Ryzen 9 9950X3Dのスペックレビュー&性能ベンチマーク検証を行った。Zen 5アーキテクチャ採用の3D V-Cache搭載モデルのフラグシップモデルが登場した。Zen 4のRyzen 9 7950X3Dを置き換えるモデルだ。ゲーム性能だけではなクリエイティブ性能も追及したい欲張りさん向けのCPUだ。3D V-Cacheも2世代目になり進化している。搭載位置を変更することで、熱の問題で弱点となっていたクロック周波数の低さを克服した。また、オーバークロックができるようになったのもハイライトだ。搭載モデルは「Ryzen 9 9950X3D搭載おすすめゲーミングPC」で紹介している。ハイエンドのCPUということもあってラインナップも少ない。GeForce RTX 5080やRadeon RX 9070 XTなどハイクラスとの組み合わせが中心だ。コストパフォーマンスで選ぶモデルとはいえないだろう。
Ryzen 9 9950X3Dの基本情報
コードネーム | Zen 5 (Granite Ridge) |
---|---|
プロセス | 4nm |
コア/スレッド数 | 16コア / 32スレッド |
定格/最大クロック | 4.3 GHz / 5.7 GHz |
L2キャッシュ | 16MB |
L3キャッシュ | 128MB(32MB+96MB) |
TDP | 170W |
PPT | 230W |
発売日 | 2025年03月12日 |
MSRP | $699 |
価格 | 132,800円~ *2025/4時点 |
特徴 |
(+)現行最強コンシューマー向けCPUの誕生 (+)ゲーム性能は7 9800X3Dに次いで現行No.2モデル (+)マルチコア性能はCore Ultra 9 285Kを上回る (+)オーバークロックをサポートしている (+)対応ソケットは従来モデルと共通のAM5 (-)ゲームプレイ時の消費電力が高い (-)単体価格が高い (-)搭載ゲーミングPC価格が高い (-)入手困難 |
評価 |
・総合評価 10.0 ・ゲーム評価 10.0 |
Ryzen 9 9950X3Dのスペック
Ryzen 9 9900X/9 7950X3Dと比較
Ryzen 9 9950X3D | Ryzen 9 9900X3D | Ryzen 9 7950X3D | |
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イメージ | ![]() |
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メーカー | AMD | AMD | AMD |
コードネーム | Zen 5 (Granite Ridge) |
Zen 5 (Granite Ridge) |
Zen 4 (Raphael) |
プロセス | 4nm | 4nm | 5nm |
トランジスタ数 | 166.30億 | 166.30億 | 131.40億 |
ダイサイズ | 2×70 mm² | 2×70 mm² | 2×70 mm² |
I/Oプロセス | 6nm | 6nm | 6nm |
I/Oトランジスタ数 | 34億 | 34億 | 非公開 |
I/Oダイサイズ | 122m㎡ | 122m㎡ | 122m㎡ |
コア数 | 16コア | 12コア | 16コア |
スレッド数 | 32スレッド | 24スレッド | 32スレッド |
定格クロック | 4.3GHz | 4.4GHz | 4.2GHz |
最大クロック | 5.7GHz | 5.5GHz | 5.7GHz |
オーバークロック | 〇 | 〇 | × |
L2キャッシュ | 16MB | 12MB | 16MB |
L3キャッシュトータル (通常Cache+3D V-Cache) |
128MB (32MB+96MB) |
128MB (32MB+96MB) |
128MB (32MB+96MB) |
対応メモリ | DDR5-5600 | DDR5-5600 | DDR5-5200 |
内蔵グラフィックス | Radeon Graphics | Radeon Graphics | Radeon Graphics |
実行ユニット | 2 | 2 | 2 |
グラフィックス周波数 | 2200MHz | 2200MHz | 2200MHz |
CPUクーラー | なし | なし | なし |
PCI-Express | Gen 5, 24 Lanes | Gen 5, 24 Lanes | Gen 5, 24 Lanes |
TDP | 170W | 120W | 120W |
