Palit製グラフィックボードの評判を解説している。Palit(正式名称:Palit Microsystems)は、世界的に有名な台湾発のグラフィックボードメーカーだ。日本での販売はサードウェーブ(ドスパラ)が独占して販売を行っている。ガレリアブランドのゲーミングPCではグラフィックボードにPalit製のモデルが採用されることがある。
日本においても身近なメーカーになってきていると言える。特に他のグラフィックボードベンダーと比べて安価なのが特徴だ。価格.comで各グラフィックボードを安い順に並べるとこのPalit製モデルが上位に出てくる。筆者もレビュー用にPalit製モデルを購入することがある。価格が安く助かるのが本音だ。OCモデル以外のラインナップを持っているということもあってレビュアーとして購入しやすい。
当ページの目次
Palit Microsystemsってどんな企業!?
Palit Microsystems(Palit)は、台湾に本拠地を置く企業だ。1988年に創業され、30年以上の歴史がある老舗のメーカーとなる。MSI・ASUS・GIGABYTEなどと肩を並べる大手グラフィックボードベンダーだ。世界的に販売台数が多く一流のベンダーの一つとなった。2021年12月時点でのメーカー別のシェアは、玄人志向(シーエフーデー)・MSI・ASUS・Palitと4番目(BCN, 2022)だ。
Palit Mcrosystemsでは、PalitとGainwardという2つのメインブランドがありアメリカではGainwardが主流だ。Palitの本社は台湾で、工場は中国にある。物流センターは香港にそしてドイツに支店がある。これは今の世界の状況を考えると不思議なことではない。予算を抑えるために中国に工場を置くのは理にかなっている。利益を出すためにも当たり前のことだろう。
物流はアジアの中心である香港にあるので、欧米やアジアの顧客情報をまとめることが可能だ。さらに、ドイツを拠点にヨーロッパへのマーケティングを行っている。グラフィックボードはヨーロッパでの販売数が多い。そう考えるとドイツに視点を置くのは何らおかしいことではない。
ドスパラが国内唯一の代理店!
ドスパラがPalitの唯一の国内代理店だ。2007年7月から開始となっている。サードウェーブ(ドスパラ)の営業努力の結果、ユーザーは国内で正規品を購入できるのだ。元々Palitは欧州を中心にシェアを伸ばしているメーカーなので、日本に来たというだけでも凄いことだ。販売エリアは欧州が中心でその他エリアはそこまで多くはない。
ガレリアブランドのゲーミングPCを購入するとこのPalit製グラフィックボードを搭載していることがある。Amazon.co.jpやその他ECサイトでもPalit製グラフィックボードが販売されていることがあるが、基本的には並行輸入あるいは個人輸入となっているので注意しよう。保証面などを考慮するとドスパラで購入する方が安心だ。
>>>>>Palit製グラフィックボード一覧(ドスパラ)
人気のPalit製グラフィックボード一覧
GeForce RTX 4070 Ti SUPER JetStream OC
- 発売日:2024年01月25日
- 価格:129,800円
- 性能:8.5
GeForce RTX 4070 Ti SUPERの最安値クラスのモデルとなっている。税込129,800円で購入可能だ。ブラックを基調としたデザインで高級感がある。ベースクロックは2340MHz、ブーストクロックは2640MHzとオーバークロックモデルだ。。Ultra Wideな銅製ベースを持ち、さらに3つのファンを搭載していて冷却性能が高い。コスト重視で選ぶなら競合モデルと比べても優位性がある。
GeForce RTX 4060 Ti StormX 8GB
- 発売日:2023年05月29日
- 価格:57,800円
- 性能:7.0
GeForce RTX 4060 Ti 8GBは、Ada Lovelace世代の中でも人気の高いグラフィックボードだ。ベースクロックは2310MHz、ブーストクロックは2535MHzとリファレンスモデルと同等となる。シングルファンモデルでコンパクトなデザインが人気だ。ケースのサイズにとらわれずアップグレードが行いやすいモデルと言える。
GeForce RTX 4080 SUPER JetStream OC
- 発売日:2024年02月02日
- 価格:169,800円
- 性能:9.5
GeForce RTX 4080 SUPERはハイエンドのグラフィックボードだ。GeForce RTX 4080の上位モデルとして登場した。GeForce RTX 4080と変わらない価格で販売されている上位互換だ。169,800円~と最安値クラスとなる。ベースクロックは2295MHz、ブーストクロックは2580MHzのOCモデルで高いパフォーマンスを発揮する。
Palit製グラフィックボードの特徴&選ぶメリット
価格が安い
