Ryzen 5 9600の性能比較&ベンチマーク検証を行った。Zen 5アーキテクチャ採用のラインナップの中でもっとも安価なモデルだ。6コア12スレッドというスペックでRyzen 5 7600の後継モデルに当たる。上位モデルであるRyzen 5 9600Xと同等の性能を得られる。およそ3,000円安くCPUクーラーも付属となっていてコストパフォーマンスが高い。Ryzen 5 9600Xよりも人気が出そうだ。
現時点で搭載ゲーミングPCのラインナップはほとんどない。サイコムでのみ取り扱いがあるぐらいだ。詳細は「Ryzen 5 9600搭載おすすめゲーミングPC」を参考にしてほしい。振り返ってみると、Ryzen 5 7500Fが中心でRyzen 5 7600を搭載したモデルもほとんどなかったように思う。もし、今後Ryzen 5 9500Fが登場すれば存在感は薄れてしまいそうだ。
Ryzen 5 9600の基本情報
コードネーム | Arrow Lake |
---|---|
プロセス | 4nm |
コア/スレッド数 | 6コア / 12スレッド |
定格/最大クロック | 3.8 GHz / 5.2 GHz |
L2キャッシュ | 6MB |
L3キャッシュ | 32MB |
TDP | 65W |
PPT | 88W |
発売日 | 2025年03月14日 |
MSRP | $257 |
価格 | 38,741円~ *2025/9時点 |
特徴 |
(+)Ryzen 9000シリーズで最も安価なモデル (+)Ryzen 5 9600Xと同等の性能を期待できる (+)6コア12スレッドの高コスパモデル (+)CPUクーラー同梱 (-)注目度はそれほど高くない (-)搭載ゲーミングPCが少ない |
評価 |
・総合評価 7.5 ・ゲーム評価 7.5 |
Ryzen 5 9600の基本スペック
Ryzen 5 9600X/5 7600と比較
Ryzen 5 9600 | Ryzen 5 9600X | Ryzen 5 7600 | |
---|---|---|---|
メーカー | AMD | AMD | AMD |
コードネーム | Zen 5 (Granite Ridge) |
Zen 5 (Granite Ridge) |
Zen 4 (Raphael) |
プロセス | 4nm | 4nm | 5nm |
ダイサイズ | 70.6m㎡ | 70.6m㎡ | 71.0m㎡ |
トランジスタ数 | 83.15億 | 83.15億 | 65.70億 |
I/Oダイ | 6nm | 6nm | 6nm |
I/Oトランジスタ数 | 34億 | 34億 | 非公開 |
I/Oダイサイズ | 122m㎡ | 122m㎡ | 122m㎡ |
コア/スレッド数 | 6/12 | 6/12 | 6/12 |
定格クロック | 3.8GHz | 3.9GHz | 3.8GHz |
最大クロック | 5.2GHz | 5.4GHz | 5.1GHz |
オーバークロック | ◯ | ◯ | ◯ |
L2キャッシュ | 6MB | 6MB | 6MB |
L3キャッシュ | 32MB | 32MB | 32MB |
対応メモリ | DDR5-5600 | DDR5-5600 | DDR5-5200 |
内蔵GPU | Radeon Graphics | Radeon Graphics | Radeon Graphics |
グラフィックスコア数 | 2 | 2 | 2 |
グラフィックス周波数 | 2.20GHz | 2.20GHz | 2.20GHz |
CPUクーラー | Wraith Stealth | 非同梱 | Wraith Stealth |
PCI-Express | Gen 5, 24 Lanes | Gen 5, 24 Lanes | Gen 5, 24 Lanes |
TDP | 65W | 65W (105W設定可) |
65W |
PPT | 88W | 88W (142W設定可) |
88W |
MSRP | $249 | $279 | $229 |
国内価格 | 38,741円~ | 41,980円~ | 33,880円~ (22,980円~/中古) |
発売日 | 2025/01/07 | 2024/08/08 | 2024/08/08 |
Ryzen 5 9600はZen 5アーキテクチャ採用のCPUとなる。Zen 4アーキテクチャ採用のRyzen 5 7600の後継モデルだ。CPUダイのプロセスが5nmから4nmへと微細化された。ダイサイズは同等だが、トランジスタ数は26%も増えて83.15億となっている。I/Oダイは6nmと共通だ。Ryzen 5 7600のI/Oトランジスタ数は非公開となっているが、Ryzen 5 9600と同じではないかと思う。I/Oダイサイズも122m㎡と変わりなしだ。