PL2(PPT) | 230W | 230W | 162W |
ソケット | AM5 | AM5 | AM5 |
MSRP | $699 | $599 | $699 |
国内価格 | 132,800円~ | 112,800円~ | 111,800円~ |
発売日 | 2025/03/12 | 2025/03/12 | 2023/02/28 |
同じZen 5アーキテクチャ採用の下位モデルであるRyzen 9 9900X3Dと前世代のフラグシップモデルであるRyzen 9 7950X3Dとスペックを比較していく。Ryzen 9 7950X3DはZen 4アーキテクチャ採用のCPUだ。Zen 5になって製造プロセスが5nm→4nmへと微細化された。トランジスタ数は26%増えて166.30億だ。CCDのダイサイズは2基×70m㎡と変わっていない。I/OプロセスはZen 4アーキテクチャのものを踏襲している。Ryzen 9 7950X3DのI/Oトランジスタ数は非公開だが、Ryzen 9 9950X3Dと同じ34億ではないかと思う。
I/Oダイサイズは122m㎡と変更なしだ。コア・スレッドは16コア32スレッドと共通となる。定格クロックが0.1GHz高く4.3GHzだ。最大クロックは5.7GHzと変わっていない。Ryzen 9000X3Dシリーズではオーバークロックに対応している。L2キャッシュ容量及びL3キャッシュ容量も違いがない。内部的に3D V-Cacheのシリコンダイの配置をCCDの上部ではなく下部(裏側)に変更したことで、CCDとヒートスプレッダの間の熱抵抗を大幅に引き下げることに成功した。また、オーバークロックに対応したのもこの3D V-Cacheの配置変更によるものだ。マルチコア性能の引き上げにも大きく寄与している。
対応メモリはDDR5-5200からDDR5-5600へとより高クロックなメモリをサポートしている。内臓グラフィックスはRadeon Graphicsで共通だ。CPUクーラーは非同梱だ。PCI-ExpressはGen 5, 24 Lanesとなる。TDPは50W高く170Wだ。PL2は68W高く230Wとなっている。より高いパフォーマンスを引き出すためにTDPは犠牲にしている。対応ソケットはAM5とRyzen 9 7950X3Dから引き継いでいる。MSRPは$699と同じだが、発売時点での価格はRyzen 9 9950X3Dの方が21,000円高い。品薄・円安・部材高騰など様々な要因が考えられる。
下位モデルであるRyzen 9 9900Xのスペックも見ておこう。アーキテクチャは当然同じZen 5だ。コア・スレッドが12コア24スレッドとなる。8コアを包括する2基搭載のCCDのそれぞれで2コアずつ無効化されている形だ。定格クロックはRyzen 9 9900X3Dの方が0.1GHz高いが、最大クロックはRyzen 9 9950X3Dの方が0.2GHz高い。L2キャッシュ容量はRyzen 9 9950X3Dの方が4MB多くなっている。L3キャッシュ容量は128MBと変わらない。対応メモリや内臓グラフィックスも同じだ。TDPはRyzen 9 9900X3Dの方が50W低いが、PPTは230WとRyzen 9 9950X3Dと同じだ。MSRPは$100安く$599となる。国内価格はRyzen 9 9900X3Dの方が20,000円安価だ。
Core Ultra 9 285Kと比較
Ryzen 9 9950X3D | Core Ultra 9 285K | |
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メーカー | AMD | Intel |
コードネーム | Zen 5 (Granite Ridge) |
Arrow Lake |
プロセス (コンピュートタイル) |
4nm | 3nm |
トランジスタ数 | 166.3億 | 178.0億 |
ダイサイズ | 2×70 mm² | 243 m㎡ |
I/Oダイプロセス | 6nm | 6nm |
I/Oダイトランジスタ数 | 34.0億 | 非公開 |
I/Oダイサイズ | 122m㎡ | 非公開 |
SoCタイルプロセス | – | 6nm |
グラフィックスタイルプロセス | – | 5nm |
コア数/スレッド数 | 16 / 32 | 24(8P+16E)/ 24 |
定格クロック(P) | 4.3GHz | 3.7GHz |
最大クロック(P) | 5.7GHz | 5.7GHz |
定格クロック(E) | 該当コアなし | 3.2 GHz |