Palitを選ぶ最大のメリットは価格の安さだ。パッケージ・カタログ・サポートをなくして価格を抑えたライバルの一つ「玄人志向」よりも安く購入できるケースも多い。通常グラフィックボードの多くが輸入代理店経由で日本で販売される。結果的に中間マージンが発生して割高になってしまうということだ。ところが、Palitについてはドスパラが直販しているため中間マージンが発生せず、ユーザーに安く提供できる(ドスパラ, 2018)のだ。
国内においてPalit製モデルを安く購入できるのはドスパラのおかげだと言える。ドスパラの国内での知名度・販売力があるからこそなせることなのだ。他社メーカーのモデルと比べても明らかに安いことがわかる。そしてPalitは価格が安いだけの製品ではない。性能を底上げしたオーバークロックモデルも販売されている。元々の価格が安いので性能や機能がアップしても他のグラフィックボードよりもコストパフォーマンスに優れているということだ。
Palitはドスパラ以外ではあまり見かけないということもあって購入していいのか不安になってしまうかもしれない。聞いたことも見たこともないメーカーと感じる方もいるだろう。それに加えて価格が安いとなれば怪しんで手を出しにくくなる人もいるはずだ。世界ではトップクラスのシェアを誇るPalitも日本での展開規模はそれほど大きくない。
多くのゲーマーは知名度を優先して購入を検討するのではないだろうか。人間の悲しい習性でもあり堅実とも言える考え方だ。これらの流れで国内では評価されていないグラフィックボード筆頭と言える。初めてグラフィックボード単体で購入したのはPalit製のGTX 460だった。ほぼ24時間稼働で2年以上故障もなく稼動してくれた。
Palit製のグラフィックボードは、個人的には誰にでもおすすめしやすい製品である。良質なものをより安く販売!という100%善意だったとしても、それが返って仇となってしまう悲しい話だ。最後に参考として人気のGeForce RTX 4060 Tiのメーカーごとの価格差をまとめておく。
参考
- Inno3D GeForce RTX 4080 SUPER X3:168,800円
- Palit MicrosystemsGeForce RTX 4080 SUPER JetStream OC 16GB:169,800円
- PNY GeForce RTX 4080 SUPER 16GB OC LED トリプルファン:178,800円
- GAINWARD GeForce RTX 4080 SUPER Panther OC:181,609円
- 玄人志向 GALAKURO GAMING GG-RTX4080SP-E16GB/OC/TP:178,980円
- Palit Microsystems GeForce RTX 4080 SUPER GamingPro OC 16GB:179,800円
豊富なラインナップを持つ
- リファレンスモデルに忠実な非OCモデル
- 性能の高いOCモデル(オーバークロック)
- 冷却効果の高い3連ファンモデル
- コンパクトなシングルファンモデル
- ARGB対応モデル
- ホワイトカラーモデル
Palitは豊富なラインナップを持つグラフィックボードベンダーだ。同じ型番でも特徴のことなるモデルから選択できる。非OCモデルだけではなくクロック周波数を引き上げたOCモデルもある。冷却性能を重視した3連ファン搭載モデルやコンパクトなシングルファンモデルなどラインナップは豊富だ。デザインにも抜かりはない。ARGB対応モデル(ThunderMasterソフトウェア生後)やホワイトカラーモデルなどあなたの好みで選択可能だ。
その他機能面でも充実している。例えば、デュアルBIOS搭載モデルではトラブルが発生した場合でも対応しやすい。下位モデルでは0-dBテクニックが採用されている。作業負荷に応じてファンの動作を止めて静音性を上げることができる。今は販売終了となったがファンレスのグラフィックボード(GeForce GTX 1650)が販売されていたこともある。総合的に見て、Palit製グラフィックボードは優れた性能と機能で多くの要求をクリアできるはずだ。
耐久性に優れている
私の経験上Palitのグラフィックボードは耐久性が高いと考えている。ユーザーの使用環境に大きく依存するものでかつ運要素もあることは否定できない。それでも年中使いっぱなしでも壊れなかった経験がある。GeForce GTX 460からGeForce 760に乗り換えるまで何の不調も見られずそこから筆者はPalitを信頼している。
Palit製のグラフィックボードはリファレンスモデルがあまり市場に出回らない。そのため、何かしらの特徴を持ったグラフィックボードばかりだ。冷却性能の高い3連ファン搭載モデルなどこだわりがある。内部構造もしっかり考えられているようだ。GALE HUNTER FANと呼ばれるファンブレード・金属製バックプレート・複合材ヒートパイプ・ウルトラワイド銅製ベースなど放熱については高い技術が採用されている。
これらの技術も耐久性につながっているはずだ。また、前述の0-dBのように、グラフィックボードに負荷がかかっていない場面ではファンを止めるのも大きい。これにより、グラフィックボードにかかるダメージは軽減される。長く使用するためには重要な機能と言えるだろう。
Palitのグラフィックボードはなんでそんなに安いの?
