画像引用元:https://www.ark-pc.co.jp/
Core Ultra 5 245Kの性能比較&ベンチマーク検証を行った。2024年10月24日に登場したCore Ultra 200Sシリーズの中で最も安価なCPUだ。そうは言っても倍率ロックフリーモデルなので、$309(国内販売価格53,800円~)とそこそこの値段となっている。今世代からハイパースレッディング非対応となり、14コア14スレッドというスペックとなった。PコアとEコアという2つのコアを組み合わせるハイブリッドコアアーキテクチャは健在だ。アーキテクチャの改良によりIPCの改善して高いパフォーマンスが期待できる。
ただし、複数のタイルを組み合わせるチップレット構造はアプリケーションの最適化を妨げているように思える。特にゲーミング性能は従来モデルよりも低くなってしまうことがある。すでにIntelはパフォーマンス改善のためにファームウェアとソフトウェアのアップデートを行うことを発表(HotHardware, 2024)している。今購入しても将来的にはより高いパフォーマンスを期待できるということだ。搭載ゲーミングPCは、「Core Ultra 5 245K搭載おすすめゲーミングPC」でまとめているので参考にしてほしい。
Core Ultra 5 245Kの基本情報
コードネーム | Arrow Lake |
---|---|
プロセス | 3nm |
コア/スレッド数 | 14コア(6P+8E)/ 14スレッド |
定格/最大クロック(P) | 4.2 GHz / 5.2 GHz |
定格/最大クロック(E) | 3.6 GHz / 4.6 GHz |
L2キャッシュ | 26MB |
L3キャッシュ | 24MB |
PBP | 125W |
MTP | 159W |
発売日 | 2024年10月24日 |
MSRP | $309 |
価格 | 42,799円~ *2025/9時点 (38,800円/Fモデル) |
特徴 |
(+)14コア14スレッドと高いスペックを持つ (+)7 9700Xを上回るマルチコア性能を発揮する (+)高い省電力性を持っている (-)50,000円オーバーと価格が高い(現在は42,799円) (-)ゲームなど一部アプリケーションへの最適化が不十分 (-)BTOパソコンのラインナップは少ない |
評価 |
・総合評価 7.5 ・ゲーム評価 5.5 |
Core Ultra 5 245Kの基本スペック
Core i5-14600Kと比較
Core Ultra 5 245K | Core i5-14400 | |
---|---|---|
イメージ | ![]() |
![]() |
メーカー | Intel | Intel |
コードネーム | Arrow Lake | Raptra Lake-R |
プロセス (コンピュートタイル) |
3nm | 10nm |
SoCタイル | 6nm | – |
グラフィックスタイル | 5nm | – |
I/Oタイル | 6nm | – |
トランジスタ数 | 178億 | – |
ダイサイズ | 243 m㎡ | 215m㎡ |
コア/スレッド数 | 10(6P+4E)/ 10 | 10(6P+4E)/ 16 |
定格クロック(P) | 4.2GHz | 2.5GHz |
最大クロック(P) | 5.2GHz | 4.7GHz |
定格クロック(E) | 3.6GHz | 1.8GHz |
最大クロック(E) | 4.6GHz | 3.5GHz |
L2キャッシュ | 26MB | 9.5MB |
L3キャッシュ | 24MB | 20MB |
対応メモリ | DDR5-6400 | DDR5-5600 DDR4-3200 |
内蔵GPU | Intel Graphics | Intel UHD 730 |
グラフィックス周波数 | 1.90GHz | 1.55GHz |
内蔵NPU | Intel AI Boost | – |
CPUクーラー | 非同梱 | 同梱 |
PCI-Express | Gen 5, 20 Lanes | Gen 5, 16 Lanes |
PBP | 125W | 65W |
MTP(PL2) | 159W | 148W |
MSRP | $309 | $221 |
国内価格 | 52,970円~/通常 50,980円~/Fモデル |
28,480円~/通常 24,780円~/Fモデル |
発売日 | 2024/10/24 | 2024/01/08 |
Core Ultra 5 245Kは、最新のArrow Lake世代の倍率ロックフリーモデルだ。Core i5-14600Kの後継モデルでプロセスが10nm→3nmへと微細化されている。Arrow Lake世代では複数のタイルを組み合わせたチップレット構造を採用している。CPUのコアを搭載した主要タイルであるコンピュートタイルのみ3nmを採用しているのが特徴だ。