コア・スレッドは6コア12スレッドを維持している。定格クロックも3.8GHzと変わっていないが、最大クロックは0.1GHz高く5.2GHzとなった。Ryzen 5 7600と同様にRyzen 5 9600もオーバークロック対応だ。L2キャッシュ及びL3キャッシュ容量も同じだ。対応メモリはDDR5-5200からDDR5-5600へとより高クロックなメモリをサポートしている。内蔵グラフィックスはRadeon Graphicsと変更は加えられていない。
どちらのモデルもCPUクーラーもWraith Stealthが同梱だ。PCI-ExpressはGen 5, 24 Lanesだ。TDPは65Wで、PPTは88Wとなる。MSRPは$20高くなっている。この記事の執筆時点で国内販売価格は4,861円の差がある。Ryzen 5 7600は中古なら22,980円で購入できる。発売から時間が経過していることもあり価格が順当に下がっている。
上位モデルであるRyzen 5 9600Xと比較していく。基本的なアーキテクチャは共通だ。大きな違いはクロック周波数・TDP・価格となる。Ryzen 5 9600Xの方が定格クロックが0.1GHz高く、最大クロックも0.2GHz高い。どちらのモデルもオーバークロックができる。Ryzen 5 9600Xは発売当時TDPが65Wに指定されていたが、パフォーマンス面の伸びが小さかったこともありAMDがTDPも65Wから105Wへと引き上げた。Ryzen MasterあるいはBIOSから選択できる。なお、当サイトのベンチマークでは共通のPPTを設定したのでそこまでTDPの差が与える影響は小さいと考えている。MSRPでは+$30で、国内販売価格は3,239円だ。

Ryzen 5 9600は、従来モデルのRyzen 5 7600と比べて大幅な進化が見られるわけではない。スペック上もプロセスの微細化があるのは事実だが、コア/スレッドは共通でクロック周波数も微増に留まる。マイナーチェンジぐらいに考えておくのがよいだろう。だからこそ上位モデルのRyzen 5 9600XではTDPの引き上げを行ったのだ。
Core Ultra 5シリーズと比較
Ryzen 5 9600 | Core Ultra 5 235 | Core Ultra 5 225 | |
---|---|---|---|
メーカー | AMD | Intel | Intel |
コードネーム | Zen 5 (Granite Ridge) |
Arrow Lake | Arrow Lake |
コンピュートタイル | 4nm | 3nm | 3nm |
SoCタイル | – | 6nm | 6nm |
グラフィックスタイル | – | 5nm | 5nm |
I/Oダイ(タイル) | 6nm | 6nm | 6nm |
トランジスタ数 | 83.15億(I/O除く) | 178億 | 178億 |
I/Oトランジスタ数 | 34億 | – | – |
ダイサイズ | 70.6m㎡+122m㎡ | 243m㎡ | 243m㎡ |
コア/スレッド数 | 6 / 12 | 14(6P+8E)/ 14 | 10(6P+4E)/ 10 |
定格クロック(P) | 3.8GHz | 3.4GHz | 3.3GHz |
最大クロック(P) | 5.2GHz | 4.8GHz | 4.7GHz |
定格クロック(E) | 非搭載 | 2.9GHz | 2.7GHz |
最大クロック(E) | 非搭載 | 4.4GHz | 4.4GHz |
オーバークロック | ◯ | × | × |
L2キャッシュ | 6MB | 26MB | 22MB |
L3キャッシュ | 32MB | 24MB | 20MB |
対応メモリ | DDR5-5600 | DDR5-6400 | DDR5-6400 |
内蔵GPU | Radeon Graphics | Intel Graphics | Intel Graphics |
グラフィックスコア | 2 | 3(X-Cores) | 2(X-Cores) |
グラフィックス周波数 | 1.55GHz | 2.00GHz | 1.80GHz |
内蔵NPU | 非搭載 | Intel AI Boost | Intel AI Boost |
TOPS | – | 13 | 13 |
CPUクーラー | 同梱 | 同梱 | 同梱 |
PCI-Express | Gen 5, 24 Lanes | Gen 5, 20 Lanes | Gen 5, 20 Lanes |
TDP(PBP) | 65W | 65W | 65W |
PPT(MTP) | 88W | 121W | 121W |
MSRP | $249 | $257 | $246 |
国内価格 | 38,741円~ | 41,380円~ | 29,800円~ 28,480円~/Fモデル |
発売日 | 2025/01/07 | 2025/01/07 | 2025/01/07 |