最大クロック(E) | 該当コアなし | 4.6 GHz |
オーバークロック | 〇 | 〇 |
L2キャッシュ | 16MB | 40MB |
L3キャッシュ | 128MB(32MB+96MB) | 36MB |
対応メモリ | DDR5-5600 | DDR5-6400 |
内蔵グラフィックス | Radeon Graphics | Intel Graphics |
実行ユニット | 2 | 4 |
グラフィックス周波数 | 2200MHz | 2000MHz |
内蔵NP | 非搭載 | Intel AI Boost |
CPUクーラー | 非同梱 | 非同梱 |
PCI-Express | Gen 5, 24 Lanes | Gen 5 , 20 Lanes |
TDP(PBP) | 170W | 125W |
PL2(PPT) | 230W | 250W |
ソケット | AM5 | LGA1851 |
MSRP | $699 | $589 |
国内価格 | 132,800円~ | 115,800円~ |
発売日 | 2025/03/12 | 2024/10/24 |
競合のIntel Core Ultra 9 285Kとスペックを比較していく。Arrow Lake世代のCPUで複数のタイルを組み合わせたチップレット構造を採用している。Ryzen 9 9950X3Dもチップレット構造(CPUコアダイとI/Oダイの2つ)を採用しているが、Arrow Lakeではコンピュートタイル・I/Oタイル・SoCタイル・グラフィックスタイルの4つに分割されている。歩どまりの改善に寄与している。主要なコンピュートタイルのプロセスは3nmでRyzen 9 9950X3Dよりも微細化されている。I/Oダイプロセスはどちらも6nmだ。Core Ultra 9 285KのSoCタイルプロセスが6nmで、グラフィックスタイルプロセスが5nmとなる。コンピュートタイル以外で3nmが使用されていないのでそこまでメリットがないからだろう。
Core Ultra 9 285Kは24コア24スレッドというスペックを持つ。8個のPコアと16個のEコア搭載のハイブリッドコアアーキテクチャを採用している。今世代ではハイパースレッディングを廃止した。IPCの改善で従来モデルを上回る高いパフォーマンスを発揮する。Pコアの定格クロックはRyzen 9 9950X3Dの方が0.6GHz(16%)高いが、最大クロックはどちらも5.7GHzとなる。Core Ultra 9 285Kでは省電力性を重視したEコアが搭載されている。定格クロックは3.2GHzで、最大クロックは4.6GHzとPコアよりもクロック周波数が引き下げられている。どちらのモデルもオーバークロック対応だ。Intel製CPUについてはマザーボードが最上位のZグレードでしかオーバークロックをサポートしていない。
キャッシュ回りは大きく異なっている。L2キャッシュこそCore Ultra 9 285Kの方が24MB(250%)多いが、L3キャッシュはRyzen 9 9950X3Dの方が92MB(351%)も多い。大容量の96MBの3D V-Cacheがポイントだ。対応メモリはCore Ultra 9 285Kの方がより高クロックなモデルをサポートしている。内臓グラフィックスはIntel Graphicsを搭載している。内臓NPであるIntel AI Boostがあるのは強みだ。Ryzen 9 9950X3Dには搭載されていない。TDPはRyzen 9 9950X3Dの方が45W高く、PL2はCore Ultra 9 285Kの方が20W高い。Core Ultra 9 285Kの対応ソケットはLGA1851で従来モデルから変更されている。MSRPは$589でRyzen 9 9950X3Dよりも$110安価だ。発売時点での国内価格はRyzen 9 9950X3Dの方が17,000円高い。
Ryzen 9 9950X3Dの特徴&注意点【2025年】
現行トップクラスのゲーム性能・マルチコア性能を誇る
ゲーム性能スコアは43,316とRyzen 7 9800X3Dに次いで高い。Ryzen 7 9800X3Dとの性能差は4%弱だ。Ryzen 9 9950X3Dは、Ryzen 7 9800X3Dとは違って2基のCCXを搭載していることでやや延びづらい。スペック的にはRyzen 9 9950X3Dが上なのだがCCX間のやりとりでレイテンシが発生するなどゲームなどの用途では不利になる。それでもRyzen 9 7950X3Dと比べるとわずかながら確かな進歩が見える。