その他プロセスの微細化が急務ではないSoCタイル・グラフィックスタイル・I/Oタイルはそれぞれ6nm・5nm・6nmと旧世代のプロセスを流用している。コスト面でも有利だし、不具合が発生しても対応しやすいというメリットがある。Core Ultra 5 245Kのトランジスタ数は178億だ。ダイサイズは243m㎡と、Core i5-14600Kよりも5%程度小さくなった。
コア・スレッドは14コア14スレッドとなる。今世代でもハイブリッドコアアーキテクチャを採用していて6つのPコア(パフォーマンスコア)と8つのEコア(エフィシエントコア)だ。Pコアのハイパースレッディングが非対応となったことでコア=スレッドとなる。Core i5-14600Kよりもスレッド数が6つ少ない形だ。ここはアーキテクチャの変更によってカバーしている。具体的にはPコアがRaptor CoveからLion CoveになってIPCが9%改善されている。また、EコアについてもGracemontコアからSkymontコアになってIPCが32GB改善された。より低いクロック周波数でもより高いパフォーマンスを発揮できるということになる。
Pコアの定格クロックは0.7GHz高く、最大クロックは0.1GHz低い。Eコアについては定格クロックが1.0GHz高く、最大クロックも0.6GHz高くなっている。特にEコアの伸びが大きいことがわかる。L2キャッシュは6MB増えて、L3キャッシュは24MBと同等だ。対応メモリはDDR4のサポートを捨ててDDR5のみだ。6400MHzとより高クロックなメモリに対応しているのは素晴らしい。
内蔵GPUはIntel Graphics(Arc 4コア)搭載でグラフィックスパフォーマンスが大きく向上している。グラフィックス周波数は1.90GHzだ。AI運用を加速させる内蔵NPUを搭載しているのもハイライトだ。パフォーマンス的には13TOPSなので、Microsoftが推奨する「Copilot+ PC(40TOPS)」は満たせていない。今後多くのベンダーがNPUで動作するようアルゴリズムを変更するのではないかと考えている。
CPUクーラーは非同梱だ。PCI-ExpressはGen 5, 16 LanesからGen 5, 20 Lanesへとレーン数が増えている。これでGen 5接続のSSDを搭載しても、グラフィックボードの接続は影響をうけない。PBPは125Wと共通だが、MTPは181Wから159Wへと22W減だ。MSRPは$10安くなり$309だ。国内販売価格はCore i5-14600Kよりも14,835円高い。Fモデルの価格差は15,325円となる。
Ryzen 5 7600Xと比較
Core Ultra 5 245K | Ryzen 5 9600X | |
---|---|---|
イメージ | ![]() |
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メーカー | Intel | AMD |
コードネーム | Arrow Lake | Zen 5 (Granite Ridge) |
プロセス (コンピュートタイル) |
3nm | 4nm |
トランジスタ数 | 178億 | 83.15億 |
ダイサイズ | 243 m㎡ | 70.6m㎡ |
I/Oタイル | 6nm | 6nm |
I/Oトランジスタ数 | – | 34億 |
I/Oダイサイズ | – | 122m㎡ |
SoCタイル | 6nm | – |
グラフィックスタイル | 5nm | – |
コア/スレッド数 | 10(6P+4E)/ 10 | 6/12 |
定格クロック(P) | 4.2GHz | 3.9GHz |
最大クロック(P) | 5.2GHz | 5.4GHz |
定格クロック(E) | 3.6GHz | – |
最大クロック(E) | 4.6GHz | – |
L2キャッシュ | 26MB | 6MB |
L3キャッシュ | 24MB | 32MB |
対応メモリ | DDR5-6400 | DDR5-5600 |
内蔵GPU | Intel Graphics | Radeon Graphics |
グラフィックス周波数 | 1.90GHz | 2.20GHz |
内蔵NPU | Intel AI Boost | – |
CPUクーラー | 非同梱 | 非同梱 |
PCI-Express | Gen 5, 20 Lanes | Gen 5, 24 Lanes |
PBP | 125W | 105W |
MTP(PL2) | 159W | 142W |
MSRP | $309 | $279 |
