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GeForce RTX 2060 SUPERの性能比較&ベンチマーク検証を行った。初めてGeForce RTX 20シリーズが発売されてから1年近くが経過した。AMDからRadeon RX 5700/ Radeon 5700 XTが発売されることが決まり、今回対抗モデルとしてRTX 2060 SUPERが発売される流れになった。
RTX 2060ではレイトレーシングやDLSSを活かすには力不足だった。後発に当たるこのRTX 2060 SUPERでは、CUDAコアのアップやGPUメモリ容量の引き上げでゲーミング性能の引き上げに成功している。ただし、搭載モデルとなると上位のGeForce RTX 2070 SUPERと下位のGeForce GTX 1660 SUPERに挟まれてかなり難しい立場にいる。すでに後継モデルである「GeForce RTX 3060」がリリースされている。レイトレーシングも第2世代になって適正が向上した。ゲーミング性能的にはRTX 2070と同等だ。
- (+)RTX 2070に近いゲーミング性能を持つ
- (+)メモリ容量が6GB→8GBにアップした
- (-)RTX 2060と比べて価格が$349→$399と高くなった
- (-)RTX 2070 SUPERの存在で表に出にくい
当ページの目次
GeForce RTX 2060 SUPERの基本スペック比較
RTX 2060 SUPER | RTX 2070 | RTX 2070 SUPER | RTX 2060 | |
---|---|---|---|---|
コードネーム | Turing | Turing | Turing | Turing |
プロセス | 12nm | 12nm | 12nm | 12nm |
GPU | TU106 | TU106 | TU104 | TU106 |
ダイサイズ | 445m㎡ | 445m㎡ | 545m㎡ | 445m㎡ |
トランジスタ数 | 108億 | 108億 | 136億 | 108億 |
SM数 | 34 | 36 | 40 | 30 |
CUDAコア | 2176 | 2304 | 2560 | 1920 |
RTコア数 | 34基 | 36基 | 40基 | 30基 |
Tensorコア数 | 272基 | 288基 | 320基 | 240基 |
ベースクロック | 1470MHz | 1410 MHz | 1605MHz | 1365MHz |
ブーストクロック | 1650MHz | 1620 MHz | 1770MHz | 1680MHz |
GPUメモリ | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 | 6GB GDDR6 |
メモリクロック | 14.0 Gbps | 14.0 Gbps | 14.0 Gbps | 14.0 Gbps |
メモリバス | 256 bit | 256 bit | 256 bit | 192 bit |
メモリ帯域幅 | 448.0 GB/s | 448.0 GB/s | 448 GB/s | 336.0 GB/s |
バスインターフェース | PCIe 3.0 x16 | PCIe 3.0 x16 | PCIe 3.0 x16 | PCIe 3.0 x16 |
TDP | 175W | 175W | 215W | 160W |
MSRP | $399 | $399 | $499 | $349 |
中古価格 | 24,980円~ | 26,980円~ | 29,980円~ | 23,980円~ |
発売日 | 2019/07/09 | 2018/10/17 | 2019/07/09 | 2019/01/15 |
GeForce RTX 2060 SUPERのスペックについてGeForce RT 2060・GeForce RTX 2070・GeForce RTX 2070 SUPERと比較しながら見ていく。気になるのはやはりGeForce RTX 2060と比べてどれだけパフォーマンスが伸びたのか、そしてGeForce RTX 2070との性能差はどれくらいなのかだろう。
GeForce RTX 2060 SUPERのスペック解説
RTX 2060と比べてCUDAコアは13%アップ
RTX 2060 SUPERは、RTX 2060と同じGPUであるTU106を採用している。RTX 2060 SUPERではSM数が30→34へと増えた結果、RTX 2060と比べてCUDAコアが13%増えて2176となった。TU106のフルスペックバージョンがRTX 2070となる。全部で36基の内2基を無効化してRTX 2070との差別化を測っている。ベースクロックはRTX 2060よりも7%高いが、ブーストクロックは1%低い。これぐらいの差であればCUDAコアアップや次に紹介しているメモリ回りの強化でカバーできる。
メモリ周りを大幅に強化している
RTX 2060 SUPERは、従来モデルのRTX 2060からメモリ容量が6GBから8GBへとアップしている。今回新しく登場するSUPERシリーズの中でも最も変わったグラフィックボードだと言える。TiやSUPERなどの後継モデルではCUDAコアやクロック周波数が変わることはあるが、メモリ周りが強化されることは珍しい。
メモリ周りは上位のRTX 2070と同等だ。RTX 2060と比べてメモリバスが192bit→256bitへと強化され、メモリ帯域幅も336.0 GB/s→448.0 GB/sへと高速化されている。CUDAコア及びベースクロックの引き上げもあってゲームプレイ時の安定感が増しフレームレートにも良い影響を与えてくれる。
GeForce RTX 2060 SUPERの最新評価【2024年】