他メーカーのものと比べると明らかに安いので不安を感じる人も多いと思う。中国製ではないか、耐久性はどうか、信用できるのか。・・・そう考えるのが自然だと思うのでここで詳しく解説する。
自社工場を中国に置きコスト削減
PalitはNVIDIAの公式パートナーとして自社工場を持っている。工場を中国に置くことでグラフィックボードの生産に掛かるコストもかなり抑えられるわけだ。中国で生産しているので中国製というのは間違いではない。品質はすでに記載したとおり不安はなく他のメーカーと変わらない。
また、AMDのRadeon製のグラフィックボードを生産していないことも強みになっているのではないかと思う。NVIDIA製のグラフィックボードに特化することでバルク生産が可能となり価格引き下げに効果があるのだ。価格が安いのにもしっかりとした理由がある。
ASK税が掛からない
実はこれが一番大きい。はっきり言うとPalitが安いのではなく、他製品が高いだけなのだ。国内で販売されているグラフィックボードやCPUにはASK税と呼ばれる代理店マージンが加えられている。登場時は大きく乗っかかっているのでご祝儀価格と皮肉的に呼ばれることもあるほどだ。Palitの国内正規代理店はドスパラのみで直接ユーザーに販売しているので、マージンをカットできる。(ドスパラ, 2018)
ユーザー側からするとASK税こそが諸悪の根源だ。大手のメディアも登場時に価格を心配したり、触れないことが多い。これは北米価格と言われる定価と国内で展開される価格の開きが大きいからだ。例えば、GeForce RTX 2070 SUPERは北米価格は$499となっている。1ドル120円と高めに設定しても59,880円だ。実際に国内初登場時の価格はおよそ7万円~8万円にまでになった。
その中で、Palit製のGeForce RTX 2070 SUPERだけは6万円台中盤に価格を抑えた。ドスパラはいち早く値段を下げた結果常時売り切れ状態が続いていた。ドスパラが間に入っていることをよく思わないユーザーも一定数いるが、その恩恵はしっかりとユーザーに還元されているのだ。
Palitのデメリットは?
知名度の低さはデメリットになる。ドスパラのモデルに搭載されているグラフィックボードというのも印象が悪いかもしれない。一昔前のドスパラは電源の質が悪かった。そしてその電源はドスパラのモデル以外で搭載しているショップはほとんどなかった。これは少し前にあったSSDの偽装疑惑にも言えることだ。
「ドスパラにのみ搭載されているモデル」というのはいわく付きと言われても仕方がないところである。Palitは非常に優れたグラフィックボードであることは間違いない。しかし、その知名度の低さからドスパラのオリジナルグラフィックボードと捉えられることもあるようだ。知られていないから避けられるだけではない。全く知らないが故に批判の対象となることも少なくない。
国内の代理店がドスパラだけであることがそのままデメリットにもなっている。もちろん、Palitを知っている人は知っている。事実、Palit製のグラフィックボードは登場した時に高確率で売り切れになる。今はある程度認知されてきている。そのため、コストパフォーマンスを求めるユーザーに愛されている。ドスパラでしか手に入れることができないグラフィックボードは、ドスパラで売り切れになると入手できなくなる。
つまり、欲しい時に手に入らないことがあるのだ。これもまた国内の代理店がドスパラだけだからこそ起こるデメリットだ。また小さいことだが、ファンの中央に貼り付けられているシールが長期間使用していると剥がれてファンに張り付いてしまうことがある。その結果パソコンユーザーにとって不快で不安な音を出し始めるので、装着時に取り除いておくことを推奨する。
Palitの評判・口コミを世界中から集めてみた!