国内価格 | 52,970円~/通常 50,980円~/Fモデル |
44,800円~ |
発売日 | 2024/10/24 | 2024/08/08 |
競合モデルで同じ”5”を冠したAMD Ryzen 5 9600Xと比較していく。Ryzen 5 9600Xは、Zen 5アーキテクチャを採用した最新のCPUだ。Intel Core Ultra 5 245Kと同様に複数のタイル(ダイ)を組み合わせたチップレット構造を採用している。CPUコアダイのプロセスは4nmでCore Ultra 5 245Kが数世代振りにプロセスの微細化で上回った。I/Oタイル(I/Oダイ)のプロセスは6nmと共通だ。
トータルダイサイズは192.6m㎡で、Core Ultra 5 245Kよりも20%程度小さい。Zen 5アーキテクチャでは2つのダイを組み合わせただけで、4つのタイルを組み合わせたCore Ultra 5 245Kよりもシンプルだ。Core Ultra 5 245Kがゲームやアプリによってパフォーマンスが伸びないのはこの複雑化によって最適化がうまくできていないことが要因ではないかと考えられる。
Ryzen 5 9600Xは6コア12スレッドのCPUとなる。Core Ultra 5 245Kは14コア14スレッドなので圧倒的だ。Pコアの定格クロックはRyzen 5 9600Xの方が0.3GHz低いが、最大クロックはRyzen 5 9600Xの方が0.2GHz高い。Ryzen 5 9600XはL2キャッシュは6MBとCore Ultra 5 245Kよりも20MB少ないが、L3キャッシュ容量は8MB多い。Ryzen 5 9600Xの対応メモリはDDR5-5600だ。内蔵GPUはRadeon Graphicsだ。グラフィックス周波数は2.20GHzとなる。グラフィックス処理性能はIntel Graphicsが上だ。Ryzen 5 9600XにはAI向けのNPUは非搭載だ。
CPUクーラーも非同梱で同じだ。クロック周波数の高い末尾Xのモデルでは非同梱となる。IntelのKシリーズと同じように考えるとよい。PCI-ExpressはGen 5, 24 Lanesだ。PBPは105WでCore Ultra 5 245Kよりも20W低い。MTP(PL2)もCore Ultra 5 245Kよりも17W低く142Wだ。MSRPは$279となっている。国内販売価格は44,800円~だ。
Core Ultra 5 245Kの特徴&注意点【2025年】
ゲーム性能は思ったほど高くない
残念ながらゲーム性能は伸びていないどころが旧世代のCore i5-14600Kにも及ばない。性能差は4%弱だ。Ryzen 5 9600と同程度に留まる。前世代のRaptor Lakeと比べて、PコアのIPCが9%・EコアのIPCが32%も向上している。IPCが改善されている割にはゲーム性能が伸び悩む。理論上はCore i5-14600Kと比べて同等以上のゲーム性能を持っているはずだ。
それにも関わらず思ったほどの性能が発揮できないのは、新しく採用したチップレット構造がうまく機能していないのではないかと思う。さすがに世代が進んで性能が後退というのは信じられない。Intelも期待ほどのゲーム性能が出ていないことを認めていてソフトウェアのアップデートを行う予定だということだ。ゲーミングPC向けのCPUとして考えているならこのアップデートを待ってからでも遅くないだろう。その後それなりの期間が経過したが、パフォーマンスは変わっていない。
マルチコア性能はi5-14600Kから10%程度向上
CPU性能はCore i5-14600Kから順当に伸びていて評価できる。総合スコアは34,623だ。3世代前のフラグシップモデルであるCore i9-12900Kと同等以上の性能となる。競合のRyzen 5 9600Xと比べて33%も高い。6コア12スレッドと、14コア14スレッドでは勝負にならない。PコアとEコアのコンボで物理コアが多いのは強みだ。
今世代からハイパースレッディングに非対応となったが、アーキテクチャの進化でここまで性能を伸ばした。上位モデルであるRyzen 7 9700Xをも上回っているのは圧巻だ。動画編集・画像編集・オフィスソフトの使用などクリエイティブ作業にも適している。ゲーム性能を重視しないなら十分買い替え対象になるはずだ。
ワットパフォーマンスは優れている
ワットパフォーマンスの高いCPUに仕上がっている。これはチップレット構造やIPC改善によるものだ。ゲームプレイ時のゲーム性能は10%程度劣るが、消費電力はCore i5-14600Kよりも30%以上も低くなっている。高負荷時も消費電力は33%も抑えられている。マルチコア性能はCore i5-14600Kよりも高いのでワットパフォーマンスが高いことがわかる。これでゲーム性能が向上すれば理想のCPUといえるだろう。