Intel製CPUで同グレードのCore Ultra 5 235及びその下位モデルであるCore Ultra 5 225のスペックをまとめている。Core Ultra 5 235はそこまで人気があるわけではないので、Core Ultra 5 225との比較を中心に見ていく。Core Ultra 5 225は、Arrow Lake世代のCPUで同時期に販売された。Ryzen 5 9600と同様にチップレット設計を採用していて4つのタイルに分かれている。AMDでいうところのダイだ。コアを搭載する根幹部分であるコンピュートタイルは3nmと微細化が進む。
メモリコントローラーなどを含むSoCタイルは6nm、GPU搭載のグラフィックスタイルは5nm、PCIeコントローラーなどを含むI/Oタイルは6nmとなる。Zen 5ではI/Oダイ(タイル)にメモリコントローラーやPCIeコントローラーが搭載されている。Core Ultra 5 225のトランジスタ数は178億だ。Ryzen 5 9600よりも60億以上多い。ダイサイズは243m㎡だ。Ryzen 5 9600よりも27%大きい。
Core Ultra 5 225は6つのPコア(パフォーマンスコア)と4つのEコア(エフィシエントコア)と2つのコアを搭載している。いわゆるハイブリッドコアアーキテクチャだ。ハイパースレッディングが廃止されたので10コア10スレッドとなる。Ryzen 5 9600よりもコアは4つ多いが、スレッド数は2つ少ない形だ。Ryzen 5 9600のコアはCore Ultra 5 225ではPコアに相当する。クロック周波数の高いコアだ。Pコアの定格クロック・最大クロックはRyzen 5 9600の方がそれぞれ0.5GHz高くなっている。
Eコアの定格クロックは2.7GHz、最大クロックは4.4GHzとなる。Core Ultra 5 225はオーバークロックは非対応だ。L2キャッシュ容量はCore Ultra 5 225の方が16MB多いが、L3キャッシュ容量はRyzen 5 9600の方が12MB多い。メモリもCore Ultra 5 225の方がより高規格なモデルをサポートしている。内蔵GPUはIntel Graphicsだ。ハイライトは内蔵NPUであるIntel AI Boostを搭載している点だ。TOPSは13と控えめだが、Ryzen 5 9600にはない強みとなる。
Core Ultra 5 225もCPUクーラーは同梱だ。PCI-ExpressはGen 5, 20 Lanesとなる。TDPは65Wで、PPTは121Wだ。スペック上の消費電力はRyzen 5 9600の方が抑えられている。MSRPは$246とRyzen 5 9600よりも$3安い。国内販売価格は29,800円~と安価だ。CPU内蔵グラフィックス非搭載のCore Ultra 5 225Fは28,480円となっている。
Ryzen 5 9600の特徴と注意点【2025年】
上位モデルであるRyzen 5 9600Xと同等の性能を持つ
Ryzen 5 9600でチェックするべきポイントは上位モデルであるRyzen 5 9600Xとの性能差だろう。結論からいえば体感できるほどの性能差はなく同等といえる。ゲーム性能・マルチコア性能ともにミドルクラスとしては十分な性能を持つ。低予算でAM5プラットフォームを構築したいなら第一候補にしてもよい。Core Ultra 5 235/Core Ultra 5 225とは違ってオーバークロックができるのも強みだ。
ゲーム性能スコアは34,398だ。Ryzen 5 9600Xとのスコア差は506だ。パーセンテージで言えば2%弱となる。ゲームプレイにおいて大きくパフォーマンスが変わることはないはずだ。従来モデルのRyzen 5 7600よりも10%程度性能が向上している。Ryzen 5 7600Xと比べてもパフォーマンスは上だ。Ryzen 7 7700よりもゲーム性能が高いのは圧巻だ。競合のCore Ultra 5 235よりも8%弱性能が高く、Core Ultra 7 265でさえも上回る。Core Ultraシリーズ2が苦戦していることがわかる。
マルチコア性能スコアは25,436となる。競合のCore Ultra 5 225よりも5%程度低くなっている。Core Ultra 5 235との差は12%とやや大きい。コア・スレッドの数がパフォーマンスに影響を与えている。もっともミドルクラスとしては及第点で特に不満が出るわけではないだろう。動画編集やゲーム実況などのクリエイティブ作業にも対応できる。また、前世代の上位モデルであるRyzen 7 7700よりもシングルコア性能が高く画像編集などの用途は有利になる。
ワットパフォーマンスが高い
製品名 | ワットパフォーマンス | 消費電力 | fps |
---|---|---|---|
Ryzen 5 4500 | 4.612 | 22.7 | 104.7 |
Ryzen 5 9600 | 4.278 | 60.9 | 260.5 |
