MSI MPG Z790 CARBON WIFI MB5911

ゲーミングPCのパフォーマンスを支えるマザーボードの選び方と、今選ぶべきおすすめモデルを詳しく解説していく。本記事では、BTOパソコンのカスタマイズに悩む初心者から、最新プラットフォームの仕様にこだわる自作派まで、あらゆるゲーマーが満足できる情報を凝縮している。IntelとAMDの両陣営について、最新のチップセット事情について詳しくなれるはずだ。なお、用語や役割などの基礎知識については「マザーボードとは | パソコンパーツの基礎」にて別途詳しくまとめているので参考にしていただければと思う。

BTOパソコンとマザーボードについて

基本的にBTOパソコンではマザーボードをカスタマイズすることはできないと考えてよい。コスパを重視し、増設の予定もないのであれば、大手BTOメーカーが選定したチップセット基準のモデルを選べば失敗はない。マザーボードにこだわりたいのであれば、詳細な型番が記載されているショップや、カスタマイズが可能なショップを選ぼう。

大手メーカーはマザーボード固定(カスタマイズ不可)

BTOパソコンにおいて、マザーボードは基本的に固定となる。つまり、多くのメーカーではユーザーに選択肢がなく、購入時にマザーボードを細かく意識する機会はそれほど多くないはずだ。ドスパラ、マウスコンピューター、パソコン工房、フロンティアといった大手メーカーBTOでは、CPUやGPUのカスタマイズ項目は豊富ですが、マザーボードの変更は基本的に除外されている。これらのメーカーはチップセットをベースにモデルを管理しているのが一般的だ。

ハイクラス・ミドルタワーでは、Intel Zシリーズ/AMD Xシリーズ、ミドルクラス・ミニタワーではIntel Bシリーズ/AMD Bシリーズ(or Aシリーズ)といった具合だ。製品名にチップセット名が含まれていることも多いため、構成の根幹となるマザーボードを固定することで、動作の安定性を担保しつつ、初心者でも迷わないようなラインナップを実現しているように思う。実際、増設の予定がないユーザーにとって、マザーボードの違いによるパフォーマンスの差を体感するのは難しいだろう。

中小メーカーではフルカスタマイズが実現

サイコムやパソコンショップセブンのような、フルカスタマイズ(フルオーダー)を特徴とする中小BTOメーカーでは、マザーボードの個別選択が可能だ。マザーボードの機能や耐久性にもこだわりたいという方は、こうしたショップを選ぶのが正解といえる。ただし、これら専門店でも全ラインナップから選べるわけではなく、ショップが厳選したいくつかのモデルから選ぶ形になる。もし特定のマザーボードあるいはメーカーを選びたいという強いこだわりがあるなら、自作PCも視野に入ってくる。

スペック表に製品名がない理由

大手BTOメーカーのスペック表を見ると、具体的な製品名ではなくチップセット名のみが記載されていることがよくある。これは、在庫状況に応じて同等スペックの製品を柔軟に使い分けられるようにするためだ。また、多くのメーカーがホワイトボックス(OEM製品)を採用している。これはショップオリジナルの型番を持つ製品で、中身はASRock、ASUS、MSI、GIGABYTEといった大手メーカーの市販品をベースに、機能を最適化(コストカット)したものとなる。

ホワイトボックスのメリットとしては、不要な機能を削ぎ落とすことで、価格と機能のバランスが高水準にまとめられていることにある。もちろん、品質自体が低いわけではない。注意点としては、市販品と異なり、ドライバーの入手先がメーカー公式サイトに限られることがあることだ。購入後は、念のためドライバー類のバックアップを取っておくと安心だ。

なお、TSUKUMOや前述のサイコム、セブンのようなショップでは、マザーボードの製品名まで明記されていることが多い。こうしたショップでは、納品書やシステム情報、あるいは筐体を開けて目視することで、搭載されている市販品ベースのモデルを特定できる。

マザーボードは妥協の象徴か!?その実態と向き合い方について

自作PCでもBTOパソコンでも、マザーボードは最も妥協されやすいパーツなのではないだろうか。私自身、自作PCを組む際はコストを抑えるためにまずマザーボードのグレードを下げることを検討してしまう。徹底的にこだわったフラグシップ機なら話は別だが、一般的なゲーミングPCにおいて、マザーボードが性能に与える影響はCPUやGPUに比べれば極めて小さいと考えているからだ。