コストパフォーマンスは悪くない
製品名 | 価格 | コスパ(ゲーム) | ゲーム性能 | コスパ(マルチ) | マルチコア | 発売日 |
---|---|---|---|---|---|---|
Core Ultra 7 265(20/20) | 58,360 | 0.586 | 34,219 | 0.682 | 39,818 | 2025/02/28 |
Core Ultra 7 265F(20/20) | 55,620 | 0.615 | 34,219 | 0.716 | 39,818 | 2025/02/28 |
Core i5-14600K(14/20) | 32,980 | 1.079 | 35,582 | 0.948 | 31,263 | 2023/10/17 |
Core i5-14600KF(14/20) | 30,980 | 1.149 | 35,582 | 1.009 | 31,263 | 2023/10/17 |
Ryzen 5 9600X(6/12) | 41,980 | 0.831 | 34,904 | 0.619 | 26,002 | 2024/08/08 |
Ryzen 5 9600(6/12) | 38,741 | 0.887 | 34,398 | 0.656 | 25,436 | 2024/08/08 |
Core Ultra 5 245K(14/14) | 42,799 | 0.798 | 34,180 | 0.809 | 34,623 | 2024/10/24 |
Core Ultra 5 245KF(14/14) | 38,800 | 0.881 | 34,180 | 0.892 | 34,623 | 2024/10/24 |
Ryzen 7 7700(8/16) | 40,980 | 0.813 | 33,317 | 0.726 | 29,754 | 2023/01/14 |
Core Ultra 5 235(14/14) | 41,380 | 0.774 | 32,017 | 0.699 | 28,905 | 2025/01/24 |
Core Ultra 5 225(10/10) | 32,190 | 0.947 | 30,496 | 0.834 | 26,847 | 2025/01/07 |
Core Ultra 5 225F(10/10) | 28,480 | 1.071 | 30,496 | 0.943 | 26,847 | 2025/01/07 |
Core i5-14500(14/20) | 37,480 | 0.820 | 30,720 | 0.738 | 27,656 | 2024/01/08 |
Core i5-14400F(10/16) | 19,980 | 1.454 | 29,045 | 1.208 | 24,129 | 2024/01/08 |
ゲーム性能及びマルチコア性能に対するコストパフォーマンスをまとめたものだ。Core Ultra 5 245K(F)のコストパフォーマンスは良好だ。競合のRyzen 5 9600Xと比べても同等以上だ。特にマルチコア性能に対するコストパフォーマンスは30%以上優れている。ゲーム実況などのクリエイティブ作業を考えているなら候補に入れてもよさそうだ。
下位モデルのCore Ultra 5 225(F)の方がコストパフォーマンスの数値はよいが、性能はそこそこに留まる。70番台のグラフィックボードとの組み合わせを考えるならCore Ultra 5 245Kが好ましい。オーバークロックができるのも強みだ。ソケットLGA1851にこだわりがなければ前世代のCore i5-14600K(F)がおすすめだ。10,000円安く購入できゲーム性能は上だ。この性能帯では頭一つ抜き出たモデルといえる。
BTOパソコンのラインナップは多くない
Core Ultra 5 245Kを搭載したゲーミングPCはほとんどないと考えてよい。2025年9月時点で搭載モデルを購入できるのはアーク・サイコム・セブンだけだ。どちらのショップもこだわりのあるモデルを販売している中小BTOメーカーだ。玄人向けのショップだからこそマニアックなCore Ultra 5 245K搭載モデルを販売しているのだろう。カスタマイズの自由度も高くあなただけのこだわりのゲーミングPCを作ることができる。
CPU・GPU・メモリ・マザーボードなど細かくカスタマイズ可能だ。選択肢が多いことで一般的なBTOメーカーと比べてやや購入のハードルが高いように思う。大手BTOメーカーと比べるとコストパフォーマンスは悪い傾向にある点は押さえておこう。大手BTOメーカーの枠組みのTSUKUMOは、前世代のCore i5-14600K搭載モデルを販売していたことがある。もしかしたら今後Core Ultra 5 245K搭載モデルをラインナップに加えるかもしれない。