Ryzen 5 7500F | 4.231 | 51.1 | 216.2 |
Core Ultra 5 225 | 3.945 | 43.3 | 170.8 |
Core Ultra 5 235 | 3.915 | 44.8 | 175.4 |
Ryzen 5 9600X | 3.638 | 71.9 | 261.6 |
Ryzen 7 7700 | 3.426 | 68.1 | 233.3 |
Ryzen 7 5700X | 3.000 | 58.9 | 176.7 |
Core i5-14500 | 2.844 | 57.0 | 162.1 |
Core i5-14400 | 2.812 | 56.5 | 158.9 |
上記はFF14のベンチマークを回している際のワットパフォーマンス及び消費電力まとめたものだ。フレームレートも補足として追記している。Ryzen 5 9600はワットパフォーマンスの高いCPUであることがわかる。上位モデルであるRyzen 5 9600Xと同等のフレームレートが出ているにもかかわらず消費電力が15%程度抑えられている。当然ワットパフォーマンス(1W当たりの性能)も高くなる。Core Ultra 5 235/Core Ultra 5 225は消費電力が低いCPUだがその分フレームレートも伸びておらずワットパフォーマンスはそこそこに留まる。Ryzen 5 4500も同様だ。
CPUクーラー同梱でコスパも良好
製品名 | 価格 | コスパ(ゲーム) | ゲーム性能 | コスパ(マルチ) | マルチコア | 発売日 |
---|---|---|---|---|---|---|
Core i5-14600K(14/20) | 32,980 | 1.079 | 35,582 | 0.948 | 31,263 | 2023/10/17 |
Core i5-14600KF(14/20) | 30,980 | 1.149 | 35,582 | 1.009 | 31,263 | 2023/10/17 |
Ryzen 5 9600X(6/12) | 41,980 | 0.831 | 34,904 | 0.619 | 26,002 | 2024/08/08 |
Ryzen 5 9600(6/12) | 38,741 | 0.887 | 34,398 | 0.656 | 25,436 | 2024/08/08 |
Core Ultra 5 245K(14/14) | 39,800 | 0.844 | 33,580 | 0.870 | 34,623 | 2024/10/24 |
Core Ultra 5 245KF(14/14) | 38,800 | 0.881 | 34,180 | 0.892 | 34,623 | 2024/10/24 |
Ryzen 7 7700(8/16) | 40,980 | 0.813 | 33,317 | 0.726 | 29,754 | 2023/01/14 |
Core Ultra 5 235(14/14) | 41,380 | 0.774 | 32,017 | 0.699 | 28,905 | 2025/01/24 |
Core Ultra 5 225(10/10) | 32,190 | 0.947 | 30,496 | 0.834 | 26,847 | 2025/01/07 |
Core Ultra 5 225F(10/10) | 28,480 | 1.071 | 30,496 | 0.943 | 26,847 | 2025/01/07 |
Core i5-14500(14/20) | 37,480 | 0.820 | 30,720 | 0.738 | 27,656 | 2024/01/08 |
Core i5-14400F(10/16) | 19,980 | 1.454 | 29,045 | 1.208 | 24,129 | 2024/01/08 |
Ryzen 7 5700X(8/16) | 24,800 | 1.090 | 27,036 | 0.919 | 22,789 | 2022/04/04 |
Core i5-12400F(6/12) | 17,380 | 1.522 | 26,448 | 1.159 | 20,146 | 2022/01/05 |
Ryzen 5 9600は、Ryzen 5 9600Xと同等の性能を持ちながら3,239円も安く購入できる。さらに、CPUクーラー同梱なので別途クーラーを用意する必要もない。AM5プラットフォーム環境において優秀なモデルといえる。価格的には前世代の上位モデルであるRyzen 7 7700も候補に入る。ゲーム性能こそRyzen 5 9600Xの方が高いが、総合性能ではやはり敵わない。何を重視するかを基準に検討しよう。AMD製CPUにこだわりがなければCore i5-14600KFは有力な選択肢となる。ゲーム性能・マルチコア性能ともに優秀で価格も安い。プラットフォームを考慮しても魅力的なモデルといえる。