マザーボードのパフォーマンスは直感的に理解しづらい

CPUやグラフィックボード、メモリがゲームの快適さに直結し、電源やストレージがシステムの安定を支えていることは直感的に理解しやすいだろう。一方で、マザーボードのパフォーマンスを数値化するのは困難だ。価格は10,000円台から100,000円超えまでと幅広く、まさにピンキリだ。しかし、高価なモデルに変えたからといって、フレームレートが劇的に向上することはない。

また、今はオーバークロックをしなくても十分に高性能なCPUが多く、マザーボードの電源フェーズに極端にこだわる必要性も薄れている。予算が限られているユーザーにとって、マザーボードが最優先事項にならないのは、ある意味で時代の流れといえる。

BTOパソコンなら気にしなくていい

BTOパソコンの場合、そもそも選択肢が用意されていないことがほとんどだ。ユーザーはチップセットだけを確認し、あとはメーカーの選定に委ねる形になる。ショップ側が構成に最適な1枚を選んでくれるため、初心者でも迷わずに済むというメリットはあるが、注意点もある。例えば下記のような点が挙げられる。

  • エントリーあるいはミドルクラスが大半
  • BTOパソコンではコストの面からハイエンドマザーが採用されることは少ないように思う。やはりコストをコントロールしやすいパーツということだろう。

  • 専用ソフトの制限
  • メーカーの市販品をベースにしていても、BTO専用のオリジナル版(ホワイトボックス)では、本家メーカーのユーティリティソフトが使えない場合がある。

  • 機能確認の難しさ
  • 詳細な仕様が公開されていないことも多く、必要なスロットや端子の有無を事前に把握するのが難しい側面がある。

交換は手間がかかり現実的ではない

マザーボードは、一度組んでしまうと交換が最も面倒なパーツだ。ほぼ全ての配線やパーツを一度外さなければならず、ケースから取り出す手間も含め、ほぼPCを丸ごと一台組み直すのと変わらない。将来、機能が足りなくなったら交換すればいいという考えは、マザーボードに関してはあまり現実的ではない。接続場所を一箇所間違えるだけで起動しなかったり、ストレージの接続ポートを変えると認識しなくなったりといったトラブルも付きまとう。だからこそ、購入段階で将来的にどんな機能が必要か(SSDの増設予定、USBポートの数などをリストアップし、それを満たすモデルを最初から選んでおくことが重要となる。

今のPCは非常に長寿命だ。最新のCPUを選んでおけば、マザーボードごと買い換える必要が出るのは数年先になるだろう。あまり神経質にこだわりすぎず、必要な機能さえ満たしていれば、あとは気にしないというスタンスが、今のPC選びにはちょうどいいのかもしれない。少しでも予算を抑えたいなら、ドスパラやパソコン工房などで採用されている限定モデルを検討してみてほしい。価格.comなどのランキングでも上位の常連であり、価格と機能のバランスが取れた賢い妥協点といえる。

ゲーミングPCにおけるマザーボードの選び方

マザーボードの選び方について紹介していく。チップセット・サイズ/規格・メーカー/グレードと順に見ていこう。

チップセット

マザーボード選びの第一歩は、チップセットを確認することだ。まず大前提として、IntelとAMDの間に互換性がない。使用するCPUのメーカーが決まれば、必然的に対応するチップセットの大枠が決定するのだ。その中から、自分の用途に合ったグレードを選んでいくことになる。チップセットの名前は、アルファベットと3桁の数字で構成されている。Intelの現行フラグシップZ890を例に、その読み解き方を整理していく。

  • 先頭のアルファベット(グレード)
  • その製品の立ち位置(格付け)を表す。Z→B→Hという形だ。

  • 1番目の数字(シリーズ)
  • 世代を表します。8であれば800シリーズ(最新世代)であることを示している。

  • 2・3番目の数字(型番)>
  • シリーズ内での詳細なグレード分けだ。

Intel

グレードZ890B860H810
価格目安30,000円~16,000円~12,000円~
ソケットLGA1851LGA1851LGA1851
メモリソケット数442
メモリ最大容量256GB256GB128GB
DMIGen 4.0x8Gen 4.0x4Gen 4.0x4
PCI-Express 5.0
(CPU接続)
x20x20x16
レーン構成
(CPU PCIe 5.0)
x16+x4
x8+x4+x4
x8+x4+x4+x4
x16+x4x16
PCI-Express 4.0
(CPU接続)
x4××
PCI-Express 4.0
(チップセット接続)
x24x14x8
オーバークロック
(CPU)
××
オーバークロック
(メモリ)
×
USB3.2/3.1/3.0/2.0
(最大)
5/10/10/142/4/6/120/2/4/10
SATA844
RAIDPCIe/SATASATA×
モニター出力443