今はまだソフトウェアが不安定でそれが解消次第ということなのだろうか。倍率ロックフリーモデルの”5”グレードは筆者も好きでぜひ多くのBTOメーカーで取り扱ってほしい。Core Ultra 200Sシリーズについては期待通りとなっていないが、本来はオーバークロック対応で上位グレードに匹敵するゲーム性能を得られるからだ。
Core Ultra 5 245Kのゲームベンチマーク一覧
FF14 黄金のレガシー
上位モデルであるCore Ultra 7 265と同様に苦戦していることがわかる。Core i5-14600Kとほとんど変わらないフレームレートとなる。前世代のCPUとほとんど変わらないのは異例中の異例だろう。競合のRyzen 5 9600Xと比べてもフルHDで32%、WQHDで16%も劣る結果だ。AMD製CPUとの相性がよいといえる。4K環境ではGPU負荷が高くCPUによる差はほとんど出ていない。
Cyberpunk 2077
Cyberpunk 2077ではCore Ultra 200Sシリーズ旧世代のモデルを上回っている。従来モデルのCore i5-14600Kよりも最大で5%フレームレートが高くなった。Core i7-14700との性能差は3%弱だ。Cyberpunk 2077でもやはりAMD製CPUのパフォーマンスが高い。
Cyberpunk 2077 RT+DLSS 3.0
レイトレーシング有効化及びDLSS 3.0をオンにした状態でもフレームレートを計測した。Ryzen 5 9600Xよりもフレームレートが高くなっている。前世代のCore i5-14600Kと比べてもわずかに上回っている。Core Ultra 7シリーズと比べるとCore Ultra 5シリーズはまだましだ。
Forza Horizon 5
Forza Horizon 5ではそこまで悪い結果とはなっていない。Core Ultraシリーズ2が上位を占めている。従来モデルのCore i5-14600Kと比べても2%-5%フレームレートが高い。Ryzen 5 9600Xと比べても20%以上もフレームレートが高い。Intel製CPU、特に現行のCore Ultraシリーズ2との相性がよいタイトルだ。
モンスターハンターワイルズ
モンスターハンターワイルズはGPU負荷が高くCPUによる差が出づらいタイトルだ。Core i5-14500以下のモデルを除けば同程度に収まる。それでもCore i5-14600Kと比べて最大で3%弱フレームレートが高くなっている。一方で、下位モデルであるCore Ultra 5 235との性能差もほとんどない状況だ。
フォートナイト
フォートナイトではCore i5-14600Kよりも4%-30%もフレームレートが高い。ミドルクラスのCPUにおいてえはIntel第14世代Core iシリーズよりもCore Ultraシリーズ2の方が相性がよさそうだ。Ryzen 5 9600Xと比べると2%-15%フレームレートが低い。下位モデルのCore Ultra 5 235との性能差は最大で8%となる。
PC向けアプリケーションのベンチマーク
Cinebench 2024
マルチコアは1,513で、シングルコアは135と高いスコアが出ている。従来モデルのCore i5-14600Kと比べてマルチコアが11%高く、シングルコアも13%高い。14コア14スレッドで、14コア20スレッドのCPUを打ち負かした。それだけArrow Lakeが優れていることの証明だ。競合の上位グレードであるRyzen 7 9700Xと比べてマルチコアが21%高く、シングルコアも2%高い。Core Ultra 5 245Kはゲーム性能については期待外れだったが、マルチコア性能は納得できる水準にあることがわかる。
Cinebench R23
Cinebench R23もレンダリング性能を計測するベンチマークソフトだ。Cinebench 2024と同様に各コアに負荷を掛けた状態を想定しているが、実際のアプリケーション環境とは乖離しているといえる。一つの参考としてみるのがよい。従来モデルのCore i5-14600Kと比べてマルチコアが7%高く、シングルコアも7%高い。競合のRyzen 7 9700Xと比べてもマルチコアが27%高く、シングルコアも1%弱高い。下位モデルのRyzen 5 9600Xと比べるとマルチコアが42%高く、シングルコアが1%高い。Ryzen 9000シリーズを圧倒していることがわかる。
Blender
Blenderのスコアは333.24と高い数値が出ている。Core i5-14600Kとのスコア差は4%弱とそれほど大きくない。競合のRyzen 7 9700Xよりも5%高く、Ryzen 5 9600Xよりも38%高い。AMD製CPUはやや苦戦している。傾向としてはCinebenchと似ている。物理コアが多い方が有利だ。