この性能の高さを考慮すればGeForce RTX 5070/Radeon RX 9070を最低基準にしたいところだ。もし、60番台のグラフィックボードを選択するならもう少し安いCPUを選択してその分をグラフィックボードに使った方が満足度が高くなるはずだ。より高いフレームレートを実現できる。Ryzen 9 9950X3DはGPUに十分な投資をした上でまだ余裕がある方向けといえる。
Ryzen 9 9950X3DはRyzen 9 9950XやCore Ultra 9 285Kを抑えてトップのマルチコア性能を誇る。4%弱とそれほど大きい差があるわけではないが、トップである事実は変わらない。従来モデルのRyzen 9 7950X3Dと比べると25%程度向上している。この差は大きい。3D V-Cacheの配置位置の変更が今回のパフォーマンス向上に貢献している。ヒートスプレッダーとの間に3D V-Cacheを挟むことをやめて効率的にCPUダイを冷却できる。だからこそ高クロックを実現できるようになったのだ。Ryzen 7 9800X3Dとの性能差は48%程度だ。オールラウンド性を重視するならRyzen 9 9950X3Dがベストチョイスとなる。
ゲームプレイ時の消費電力が高め
ゲームプレイ時の消費電力が高めなことは理解しておく必要がある。もっとも消費電力を気にするユーザーはそれほど多くないはずだ。圧倒的な性能を持っているので消費電力が高いこと自体は受け入れられるだろう。ゲームプレイ時だけでいえばRyzen 7 9800X3Dが別格だ。69Wと半分以下に抑えられる。Core Ultra 9 285Kについて消費電力は30%程度低いが、性能も25%程度低いのでワットパフォーマンスが高いわけではない。性能が低い分だけ消費電力が低いと考えられる。Core i9-14900Kと比べるとワットパフォーマンスは優れている。
ゲーミングPCの電源ユニットはGPUに依存することになる。Ryzen 9 9950X3Dのゲーム性能を考えればハイエンドのグラフィックボードと組み合わせるケースが多いだろう。そうなれば必然と高容量・高規格な電源が選ばれることになる。いくらRyzen 9 9950X3Dの消費電力が高くても高品質な電源を搭載するなら何も問題はない。Ryzen 9 9950X3Dが極端に扱いづらいCPUとは言えない。なお、Ryzen 9 9950X3Dはマルチコアでの省電力性に優れている。Core Ultra 9 285Kと同等にもかかわらず11%低くなっているからだ。
単体/搭載モデルの価格が高い
製品名 | コア/スレッド | ゲーム性能(マルチコア) | 価格 | コスパ(マルチコア) |
---|---|---|---|---|
Ryzen 7 9800X3D | 8/16 | 45,025(34,011) | 102,990 | 0.437(0.330) |
Ryzen 9 9950X3D | 16/32 | 43,316(50,009) | 132,800 | 0.326(0.377) |
Ryzen 9 7950X3D | 16/32 | 42,444(40,051) | – | – |
Core i9-14900K | 24/32 | 38,957(43,839) | 76,980 | 0.506(0.569) |
Core Ultra 9 285K | 24/24 | 36,785(48,282) | 112,800 | 0.326(0.428) |
Ryzen 9 7950X | 16/32 | 33,513(44,755) | 89,800 | 0.373(0.498) |
Ryzen 9 9950Xはコストパフォーマンスの高いCPUとは言えない。ゲーム性能に対するコストパフォーマンスは0.326とcore Ultra 9 285Kと同じく最低クラスだ。いくら性能が高くても132,80円という価格設定では厳しい。もっとも性能的にコストパフォーマンスを考えて購入するユーザーは少ないだろう。ゲームプレイだけを考えるならRyzen 7 9800X3D(コスパ:0.437)を選ぶのがよいだろう。もっとも今はほとんどのモデルが入手困難で購入したくても購入できない。それはRyzen 9 9950X3Dも同じだ。
AMD製CPUにこだわりがなければIntel第14世代のCore i9-14900Kがおすすめだ。入手ハードルも低く今選択肢に入れるべきモデルの一つと言える。24コア32スレッドと高スペックでマルチコア性能も高くオールラウンドに対応可能だ。Intelの最新モデルであるCore Ultra 9 285Kは思ったほどゲーム性能が伸びず積極的におすすめできない。予算度外視かつRyzen 9 9950X3Dを手に入れられる状況なら購入してしまってもよい。