最新のIntel 800シリーズのラインナップは上記の3つだ。フラグシップモデルにXがあるが、やや特殊でゲーミングPCやクリエイターPCでは採用されないため除外している。上記ラインナップでは最上位のZのみがオーバークロックに対応している。Z890はPCI-Express・USBも充実していて拡張性が高い。価格もXシリーズに続いて高価だ。

B860はZ890の機能を削り価格を抑えたモデルだ。人気が高く、BTOパソコンでもロークラスからハイクラスまで幅広く採用される。M.2接続もGen 5構成になり必要十分だろう。ただし、CPUのオーバークロックには対応していない。H810はエントリーモデルとなる。拡張性はかなり低くなる。メモリスロット2つだ。PCI-Express 5.0はx16でストレージはGen 4接続となっている。ストレージやUSBをたくさん使用したい方には不向きとなる。BTOパソコンではほとんど見かけない。CPUだけではなくメモリのオーバークロックにも非対応だ。

AMD

グレードX870EX870B850B840
価格目安40,000円~30,000円~16,000円~15,000円~
ソケットAM5AM5AM5AM5
メモリソケット数4444
メモリ最大容量256GB256GB256GB256GB
CPU接続パスPCIe 4.0x4PCIe 4.0x4PCIe 4.0x4PCIe 3.0x4
PCI-Express 5.0
(CPU接続)
x16(or x8+x8)+x4+x4x16(or x8+x8)+x4+x4x16(任意)+x4-
PCI-Express 4.0
(CPU接続)
--x4x16+x4+x4
PCI-Express 4.0
(チップセット)
x12x8x8-
PCI-Express 3.0
(チップセット)
x8x4x4x10
オーバークロック
(CPU)
×
オーバークロック
(メモリ)
USB4.0標準標準オプションオプション
USB 3.2 20Gbps
(Gen 2×2)
211×
USB 3.2 10Gbps
(Gen 2)
12662
USB 3.2 5Gbps
(Gen 5)
2112
SATA8444
RAIDSATASATASATASATA
モニター出力4444

AMD向け現行チップセットをまとめた。最上位のX870Eは、最高クラスの拡張性を誇る。ストレージもGen 5構成が可能だ。USBのポート数も圧倒的だ。ストレージ搭載数やUSBの数を重視しないならより安価なX870がよいだろう。B850になるとがくっと価格が下がる。PCI-Express 5.0は任意でほとんどの製品がGen 4.0となっている。CPUやメモリのオーバークロックをサポートしている。USB 4.0がオプションと違いはあるものの他のスペック自体は上位のX870に酷似している。

B840になると大幅に機能がカットされている。CPU接続パスがPCIe 3.0×4となる。CPU接続のPCI-ExpressもすべてGen 4.0だ。チップセットのPCI-Express 3.0は10レーンだ。CPUのオーバークロックには対応していないが、メモリのオーバークロックはできる。USBの数が極端に少なる点は注意しよう。

サイズ・規格(フォームファクタ)

規格E-ATXATXMicroATXMini-ITX
人気
サイズ
(縦×横)
305mm×
330mm
244mm×
305mm
244mm×
244mm
170mm×
170mm
メモリスロット4-8基4-8基2-4基1-2基
拡張スロット最大7基最大7基最大4基最大1基

マザーボードの基板サイズはフォームファクタという規格で決まっており、選択するPCケースに合わせて選ぶ必要がある。一般的なサイズ順(大きい順)は、E-ATX → ATX → MicroATX → Mini-ITXだ。基板が大きくなるほど、スロット数などの拡張性が高くなるのが基本だ。

定番はATXとMicroATX

ゲーミングPCで最も人気があるのは、ATXとMicroATXの2種類だ。さらに小さな規格として Nano-ITXやMobile-ITX なども存在しているが、ゲーミングPCとして実用的なのはせいぜいMini-ITXまでだ。Mini-ITXより小さくなると、高性能なグラフィックボードを搭載できなかったり、排熱処理が追いつかなかったりと、性能面での制約が非常に厳しくなる。基本的にはATXかMicroATX 基準に選べば、失敗することはないだろう。