7-Zip
Zipファイルの展開及び圧縮速度を計測した。他のアプリケーションソフトとは違って、Core i5-14600Kよりも劣る結果が出ている。解凍速度は7%速いが、圧縮速度は15%遅い。Core Ultra 7 265Kも従来モデルのCore i7-14700Kに及ばないことからCore Ultraシリーズの2最適化不足が疑われる。Ryzen 7 9700Xと比べると展開速度が7%遅く、圧縮速度は5%遅い。パフォーマンスで劣っているものの”5”と”7”というグレードを考慮すれば納得できるスコアだ。
Handbrake
動画のエンコードにかかる時間をまとめている。H.264では6秒速く、H.265では41秒も速くなっている。Ryzen 7 9700Xと比べてもH.264で15秒速く、H.265でも11秒速い。競合の上位モデルを大きく上回る結果となった。動画のエンコードの適正も高いといえそうだ。
Adobe Photoshop(PugetBench)
Photoshopでのスコアをまとめた。Core Ultra 5 245Kのスコアは12,642となる。Core i5-14600Kよりも5%弱高いスコアだ。Core Ultra 7 265とほとんど変わらないスコアだ。Ryzen 5 9600が極端にスコアが伸びて20%以上も上回っている。Ryzen 5 9600Xは11,743と妥当な数値なように思える。
Core Ultra 5 245K搭載おすすめゲーミングPC
arkhive Gaming Limited GL-A7M(ark)
価格:
239,800円 219,800円(送料込)
CPU:Core Ultra 5 245KF(水冷)
GPU:GeForce RTX 5060
メモリ:DDR5-5600 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS BRONZE
マザボ:チップセットB860
コスパ:調査中
半期決算セール開催中で今なら20,000円OFFで購入できる。CPUにはCore Ultra 5 245KFを、GPUにはGeForce RTX 5060を搭載している。PCケースはASUS製の「Prime AP201 MicroATX Case」を採用している。容量33リットルのMicroATXケースだ。360mmラジエーターが搭載でき拡張性も確保されている。GPUはGeForce RTX 5070までカスタマイズ可能だ。メモリDDR5-5600 32GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も抜群だ。電源ユニットは750W BRONZEとなる。
ZEFT Z57Z(セブン)
価格:298,980円(送料込)
CPU:Core Ultra 5 245KF(水冷)
GPU:GeForce RTX 5060 Ti 16GB
メモリ:DDR5-5600 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS GOLD
マザボ:チップセットB860
コスパ:調査中
Core Ultra 5 245KF×GeForce RTX 5060 Ti 16GB搭載のミドルハイクラスのゲーミングPCとなる。ゲーミング性能が高く高画質にも対応できる。Core Ultra 5 245KFとのバランスもよい。PCケースはインパクト抜群の「Cooler Master SILENCIO S600」だ。静音性を重視したケースとなる。稼働音を抑えたいユーザーは要チェックだ。メモリDDR5-5600 32GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も抜群だ。電源ユニットは750W GOLD搭載となる。
G-Master Spear Z890(サイコム)
価格:312,210円+送料2,920円
CPU:Core Ultra 5 245K *カスタマイズ
GPU:GeForce RTX 5060 Ti 16GB
メモリ:DDR5-5600 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS GOLD
マザボ:チップセットZ890
コスパ:調査中