Ryzen 9 9950X3Dのゲームベンチマーク
各種ゲームプレイ時のパフォーマンスを見ていこう。最高設定でのフレームレートを計測しているたもGPUボトルネックが発生しやすくCPUによる差が表れづらい。今後は設定を下げたり、アップスケーリングを活用したりしてGPUボトルネックをなくした状態での計測に移行していきたい。試行錯誤中だ。
モンハンワイルズ
モンハンワイルズでは設定最高・フレーム生成ONの状態でのパフォーマンスを計測した。Intel製CPUに及ばないように見えるが、実際はトップのCore i7-14700Kと比べてもフレームレートは1.2fpsしか変わらず誤差の範囲といえそうだ。Ryzen 7 9800X3Dと比べると2.0fps高くなっている。なお、WQHD環境ではRyzen 9 9950X3DがCore Ultra 9 285Kと並んでトップだが、高解像度になるとGPUのボトルネックが大きくなるので差が縮まる傾向にある。
FF14 黄金のレガシー
FF14では文句なしでRyzen 9 9950X3Dがトップのゲーム適正を示した。Ryzen 7 9800X3Dと比べてフルHDで5%弱高く、WQHDでも3%弱高くなっている。従来モデルであるRyzen 9 7950X3Dと比べても4%-8%程度パフォーマンスが向上している。アーキテクチャの進化がしっかりと反映されている形だ。一方で、Intel製CPUは全く振るわず苦戦している。Core Ultra 9 285KはRyzen 9 9900Xにも届かず、Ryzen 9 9950X3Dと比べると最大で32%もフレームレートが低い。
Cyberpunk 2077
Cyberpunk 2077でのフレームレートを見ていく。DLSSは無効化している。Ryzen 7 9800X3Dと比べるとフルHDで3%低いが、WQHDでは3%高くなっている。イーブンの結果だ。従来モデルのRyzen 9 7950X3Dと比べるとフルHDで12%高く、WQHDでも2%弱高い。Core Ultra 9 285Kと比べると最大で20%近くもパフォーマンスが高い。WQHDになるとGPUのボトルネックが強くなりそれほどCPUによる差は現れない。
Forza Horizon 5
Forza Horizon 5は負荷の高いタイトルということで上位モデルは横並び状態だ。フルHD環境で見ると最上位のCore i7-14700KとRyzen 9 9900Xで4.4fps(2%程度)しか差がない。Ryzen 9 9950X3Dと比べるとその差は1.2fpsしかない。Forza Horizon 5ではGPUに投資する方がよさそうだ。3D V-Cache搭載モデルならRyzen 7 7800X3Dも問題なさそうだ。
Far Cry 6
Far Cry 6でもRyzen 9 9950X3Dがトップに躍り出た。Ryzen 7 9800X3Dと比べてフルHDで3%高く、WQHDで2%高くなっている。Ryzen 9 7950X3Dと比べても17%-30%もフレームレートが高い。3D V-Cahceも第2世代になって大きく進化した。通常のRyzen 9 9950Xとの性能差は最大で39%とかなり大きい。
Ryzen 9 9950X3Dのアプリケーションベンチマーク
Cinebench 2024
Cinebench 2024でのパフォーマンスを見ていく。Ryzen 9 9950X3Dもマルチコアは2,070で、シングルコアは120だ。従来モデルのRyzen 9 7950X3Dと比べるとマルチコアが16%高く、シングルコアも5%高い。競合のフラグシップモデルであるCore Ultra 9 285Kと比べるとマルチコアが3%弱低く、シングルコアも10%低くなっている。Ryzen 9 9950Xよりも性能が高いのは素晴らしい。Zen 4アーキテクチャでは3D V-Cache搭載のためクロック周波数が低くやや性能が延びづらかった。
Cinebench R23
Cinebench R23ではCore Ultra 9 285KどころかRyzen 9 9950Xにも届かない結果となった。Ryzen 9 9950Xと比べるとマルチコアが2%、シングルコアが1%低い。Core Ultra 9 285Kと比べるとマルチコアが2%低いが、シングルコアは1%弱高い。従来モデルのRyzen 9 7950X3Dと比べるとマルチコアが24%高く、シングルコアが12%高くなっている。3D V-Cache搭載モデルだからといってマルチコア性能が低くなることはなくむしろ高くなるのだ。
Blender