搭載ゲーミングPCのラインナップがほとんどない
Ryzen 5 9600搭載モデルを選べるのはサイコムしかない。それもカスタマイズで選択できるだけだ。今のメインはやはりRyzen 5 9600Xとなる。ほとんどのBTOメーカーで取り扱いがある。現在パソコン工房ではRyzen 5 9600X搭載モデルの在庫切れが発生中だ。Ryzen 5 9600搭載モデルに切り替わることを期待したい。
ドスパラやTSUKUMOでは販売されなさそうな雰囲気を感じる。Zen 4のRyzen 5 7600を搭載したモデルがほとんど日の目を見ることがなかったことを考えると仕方がないのだろう。Ryzen 5 9500Fの発売も噂されていてますます状況は厳しくなりそうだ。単体のCPUとしては優秀なので自作PCユーザーは十分候補に入るだろう。
Ryzen 5 9600のベンチマーク検証機材
モデル | ベンチマーク検証機AMDソケットAM5 |
---|---|
CPU | Ryzen 5 9600 etc. |
CPUクーラー | DEEPCOOL LS520 WH R-LS520-WHAMNT-G-1 |
GPU | GeForce RTX 5070 |
メモリ | DDR5-5600 32GB |
ストレージ | SSD 1TB(Crucial P5 Plus CT1000P5PSSD8JP) |
マザーボード | ASUS ROG STRIX X670E-A GAMING WIFI |
電源 | 玄人志向 1200W PLATINUM KRPW-PA1200W/92+ |
専用のベンチマーク機で計測している。各設定はPPT:145、EDC:100、EDC:185だ。CPUクーラーに240mmラジエーター搭載の高性能水冷クーラーのおかげである程度PPTを引き上げても対応できる。Ryzen 5 9600のポテンシャルを最大限に引き出せる設定だ。
Ryzen 5 9600のベンチマーク【RTX 5070編】
今回はGeForce RTX 5070との組み合わせにおけるベンチマークを計測している。ミドルクラスでは現実的な組み合わせだからだ。現在GeForce RTX 4090との組み合わせでのベンチマークも計測中なので、完了次第追記する予定だ。CPU性能の差を詳しく知りたいならハイエンドモデルでの計測がポイントとなる。
モンハンワイルズ(高設定)
モンハンワイルズではGeForce RTX 4090の性能を持ってしてもGPUボトルネックが発生するのでCPUでの差はほとんど現れない。Ryzen 7 5700XとRyzen 5 4500を除けばその他は団子状態だ。Ryzen 5 9600でもRyzen 7 7700でもほとんど差がない状況といえる。もっとも差が大きいCore Ultra 5 245Kでも4%弱に留まる。
FF14
FF14でもRyzen 5 9600は高いパフォーマンスを発揮している。Ryzen 5 9600Xと比べると1%-2%程度フレームレートが低いだけに留まる。これぐらいの差であれば体感することはできないだろう。Ryzen 5 7600どころかRyzen 7 7700を上回る性能は圧巻だ。Core Ultra 5 235などCore Ultraシリーズ2はやや伸び悩む。Core Ultra 5 235と比べるとフルHD環境で22%もフレームレートが高い。高解像度ではボトルネックがGPUに移るためその差は縮まる。
フォートナイト
フォートナイトでもRyzen 5 9600Xとのフレームレートの差は最大で4%程度だ。ただし、Ryzen 5 7600との性能差もほとんどない。Core Ultra 5 245KがトップでRyzen 5 9600よりもフルHDで33%、WQHDで20%も高い。Ryzen 7 7700もワンランク上だ。同価格帯のCore Ultra 5 235と比べても最大で5%程度フレームレートが低くなっている。70番台のグラフィックボードとの組み合わせで負荷の軽いタイトルがメインならもう少しCPUへの投資を考えてもよさそうだ。
Cyberpunk 2077
Cyberpunk 2077も上位モデルは団子状態だ。Core Ultra 5 225以下のモデルはほとんど同じ数値となっている。Core i5-14400・Ryzen 7 5700X・Ryzen 5 4500を選ぶならもう少し予算を増やしてRyzen 5 9600を候補にいれるべきだ。
Cyberpunk 2077 DLSS 4.0
<
レイトレーシングの有効化(ウルトラ)及びDLSS 4.0でのフレームレートを計測した。Ryzen 7 5700XとRyzen 5 4500以外のモデルであればフレームレートは変わらない。参考までに表には入っていないが、Ryzen 7 9800X3Dの場合は305.49fps・228.27fps・151.85fpsとRyzen 7 5700Xと同程度になっている。原因は不明だ。機会を作って他の3D V-Cache搭載モデルでのパフォーマンスも計測したい。