玄人向けのBTOメーカーであるサイコムでは搭載モデルを購入できる。初期構成では上位グレードのCore Ultra 7 265Kを搭載している。カスタマイズでCore Ultra 5 245Kへダウングレード可能だ。12,670円安く購入できる。GPUはGeForce RTX 5060 Ti 16GBを搭載している。サイコムで購入するならGeForce RTX 5060 Ti 16GBだともったいないように思う。よりこだわりをもったゲーム環境を目指したいものだ。GeForce RTX 5070以上のグラフィックボードならより余裕が生まれる。メモリはDDR5-5600 32GBだ。ストレージはSSD 1TB Gen4 NVMeを搭載している。構成は不足なしといえそうだ。もちろんここからさらに強化することもできる。電源ユニットはAntec製750W GOLD搭載だ。
ZEFT Z55IS(セブン)
価格:329,780円(送料込)
CPU:Core Ultra 5 245KF
GPU:GeForce RTX 5070 Ti
メモリ:DDR5-5600 32GB
ストレージ:SSD 2TB Gen4 NVMe
電源:850W 80PLUS GOLD
マザボ:チップセットB860
コスパ:調査中
Core Ultra 5 245KF×GeForce RTX 5070 Ti搭載のハイクラスの一台だ。4K環境にも対応できるポテンシャルを持つ。Core Ultra 5 245KFとの組み合わせなら70番台までよいのではないかと思う。それ以上になるとGPUの性能を最大限に引き出せるとは限らないからだ。CPUクーラーは、「DEEPCOOL AK400」だ。セブンのこだわりからするとやや物足りない。ハイエンドクーラー「SCYTHE(サイズ) MUGEN6」などへのアップグレードを検討してほしい。メモリはDDR5-5600 32GBと大容量だ。ストレージもSSD 2TB Gen4 NVMeを搭載している。電源ユニットは850W GOLDだ。無線LAN・Bluetoothをサポートしている。DVDスーパーマルチドライブなのも評価できる。PCケースは、ANTEC P20Cだ。クリアガラスパネルとARGB対応ファンの組み合わせは相性がよい。
G-Master Luminous RGB Z890(サイコム)
価格:649,900円+送料2,920円
CPU:Core Ultra 5 245K(水冷) *カスタマイズ
GPU:GeForce RTX 5080
メモリ:DDR5-5600 64GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:1000W 80PLUS GOLD
マザボ:チップセットZ890
コスパ:調査中
サイコムが誇る光るゲーミングPCだ。ARGBファンを7基標準装備のミドルタワーモデルとなる。CPUクーラーのファンを含めると9基だ。CPUはCore Ultra 7 265KからCore Ultra 5 245Kへダウングレードしている。GPUはGeForce RTX 5080搭載のハイエンドモデルだ。現時点では他の選択肢はない。CPUボトルネックが発生してしまう可能性がある。メモリはDDR5-5600 64GBからDDR5-5600 32GBと容量を落としている。24,330円の割引を受けられる。これでトータル費用は649,900円だ。ストレージはSSD 1TB Gen4 NVMeとそのままにしている。電源ユニットも1000W GOLDだ。
参照外部サイト
- Exclusive: Intel Exec Promises Arrow Lake Fixes For Major Performance Gains(HotHardware, 2024)
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おすすめのゲーミングPCランキングを紹介している。コストパフォーマンスが高いモデルに人気が集中していると言える。
イチオシのゲーミングノートPCを紹介している。外出先でもゲームを楽しみたいという方はぜひ参考にしてほしい。
当サイトでレビューをしている全てのゲーミングPCを表でまとめている。一覧で見れば、ゲーミングPCの構成や相場感を把握することができる。
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Core Ultra 5 245Kのベンチマーク検証機材
モデル | ベンチマーク検証機Intel ソケットLGA1851 |
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CPU | Core Ultra 5 245KF etc. |
GPU | GeForce RTX 4090 |
メモリ | DDR5-5600 32GB |
ストレージ | SSD 1TB(Crucial P3 Plus CT1000P3PSSD8JP) |
マザーボード | ASRock Z890 Pro RS WiFi |
電源 | 玄人志向 1200W PLATINUM KRPW-PA1200W/92+ |