2chまとめ(5ch)
>>904
世界シェアトップクラスやで
最近のデータは知らんけど過去に世界で一番売れてるメーカーと聞いた覚えが引用元:(ジサクテック, 2017)
Palitは、Palit以外にもDaytona・Gainward・Galaxy・Vivkoo・Yuan・XpertVisionなど多くのブランドを持っている。それらを合わせるとたしかにトップクラスの販売台数を持っていると考えても不思議ではない。地域ごとにブランドを変えているのが特徴だ。日本ではPalitがメインとなる。
知恵袋
Palit はSuper Jetstream は良いと思う。
「耐久年数」は、壊れるまでテストする人が居ないので、高耐久を謳う物よりは劣るかも、って程度で。引用元:(Yahoo!知恵袋, 2017)
上位モデルは高性能で実は売れ筋だ。エントリークラスからハイエンドクラスまでどのグラフィックボードでも安い順に並べればPalit製のグラフィックボードが上に来るはずだ。上位モデルでもASK税が掛からないため非常に安く購入できる。
価格.com
国内大手の価格比較サイトである「価格.com(外部リンク)」でもPalit製のグラフィックボードが紹介されている。売れ筋モデルになっている製品もあってユーザーによる評価も軒並み高い。やはりコスパの高さはユーザーを惹き付けるのだろう。時間があれば各モデルのレビューや掲示板を参考にすると良い。
Reddit(世界最大掲示板)
Yet the Palit 980Ti is arguably the best of all of them
In every review it aces it in noise and cooling for less than the competition. Only way of beating is is going more expensive like the Zotac Amp! EXTREME or MSI Lightning.
But they aren’t available in the USA, so you never hear about it if you’re not in Asia or Europe.
See this here? Dual fan card that is cooler than all of them but the triple fan Gigabyte and Zotac yet is far quieter as the Zotac is very loud and the Gigabyte isn’t quiet.
引用元:(reddit, 2016)
世界最大の掲示板であるReddit(レディット)でも記載されている。書かれている内容をまとめると、Palitは世界一のベンダーでライバルに比べて静音性や冷却性が高いということだ。コスパは間違いなくトップクラスだと言える。ただし、アメリカでは手に入らずPalitはアジア及びヨーロッパを中心にしたブランドだ。
>>>ドスパラでPalitのグラボを見る<<<
参照外部サイト
- 販売台数前年割れでも販売金額は2桁増を維持するグラフィックボード(BCN, 2022)
- チップ種類(NVIDIA):GeForce RTX 3060 Ti グラフィックボード・ビデオカード(BCN, 2022)
- “謎の”ビデオカードメーカー 「Palit」潜入レポート(ドスパラ, 2017)
- 「Palit」のグラフィックカードはこうして作られる Palit 30周年記念 工場見学レポート(ドスパラ, 2018)
- 国内ではマイナー?Palit製のグラフィックボードってどうなの(ジサクテック, 2017)
- Palit Microsystems製のグラフィックボードの評判について教えてください(Yahoo!知恵袋, 2017)
- Is Palit a good GPU manufacturer?(reddit, 2016)
その他あなたにおすすめの記事はこちら!
- 管理人厳選のおすすめゲーミングPCランキング
- ドスパラ(ガレリア)の評判まとめ
- 当サイト紹介ゲーミングPC一覧表
おすすめのゲーミングPCランキングを紹介している。コストパフォーマンスが高いモデルに人気が集中していると言える。
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