Blenderでのスコアは607.12とトップだ。Ryzen 9 9950Xよりも2%弱スコアが高くなっている。従来モデルであるRyzen 9 7950X3Dとのスコア差は18%と大きい。Core Ultra 9 285Kよりも8%上だ。3D V-Cache搭載モデルが通常のXモデルを上回るとは驚きだ。
7-Zip
7-Zipでの解凍及び圧縮速度をベンチマークツールを使って計測した。Ryzen 9 9950X3Dが、Ryzen 9 9950Xを抑えてトップとなっている。性能差は1%-3%とそれほど大きいわけではない。Ryzen 9 7950X3Dと比べると解凍速度が3%速く、圧縮素読も12%速い。Core Ultra 9 285Kはそこまでパフォーマンスが伸びず7番目に甘んじている。Ryzen 7 9800X3Dと比べると1.5倍から2.0倍近くパフォーマンスが高くいかにオールラウンドに対応できるモデルであるかがわかるだろう。
Handbrake
動画のエンコードにかかる時間をまとめた。H264でこそCore Ultra 9 285Kに負けてしまったが、H265では28秒も速く処理でき圧倒している。総合的に見ればRyzen 9 9950X3Dが上だと考えてよいだろう。従来モデルのRyzen 9 7950X3DよりもH265で2秒速く、H265では46秒も速くなっている。
Photoshop
Photoshopでの処理速度を見ていく。Ryzen 9 9950X3Dのスコアは15,276とトップクラスだ。Ryzen 7 9800X3Dよりも2%弱低くなっている。Ryzen 9 9950Xと比べると3%弱上回っている。競合のCore Ultra 9 285Kは伸び悩みRyzen 9 9950X3Dよりも35%程度パフォーマンスが低い。Ryzen 9 9950X3Dならクリエイティブ作業でも快適だろう。
Premiere Pro
動画の編集ソフトであるPremiere Proでのパフォーマンスを見ていく。Ryzen 9 9950X3DはRyzen 9 9950Xに次いで高い結果が出ている。従来モデルのRyzen 9 7950X3Dと比べると2%弱パフォーマンスが向上している。Core Ultra 9 285Kと比べても1%弱上回っている。オールラウンドに対応できるCPUの証明だ。
Ryzen 9 9950X3D搭載おすすめゲーミングPC
G-Master Spear X870A(サイコム)
価格:379,730円+送料2,200円
CPU:Ryzen 9 9950X3D *カスタマイズ
GPU:GeForce RTX 4060
メモリ:DDR5-5600 32GB DDR5-5600 64GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS GOLD
コスパ:5.8
初期構成ではRyzen 7 9700Xを搭載しているが、カスタマイズでRyzen 9 9950X3Dへアップグレード可能だ。現在は受注停止中となっている。GPUはGeForce RTX 4060搭載だ。もちろんこちらもカスタマイズで変更できる。メモリはDDR5-5600 32GBと大容量だ。キャンペーン中はDDR5-5600 64GBへの無償アップグレードが対象となっている。カスタマイズをしない場合は6,050円の割引を受けられる。ストレージはSSD 1TB Gen4 NVMeだ。カスタマイズでGen5接続のモデルにアップグレードできる。コストは上がるが快適性は増す。今後普及してくれば価格は下がりそうだ。電源ユニットはSilverStone製の750W GOLDを搭載している。コスパ指標は5.8とそこまで高くない。コスパを重視するメーカーではないので仕方がない。
LEVEL-R7B6-LCR99Z-TGX(パソコン工房)
価格:539,700円+送料2,200円
CPU:Ryzen 9 9950X3D(水冷)
GPU:Radeon RX 9070 XT
メモリ:DDR5 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:850W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中