Forza Horizon 5
Forza Horizon 5はAMD製CPUと相性がよくない。それは上記のグラフを見ても明らかだ。Core Ultra 5 235と比べてフルHDで10%弱、WQHDで8%、4Kで2%低くなっている。Ryzen 5 9600Xと同等のフレームレートとなっている。Ryzen 7 7700でもそこまでフレームレートは高くならない。ゲーム側の最適化が進まないとパフォーマンスは変わらないように思う。
Ryzen 5 4500のクリエイティブ性能ベンチマーク
Cinebench R23
Cinebench R23はCPUの性能を客観的に計測する上で有用なベンチマークソフトだ。そのCPUのポテンシャルを図れる。ただし、実際の環境におけるパフォーマンスを100%反映しているわけではないので他のベンチマークと併用するのがよい。Ryzen 5 9600のマルチコアは16,893で、シングルコアは2,119だ。上位モデルであるRyzen 5 9600Xとほとんど変わらない。マルチコアは2%弱低く、シングルコアに至っては1%未満の差だ。従来モデルのRyzen 5 7600よりもマルチコアが17高く、シングルコアも7%弱高くなっている。
Cinebench 2024
Cinebench 2024でのマルチコアスコアは881で、シングルコアは126となる。Ryzen 5 9600Xよりもマルチコアが3%低く、シングルコアは1%低いだけで同等だ。従来モデルのRyzen 5 7600よりもマルチコアが7%高く、シングルコアも11%弱高くなっている。Ryzen 5 7600Xを上回っているのはさすがだ。一方で競合のCore Ultra 5 235と比べるとマルチコアが32%低く、シングルコアは7%高くなっている。
Blender
Blenderでのスコアは216.41だ。Ryzen 5 9600Xよりも3%弱低い。Ryzen 5 7600よりも7%程度スコアが高くなっている。やはりRyzen 5 7600Xもしっかりと上回っている。Core Ultra 5 235よりも24%低い。クリエイティブ用途ではCore Ultraシリーズ2は強力なライバルとなる。
Handbrake
動画のエンコードに掛かる時間をまとめている。Ryzen 5 9600Xとの差はほとんどない。H.264で5秒遅く、H.265で9秒遅くなっている。H.264ではCore Ultra 5 235よりも6秒遅く、H.265では65秒遅い。パフォーマンスの差を見せつけられている形だ。
7-Zip
Zipファイルの解凍及び圧縮速度をまとめている。Ryzen 5 7600からの伸びはほとんどなくRyzen 5シリーズは同等のパフォーマンスとなっている。Core Ultra 5 235と比べると解凍速度は11%遅く、圧縮速度も7%弱遅い。Core Ultra 5 225はそこまでパフォーマンスが伸びていない。基本的にはコアが多いほうが有利になるはずなので伸び悩むのは不思議だ。
Photoshop(PugetBench)
PugetBenchでのスコアを計測している。Ryzen 5 9600のスコアは10,777と高い。Ryzen 5 9600Xよりも4%程度低いだけだ。従来モデルのRyzen 5 7600よりも15%程度スコアが向上している。競合のCore Ultra 5 225と比べると35%近くもスコアが高い。上位モデルであるCore Ultra 5 245Kを上回るスコアは圧巻だ。
Ryzen 5 9600搭載おすすめゲーミングPC
G-Master Spear X870A(サイコム)
価格:298,420円+送料2,920円
CPU:Ryzen 5 9600 *カスタマイズ
GPU:GeForce RTX 5060 Ti 16GB
メモリ:DDR5-5600 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS GOLD
マザボ:チップセットX870
コスパ:5.8
初期構成ではRyzen 7 9700Xを搭載したモデルとなる。Ryzen 5 9600へのダウングレードで24,140円の割引を受けられる。GPUにはミドルハイクラスのGeForce RTX 5060 Ti 16GBを搭載している。Ryzen 5 9600との組み合わせならGPUはそのままでもよさそうだが30万円近い価格は悩ましい。マザーボードをB650にダウングレード(-27,170円)して、光学ドライブを非搭載(-3,500円)にすれば267,750円まで下げられる。サイコムのモデルはカスタマイズが前提となっているので、色々カスタマイズを試して見てほしい。
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