スコア20,000弱とミドルクラスとして十分な性能を持つ
GeForce RTX 2060 SUPERは、GeForce RTX 2070の性能に一歩近づいたと言える。性能差は2%-3%程度と僅差だ。従来モデルのGeForce RTX 2060と比較しても10%強性能がアップしている。スペックの考えると妥当な水準だ。レイトレーシングやDLSSの性能も引き上げられているが、上位モデルと比べると物足りなさがある。レイトレーシングがメインならGeForce RTX 2080以上のモデルを選択しよう。
AMDのRadeon RX 5600 XTと比べても性能が高くしっかり対抗モデルとしての役割を果たしている。フルHD環境で高リフレッシュレートを実現できるポテンシャルを持っている。GeForce GTX 1660 SUPERとは一線を画する性能を有する。GeForce GTX 1660 SUPERではやや心許ないと感じるゲーマーの方は必見だ。次世代モデルで言えばRadeon RX 6600やGeForce RTX 3060に近いゲーミング性能を持つ。2024年時点でもミドルクラスとして十分なパフォーマンスを発揮してくれる。
コストパフォーマンスは良好
製品名 | ゲーム性能 | VRAM | TDP | 価格 | コスパ | 発売日 |
---|---|---|---|---|---|---|
RTX 4060 | 22,620 | 8GB | 115W | 39,780 | 0.569 | 2023/06/29 |
RTX 2070 SUPER | 22,276 | 8GB | 215W | 24,980 | 0.892 | 2019/07/09 |
RX 6600 XT | 21,147 | 8GB | 160W | 26,980 | 0.784 | 2021/08/10 |
RTX 3060 | 20,591 | 12GB | 170W | 33,980 | 0.606 | 2021/02/26 |
RTX 2070 | 20,387 | 8GB | 175W | 23,980 | 0.850 | 2018/10/18 |
RTX 2060 SUPER | 19,989 | 8GB | 175W | 22,980 | 0.870 | 2019/07/09 |
GTX 1080 | 19,650 | 8GB | 180W | 16,980 | 1.157 | 2016/05/27 |
GTX 1070 Ti | 19,119 | 8GB | 180W | 14,980 | 1.276 | 2017/11/02 |
RTX 2060 | 18,150 | 6GB | 160W | 15,980 | 1.136 | 2019/01/07 |
RX 6600 | 17,900 | 8GB | 132W | 22,980 | 0.779 | 2021/10/13 |
GTX 980 Ti | 16,819 | 6GB | 250W | 11,980 | 1.404 | 2015/06/01 |
GTX 1070 | 16,442 | 8GB | 150W | 11,980 | 1.372 | 2016/07/10 |
RTX 3050 | 14,734 | 8GB | 130W | 24,980 | 0.590 | 2022/01/27 |
GeForce RTX 2060 SUPERの中古価格は22,980円~だ。Turing世代のグラフィックボードとしては比較的価格が抑えられている。同じGeForce RTX 20シリーズではGeForce RTX 2070 SUPERとGeForce RTX 2060が上だが、価格差があるため必要とする性能で選んでよさそうだ。一世代前のPascal世代だとGeForce GTX 1070 TiやGeForce GTX 1070のコストパフォーマンスが高い。
レイトレーシング・DLSSといった機能を重視しないなら魅力的だろう。同様にレイトレーシング性能を重視しないのであればRadeon RX 6600も魅力的なモデルとなる。世代が古い方がコストパフォーマンスは高くなるが、消費電力が高くなったり故障リスクが上がったりとデメリットもある。例えばGeForce GTX 980 Tiはコスパ指標が1.404とずば抜けているが、TDPが250Wと高い。世代が古いと省電力性が犠牲になってしまう。
GeForce RTX 2060 SUPERの特徴&注意点【発売時点】
売れ筋だったRTX 2070に近い性能を持っている
RTX 2060 SUPERは、CUDAコア・ベースクロック・メモリ容量がアップしたことで性能が高くなった。かつての売れ筋だったRTX 2070に近い性能を持っている。RTX 2060は、RTX 20シリーズの中で最も廉価なモデルで下位のGTX 1660 Tiとの差が少なかった。性能面では差別化が不十分だったと言える。
また、レイトレーシングやDLSSを体感するにはやや性能が物足りなく感じる場面もあり悪く言えば中途半端だった。もちろん価格を考えれば順当でコストパフォーマンスが低いわけではない。それでも今回RTX 2070に性能が近づいたことでGTX 1660 Tiとの差別化を図るのに成功したと言える。そういう意味では管理人である私はRTX 2060 SUPERに対して高い期待を持っていた。
なぜなら、BTOパソコンで最も売れ筋のグラフィックボードだったRTX 2070に近い性能を持っているからだ。RTX 2060 SUPERは、RTX 2070に近い性能をRTX 2070よりも安い価格で手に入れることができる。つまり、ゲーミングPCにおいてもRTX 2070搭載モデルも安く同等の性能を手に入れられることになるはずだ。RTX 2060 SUPER搭載のゲーミングPCへの期待値は高い。
ゲーミングPCに搭載されるとやはり立場が難しい