Ryzen 9 9950X3D×Radeon RX 9070 XT搭載のハイクラスのゲーミングPCだ。Radeon RX 9070 XTは、競合のGeForce RTX 5070 Tiに匹敵する高い性能を持つ。WQHD環境がメインターゲットだ。CPUクーラーは360mmラジエーター搭載の水冷式で高い冷却性能を有している。構成はメモリDDR5 32GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと充実している。拡張性が高いケースで3rdストレージまで追加できる。購入時にカスタマイズをせず後からご自身で増設するのも一つの手だ。電源ユニットは850W GOLD搭載だ。マザーボードのチップセットはB760となる。
G-GEAR GE9A-T251/XBH (TSUKUMO)
価格:574,800円+送料2,200円
CPU:Ryzen 9 9950X3D
GPU:GeForce RTX 5080
メモリ:DDR5-5600 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:850W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中
TSUKUMOが販売するプレミアムミドルタワーモデルだ。ケースファンについては高品質なNoctua製高音ファンに変更できる。こだわりたい方におすすめのカスタマイズだ。GPUにはBlackwell世代のハイエンドであるGeForce RTX 5080を搭載している。4K環境でのゲームプレイに適している。レイトレーシングを思う存分堪能できる。DLSS 4.0を活用すれば高リフレッシュレートも実現しやすい。メモリDDR5-5600 32GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと構成は抜群だ。電源ユニットは850W GOLDを搭載している。マザーボードのチップセットはハイエンドのX870Eだ。50万円を超えるモデルなら当然といえそうだ。
arkhive Gaming Custom GC-A9G58R(Ark)
価格:689,800円(送料込)
CPU:Ryzen 9 9950X3D(水冷)
GPU:GeForce RTX 5080
メモリ:DDR5-5600 32GB
ストレージ:SSD 2TB Gen4 NVMe
電源:1000W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中
arkhiveは、arkのゲーミングブランドだ。正直ドスパラなどに比べるとブランド力は弱いが、パソコン工房やマウスコンピューターと同じMCJグループに属している。信頼性は高い。カスタマイズの自由度が高いのも特徴だ。Ryzen 9 9950X3Dを含めて入荷待ちのパーツも多い。すぐに手に入れたいなら変更するしかない。Ryzen 9 9950X3D×GeForce RTX 5080搭載のハイエンドモデルだ。CPUクーラーは360mmラジエーター搭載の水冷タイプだ。メモリDDR5-5600 32GB・SSD 2TB Gen4 NVMeと構成もずば抜けている。電源ユニットはAntec製1000W GOLDだ。PCケースは高級感のある「Fractal Design Torrent Black TG Light Tint ATX」だ。デザイン性が高くゲーマーから人気がある。マザーボードはASRock X670E STeel Legendsだ。無線LAN対応で実用性も高い。
GALLERIA UE9R-R59(ドスパラ)
価格:1,099,980円+送料3,300円
CPU:Ryzen 9 9950X3D
GPU:GeForce RTX 5090
メモリ:DDR5-5600 64GB
ストレージ:SSD 2TB Gen5 NVMe
電源:1200W 80PLUS PLATINUM
コスパ:調査中
100万円を超える最高級のゲーミングPCだ。PCケースはガレリアブランドの最新フルタワーケース(E-ATX)を採用している。前面4基のファンがかっこいい。幅235mm×奥行628mm×高さ593mmとかなり大きい。ガレリアのミドルタワーは幅220mm×奥行440mm×高さ480mmとなっている。GPUにはハイエンドのGeForce RTX 5090を搭載している。Ryzen 9 9950X3Dとの組み合わせに最適だ。ゲームプレイではなくクリエイティブ作業で本領発揮となる。メモリDDR5-5600 64GB・SSD 2TB Gen5 NVMeと構成も圧倒的だ。Gen5接続のSSD搭載はまだまだ珍しい。電源ユニットは1200W PLATINUMを搭載している。価格からすれば当然だが完成度の高い一台に仕上がっている。納期は10日での出荷となっている。
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