ。構成を落とすことで予算を落としGTX1050搭載モデルとしての価値を高めている。税込みでも10万円にいかない価格は魅力的だろう。

LEVEL-M0B6-i3-LN(パソコン工房)

LEVEL-M037-i5-VN価格:74,980円
CPU:Core i3-8100
GPU:GeForce GTX 1050
メモリ:DDR4 8GB
SSD:非搭載
HDD:1TB
電源:500W BRONZE

Core i3-8100を搭載した一台。ゲーミング用途というよりもグラフィックボードを搭載したビジネスパソコンと言えるかもしれない。それでも一世代前のCore i5に匹敵する性能を持つCPUは安心感がある。

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