ブランド | GALLERIA | GALLERIA | GALLERIA |
---|---|---|---|
イメージ | |||
製品名 | XA7C-G60S | XA7C-R60S | XA7C-R70S |
価格 | 129,980円 | 159,980円 | 169,980円 |
CPU | Core i7-10700 | Core i7-10700 | Core i7-10700 |
GPU | GTX 1660 SUPER | RTX 2060 SUPER | RTX 2070 SUPER |
メモリ | DDR4 16GB | DDR4 16GB | DDR4 16GB |
SSD | 512GB | 512GB | 512GB |
HDD | ✕ | ✕ | ✕ |
ゲーミング性能が大きく向上して高リフレッシュレートでのゲームプレイや高解像度でのゲームプレイに対応することができる。RTX 2060 SUPERは、RTX 2070 SUPERの存在によって立場があまりないのが現状だ。ドスパラを始めとしてRTX 2070 SUPER搭載モデルに力を入れる傾向が強くここからキャンペーンが適用される可能性が高い。
その結果余計にRTX 2060 SUPER搭載モデルの立場がなくなってしまうのだ。また、価格を抑えたいのであればRTX 2060 SUPER搭載モデルではなく30,000円も安いGTX 1660 SUPER搭載モデルを選択した方が好ましいだろう。同様にGTX 1660 SUPER搭載モデルもキャンペーンの対象となりやすい。RTX 2060 SUPER搭載モデルの価格が調整されるまでは待つのがよさそうだ。
GeForce RTX 2060 SUPERのベンチマーク一覧
Far Cry 5
RTX 2070 Super | |
RTX 2070 | |
RTX 2060 Super | |
RTX 2060 | |
GTX 1660 Ti |
Fortnite Season 9
RTX 2070 Super | |
RTX 2070 | |
RTX 2060 Super | |
RTX 2060 | |
GTX 1660 Ti |
Hitman 2
RTX 2070 Super | |
RTX 2070 | |
RTX 2060 Super | |
RTX 2060 | |
GTX 1660 Ti |
Shadow of the Tomb Raider
RTX 2070 Super | |
RTX 2070 | |
RTX 2060 Super | |
RTX 2060 | |
GTX 1660 Ti |
GeForce RTX 2060 SUPER搭載おすすめBTOパソコン
GALLERIA RM5C-R60S(ドスパラ)
CPU:Core i5-10400
GPU:GeForce RTX 2060 SUPER
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:650W BRONZE
意外とRTX 2060 SUPERのよさを出せているのがこの「GALLERIA RM5C-R60S」だ。CPUにCore i5-10400を搭載したことでうまく価格が抑えられている。差別化がやや難しかったGTX 1660Tiとの差別化が行えた形だ。第10世代になって6コア12スレッドとパフォーマンスが大きく向上している。RTX 2060 SUPERとの相性も上々だ。税抜13万円台なら選ぶメリットがある。メモリ16GB、SSD 512GB NVMe対応と構成が充実している。
GALLERIA XA7C-R60S(ドスパラ)
CPU:Core i7-10700
GPU:GeForce RTX 2060 SUPER
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:650W BRONZE
CPUにCore i7-10700を搭載したゲーミングPCだ。やはりCore i7を持ってくると価格が跳ね上がってしまう。「GALLERIA RM5C-R60S」と比べて+20,000円アップだ。RTX 2060 SUPERのよさをやや活かしにくい。税抜15万円台まで来るとRTX 2070 SUPER搭載モデルを勧めたいのが本音だ。ただし、コストパフォーマンスが低いわけではないので価格に納得できるのであれば選択肢に入れてもよいだろう。
LEVEL-R049-LCiX7K-RWXH-αD(パソコン工房)
CPU:Core i7-10700K
GPU:GeForce RTX 2060 SUPER
メモリ:DDR4 16GB
SSD:500GB NVMe対応
HDD:2TB
電源:700W BRONZE
Core i7-10700Kを搭載して振り切った形のゲーミングPCだ。RTX 2060 SUPERにCore i7-10700Kを合わせてゲーム+αで通用するモデルに仕上がっている。メモリ16GB、SSD 500GB、HDD 2TBと構成も優秀だ。最近では少なくなってきたダブルストレージを採用していて使い勝手がよい。基本的にはカスタマイズを考えなくても扱いやすい。
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ゲームPC選び方 | セール情報 | 安いゲームPC |
ゲーム推奨 | BTOショップ比較 | グラボ比較表 |
ベンチマークテスト環境
CPU | Intel Core i7-8700K |
---|---|
メモリ | 2x8GB G.Skill TridentZ RGB DDR4-3200 |
ストレージ | Samsung 970 Evo 1TB Samsung 860 Evo 4TB |
電源ユニット | EVGA SuperNova P2 1000W |
マザーボード | Gigabyte Z370 Aorus Gaming 7 |