  • ATX
  • ミドルタワーケースで採用される主流サイズ。拡張カードのスロット数が多く、将来的な増設にも柔軟に対応できる。

  • MicroATX
  • ミニタワーケースで採用されることが多く、ATXより一回りコンパクトになっている。最近のマザーボードは多機能化しているため、よほど特殊な増設をしない限り、このサイズでも不足を感じることはない。

ケースの進化でマザーボードは選びやすくなった

かつてのPCケースは、サイズによって搭載できるパーツが厳格に決まっていた。しかし、現代のケースは内部設計の工夫が凝らされており、以前とは比べ物にならないほど自由度が増している。例えば、電源ユニットの共通化だ。以前は小型ケースなら電源も小型(SFXなど)が必要だったが、今はミニタワー(MicroATX)でも、高出力なATX電源をそのまま搭載できるモデルが増えている。

また、物理的な干渉も解消されている。ミニタワーであっても、大型のグラフィックボードや水冷ラジエーターを効率よく配置できる設計が主流になっている。このように、ケースの選択肢が広がった今、大きなマザーボードでないとハイスペックPCは組めないという常識は変わりつつある。自分の部屋のスペースや、将来どれくらいパーツを足したいかに合わせて、柔軟にサイズを選べる時代になったといえるだろう。

メーカー・グレード

規格ASRockASUSMSIGIGABYTE
ハイエンドTaichiROG MAXIMUS
ROG CROSSHAIR
MEGAORUS XTREME
ハイPhantom GamingROG STRIXMPGAORUS MASTER
ミドルSteel LegendTUF GAMINGMAGAORUS ELITE
エントリーChallender
Rock
PRO
PRIMEPROGAMING
EAGLE
Ultra Durable
クリエイターLiveMixerProArt-AERO
マザーボード選びにおいて、避けては通れないのがメーカーとグレードの選択だ自作PC市場では、ASRock・ASUS・MSI・GIGABYTEの4社が4大メーカーとして君臨している。基本的には好みのメーカーを選んで問題ないが、同じチップセットでもグレードによって中身は別物といえるほどの差がある。グレードによって変わるポイントをまとめたので参考にしてほしい。

正直なところ、10万円を超えるような究極のハイエンドモデルは、極限の性能を追求するごく一部の愛好家向けといえる。売れ筋は20,000円以下のエントリー~ミドルクラスモデルだ。どれだけ高いかではなく、自分が使いたいSSDの枚数やUSBポートの数を満たしているかを確認するとよい。ほとんどのユーザーにとっては、2,3万円クラスのモデルが必要十分な機能と、数年使い続けられる信頼性を兼ね備えた賢い選択肢となるはずだ。

ハイエンドモデルではVRAMフェーズが変わる

ハイエンドモデルの最大の特徴は、CPUに電力を供給するVRMフェーズの数と質だ。フェーズ数が多いほど1つあたりの負荷が分散されるため、消費電力の大きいハイエンドCPUを使用したり、オーバークロック(OC)をしたりしても、安定した動作が可能となる。また、効率的な電力供給により、電源回路自体の発熱も抑えられるという特徴がある。

PCIe 5.0とレーン構成が増える

上位グレードならではの特権が、最新規格への対応とスロットの充実だ。 Z890などの上位チップセットを搭載したモデルでは、グラフィックボード用のx16と、超高速なNVMe SSD用のx4を同時にPCIe 5.0で動作させることが可能となっている。また、ハイエンド機ではx8+x8+x4といった複雑なレーン分割にも対応しており、複数のキャプチャーボードや高速ストレージを増設したいプロユースにも応えられる。

徹底した冷却へのこだわり

安価なモデルと高価なモデルを見比べた際、もっとも分かりやすい違いがヒートシンクの面積だ。下位グレードでは省略されがちなM.2ヒートシンクが、上位モデルではほぼすべてのスロットに標準装備となっている。また、VRM周りを覆う巨大なヒートシンクや、基板裏面のバックプレートなど、熱による性能低下(サーマルスロットリング)を徹底的に防ぐ造りになっている徹底ぶりだ。

Intel向けおすすめゲーミングマザーボード

B860M Pro-A WiFi ドスパラ限定モデル(ASRock)

TUF GAMING Z890-PLUS WIFI(ASUS)

AMD向けおすすめゲーミングマザーボード

B850M AORUS ELITE WIFI7 ICE-P(GIGABYTE)

MAG X870 TOMAHAWK WIFI(MSI)

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